新型メルセデス・ベンツ Vクラス/EQV:2024年1月に高級ミニバンビッグマイナーチェンジ版欧州で発売

メルセデス・ベンツはビッグマイナーチェンジした高級ミニバンの改良新型メルセデス・ベンツ Vクラス(Mercedes-Benz V-Class)やEVバンのメルセデス・ベンツ EQV(Mercedes-Benz EQV)などバンシリーズを欧州で2024年1月から発売しました。新しいデザインやインテリジェントなコネクティビティ、先進運転支援システムなど、大幅に洗練された新型Vクラスなどについて徹底解説します。

車の概要:メルセデス・ベンツVクラスとは

メルセデス・ベンツVクラスは、ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツグループによって製造されるミニバン型の乗用車です。メルセデス・ベンツのラインナップにおいて、唯一の1ボックスタイプのミニバンであり、6名または7名の乗車定員を有しています。基本的には二輪駆動(FFまたはFR)ですが、四輪駆動もオプションで選択可能です。また、2020年には電気自動車モデルのメルセデス・ベンツ EQVもラインナップに加わりました。またキャンピングカー仕様の「Vクラス マルコポーロ(V-Class Marco Polo)」も販売されています。

商用車タイプのメルセデスベンツ ヴィトー(Vito)や電気自動車のイーヴィトー(eVito)もラインナップしており、ヨーロッパでは警察車両や救急車、配達用車両などとしても広く使用されています​​。

初代Vクラスは、メルセデス・ベンツの商用車「Vito」の乗用バージョンとして発売されました。
2代目VクラスはVクラスではなく「ビアノ(Viano)」として2003年から販売されました。2006年にビアノからVクラスに名称を戻しました​​。

現行の3代目Vクラスは2014年1月に発表されました。2015年10月10日に日本仕様車のフルモデルチェンジが発売され、2.2リットル直列4気筒ブルーテックエンジンが導入され、7速AT「7G-TRONIC PLUS」が採用されました​​。

そして2023年7月に3代目Vクラスのマイナーチェンジが発表され、2024年1月より欧州で販売開始されます。

メルセデス・ベンツVクラスのエクステリアデザイン

新型Vクラスのエクステリアデザインは、存在感を増しつつ洗練されたデザインへアップデートされました。メルセデス・ベンツの新しいデザイン言語が採用され、特にそれぞれのモデルでフロント部分の刷新が目を引きます。新しいフロントデザインでは、グリルとバンパーが特徴的で、目立つ顔になっています。新たなフロントヘッドライトはエレガントなアダプティブマルチビームLEDヘッドライト。最上級のVクラス EXCLUSIVEには、ボンネットにマウントされたメルセデスのスリーポインテッドスターを初めて装備しています。

リアデザインにおいても、新型Vクラスは一新された外観を示しています。新しいバンパーとLEDテールライトが導入され、リアライトの輪郭はダーク化されています。リアゲートには、メルセデスベンツの文字が入った新しいクロームトリムストリップが装着され、洗練された印象を与えます。

ボディサイズは現行モデルで全長が4905mm、全幅1930mm、全高1930mm。

メルセデス・ベンツVクラスのインテリアデザイン

新型Vクラスでは、インテリアにおいても大幅な改良が施されています。注目すべきは、2つの12.3インチのディスプレイを備えたワイドスクリーンコックピットです。これにより、高度なインタラクティブな体験を享受できます。さらに、新しいスタイリッシュなエアベント、静電式ハンズオフ認識機能を備えた次世代のステアリングホイール、そしてワイヤレススマートフォン充電器を備えた新しいセンターコンソールが導入されています。インテリアのデジタル化に加え、高級感も大幅に向上しています​​​​。

さらに、新型EQV、Vクラス、Vクラス マルコポーロには、アンビエント照明が64色で提供され、よりパーソナライズされた快適な雰囲気を作り出すことが可能です。また、夜間運転時のために後部照明も調光可能です。便利なアクセスのため、VクラスとEQVには標準で左側のスライディングドアが装備されています​​​​。

新型メルセデス・ベンツVクラスは、最新のMBUX(Mercedes-Benz User Experience)マルチメディアシステムを搭載しており、運転者と乗員に高度なデジタル体験を提供します。このシステムは、メルセデス・ベンツのアカウントと連携し、日常生活をさらに便利で効率的にする多種多様なデジタルエクストラを提供します。例えば、車両のメンテナンス、事故、故障管理の無料サービスや、Mercedes Meアプリを通じてドアのロックやアンロック、窓の開閉が可能なリモートサービスがあります。その他、ナビゲーション機能やライブトラフィック情報、車対車通信、拡張されたMBUX機能を「Hey Mercedes」ボイスアシスタントで利用でき、レストランやホテルなどの近隣の興味点をオンラインで検索することができます​​。

これらの改良は、新型Vクラスが提供するラグジュアリーな乗車体験に新たな次元を加えています。デジタル機能と快適性の両立により、高級な乗用車としての地位を確立しています。

メルセデス・ベンツVクラスのドライビング性能

新型メルセデス・ベンツVクラスの走行性能に関する詳細は、次の通りです。

  • エンジン: 2.0L直列4気筒ターボディーゼルエンジンを搭載。このエンジンは複数の出力オプションを提供し、120kW(163PS)、140kW(190PS)、174kW(237PS)が選択可能です。トルクは380Nm、440Nm、500Nm(+30Nm)です。
  • 性能: 各エンジンの最高速度は、後輪駆動モデルで193km/hから220km/h、全輪駆動モデルで188km/hから215km/hです。加速性能(0-100km/h)は7.4秒から10.7秒の間です。
  • 燃費: 燃費は8.7 – 6.9 L/100kmの範囲で、CO2排出量は227 – 178 g/kmです​​。
  • トランスミッションと駆動方式: 新型Vクラスには、9G-TRONICオートマチックトランスミッションが採用されており、これにより俊敏かつ快適な走行特性が実現されています。内燃エンジンモデルは標準で後輪駆動が用意され、ディーゼルモデルではオールホイールドライブもオプションとして選択可能です。電気モデルは前輪駆動を採用しています​​。

メルセデス・ベンツVクラスの安全性能・運転支援システム

新型メルセデス・ベンツVクラスは、高度な運転支援技術を多数搭載しており、これにより安全性と運転の快適性が大幅に向上しています。主な機能には、ドライバーの注意力を監視するアテンションアシスト、雨センサー付きのヘッドライトアシスト、DISTRONICアクティブ距離アシスト、交差点機能付きのアクティブブレーキアシスト、ブラインドスポットアシスト、アクティブレーンキーピングアシスト、インテリジェントスピードアシストが含まれます。また、車両の周囲の視界を提供する360度カメラを備えた駐車パッケージと、アダプティブマルチビームLEDヘッドライトも装備されています​​。これらのシステムは、様々な運転環境でドライバーを支援し、より安全な運転体験を提供します。

メルセデス・ベンツVクラスの価格

欧州でのメルセデス・ベンツ新型Vクラスの価格は約923万円からです。

  • Vクラス: 約923万円 (59,469.00ユーロ)
  • EQV MPV: 約1171万円 (75,410.00ユーロ)
  • Vクラス・マルコ・ポーロ: 約1242万円 (80,005.00ユーロ)​​。

これらの価格は2024年1月からの欧州での注文開始時のものです。変動為替レートにより、日本円での価格は変動する可能性があります。

メルセデス・ベンツVクラスの発売時期

新型Vクラスの発売時期は、2024年1月から欧州にて注文が開始されます。

メルセデス・ベンツVクラスは日本で発売される?

現行Vクラスは日本でも販売されており、新型Vクラスも日本で発売されることが想定されます。

ただ、日本での販売可否、日本での発売時期については現時点では未発表です。

新型Vクラスの日本発売が決定次第、このメディアで紹介します。

メルセデス・ベンツVクラスの辛口評価

新型Vクラスをあえて辛口で評価すると、まずは1000万円近い価格が課題でしょう。また燃費性能面でも日本車などには及ばないという面があります。

メルセデス・ベンツVクラスのライバル車

競合モデルとしては以下の車が挙げられます。

トヨタ アルファード/ヴェルファイア

トヨタのフラッグシップミニバンであり、2023年6月に4代目へフルモデルチェンジしました。高級感と快適性を重視するユーザーにおすすめの高級ミニバンの王者とも言える車種です。エクステリアは、エレガントなデザインと上質な内装が特徴です。インテリアは、高級感のある素材が使用され、ゆったりとくつろげる空間が広がっています。アルファードの価格は540万円から、ヴェルファイアの価格は655万円から。

日産 エルグランド

日産のフラッグシップミニバンであり、広い室内空間と快適な乗り心地が魅力の車種です。エクステリアは、堂々とした存在感のあるデザインが特徴です。インテリアは、上質な素材が使用され、ゆったりとくつろげる空間が広がっています。モデル末期の為、フルモデルチェンジが待たれる。価格は404万円から。

ホンダ オデッセイ

ホンダのミニバンのフラッグシップモデルであり、2023年12月にマイナーチェンジを実施。超低床プラットフォームによるスタイリングや走行性能が魅力の車種です。エクステリアは、洗練された低く流れるようなデザインが特徴です。インテリアは、上質な素材が使用され、ゆったりとくつろげる空間が広がっています。また、荷室の容量も広く、荷物の積載にも便利です。価格は480万円から。

レクサス LM

レクサスのフラッグシップミニバンであり、トヨタアルファード/ヴェルファイアの兄弟車。2023年に2代目にフルモデルチェンジし、日本にも初めて導入されました。最高級のミニバンを求めるユーザーにおすすめの車種です。エクステリアは、高級感と存在感のあるデザインが特徴です。インテリアは、最高級の素材が使用され、贅沢な空間が広がっています。価格は2000万円から。

ボルボ EM90

ボルボ初のフル電動ミニバンであり、2023年11月に発表されました。最高級の快適性と安全性を追求した車種です。エクステリアは、ボルボらしいシンプルで洗練されたデザインが特徴です。インテリアは、上質な素材が使用され、ゆったりとくつろげる空間が広がっています。安全装備は、ボルボの最新の安全技術が採用されています。衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシスト、アダプティブクルーズコントロールなど、さまざまな安全機能が標準装備されています。中国での価格は約1720万円から。日本での発売は未発表。

まとめ

ブームになりつつある高級ミニバン市場に、フルモデルチェンジで挑むVクラスやEQV。アルファード/ヴェルファイアやエルグランドよりは高く、レクサスLMやボルボ EM90よりは安い価格帯と、真ん中を取っており、これがちょうどいいのか、中途半端なのかは際どいところかもしれません。ただ根強いメルセデスファン層に取っては最適な高級ミニバンになるでしょう。

Mercedes-Benz 公式プレスリリースはこちら(英語)

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