メルセデスAMG GTが今年フルモデルチェンジを果たした。
メルセデスAMGとして、またメルセデス・ベンツとして重要な役割を担う車となっている。
この超高性能クーペについてわかりやすく解説していくので、ぜひ最後までご覧ください!
進化して登場した新型メルセデスAMG GTとは
ドイツのメルセデス・ベンツの高性能サブブランドであるメルセデスAMGは2023年8月19日にアメリカカリフォルニア州ペブルビーチで開催の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス2023」において、新型「メルセデスAMG GT(Mercedes-AMG GT)」を世界初公開した。
AMG GTには別に4ドアクーペも存在しているが、今回モデルチェンジされたのは2ドアクーペの方だ。また、海外ではメルセデスAMG GT クーペ(Mercedes AMG GT Coupe)と呼ばれている。日本ではメルセデスAMG GT 4ドアクーペは販売されているが、この2ドアクーペは発売されていない。AMG GT クーペの日本導入に期待したい。
新型メルセデスAMG GTは、最先端の技術と快適性を融合した、AMGの新たな頂点を極めるモデルだ。スポーティなクーペは、その力強いドライビングダイナミクスと日常使用のしやすさで、驚くべきバランスを実現している。AMG 4.0リットルV8ツインターボエンジンは、430 kW (585 hp)を発生し、2500 rpmから4500 rpmの幅広いエンジンスピード範囲で最大トルク800 Nmを発揮。0から100 km/hへの加速はわずか3.2秒で、最高速度は315 km/hに達する。

メルセデスAMGとは
メルセデスAMGは、1967年に誕生し、メルセデス・ベンツの高性能部門としての地位を確立した。このサブブランドは、メルセデス・ベンツの洗練されたラグジュアリーとエレガンスに、レース由来の高性能エンジニアリングを融合させることで知られている。メルセデス・ベンツのスポーツ・レース部門を担う子会社として、専用の開発やチューニングを施し、究極のパフォーマンスを追求している。
「Driving Performance」を核とするAMGの哲学は、単に速さやパワーを追求するだけでなく、精密な工芸技術と運転者との一体感を含んでいる。独自のデザインとハンドメイドの「One Man, One Engine」製造プロセスにより、各車両は独特であり、高品質が保証される。今でも一部のエンジンはマイスターが手組みで製造している。
メルセデスAMGは、メルセデス・ベンツの持つ品質と伝統に、レース技術の精神を注入することで、自動車業界における独自の地位を築いてきた。これは単なる高性能車以上の存在であり、感情を揺さぶる動く芸術品として、自動車愛好家たちを魅了し続けている。

メルセデスAMGにおけるAMG GTの役割
新型メルセデスAMG GTは、AMGブランドにおいて重要な位置を占めている。初代メルセデスAMG GTは2014年に世界初披露された。そして今回2023年8月に2代目となる新型モデルが発表された。このモデルは、最先端技術とラグジュアリーの完璧な融合を実現し、メルセデスAMGの技術的な能力とブランドイメージをさらに高める役割を果たしてる。これは、AMGの未来の方向性を示すモデルであり、新しい顧客層を引き付けることが期待される。
そしてAMG GTの重要な役割としてポルシェ911に対抗するライバルとしての役割もある。2代目となった新型AMG GTはさらにポルシェ911を意識したモデルとなっている。
メルセデスAMGのエクステリア
新型AMG GTクーペは、長いホイールベース、短いオーバーハング、急傾斜のフロントガラスにより、コンパクトで力強い外観を実現している。スポーティーなプロポーションが美しく、カッコいい。表情豊かなフロントビュー、ボリューム感のあるホイールアーチ、そしてシームレスに統合されたアクティブリアスポイラーが、スポーツカーとしての魅力をさらに高めている。

特にワイドで深くアグレッシブなグリルはAMG特有のパナメリカーナグリルと呼ばれるもの。スポーティさや高級感が強調される洗練されたグリル。縦に入っているバーには縁取りされていて、立体的に見えるのがメルセデスAMGならではのこだわりのディティール。さらにデジタルライトを備えたヘッドライトがパワフルな印象を付け加えている。

リアはファストバックのシルエットでポルシェ911に近い印象を与える。

パッケージによっては空力を向上させるリアウイングがついており、スポーティな印象。
ボディサイズは全長4728mm×全幅1984mm×全高1354mm、ホイールベースは2700mm。
メルセデスAMGのインテリア
アナログとデジタルの良さを組み合わせた「ハイパーアナログ」なインテリアデザインは、AMGの高性能スポーツカーの遺伝子を巧みにデジタル化し、進化させている。フルデジタルの計器クラスターは、運転者に焦点を当てたコックピットデザインに統合されている。11.9インチのマルチメディアタッチスクリーンは、ナビゲーションや車両のコントロールを直感的に行えるように設計されている。

今回のモデルチェンジの中で最大の変更の一つがリアシートの追加だ。初代は2シーターの設定だったのが、新型はオプションでリアシートの設定が選べ、2+2シーターに進化した。ワンタッチでリアシートは畳むことができ、スポーツカーにしては広めのラゲージエリアになり利便性が高い。
メルセデスAMGのインフォテインメント
MBUXインフォテインメントシステムは、直感的な操作と学習能力を備え、車両固有のデータやレーストラックでの使用に適したAMG TRACK PACEなど、多様な機能を提供する。

メルセデスAMGの快適性
電動調整式AMGスポーツシートは、完璧なエルゴノミクスと進化した縫製パターンを備え、高性能とラグジュアリーの融合を体現している。ナッパレザーやMICROCUTマイクロファイバーなど、さまざまなカバーオプションが用意されている。

メルセデスAMGの走行性能
新型AMG GTは、GT 63とGT 55の2つのグレード設定がある。どちらも4.0リットルV8ツインターボエンジンを搭載していますがチューニングが異なる。上位グレードのGT 63は最大585馬力と800 Nmのトルクを生み出す。0から100 km/hへの加速はわずか3.2秒と脅威の加速性能を発揮。最高速度は315 km/hに達する。標準グレードのGT 55は476馬力、700 Nmのトルクを発生させ、0-100km/h加速は3.9秒と十分早いパフォーマンスを発揮。

メルセデスAMGのドライビングテクノロジー
駆動方式は4MATIC+(四輪駆動)のパフォーマンス仕様へ変更された。フロントアクスルとリアアクスルにトラクションを完全可変させるメカニズムによって高い次元でパフォーマンスと走行安定性を両立させた。
トランスミッションはAMGスピードシフトMCT 9Gと呼ばれる9速DCT。
AMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンションによるロール安定化、全輪駆動、アクティブリアアクスルステアリングなど、先進のドライビングテクノロジーが特徴だ。これらの機能は、新型AMG GTのドライビングダイナミクスと安定性を高める。

メルセデスAMGのエアロダイナミクス
新型AMG GTクーペは、空気抵抗の低減とリフトの低減を完璧にバランスさせた高い空気力学効率を追求。前後に配置されたアクティブエアロダイナミクス要素は、ドライビングの安定性や冷却性能に優れている。

メルセデスAMGの安全性
多くのセンサー、カメラ、レーダーを使用したドライバーアシスタンスシステムにより、新型AMG GTは高い安全性を実現。これらのシステムは、日常の運転から危険な状況まで、運転者を支援する。
メルセデスAMGと初代メルセデスAMG GTとの比較
初代メルセデスAMG GTと新型AMG GTを比較すると、新型はデザイン、快適性、そして先進技術において大幅な進歩を遂げている。エアロダイナミクス、インテリアの豪華さが特に向上しており、初代モデルの基盤の上に更なる革新を重ねている。
特に大きな変更が2+2シーター導入と四輪駆動への変更だ。
メルセデスAMGとメルセデスAMG SLとの比較
メルセデスAMG GTは、先にに発売されている2+2コンバーチブルのメルセデスAMG SLと多くの部分を共用しています。プラットフォームを共用しており、今回フルモデルチェンジにあたりどちらも2+2シートに変更されました。パワートレインも63モデルについては共用しています。ただこの2台はコンセプトも特性も異なります。
もちろん最大の違いはクーペとコンバーチブルということで、特にエクステリアはドア以外は別のパーツとなっています。そしてAMG GTはパフォーマンスを追求したモデルであり、AMG SLはラグジュアリーなオープンカーというコンセプトが異なります。
■新型メルセデスAMG SLについて徹底解説した記事は以下です。
メルセデスAMGとポルシェ911との比較
ポルシェ911は長年にわたりスポーツカーの代名詞とされてきたが、新型メルセデスAMG GTは、そのパフォーマンスとラグジュアリーの融合において新たな基準を打ち立てている。911と比較して、AMG GTはより最新の技術と独自のデザイン言語を採用しており、特にインテリアの高級感やデジタル化において差別化を図っている。
メルセデスAMGの発売時期と販売価格
新型メルセデスAMG GT 63 4MATIC+ クーペの販売について、まずはドイツの販売店とオンラインで開始。販売価格は約30,637,000円(188,704.25ユーロ)から始まる。
現時点で新型メルセデスAMG GT クーペの日本での発売は発表されていない。

まとめ
新型メルセデスAMG GTは、メルセデスAMGのブランドを形作るブランドシェイパーの1台とされている。また、スポーツカー領域において圧倒的な地位を占めるポルシェ911に対抗する競合モデルとなるため、非常に重要なクルマ。
今回デザインを洗練させ、日常的な使い勝手の良さも進化したAMG GT。2+2シーターや四輪駆動へ変更され、利便性とパフォーマンスに磨きがかかった。
その革新的な設計、高性能エンジニアリング、豊富なカスタマイズオプションにより、究極のドライビング体験を提供。このモデルは、スポーツカーのパワーと日常の使いやすさを見事に融合させ、ドライビングの喜びを新たな次元へと導く。
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