ダイハツ ミゼットX発表!28年ぶり復活の新型3人乗り軽EVコンセプト【ジャパンモビリティショー2025】

2025年10月29日、ダイハツ工業はジャパンモビリティショー2025において、コンセプトカー「ミゼットX」を世界初公開しました。かつて日本の高度経済成長期を支えた伝説の軽オート三輪「ミゼット」の精神を受け継ぎ、28年ぶりにミゼットの名が復活することになりました。今回発表されたミゼットXは、「自転車以上、軽自動車未満」をコンセプトに、現代の都市生活に最適化された全く新しいモビリティとして提案されています。

車の概要:ダイハツ ミゼットXとは?

ダイハツ ミゼットX(Daihatsu Midget X)は、初代ミゼットの発明精神を未来へ受け継ぐ電動モビリティのコンセプトカーです。

ミゼットの歴史を振り返ると、初代ミゼットは1957年10月に誕生した軽自動車規格のオート三輪トラックで、1972年1月まで製造されました。「超小型」を意味するその名の通り、小回りが利き、安価で使いやすい実用車として、高度経済成長期の日本を支える存在となりました。

その後、1996年4月に2代目となる「ミゼットII」が登場します。今度は4輪となり、愛嬌のある外観と狭い路地でも走り抜けられる敏捷さで人気を博しましたが、2001年6月に生産終了となりました。

そして2025年、3代目のコンセプトモデルとして「ミゼットX」が発表されました。今回のミゼットXは、初代の発明精神を受け継ぎつつも、「クルマではなく新しい乗り物」という発想のもと、2輪の気軽さと4輪の便利さを融合させた、まったく新しいモビリティとして提案されています。

ダイハツ ミゼットXのエクステリアデザイン

ダイハツ ミゼットXのエクステリアデザインは、コンパクトながらも機能的なスタイリングが特徴です。

ボディはシンプルで親しみやすいデザインを採用しており、初代ミゼットの精神を現代的に解釈した造形となっています。フロントには乗り降りのしやすい前開きドアを採用し、自転車のような気軽さで乗り降りできる工夫が施されています。

ルーフにはルーフレールが装備され、さまざまな用途に対応できる拡張性も確保されています。リアには荷台スペースが設けられており、使う人のニーズに合わせて色々使える荷台バリエーションが用意される予定です。

軽自動車未満のサイズながら、実用性を損なわない絶妙なプロポーションが実現されています。

ダイハツ ミゼットXのボディサイズは、全長2200mm、全幅1295mm、全高1680mmです。

ダイハツ ミゼットXのインテリアデザイン

ダイハツ ミゼットXのインテリアは、コンパクトなボディながら3人が乗車できる効率的なレイアウトが最大の特徴です。

室内には「1+2シート」という独特の座席配置が採用されており、運転席に1名、後部に2名が座れる構成となっています。この配置により、親子でも友人でも、より相手を身近に感じられ会話が弾む空間が実現されています。

ハンドルには異型のステアリングホイールが採用されており、狭い室内でも操作性を確保する工夫が施されています。また、自転車のように気軽に使えるよう、運転席の目線の高さや視界の広さが最適化されています。

インテリアの素材やカラーリングは現時点では詳細が明らかにされていませんが、親しみやすさとワクワク感を両立したダイハツらしいデザインになることが期待されます。

コンパクトながらも、乗員が快適に過ごせる空間づくりと、使いやすさを追求した機能配置が印象的な内装となっています。

ダイハツ ミゼットXの走行性能

ダイハツ ミゼットXのパワートレインは、バッテリーEV(電気自動車)が採用されています。

電動モーターを搭載することで、静かで環境に優しい走行が可能となっており、都市部での使用に最適化されています。コンパクトなボディサイズと相まって、狭い路地や駐車スペースでも扱いやすい機動性を実現しています。

ホイールベースは1600mmと短く設定されており、小回りが利く設計となっています。これにより、初代ミゼットが得意としていた狭い場所での取り回しの良さが、現代の技術で再現されています。

ただし、モーターの出力やバッテリー容量、航続距離などの具体的なスペックは、現時点では明らかにされていません。コンセプトカーという位置付けのため、市販化される際には、日常使用に十分な性能が与えられることが予想されます。

「自転車以上、軽自動車未満」というコンセプト通り、気軽に扱えながらも実用性を兼ね備えた走行性能が目指されています。

ダイハツ ミゼットXの価格

ダイハツ ミゼットXの価格は、現時点では発表されていません。

ミゼットXはコンセプトカーとして展示されており、市販化の決定や具体的な価格設定については、今後のダイハツの発表を待つ必要があります。

参考までに、2代目のミゼットIIが1996年に発売された際の価格は、ベーシックなBタイプが46万9000円、上級グレードのDタイプが49万2円、ドレスアップ仕様のRタイプが59万9000円という中型モーターサイクル並みの価格帯に設定されていました。

ただし、今回のミゼットXは電動化されており、バッテリーやモーターといったコストのかかるコンポーネントを搭載しているため、ミゼットIIよりは高価格帯になることが予想されます。一方で、ダイハツは創業以来「お求めやすい価格」での提供を重視してきた企業であり、市販化される際には競争力のある価格設定が期待されます。

ダイハツ ミゼットXの発売時期

ダイハツ ミゼットXの発売時期は、現時点では発表されていません。

2025年10月29日にジャパンモビリティショー2025で世界初公開されましたが、これはあくまでコンセプトカーとしての展示であり、市販化の具体的なスケジュールは明らかにされていません。

ただし、ジャパンモビリティショーで公開されたコンセプトカーの中には、後に市販化されるモデルも少なくありません。ミゼットXに対する来場者の反応や市場のニーズを見ながら、ダイハツが市販化を判断していくものと考えられます。

SNSなどでは「市販すると決まったら買いたい」「復活してくれて嬉しい」といった期待の声が多く寄せられているようで、市場の関心の高さがうかがえます。今後のダイハツからの正式な発表に注目が集まっています。

ダイハツ ミゼットXは日本で発売されるか

ダイハツ ミゼットXの日本での発売については、現時点では正式な発表はありません。

ミゼットXは「ジャパンモビリティショー2025」という日本国内のモーターショーで世界初公開されたコンセプトカーであり、日本市場を強く意識した開発がなされていることは間違いありません。特に「自転車以上、軽自動車未満」というコンセプトや、狭い路地での使いやすさを重視した設計は、日本の都市環境に最適化されています。

ダイハツは出展テーマとして「わたしにダイハツメイ。小さいからこそできること。小さいことからひとつずつ。」を掲げており、日本の暮らしに寄り添うモビリティの提案を行っています。これらのことから、市販化される場合は、まず日本市場への投入が最優先されると考えられます。

ただし、コンセプトカーの中には市販化されないモデルもあるため、ダイハツの今後の判断と正式な発表を待つ必要があります。消費者からの反響や、事業性の検討を経て、市販化の可否が決定されることになるでしょう。

ダイハツ ミゼットXをあえて辛口で評価します。

ダイハツ ミゼットXをあえて辛口で評価します。最大の懸念点は、市販化の不透明さです。コンセプトカーとして魅力的な提案がなされていますが、価格や発売時期が一切明らかにされておらず、そもそも本当に市販されるのかという根本的な疑問が残ります。

次に問題となるのが、実用性の面です。「自転車以上、軽自動車未満」というコンセプトは魅力的に聞こえますが、実際には中途半端なポジショニングになる可能性があります。軽自動車より小さいサイズでありながら3人乗りという設定は、狭い室内空間を意味し、長時間の乗車には厳しいでしょう。

さらに、電動化によるコスト増も避けられません。バッテリーとモーターを搭載する以上、ある程度高価になることは確実で、「気軽に買える」というミゼットの伝統を継承できるかは疑問です。加えて、航続距離やバッテリー容量などの重要なスペックが一切公表されていないことも、実用車としての評価を難しくしています。

法規制の問題も気になります。軽自動車未満のサイズということは、新たな車両区分が必要になる可能性があり、法整備の状況次第では市販化のハードルが高くなるかもしれません。

最後に、ニッチすぎる市場性も懸念材料です。現在の日本では軽自動車でさえ十分コンパクトであり、さらに小さいクルマへの需要がどれほどあるのか未知数です。特に高速道路が走行できないサイズとなれば、用途は極めて限定的になってしまいます。

ダイハツ ミゼットXのライバル車

ダイハツ ミゼットXのライバル車としては、まず日産「サクラ」と三菱「eKクロス EV」が挙げられます。これらは軽自動車規格のEVとして約260万円から販売されており、航続距離は180km程度を実現しています。ただし、ミゼットXは軽自動車未満のサイズであるため、直接的な競合とは言えない面もあります。

2025年秋に発売予定のホンダ「N-ONE e:」も注目のライバルです。航続距離295kmを実現した軽乗用EVで、日常使いに十分な性能を備えています。

また、BYDが2026年夏に日本導入を予定している軽EV「RACCO(ラッコ)」も強力な競合となりそうです。スライドドア付きのスーパーハイトワゴンタイプで、航続距離240kmを実現し、補助金適用後の実質価格は214万円程度になると予想されています。

さらに、広島県のベンチャー企業KGモーターズが手がける1人乗り超小型EVも、コンパクトモビリティという観点では競合関係にあります。税込110万円という価格設定で、原付ミニカー規格ながら新しいモビリティの選択肢を提供しています。

スズキとダイハツが共同開発中の電動軽商用車「e-ATRAI」も、同じダイハツブランドながら異なるセグメントのEVとして存在感を示しています。

まとめ

ダイハツ ミゼットXは、2025年10月29日にジャパンモビリティショー2025で世界初公開された、28年ぶりに復活したミゼットの名を冠するコンセプトカーです。1957年に誕生した初代ミゼットの発明精神を受け継ぎ、「自転車以上、軽自動車未満」という新しいモビリティの形を提案しています。全長2200mm×全幅1295mm×全高1680mmというコンパクトなボディに、1+2シートの3人乗りレイアウトと電動パワートレインを搭載し、都市部での使いやすさを追求した設計となっています。前開きドアや荷台バリエーションなど、実用性にも配慮した装備が盛り込まれています。ただし、現時点では価格や発売時期、市販化の予定など具体的な情報は明らかにされておらず、今後のダイハツの判断と正式発表が待たれるところです。日本の暮らしに寄り添う新しいモビリティとして、大きな期待が寄せられています。

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