レクサスは2025年9月9日、コンパクトFRスポーツセダン「IS」の新型モデルを世界初公開しました。新型ISは2026年初頭以降に順次各地域で発売を予定しており、12年ぶりの大刷新となるフルモデルチェンジを果たしています。今回のモデルチェンジでISは第4世代に進化し、「熟成」を開発のキーワードに掲げ、これまで追求してきた「ドライバーがクルマと対話できる気持ちのいい走り」と「アグレッシブでスポーティなデザイン」にさらなる磨きをかけています。

車の概要:レクサス ISとは?
レクサスISは1999年に初代モデルが誕生して以来、四半世紀以上にわたって「クルマを操る楽しさ」を追求し続けてきたコンパクトFRスポーツセダンです。ISの歴史は複雑で、初代モデル(1999-2005年)は日本ではトヨタ「アルテッツァ」として販売されていました。2005年にレクサスブランドが日本に導入されると同時に2代目IS(2005-2013年)が登場し、これが日本初のレクサスISとなりました。2013年には3代目IS(2013-2023年)が登場し、スピンドルグリルを採用した新世代レクサスデザインを纏いました。
今回発表された新型ISは第4世代に当たり、IS300hとIS350の2種類をラインアップしています。初代から数えて26年の歴史を持つISは、グローバルで約40の国と地域において累計約130万台を販売してきた実績があります。レクサスの乗り味の礎となるべく進化を続け、Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする世界各地で走り込みを重ね、レクサスならではの走りの味「Lexus Driving Signature」を追求し続けている、レクサス唯一のコンパクトFRスポーツセダンです。

レクサス ISのエクステリアデザイン
新型レクサスISのエクステリアデザインは、「ISらしいアグレッシブさを突き詰める」というコンセプトのもと、大幅な刷新を図りました。最も印象的な変更点は、低重心かつワイドなスタンスをさらに強調した新たなフロントフェイスです。ブレーキダクトを巧みに取り込み、低く構えたスピンドルグリルにより、ISらしいアグレッシブさとスポーティさをより際立たせたデザインへと進化しています。
ボディカラーについては、新色「ニュートリノグレー」を新たに追加し、計8色のカラーラインアップを用意しました。このニュートリノグレーは、硬質なライトグレーにメタリックを加えることで、スポーティに駆け抜けるような走りの世界観を表現した特別なカラーです。
足回りでは、アルミホイールの意匠を全面的に一新しています。グレード別に以下のような設定となっています:

F SPORTグレード
19インチ軽量アルミホイールを新たに設定し、細軸スポークのタイトなデザインにグロスブラックメタリックを施すことで、優れた運動性能をより際立たせています。さらに、メーカーオプションとしてレクサスロゴ入りのレッドブレーキキャリパーも用意し、スポーティな印象を一層高めています。
F SPORTグレードの最大の特徴は、空力性能を強化した新形状のリヤスポイラーの採用です。これは床下から車両背面へ巻き上がる空気の流れを増加させることで、リヤの揚力を低減し、優れた空力操安性能を実現しています。

version Lグレード
19インチアルミホイールは、従来のシャインシルバーメタリックからダーククリア塗装+切削光輝へと変更されました。グロスブラックをベースに切削光輝処理を施し、スモーククリアを塗布することで、より引き締まった足元を演出しています。
標準グレード
18インチアルミホイールも、従来のシルバーメタリックからダークプレミアムメタリックへと塗装色を変更しています。奥行感とスポークの立体感により、タイト&スポーティなイメージを強調する仕上がりとなっています。
これらの変更により、新型ISは力強く精悍なスタイリングをより際立たせ、コンパクトFRスポーツセダンとしての存在感を一層高めています。
ボディサイズ
新型レクサスISのサイズは以下の通りです。
- 全長:4,720mm
- 全幅:1,840mm
- 全高:1,435mm(FR)/ 1,440mm(AWD)

レクサス ISのインテリアデザイン
新型レクサスISのインテリアデザインは、「コンパクトFRスポーツセダンのコックピットとして最も重要である機能性」を重視し、運転に集中できるデザインとして全面的に刷新されました。人間工学に基づいた機能レイアウトに加え、レクサス独自の「Tazuna Concept」の考え方に基づき、デザインと使いやすさの両立を徹底的に追求しています。

最新マルチメディアシステムの採用
新型ISでは、マルチメディアシステムの大幅な刷新を行い、ドライバー席周辺の表示操作系を一新しました。最も注目すべきは、センターディスプレイを全車種12.3インチタッチパネルディスプレイに統一したことです。搭載位置と角度を工夫することで、センターディスプレイの高さがドライバーの視界を妨げず、走行中でも操作しやすいコックピットを構築しています。
運転席正面のメーターパネルも12.3インチフル液晶メーターに大型化され、視認性がさらに向上しました。シンプルで分かりやすいグラフィックを用いつつ、お客様の多様なニーズに応えられるよう、表示コンテンツの細かなパーソナライズにも対応しています。これにより、ドライバーが視覚的な情報をダイレクトに受け取ることができる運転環境を提供しています。

革新的な素材「Forged bamboo」の採用
新型ISの内装で最も注目される要素の一つが、新規開発のオーナメントパネル「Forged bamboo」の採用です。これは、レクサスがブランドシグネチャーマテリアルとして活用してきた竹材を用いて新たに開発した素材で、コンソール上面とスタートスイッチベゼルに採用されています。材料に織り込まれた竹繊維による唯一無二の特徴的な陰影が、ISの力強い躍動感とスポーティなインテリアを演出します。
この「Forged bamboo」は、2023年のJAPAN MOBILITY SHOWで発表した「Bamboo CMF Concept」の概念に基づき開発された素材の一つで、市販車での採用はISが初となります。レクサスはサスティナブルなクルマづくりの実現を目指し、繰り返しリサイクルをしても物性低下が少なく、サーキュラーエコノミー(循環経済)の上でも貢献が期待できる竹材の持つ可能性に注目しています。

新開発インテリアカラー「PROMINENCE」
F SPORTグレードには、新規開発のインテリアカラー「PROMINENCE(プロミネンス)」を設定しています。太陽を覆う神秘的な紅炎をイメージした彩度の高いカラーが、室内のアグレッシブでスポーティなイメージを演出し、コンパクトFRスポーツセダンらしい情熱的な空間を創り出しています。
室内イルミネーションシステム
新型ISでは、インストルメントパネル中段部に運転時の邪魔にならない水平基調のラインイルミネーションを配置し、そこから漏れる間接光で室内空間を美しく彩っています。照明の色は美しい自然現象などから着想した計14色のテーマカラーに加えて、お好みに合わせて選べる50色のカスタムカラーを設定し、合計64色もの豊富なバリエーションを用意しています。

オーディオシステムと利便性の向上
音響面では、レクサスプレミアムサウンド10スピーカーシステムを全車標準設定とし、さらにマークレビンソン17スピーカーシステムをメーカーオプションで設定しています。包み込まれるような心地良さと深い表現力を目指し、スピーカーの最適配置と音質のチューニングにこだわりました。
利便性の面では、高出力化したUSB端子(Type-C)をセンターコンソール前方に2ヶ所配置し、センターコンソール後端にも充電用にUSB端子(Type-C)を2ヶ所配置することで、使い勝手に配慮しています。また、センターコンソール前方にはワイヤレス充電スペースを配置し、各種スマートフォンに対応できるサイズとしたGen5(充電規格:Qi)を採用することで、現代のユーザーニーズに対応しています。
これらの革新により、新型ISのインテリアは「車室内でも操る楽しさを感じられるモデル」として進化を遂げ、スポーツセダンとしての魅力と最新の快適性を高次元で両立しています。
レクサス ISの走行性能
新型レクサスISは「熟成」を開発のキーワードとし、ドライバーがクルマと対話できる気持ちのいい走りを徹底的に追求しています。今回の走行性能向上は、「ドライバーの意図がクルマに、また、クルマの挙動がドライバーに正確に伝わる”対話”」を念頭に置いた開発により実現されています。
電動パワーステアリング(EPS)の大幅刷新
新型ISでは、電動パワーステアリングシステムに抜本的な改良を施しています。低慣性モーターを採用するとともに、従来のラック同軸式からラック平行ギヤ(バリアブルギヤ)を採用することで、大幅な性能向上を実現しました。
この変更により、よりリニアでスムーズなステアリングフィールを実現し、交差点や連続コーナーでの操舵角を抑制して、より快適な操舵フィールを徹底的に追求しています。コーナーが連続するワインディング路から高速道路でのレーンチェンジに至るまで、様々な場面でのスムーズなハンドリングを楽しむことができるようになっています。
革新的なAVSシステムの導入
サスペンション面では、リニアソレノイド式AVS(Adaptive Variable Suspension system)を新たに採用し、走行性能の飛躍的な向上を図りました。従来のステップ式アクチュエーターから、新規開発の内蔵式リニアソレノイドアクチュエーターに変更することで、減衰力応答性を約4倍向上させています。
この技術革新により、応答性の良い可変減衰力によって、フラットなばね上の挙動と路面入力によるショックの低減を両立しています。スムーズな減衰力制御と素早い応答性を備えたこのシステムにより、車両挙動の安定性と路面からのショック低減を高次元で両立し、さらなる気持ちの良いドライビングを実現しています。
パワートレインラインアップ
新型ISでは、IS300hとIS350の2種類のパワートレインを設定しています。IS300hはハイブリッドシステムを搭載したFR駆動モデルで、電気式無段変速機を組み合わせています。一方、IS350はFRとAWDの両方を設定し、FRモデルには8AT、AWDモデルには6ATを組み合わせています。
「Lexus Driving Signature」の追求
開発においては、Toyota Technical Center Shimoyamaをはじめとする世界各地で走り込みを重ね、レクサスならではの走りの味「Lexus Driving Signature」を追求し続けています。これまでISが培ってきた「クルマを操る楽しさ」という基本思想を継承しながら、上質な乗り心地と優れた車両コントロール性をさらに進化させています。
パッケージング
ボディサイズは、全長4,720mm(従来型比+10mm)、全幅1,840mm(±0mm)、全高1,435mm(FR)/1,440mm(AWD)(±0mm)、ホイールベース2,800mm(±0mm)となっています。従来型からのサイズ変更は全長のみ10mm延長されており、コンパクトFRスポーツセダンとしての機敏性を保ちながら、わずかな延長により室内空間や走行安定性の向上を図っています。
これらの技術革新により、新型ISは「車室内でも操る楽しさを感じられるモデル」として進化を遂げ、Lexus International チーフエンジニア武藤康史氏の言葉通り、「新たに生まれ変わったISで運転する喜び」を体感できるモデルとなっています。

レクサス ISの安全性能・運転支援機能
新型レクサスISは、先進予防安全技術「Lexus Safety System +」を大幅に進化させ、より高度な安全運転支援を実現します。
最新の「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」は、運転状況に応じてリスクを先読みし、危険に近づきすぎないよう運転操作をサポートします。歩行者や自転車運転者、駐車車両への対応、先行車やカーブでの減速支援、信号交差点での右左折時減速支援など、5つの機能で日常運転を支援します。
従来の歩行者・自転車運転者(昼間)に加えて、**自転車運転者(夜間)や自動二輪車(昼間)**まで検知対象を拡大しました。さらに交差点での出会頭車両への対応や、アクティブ操舵機能付きの緊急時操舵支援も新たに搭載しています。
ミリ波レーダーと単眼カメラの検知範囲拡大により前方認識範囲が向上し、音声対話サービスでの設定変更も可能になりました。また、新たにレーンチェンジアシストを搭載し、高速道路でのレーンチェンジ時の操舵や加減速、車線変更先の車両監視を支援します。
Lexus Teammate Advanced Drive(渋滞時支援)により、高速道路の渋滞時(0-40km/h)にハンズオフ機能を提供します。認知・判断・操作を支援することで、ドライバーの疲労軽減と安全運転をサポートします。
さらに、OTAソフトウェアアップデートにより、販売店に行かなくても無線でシステム更新が可能です。
レクサス ISの価格
新型レクサスISの価格については、現在のところ公式な発表がされていません。しかし、現行モデル(2025年モデル)の価格構成から推測すると、新型ISの価格帯は以下のようになる可能性があります。
現行IS300h(参考価格)
現在日本で販売されているレクサスIS300hの価格は527万円からとなっています。
- IS300h FR:527万円
- IS300h F SPORT FR:581万円
- IS300h version L FR:601万円
特別仕様車(参考)
新型ISについては、「熟成」をキーワードとした改良が行われ、12.3インチディスプレイの標準化や安全装備の大幅な拡充、新開発のオーナメントパネル「Forged bamboo」の採用など、装備の充実が図られていることから、現行モデルと同等もしくは若干の価格上昇が予想されます。
正式な価格については、発売が近づく2026年初頭に詳細が発表される予定です。

レクサス ISの発売時期
新型レクサスISは、2026年初頭以降から順次各地域で発売を予定しています。日本国内では、2026年1月の発売が予定されています。
レクサス ISは日本で発売される?
新型ISは日本での発売が決定していますが、日本市場向けにはIS300h(FR駆動モデル)のみの導入が予定されています。グローバルでは「IS300h」と「IS350」の2種類が設定されますが、国内はIS300hのフロントエンジン・リアドライブ仕様のみとなります。
レクサス ISの辛口評価
新型レクサス ISをあえて辛口で評価します。新型レクサスISには看過できない問題点が複数存在しています。
まず最も深刻なのは、日本市場での展開の限定性です。グローバルではIS300hとIS350の2種類が設定されるものの、日本では「IS300h(FR)のみ発売予定」となっており、選択肢が大幅に制限されています。これではユーザーの多様なニーズに応えることは困難でしょう。
室内空間の狭さも致命的な弱点です。現行モデルでも指摘されているように、「身長177cmの場合、後部座席では頭のてっぺんが天井についてしまう」ほどの狭さで、新型でも基本的なボディサイズは変わっていません。全長4,720mm、全幅1,840mm、全高1,435mmという寸法では、大人が快適に後席に座ることは期待できません。
さらに問題なのは、操作系の使いにくさです。現行モデルから引き継がれている可能性が高い「2段階式ウィンカーレバー」は、「操作していて違和感がすごい」と酷評されており、日常的な運転でストレスを感じる要因となります。
走行性能面でも期待を裏切る可能性があります。現行IS300hについて「加速が見た目に反して物足りない」「スポーツ+モードにしても劇的に変わるほどではない」という厳しい評価があり、新型でもハイブリッドシステムは電気式無段変速機の組み合わせのまま変更されていません。
価格対価値の問題も深刻です。現行モデルで「価格が車の質に対して高い」「機能性の悪さや車内空間の狭さ・イマイチな走行性能を考えると高すぎる」との指摘があり、新型では12.3インチディスプレイの標準化や安全装備の拡充により、さらなる価格上昇が予想されます。
発売時期の遅さも商品力を削ぐ要因です。2026年初頭の発売予定では、現在検討している顧客を競合他社に奪われるリスクが高く、市場投入のタイミングとしては最適とは言えません。

レクサス ISのライバル車
新型レクサスISの最大のライバルはBMW 3シリーズセダンです。両車ともコンパクトプレミアムスポーツセダンというカテゴリーで競合しており、価格帯も重複しています。
BMW 3シリーズは全長4,720mm×全幅1,825mm×全高1,440mmと新型ISとほぼ同等のサイズですが、ホイールベースが2,850mmと新型ISの2,800mmより50mm長く、室内空間で優位に立っています。価格帯は318iの548万円からM340i xDriveの1,040万円となっており、新型ISの予想価格帯と重なります。
BMW 3シリーズの強みは多彩なパワートレインラインアップです。ガソリンターボエンジン、ディーゼルターボエンジン、プラグインハイブリッドの5種類を用意し、日本で1グレードのみの新型ISとは対照的です。また、「スポーティセダンのベンチマーク」と呼ばれる走行性能の高さも強力な武器となります。
メルセデス・ベンツ Cクラスも重要なライバルです。ドイツプレミアムブランドの一角として、新型ISと直接競合する位置にあります。Cクラスも多様なエンジンラインアップと先進技術を武器に、プレミアムコンパクトセダン市場で存在感を示しています。
アウディ A4も「ジャーマンスリー」の一員として、新型ISの強力なライバルです。quattroシステムによる優れた走行性能と洗練されたデザインで、同価格帯のユーザーを狙っています。
国内ではトヨタ クラウンも競合車種として挙げられます。同じトヨタグループでありながら、価格帯や顧客層が重複する部分があり、ブランド内競合の側面も持っています。
新型ISがこれらライバル車と競争するためには、日本市場でのラインアップ拡充と室内空間の改善、そして価格競争力の向上が急務と言えるでしょう。
まとめ
レクサスは9月9日、12年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型ISを世界初公開しました。「熟成」をキーワードに開発された第4世代ISは、ドライバーとクルマの対話を重視した走行性能の向上を図っています。電動パワーステアリングのバリアブルギヤ採用や、減衰力応答性を4倍向上させたリニアソレノイド式AVSの導入により、より精密なハンドリングを実現しています。
エクステリアは低重心かつワイドなスタンスを強調した新デザインを採用し、新色ニュートリノグレーを含む8色をラインアップ。インテリアでは12.3インチディスプレイの統一化や、市販車初となる「Forged bamboo」オーナメントパネルの採用により、機能性とスポーティさを両立しています。安全面では「Lexus Safety System +」の大幅拡充により、プロアクティブドライビングアシストや高度運転支援技術を搭載しました。
日本では2026年初頭にIS300h(FR)のみが発売予定で、現行モデルと同等以上の価格設定が予想されます。



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