フォルクスワーゲンは、2024年7月3日、9世代目となる新型VW パサート(Passat)の予約注文受付を2024年9月に全国のフォルクスワーゲン正規販売店にて開始し、11月の出荷開始を予定していることを発表しました。今回のフルモデルチェンジで、新型パサートは、主要マーケットである欧州市場のトレンドに合わせて、ワゴンボディ専用モデル(旧パサート ヴァリアント)となりました。新型パサートは、従来のMQBアーキテクチャーの進化版であるMQB evoアーキテクチャーを採用しています。この新型モデルは、最先端技術の搭載、ボディサイズの拡大によるゆとりある居住性、そしてステーションワゴン最大級の荷室容量を実現しています。さらに、48Vマイルドハイブリッド、クリーンディーゼル+4WD、プラグインハイブリッドと、多彩なパワートレインを採用しています。

車の概要:フォルクスワーゲン パサートとは?
フォルクスワーゲン パサート(Volkswagen Passat)は1973年の発売以来、50年以上の歴史を誇るフォルクスワーゲンのロングセラーモデルです。これまでに3,400万台以上が販売され、同社の伝説的なベストセラー「Beetle(ビートル)」の販売台数を超える実績を持っています。9代目となる新型パサートは、革新的な技術基盤であるMQB evoアーキテクチャーを採用し、多くの最先端技術を搭載することに成功しました。特筆すべき点として、アダプティブシャシーコントロール「DCC」が「DCC Pro」へと進化し、新次元の快適性を実現しています。新型パサートは、従来よりボディを拡張し、ひとクラス上のセグメントに相当する4.9m級のボディサイズを獲得しました。これにより、様々な用途やライフスタイルに対応する包容力を持ち、特にリヤシートの居住性が向上しています。また、最大1,920Lの荷室容量は、日本のステーションワゴンとして最大級の容量を誇ります。パワートレインは、1.5L eTSIマイルドハイブリッドシステム(FWD)、2.0L TDIクリーンディーゼルエンジンにフルタイム4WDシステム4MOTIONの組み合わせ、そして従来よりEV走行レンジを延伸させたプラグインハイブリッドのeHybridをラインナップしています。これにより、多様なニーズに応える選択肢を提供しています。

フォルクスワーゲン パサートのエクステリアデザイン
新型パサートは、エクステリアデザインにおいて洗練された進化を遂げています。9代目パサートは、ワゴンボディ専用モデルとして開発され、そのスタイリングは機能性と美しさを高次元で融合させています。
フロントデザインは、フォルクスワーゲンの最新デザイン言語を踏襲しつつ、より精悍な印象を与えています。特徴的なのは、LEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT」で、これはダイナミックターンインジケーター機能を備えています。グリルは横基調のデザインを採用し、車体の幅を強調する効果があります。

サイドビューでは、ロングノーズ・ショートデッキのプロポーションが際立ちます。ボディサイドのキャラクターラインは控えめながら、車体の長さを強調し、エレガントな印象を与えています。また、シルバールーフレールが標準装備され、ワゴンとしての実用性を示唆しています。

リアデザインは、LEDテールランプがダイナミックターンインジケーター付きで装備され、夜間の視認性と安全性を高めています。テールゲートは大型化され、荷室へのアクセスの容易さを向上させています。

R-Lineグレードでは、専用のエクステリアパーツが装着され、よりスポーティな外観を実現しています。さらに、R-Line Plusパッケージを選択すると、専用デザインバンパーやリアコンビネーションランプトリム、19インチホイール、ブラックペイントルーフ&ルーフスポイラーが追加され、よりアグレッシブな印象となります。カラーバリエーションも豊富で、有償オプションカラーとしてオリックスホワイト マザーオブパールエフェクトが用意され、好みに合わせた個性的な外観を演出することが可能です。
フォルクスワーゲン パサートのボディサイズ
新型パサートのサイズは、全長4,915mm、全幅1,850mm、全高1,500mmと、従来モデルよりも拡大されています。ひとクラス上のセグメントに相当する4.9m級のボディサイズを実現しています。これにより、堂々とした存在感と共に、室内空間の拡大にも貢献しています。
フォルクスワーゲン パサートのインテリアデザイン
新型パサートは、のインテリアデザインは、洗練された雰囲気と最新テクノロジーを融合させ、快適性と機能性を高次元で両立させています。インテリアの中心となるのは、15インチの大型タッチディスプレイを備えた最新の純正インフォテイメントシステム「Discover Pro」です。このシステムは、SSDナビゲーションシステムや通信モジュールを内蔵し、AM/FM(ワイドFM対応)やコネクティビティ機能「App-Connect」にも対応しています。大画面で操作性に優れたこのディスプレイは、車内のデジタルハブとして機能し、様々な情報や設定を直感的に操作することができます。

運転席正面には、デジタルメータークラスター「Digital Cockpit Pro」が装備されています。このフルデジタルのメーターパネルは、ドライバーに必要な情報を鮮明かつ見やすく表示し、カスタマイズも可能です。さらに、ヘッドアップディスプレイも用意されており、ドライバーの視線移動を最小限に抑えながら重要な情報を確認できます。

シートは、グレードに応じてマイクロフリースシートやレザーシートが選択可能です。R-Lineグレードでは、専用のファブリックシートやレザーシートが用意され、スポーティな雰囲気を演出しています。快適性を高めるため、シートヒーター(運転席/助手席)が標準装備され、オプションでシートベンチレーションやマッサージ機能も選択できます。インテリアの質感を高めるため、ステンレスドアシルプレートが全グレードに標準装備されています。R-Lineグレードでは、ステンレスペダルクラスター(アクセル/ブレーキ)も追加され、スポーティな印象をさらに強調しています。

快適性と利便性を向上させる装備も充実しています。3ゾーンフルオートエアコンディショナー(運転席/助手席/後席独立調整)が全グレードに標準装備され、車内の温度管理を細かく行えます。また、インテリアアンビエントライトにより、夜間の車内空間を心地よい雰囲気に演出することができます。収納スペースも十分に確保されており、カップホルダー(前席/後席)やセンターアームレスト(前席/後席)など、実用的な装備が充実しています。
特筆すべきは、最大1,920Lの荷室容量で、これは日本のステーションワゴンとして最大級の容量を誇ります。操作性を向上させる装備として、レザーマルチファンクションステアリングホイールが全グレードに標準装備されています。これにより、ステアリングから手を離すことなく、様々な機能を操作することができます。

フォルクスワーゲン パサートの走行性能
新型パサートは、MQB evoアーキテクチャーの採用により、高度な走行性能と快適性を両立させることに成功しました。最も注目すべき点は、アダプティブシャシーコントロール「DCC」が「DCC Pro」へと進化したことです。この新システムは、ボリュームセグメントでは世界初となる2バルブ独立制御式を採用しています。DCCProの内部構造は、伸び側と縮み側が独立したオイル回路となっているため、それぞれ別々に減衰力をコントロールすることが可能です。これにより、ダイナミックな走行と快適な乗り心地を高次元で両立させています。
さらに、新型パサートではフォルクスワーゲンとして初めて「Vehicle Dynamics Manager」を採用しています。このシステムは、DCC Proと電子制御ディファレンシャルロック(XDS)を高度に協調制御します。走行状況に応じて4輪を独立して可変制御することで、フォルクスワーゲンの特徴である正確なステアリングレスポンスをさらに高次元へと引き上げています。

パワートレインは、多彩な選択肢が用意されています。1.5L eTSIマイルドハイブリッドシステム(FWD)、フルタイム4WDシステム4MOTIONを組み合わせた2.0L TDIクリーンディーゼルエンジン、そして従来よりEV走行レンジを延伸させたプラグインハイブリッドのeHybridをラインナップしています。特に注目すべきは、プラグインハイブリッドモデルeHybridです。1.5L eTSIマイルドハイブリッドもでるは最高出力110kW(150PS)、最大トルク250Nm、2.0ℓ TDIクリーンディーゼルエンジンは最高出力142kW(193PS)、最大トルク400Nmを発揮します。PHEVの1.5 eHybridエンジンモデルはシステム最高出力150kW(204PS)、システム最大トルク350Nmを発生し、19.7kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載することで、120km超のEV走行レンジ(WLTCモード、欧州計測値)を実現。
新型パサートは、ボディサイズの拡大にもかかわらず、高いレベルのエアロダイナミクスを実現しています。これにより、高速走行時の安定性と燃費性能の向上に貢献しています。さらに、ドライバーの好みに合わせてDCCを調整することができるため、様々な走行シーンや路面状況に応じた最適な走行性能を引き出すことが可能です。このように、新型パサートは最新のテクノロジーを結集し、快適性、効率性、そしてダイナミックな走行性能を高次元で融合させることに成功しています。フォルクスワーゲンの伝統である高速巡航性能と、新時代の環境性能を両立させた、まさに次世代のミドルクラスワゴンと言えるでしょう。

フォルクスワーゲン パサートの安全性能・運転支援機能
新型パサートの主要な安全機能として、アダプティブクルーズコントロール”ACC”(全車速追従機能付)が全グレードに標準装備されています。これにより、高速道路や渋滞時の運転負荷を軽減し、長距離ドライブの快適性を向上させています。さらに、レーンキープアシストシステム”Lane Assist”や同一車線内全車速運転支援システム”Travel Assist”も標準装備されており、車線逸脱の防止や車線維持をサポートします。プリクラッシュブレーキシステム”Front Assist”(歩行者&自転車検知対応シティエマージェンシーブレーキ機能付)は、前方の車両や歩行者、自転車を検知し、衝突の危険を軽減します。また、駐車支援システム”Park Assist Plus”や、アラウンドビューカメラ”Area View”も搭載されており、駐車時の安全性と利便性を高めています。
フォルクスワーゲン パサートの価格
新型パサートの日本での価格はまだ発表されていません。参考として、ドイツ本国でのベース価格が約690万円(3万9995ユーロ)と発表されています。

フォルクスワーゲン パサートの発売時期
フォルクスワーゲン ジャパンは、新型パサートの日本市場での発売スケジュールを以下のように発表しています:
- 予約注文受付開始:2024年9月
- 出荷開始:2024年11月
フォルクスワーゲン パサートの辛口評価
新型パサートをあえて辛口で評価します。
- デザイン面では、洗練されているものの保守的すぎるという意見も想定されます。特に内装は高品質ですが、革新性に欠けるという指摘もあります。
- 走行性能については、快適性は高いものの、スポーティさを求める層には物足りなさを感じさせる可能性があります。
- 価格設定が比較的高めで、同クラスの他ブランドと比べると割高感があるという評価もあります。
- ワゴンボディ専用モデルとなったことで、セダンを好む顧客層を失う可能性があります。

フォルクスワーゲン パサートのライバル車
新型パサートの主なライバル車として、以下のモデルが挙げられます。
- アウディ A4アバント:
- BMW 3シリーズツーリング:
- ボルボ S60:
- マツダ6ワゴン:
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