2024年6月25日、中国の自動車メーカーBYDの日本法人であるBYD Auto Japan株式会社(BAJ)は、BYD シールの販売を開始しました。BYD シールは日本導入第3弾となる電気自動車(EV)です。BYDは、強みである先進的なバッテリー技術、最新のEVプラットフォーム、最新の安全・快適装備を活かし、EVスポーツセダンというポジションの確立を目指しています。
シールにはベースモデルの後輪駆動「BYD SEAL」と四輪駆動の「BYD SEAL AWD」の2グレードが用意されています。価格は、BYD SEALが528万円、BYD SEAL AWDが605万円となっています。BAJは、BYD SEALの導入により、日本の輸入セダン市場、特にミッドサイズクラス(Dセグメント)での存在感を示すことを目指しています。
また、BYD SEALの販売開始に合わせて、「1,000台限定:導入記念キャンペーン特別価格」を設定しています。先着1,000台に対して特別価格が適用されるほか、期間限定で初期購入特典もプレゼントされるとのことです。BYDは、日本市場での展開を積極的に進めており、2026年までに毎年新しいEVモデルを日本市場に投入する計画を発表しています。

車の概要:BYD シールとは?
BYD SEAL(ビーワイディー シール)は、中国の自動車メーカーBYDが展開するセダンタイプのBEVです。シールはドルフィンに次ぐ「海洋シリーズ」の新たな電気自動車モデルとして、日本市場に登場しました。BYD シールの車名の由来はアザラシです。2021年にコンセプトカー ocean-Xとして登場し、2022年に市販車として初代シールが誕生しました。そして2024年に日本でも発売されました。
BYD シールのエクステリアデザイン
新型BYD シールのエクステリアデザインは、「大海原を自由に回遊する海洋生物」をイメージした流麗なフォルムが特徴です。フロントエンドには「オーシャンエックスフェイス」と呼ばれる独特のデザインが採用され、滑らかな面と幾何学模様のLEDによって、一目でシールと分かる個性的な表情を作り出しています。4ドアセダンでありながらクーペのようなプロポーションを実現しています。なだらかなルーフラインと広々とした室内空間を両立させ、後部座席の頭上スペースも十分に確保されています。また、バッテリーを床下に搭載することで、フラットな足元スペースを実現し、快適な居住空間を提供しています。
BYD シールのボディサイズ
BYD シールのサイズは全長4800mm、全幅1875mm、全高1460mm、ホイールベース2920mmです。

BYD シールのインテリアデザイン
新型BYD シールのインテリアは、Dセグメントセダンにふさわしい上質な仕上がりとなっています。質感の高い素材を使用し、大開口のガラスルーフが車内を明るく開放的な雰囲気に演出しています。特筆すべきは、コックピットセンターに配置された大型インフォテイメントディスプレイで、縦横の回転が可能という独自の機能を備えています。

BYD シールの走行性能
SEALの技術面では、BYD独自のバッテリー「ブレードバッテリー」を採用し、「CTBテクノロジー」により車体構造に組み込むことで高い剛性を実現しています。このリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、安全性、長寿命、航続距離などのバランスに優れているとされています。航続距離は、後輪駆動モデルの「BYD SEAL」が640km、四輪駆動の「BYD SEAL AWD」が575kmと、日常使用から長距離ドライブまでをカバーする十分な性能を持っています。
BYD シールの安全性能・運転支援機能
BYD シールはペダル踏み間違い時加速抑制装置や自動緊急ブレーキ、交通標識認識システムなどの先進安全技術を搭載。さらに、社会問題となっている車内への幼児置き去りを防ぐ検知システムも備えており、安全性と快適性を両立しています。

BYD シールの価格
BYD シールの価格は528万円からです。
また、導入記念キャンペーン価格として1000台限定で495万円から販売しています。
<モデル別 BYD シール価格表>
モデル・グレード | モーター出力 | 電池容量 | 一充電走行距離 (申請中) | メーカー希望小売価格 (税込) | CEV補助金 |
---|---|---|---|---|---|
BYD SEAL | 230kW | 82.56kWh | 640km | ¥5,280,000 | 申請中 |
BYD SEAL AWD | フロント 160kW リア 230kW | 82.56kWh | 575km | ¥6,050,000 | 申請中 |
<BYD シール 1,000台限定 導入記念キャンペーン特別価格>
モデル・グレード | メーカー希望小売価格 | 導入記念キャンペーン特別価格 |
---|---|---|
BYD SEAL | ¥5,280,000 | ¥4,950,000 |
BYD SEAL AWD | ¥6,050,000 | ¥5,720,000 |
BYD シールの発売時期
日本でBYD シールは2024年6月25日に販売開始されました。納車開始時期は、BYD SEALが7月末ごろ、BYD SEAL AWDは8月末ごろを予定しているとのことです。
日本全国55拠点のBYD AUTO正規ディーラーで取り扱われます。

BYD シールの辛口評価
BYD シールについては、以下のような批判的意見も存在しています。
- タッチスクリーンの操作性に課題があります。多くの機能がメニューに埋もれており、運転中の操作が非常に困難だと指摘されています。
- ライバル車と比較して充電速度が遅いことが指摘されています。最大150kWの充電速度は、同クラスの競合モデルに劣ります。
- 実際の航続距離と効率性が公称値を下回る傾向があり、長距離走行時に不安が残ります。
- サスペンションのセッティングに改善の余地があり、乗り心地が洗練されていないという評価があります。
- セダンボディスタイルのため、実用性が制限されています。特にブーツ(トランク)容量が競合モデルより小さいことが指摘されています。
- 保険料が高額になる傾向があり、ランニングコストの面で不利になる可能性があります。
- 運転の楽しさや個性の面で、BMWのi4やテスラModel 3などのライバルモデルに及ばないという評価もあります。
- 過剰に反応する安全支援システムが煩わしいという指摘もあります。

BYD シールのライバル車
BYD シールのライバル車としては、主に以下のモデルが挙げられます。特にEV専用メーカーであるテスラが競合として意識されています。
- テスラ Model 3
- 最も直接的な競合車と言えます。
- 同じくEVセダンで、性能や価格帯が近いです。
- テスラのブランド力と先進的な自動運転技術が強みです。
- BMW i4
- プレミアムブランドのEVセダンとして競合します。
- 高級感と運転の楽しさを重視する顧客層をターゲットにしています。
- ポールスター 2
- ボルボの姉妹ブランドによるEVセダンです。
- スカンジナビアンデザインと高性能が特徴です。
- 日産 アリア
- 日本メーカーのEVクロスオーバーSUVですが、サイズ感や価格帯が近いため競合となります。
- 日本市場での知名度が高い点が強みです。
- フォルクスワーゲン ID.4
- セダンではなくSUVですが、EVとしての性能や価格帯が近いため競合となります。
- ヨーロッパブランドとしての信頼性が強みです。
- 現代 アイオニック 5
- クロスオーバーSUVタイプのEVですが、先進的なデザインと性能で注目を集めています。
- 価格帯も近く、競合車として考えられます。
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