三菱自動車工業はピックアップトラックの新型トライトンの日本での販売を復活すると発表しました。これは12年ぶりの日本導入となります。導入されるのは、2023年7月にワールドプレミアされた3代目となる新型トライトン。2024年2月に日本で発売されるトライトンについて詳しく解説していきます。

車の概要:三菱 トライトンとは?
トライトンとは三菱自動車工業の1トンピックアップトラックです。製造国はタイで、世界へ展開する世界戦略車となっています。トライトンの歴史も含めトライトンとは何か解説していきます。
三菱トライトンの歴史
初代トライトン(KB9T型)は、2005年に三菱の新しいピックアップトラックとして登場。タイで製造され、世界各国に輸出されました。このモデルは、2人または5人乗りのボディタイプ、エンジンはガソリンとディーゼルを採用。オフロード性能と舗装路での快適な走行性能を両立させました。
2014年に発表された2代目トライトンは、初代の基本的な走行性能を維持しつつ、乗用車並みの快適性を追求したモデル。エンジンラインアップには、2.5Lディーゼルターボエンジンと2.4Lガソリンエンジン、さらにクリーンディーゼルも追加されました。ただし、このモデルの日本への導入は見送られました。
これまでのトライトンの歴史を振り返ると、2005年に登場した初代モデル以来、約45年間で5世代に渡り、世界150カ国で約560万台を販売してきたことがわかります。
新型トライトンの進化
3代目となる新型トライトンは2023年7月26日にタイ バンコクで世界初披露されました。9年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型モデルは「Power for Adventure」という商品コンセプトで開発。内外装デザイン、パワートレイン、シャシー、ラダーフレームなど一新した車となりました。そして2023年12月、三菱は来年2月に新型トライトンを日本発売すると発表しました。

三菱のピックアップトラックは、トライトンのルーツとなる三菱フォルテから数えると、45年間で約570万台を販売してきました。そして世界約150カ国で販売をしてきました。新型トライトンは、三菱が長年にわたり培ってきたピックアップトラックのノウハウを結集して開発されました。12年ぶりに日本市場に再導入される新型トライトンは、三菱が新型の完成度に大きな自信を持っていることを示しています。
開発者の話によれば、新型トライトンは全面的に進化しており、20年前のトラックと比較しても別物と言えるほど乗り心地が向上しています。フレーム構造の全面見直しにより、従来のピックアップトラックにありがちな遅延反応や後席の乗り心地の悪さを克服し、乗用車感覚で運転できるとのことです。
これらの進化により、日本市場ではまだニッチな存在のピックアップトラックが受け入れられる可能性を感じさせます。
三菱 トライトンのエクステリアデザイン
新型三菱トライトンのエクステリアデザインは、「BEAST MODE」(勇猛果敢)というデザインコンセプトに基づいています。 これはピックアップトラックに求められるタフさや力強さに加え、三菱自動車らしい堅牢さを持ちながら俊敏さも併せ持つ堂々とした佇まいを表現しています。一目で印象に残る圧倒的な存在感を放つピックアップトラックのデザインについて詳細を見ていきましょう。
フロントデザイン
フロントデザインコンセプトは「ダイナミックシールド」。パワフルなパフォーマンスや人とクルマを守る安心感を表現しています。力強く立体的なフロントグリルとフェンダーが特徴で、プロテクターがその造形を強調しています。また、3連のL字型LEDランプを配したデイタイムランニングランプと、その下に配された立体的な3眼プロジェクター式ヘッドライトが組み合わされています。

サイドデザイン
サイドビューでは、目立つフェンダーフレアがトラックの筋肉質な外観を強調し、黒いアルミホイールがその力強いな外観を補完しています。このようなデザインは、トライトンの力強さと動きやすさを象徴しており、機能美としてのピックアップトラックの特性を際立たせています。
リアデザイン
リアデザインには、T字型のテールライトと微妙なテールゲートスポイラーが取り入れられており、これにより空力性能が向上しています。三菱によると、テールゲートには改良されたダンパーシステムが取り付けられており、荷台へのアクセスが容易になっています。キャビン形状やリアスポイラーはエアロダイナミクスを向上させるデザインになっています。

ボディカラー
カラーオプションにも注目が集まります。特にヤマブキオレンジメタリックは、個性を鮮烈に際立たせるカラーで、この色は有料オプションとして提供されています。他にもブレイドシルバーメタリックを新たに採用。高品質なベーシックカラーとしてホワイトダイヤモンド、ホワイトソリッド、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインナップ。

ボディサイズ
ボディサイズは全長5,320mm(5,360mm)、全幅1,865(1,930mm)mm、全高1,795mm(1,815mm)で、ホイールベースは3,130mmとなっており、以前のモデルよりも一回り大型化しています。
三菱 トライトンのインテリアデザイン
新型三菱トライトンのインテリアデザインは、機能性と快適性を高いレベルで融合させた点が特徴的です。
プロフェッショナルな内装空間
「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル アクシス)」コンセプトを進化させた、水平基調のインストルメントパネルを採用し、ドライバーが車両のスタンスを直感的に理解しやすく、安定した姿勢を取りやすいように配慮されています。これはプロフェッショナルなドライバーも満足させるレベルを目指したつくりです。
プロフェッショナルユースを意識した乗員を保護するためのソフトパットを各所に採用し、実用性を確保しながら幾何学的な造形とメタリックを多用したハイコントラストでモダンな空間になっています。

広々とした室内と上質な素材
トライトンの室内は、乗る人一人ひとりがゆったりとくつろげる広さが確保されています。シート素材には、GSRグレードではオレンジステッチ付のレザー、GLSグレードではファブリックといった上質な素材が採用されており、フロントシートもリアシートも体をしっかりと支える設計になっています。これにより、オフロード走行でも安心して楽しむことができます。ステアリングホイール、グリップ、ドアハンドル類は握り心地や逞しさを追求するなど「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づいてデザイン。
先進のインフォテイメントシステム
インフォテイメントシステムにも注目です。新型トライトンは、9インチのオーディオディスプレイと、インストルメントクラスターに組み込まれた7インチのLCD情報ディスプレイを標準装備しています。これにより、Wireless Apple CarPlayやBluetooth機能など、豊富な接続オプションが用意されています。

三菱 トライトンの走行性能
新型三菱トライトンのはSUV並みの快適性とピックアップトラックならではの堅牢性や実用性を兼ね備えたモデルです。新開発のラダーフレームに新開発のクリーンディーゼルエンジンを搭載した三菱の本気度が現れている走行性能が魅力的。
パワートレインとトランスミッション
新型トライトンには新開発の2.4Lクリーンディーゼルエンジンが搭載されており、このエンジンは204PS(150kW)の最高出力と470Nmの最大トルクを発揮します。回転数と負荷に応じて2つのタービンを協調させ、全回転域で高出力を発揮する2ステージターボシステムを採用しています。このエンジンに6速スポーツモードA/Tのトランスミッションを組み合わせています。

駆動システム
4WDシステムは、世界の道で鍛え上げた三菱自動車独自のスーパーセレクト4WD-II(SS4-II)システムを採用。本格的なクロスカントリーのトラクションと乗用車のハンドリングを両立しています。4WDモードは後輪駆動の「2H」、フルタイム4WDの「4H」、センターディファレンシャル直結の「4HLc」、更によりローギヤの「4LLc」の4種類が選択可能。
新開発ラダーフレーム
新型トライトンは、強固なはしご型で悪路に強い新開発のラダーフレームを採用しています。過酷な地形にも耐える頑強な骨格構造は、走行安定性や乗り心地の向上、低振動・低騒音化にも貢献しています。
アクティブヨーコントロール(AYC)
新型トライトンには、新たにアクティブヨーコントロール(AYC)が搭載されています。これは左右の輪間で駆動力と制動力を最適に制御し、滑りやすい路面でも高い旋回性能と走行安定性を実現するシステムです 。
三菱 トライトンの安全性能・運転支援
衝突被害軽減ブレーキシステムをはじめとする、先進の運転支援機能「三菱e-Assist」を。搭載。以下の9つの機能を搭載しました。
- 衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]
- レーダークルーズコントロールシステム[ACC]
- 踏み間違い防止アシスト[EAPM]
- 車線逸脱警報システム[LDW]& 車線逸脱防止支援機能[LDP]
- 後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)[BSW / LCA]
- 後退時交差車両検知警報システム[RCTA]
- オートマチックハイビーム[AHB]
- 標識認識システム[TSR]
- ふらつき警報[DAA]

三菱 トライトンの価格
新型トライトンの価格は498万円から540万円です。
グレードごとの価格表は以下の通りです。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
GLS | 2.4L DOHC16バルブ 4気筒コモンレール式DI-Dインタークーラー付ターボチャージャー | 6速スポーツモードA/T | スーパーセレクト4WD-II | 4,980,800円 |
GSR | 5,401,000円 |
三菱 トライトンの発売時期
新型トライトンの日本での発売日は2024年2月15日です。
ちなみに、タイでは2023年7月に発売されました。
三菱 トライトンの辛口評価
新型トライトンをあえて辛口で評価します。
やはり最大の課題は全長5メートルを超えるサイズでしょう。日本の道路事情や駐車スペースの制約は厳しいでしょう。
またピックアップトラック自体が日本では馴染みが薄く、海外と比べてニーズも小さい為、どこまで販売を伸ばせるか気になるところです。
さらに競合のトヨタ ハイラックスは知名度や長年の信頼もある為、かなり手強い相手になるでしょう。
三菱 トライトンのライバル車
三菱トライトンのライバル車としては、日本で販売されている以下のピックアップトラックが該当します。
トヨタ ハイラックス
ハイラックスは、トヨタの人気ピックアップトラックです。1968年に初代が発売されて以来、世界中で愛され続けているモデルです。ハイラックスは、高い走破性を備えたピックアップトラックです。悪路走行に適したサスペンションや、4WDシステムを採用しています。トヨタの信頼性と機能性、デザインが人気のモデルです。
ジープ グラディエーター
グラディエーターは、ジープブランドのミドルサイズピックアップトラック。初代は1962年に登場。2018年に2代目となるモデルが登場。車名のグラディエーターとは古代ローマの剣闘士という意味。グラディエーターの特徴は、本格的なオフロード性能です。4WDシステムに加えて、リアデフロックやロックモードなど、オフロード走行に必要な機能を備えています。また、ジープらしい力強いデザインも魅力です。

まとめ
新型三菱トライトンの日本再発売は、日本のピックアップトラック市場にとって大きな出来事です。トヨタ ハイラックスくらいしか主な選択肢が無かった中で、トライトンの登場により市場が盛り上がるのか注目です。
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