大人気ミニバン トヨタ アルファード/ヴェルファイアのレクサス版、レクサス LM(LEXUS LM)。日本での導入を望む声がありましたが、2023年についに日本発売となりました。
レクサスLMは2023年4月に2代目へとフルモデルチェンジ。さらに高級感と存在感を増して登場しました。この記事では高級ミニバンの帝王とも呼べるレクサスLMについて詳しく解説していきます。
2023年4月18日、レクサスは上海モーターショーで新型LMを世界初公開し、日本市場には同年秋に導入されました。新型LMは「ラグジュアリームーバー」のコンセプトを体現し、高級感あふれるデザインと最先端の技術が特徴です。

車の概要:レクサス LMとは?
初代レクサスLM
レクサスLMは、トヨタ自動車が展開する高級車ブランド レクサス唯一の高級ミニバンでありフラッグシップMPVです。レクサスLMの車名の意味はラグジュアリームーバー(Luxury Mover)。初代LMは2019年に世界初お披露目されました。トヨタのミニバン アルファード/ヴェルファイアとプラットフォームを共有していましたが、レクサス車として開発され、機能、品質ともに高級車として別格のモデルに仕上げていました。初代レクサスLMは中国、香港、台湾、インドネシア、インドなどアジア向けに販売されていました。
2代目レクサスLM
2代目となる新型レクサスLMは、2023年4月18日の上海モーターショーでワールドプレミア。合わせて日本市場への導入が発表されました。全面刷新された新型LMは、さらに豪華に進化し、2.4Lターボハイブリッドパワートレインを搭載し、ラグジュアリーな4席仕様の”EXECUTIVE”も登場。

レクサスLMのエクステリアデザイン
新型レクサスLMのエクステリアは、レクサスのフラッグシップMPVに相応しい圧倒的な存在感と上品な佇まいを併せ持つデザインとなっています。レクサスが目指す次世代デザインの精髄を表現し、機能的本質や動的性能に根差したプロポーションと独自性が追求されています。またレクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルが進化した「スピンドルボディ」を採用しています。
フロントビューは、LEXUSのアイデンティティであるスピンドルボディを進化させたものです。この部分では、グリルの強いスピンドル形状に外板色を使用し、シームレスな表現を実現しています。ヘッドランプとサテンメッキを使用したアッパー部分は、モダンで力強いフロントフェイスを形成しています。また、フロントグリル、フード、ヘッドランプ、バンパーの境界の段差を減らすことで、走行時の空気の流れをスムーズにし、空力性能や冷却性能を向上させ、操縦安定性にも寄与しています。
フルLEDヘッドランプは、グリル上部のスリットからサイドまで連続するラインでスピンドルボディを強調し、外向きのL字シグネチャーを上段に配置。これにより、シャープな表情を表現しつつ視認性を高めています。ランプユニットは、ロービーム用の外側2灯とAHS機能を持つ内側1灯の3眼LEDユニットを採用しており、高い配光性能と意匠性を両立しています。

サイドビューでは、ボディ全体のダイナミックな抑揚とルーフ、ガラスエリア、ロッカー周りの安定感を感じる水平基調が融合しています。シャープなエッジと大胆な造形による陰影のコントラストは、サイドビューに豊かな表情をもたらします。フロントピラーとリヤピラーをブラックアウトすることでフローティングルーフを形成し、乗員のプライバシーを守りながら解放感と抜けの良いフォルムを実現しています。また、低く水平なベルトラインは後席に乗車する方の見晴らしにも配慮しています。

リヤビューにおいては、リヤピラーからリヤコンビネーションランプへの流れるようなモーションと、前方へ傾斜したリヤウィンドウが、LM特有の伸びやかなシルエットを強調します。LEXUSロゴを配したガーニッシュやバックドアまで回り込んだリヤフェンダーの深い造形は、リヤビューの立体感と安定感を際立たせています。
フルLEDリヤコンビネーションランプは、次世代LEXUSのアイコンとして「Lシェイプ一文字シグネチャー」を採用しています。このデザインは、車両の水平軸とワイド感を強調する一文字ランプを上部に配置することで、LMの特徴を際立たせます。テールランプは、変化のある太さとグラデーション発光を採用しており、深みと奥行き感のある表情を生み出しています。さらに、ターンランプやバックアップランプはヒドゥンテックの考え方に基づき、造形を崩さずに点滅・点灯時のみ視認できるように設計されています。

ホイールは、19インチと17インチの2種類が用意されています。19インチアルミホイールは、225/55R19 103Hタイヤと鍛造アルミホイール(スパッタリング塗装)の組み合わせで、交差したマルチスポークメッシュの精緻なディテールによりプレミアム感を強調しています。17インチアルミホイールは、225/65R17 102Hタイヤとノイズリダクションアルミホイール(スパッタリング塗装)を採用。マルチスポークデザインに外周にアイキャッチを施すことで存在感を高め、アウターリム部の中空化により気柱共鳴音を低減し、高い静粛性を実現しています。
エクステリアカラーには、ソニッククォーツ、ソニックチタニウム、グラファイトブラックガラスフレーク、ソニックアゲートなどが提供されています。これらのカラーオプションは、LMの洗練されたデザインとエレガントな印象を一層引き立てる役割を果たしています。
レクサスLMのボディサイズは全長5125mm、全幅1890mm、全高1955mm、ホイールベース3000mmとなっています。

レクサスLMのインテリアデザイン
レクサスLMのインテリアデザインは、ラグジュアリームーバーらしく「素に戻れる移動空間」というコンセプトのもとに全面刷新され、全ての乗員が自然体でリラックスできる空間を目指しています。このコンセプトは、人間中心の考え方に基づいており、水平・垂直を基調としたシームレスなデザインテーマで、リビングのようにくつろげる世界観を表現しています。まさに陸のファーストクラス空間となっています。
レクサスのコックピット思想「Tazuna Concept」が採用されたフロント席は、モダンで広がりのある空間を提供し、シンプルなインパネとコンソールにより運転に集中できる環境を実現しています。リア席は6/7座仕様と4座仕様が用意されており、開放感と見晴らしに配慮しながら前後左右に広がりのあるトリムやオーバーヘッドコンソールを配置しています。インテリアカラーはソリスホワイトとブラックの2色で、周辺部にカッパー色のアクセントやグレートーンを随所に配しています。

また、こだわりの加飾が施されています。日本古来より縁起の良い文様とされる「矢羽根」を、モダン柄にアレンジしたヘリンボーン柄杢で再現し、インパネ・フロントコンソール・リヤオーバーヘッドコンソールへ採用されています。
新型LMは、多様なニーズに対応した多彩な装備を備えています。間接照明の採用により、車内の造形や素材の美しさを際立たせ、リラックスできる空間を演出しています。イルミネーションは14色のテーマカラーと50色のカスタムカラーの計64色が用意され、乗員の好みに合わせて色調を選択できます。エアコン、シートポジション、サンシェード、照明を統合制御するリヤクライメートコンシェルジュが導入されており、4種類のプリセットモードとカスタマイズ可能なモードで快適な空間を実現しています。

ショーファードリブンに特化した4人乗り仕様では、フロント席とリヤ席の間にパーティションが設置され、プライバシーと開放感を両立させています。48インチの大型ワイドディスプレイが備えられており、ビジネスミーティングやエンターテイメントに対応できます。リヤ席には専用の独立シートが装備され、オットマンにシートヒーターが採用されています。また、温熱感IRマトリクスセンサーにより、車内の温度を一括コントロールし、快適な環境を保ちます。格納式テーブルはタブレット端末やノートPCを操作できるサイズで、質感の向上や滑り止め・傷つき防止の機能性を持たせた表皮巻きの天板となっています。

デジタル装備
メーターは12.3インチTFT液晶式メーターを採用。3つのマルチインフォメーションディスプレイを備えており、同時に複数の情報を表示できます。これにより、ドライバーは必要な情報を一目で確認できます。メーター表示は3つのレイアウトから選択可能で、ドライバーの好みに合わせたカスタマイズが可能です。また、走行モードに合わせてメーターのデザインが変化し、ドライバーが情報を瞬時に識別できるよう工夫されています。
またカラーヘッドアップディスプレイを採用。ウインドシールドガラスの視野内に運転に必要な情報を投影する機能を持ちます。これにより、ドライバーはメーターへの視線移動を減らし、前方の道路状況に集中しやすくなります。ドライバーが触れているステアリングスイッチの位置を検出し、カラーヘッドアップディスプレイに操作ガイドを表示するタッチトレーサーオペレーション機能も搭載されています。
14インチタッチディスプレイオーディオは、高解像度で鮮明な表示が特徴です。直観的な操作性を提供し、使用頻度の高いヒーターコントロールとオーディオ(パワー/ボリューム)はハードスイッチで操作できます。

レクサスLMの走行性能
新型レクサスLMの走行性能は大きなサイズのミニバンでありながら、パワフルな走りと、レクサスらしい快適な乗り心地を実現しています。
- パワートレイン: 新型LM500hはパワフルな2.4L 直列4気筒ターボエンジンとフロントモーター、高出力のリアモーターの組み合わせで、システム全体で371PSの最高出力を提供します。エンジンの最高出力は275PS、最大トルクは460Nm。0-100km/hの加速は8.2秒と大型のミニバンとしてはかなり速い加速性能を備えています。
- 駆動方式: LM500hは高出力のリアモーターを持つeAxleを搭載したモーター駆動式の四輪駆動システム「DIRECT4」を採用。シーンに応じて前後駆動力配分と前後制御力配分を行います。これにより、都市部での快適な運転から高速道路での力強い走行まで、幅広いシーンに対応します。
- 燃費性能:LM500hは大型ミニバンながら効率の良いハイブリッドパワートレインによって13.5km/Lの燃費を達成しています。
- サスペンションと乗り心地: 新型LMは、LEXUS初の「周波数感応バルブ付きAVS」(アダプティブバリアブルサスペンション)を採用しています。これにより、低周波から高周波までの幅広い領域できめ細かく減衰し、速度に関わらず一貫した上質な乗り心地を実現しています。
- 高剛性ボディ: 開口面積が広いスライドドアを備えたボディでありながら、骨格を強化し、剛性を高めました。それによりスッキリとした乗り味を実現。
- 静粛性: 発生するノイズを小さくし、室内へのノイズの侵入を防ぎ、室内のノイズを吸音して下げる3ステップにより騒音を大幅に低減。森でくつろぐような心地よい静けさの室内空間になっています。
- ハンドリングと安定性: レクサスLMのハンドリングは、バランス良く設計されており、都市部の狭い道路でも安定した操縦性を提供します。また、高速道路での長距離ドライブにおいても、安定性と快適性を維持します。

レクサスLMの安全性能・運転支援
レクサスの先進予防安全技術システム「Lexus Safety System +(レクサスセーフティシステムプラス)」を搭載。プリクラッシュセーフティ(PCS)やレーンディパーチャーアラート(LDA)、ドライバー異常時対応システム、プロアクティブドライビングアシスト(PDA)などの機能が利用できます。
また快適な移動を支える為、一部の高速道路をレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)やレーンとレーシングアシストを活用し、一定の状況下での渋滞でシステムが認知や判断、操作を支援する高度運転支援技術「Lexus Teammate(レクサスチームメイト)」の「 アドバンストドライブ (渋滞時支援)」を搭載。さらに「アドバンストパーク(リモート機能付き)」も採用。
レクサスLMの価格
新型レクサスLMの価格は2000万円です。
日本での導入は現時点では4人乗り仕様のLM500h “EXECUTIVE”のみとなっています。
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レクサスLMの日本で発売される?
初代レクサスは日本での販売はありませんでしたが、2023年に発表された2代目となる新型レクサスLMは日本でも発売されています。
レクサスLMの発売時期と納期
LEXUSは2023年10月19日に新型LMの国内仕様を発表しました。同日よりレクサスLMは日本での受注を開始。レクサスLMは2023年下旬に発売される予定です。
レクサス車の納期は、生産や工場出荷に遅れが生じており、長引いている状況です。レクサス LMの納期は、公式サイトによると「詳しくは販売店にお問い合わせください」となっており、かなり時間がかかると想定されます。
レクサス LMの試乗車予約について、2023年12月時点で試乗車の用意は2024年1月を予定しているとのことです。

レクサスLMの辛口評価
レクサスLMをあえて辛口で評価するとボディサイズと価格が焦点になるでしょう。
5125x1890x1955という巨大なサイズは取り回しが厄介で駐車スペースを選ぶ存在です。このサイズを許容できる顧客層は少し限られるでしょう。
特に最大のネックとなるのが2000万円という価格帯です。アルファード、ヴェルファイアが圧倒的な人気を誇る中、2倍以上の価格はかなり顧客層を選びます。
レクサスLMのライバル車
レクサスLMのライバル車として以下のモデルが挙げられます。
トヨタ アルファード/ヴェルファイア
メルセデス・ベンツ Vクラス
ボルボ EM90
日産 エルグランド
日産のフラッグシップミニバンであり、広い室内空間と快適な乗り心地が魅力の車種です。エクステリアは、堂々とした存在感のあるデザインが特徴です。インテリアは、上質な素材が使用され、ゆったりとくつろげる空間が広がっています。モデル末期の為、フルモデルチェンジが待たれる。価格は404万円から。
ホンダ オデッセイ
デンツァ D9
デンツァD9は、先進的な電動ミニバンです。デンツァ(DENZA)とは中国のBYDとドイツのメルセデス・ベンツのEV合弁会社です。高級感あふれるインテリアと静かで力強い電動パワートレインが魅力。環境への配慮と快適性を両立させた設計。ジャパンモビリティショー2023に出展して話題となりました。日本での発売や価格は未定。

レクサスLMとトヨタアルファード/ヴェルファイアの違い
プラットフォームを共用するレクサスLMとトヨタのアルファード、ヴェルファイアとの比較について、共通点と異なる点を紹介します。
共通点
- プラットフォーム:LM、アルファード、ヴェルファイアはトヨタの最新プラットフォームであるTNGAのGA-Kプラットフォームをベースとして採用し、ホイールベースは共通で3000mmです。ただしそれぞれ専用設計部分もあります。
デザイン
- 外観:アルファードは逆台形のフロントグリルを採用しており、堂々たるプレステージを感じさせます。一方、LMはレクサス特有のスピンドル形状を強調したスピンドルボディ。また、ボディサイドに関して、アルファードはショルダーラインに抑揚を持たせ、Bピラーに特徴的なデザインを採用していますが、LMのショルダーラインはより大人しい水平基調でまとめられています。
ボディサイズ
パワートレイン
- アルファード:2.5リッター直4ハイブリッドシステム(最高出力250PS)、2.5リッター直4ガソリン(190PS)、スポーティなヴェルファイアは2.5リッター直4ハイブリッドシステム(250PS)に加え、2.4リッターガソリンターボ(279PS)をラインナップ。
- LM:最新の2.4リッター直4ターボハイブリッドeAxleを搭載。最高出力は275PS、最大トルクは460Nm。
内装
価格
- アルファードの最高価格モデル(エグゼクティブラウンジのHV)が872万円なのに対し、レクサスLMはその約2.3倍の2000万円。

まとめ
2代目からは、ついに日本導入となったレクサスLM。中国を中心に人気を博していた高級ミニバンとあって日本でも期待が高まります。中国では、その圧倒的な存在感と豪華さで、富裕層からの強い支持を得ています。中古車市場では、新車価格を大幅に上回る価格が付いていることからも、その人気の高さが窺えます。
特に日本ではトヨタ アルファード、ヴェルファイアも非常に人気で、2倍以上のレクサスLMの価格帯がどのように受け入れられるかが気になるところです。
ただ、最高級の移動空間を求める富裕層にとっては、最適のミニバンになるでしょう。
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