ホンダ アコードe:HEV Honda SENSING 360+発売:新グレード価格は599万円 発売日やスペックを解説

ホンダは2025年5月29日、「ACCORD(アコード)」に新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」を追加設定し、2025年5月30日より発売すると発表しました。

車の概要:ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+とは?

アコードは1976年に登場したホンダの基幹モデルで、現在で第11世代目となる歴史あるセダンです。当初は1.6リッターエンジンを搭載した3ドアハッチバックとして誕生し、シビックからの上位車種への買い替えを求める層の受け皿として開発されました。1982年には日本の自動車メーカーとして初めてアメリカでの現地生産を開始し、1989年にはアメリカで最も売れた輸入車ブランドの車種となるなど、ホンダを代表する世界戦略車として成長してきました。

現在のアコードは、新開発の高出力モーターを採用したホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載し、上質な走りと充実の先進装備でお客様から好評を得ています。今回新たに追加された「e:HEV Honda SENSING 360+」グレードでは、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」を国内向けモデルとして初搭載し、ホンダの量販モデルとして初となるハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能をはじめとする、より高度な安全支援機能を備えています。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+のエクステリアデザイン

新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」では、既存のアコード e:HEVをベースとしながらも、より上質でスタイリッシュなデザインを追求した専用の外装仕様が採用されています。

最も特徴的な変更点として、ブラックドアミラーが新たに装備され、従来のボディカラー同色仕様から一転して、よりスポーティーで洗練された印象を演出しています。このブラック化により、車両全体の引き締まった印象が強調され、プレミアムセダンとしての存在感が一層際立つデザインとなりました。

足元には18インチアルミホイール(ベルリナブラック+ダーク切削クリア)を専用装備として採用しています。このベルリナブラック仕上げのホイールは、従来モデルとは明確に差別化された専用デザインで、車両の重心を低く見せる効果とともに、高級感とスポーティーさを両立させています。ダーク切削クリア仕上げにより、光の当たり方によって表情を変える上質な質感を実現しています。

さらに、ブラックカラードシャークフィンアンテナも専用装備として設定されており、車両後部のスタイリングにアクセントを加えています。ただし、ボディカラーによって設定色が異なり、イグナイトレッド・メタリックとキャニオンリバーブルー・メタリックを選択した場合はブラック仕様となりますが、その他のカラーではボディカラー同色となる仕様です。

これらの専用装備により、「e:HEV Honda SENSING 360+」は従来のアコードよりもさらに洗練されたプレミアム感を演出し、上級セダンとしての風格を高めたエクステリアデザインを実現しています。

ボディサイズ
ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+のサイズは全長4975mm、全幅1860mm、全高1450mmです。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+のインテリアデザイン

新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」では、従来のアコードよりもさらに上質で高級感のある室内空間を追求した専用インテリアが設定されています。

最も特徴的な変更点として、ルーフライニングやピラーまでブラックで統一した専用のブラック内装が新たに採用されました。この仕様により、室内全体に統一感のあるモノトーンの上質な空間が演出され、従来モデルとは明確に差別化されたプレミアムな印象を実現しています。

さらに、ホワイトレザーを採用した専用のホワイト内装も新設定として用意されており、お客様の好みに応じて選択できるようになっています。どちらの仕様においても、シート表皮には上質なレザーが採用され、セダンにふさわしい高級感を演出しています。

既存のアコードが持つ基本的なインテリアデザインの美点も継承されており、統一された水平基調がもたらす車格にふさわしいワイドな視界や、心地よくモダンな空間設計はそのまま活かされています。高輝度の金属調フィルムを適用したパワーウインドウスイッチパネルや、艶やかなピアノブラック調インパネガーニッシュなど、細部にわたる上質な仕上げも継続して採用されています。

また、マルチカラーのLEDアンビエントランプが標準装備され、7色の中からお好みの色を設定することが可能で、ユーザーの選択した色に合わせて室内空間を光で演出し、空調の温度操作や音声認識の発話に連動したフィードバックも行います。

運転席・助手席には8ウェイパワーシートが装備され、スライド、リクライニング、ハイト調整を電動で行うことができ、運転席には4ウェイ電動ランバーサポートも備わっており、長時間のドライブでも疲れにくい姿勢をキープできます。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+の走行性能

新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」は、従来のアコードと同様に、ホンダが誇る2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載しています。このシステムは、2.0リッター直噴アトキンソンサイクルエンジンと2つのモーター(走行用・発電用)を組み合わせた先進的なパワートレインです。

走行用モーターは最高出力184PS、最大トルク335Nmという高出力・高トルクを発揮し、発進直後から力強く滑らかで、レスポンスの良い走りを実現します。このトルク値は、従来のV6 3.0リッターエンジンに匹敵する数値で、モーター特有の瞬間的な最大トルク発生により、アクセルを踏んだ瞬間からダイレクトかつスムーズな加速を体感できます。

エンジンは主に発電に徹し、幅広い領域をモーターで走行する設計となっており、熱効率40%を超える高効率エンジンを搭載することで、力強いパワーを高効率に提供します。高速クルージング時には、エンジンの出力軸を車輪へ直結する「エンジンドライブモード」に移行し、マニュアルトランスミッション車のトップギア相当の高速走行に適したギア比設定により、アトキンソンサイクルでの高効率運転を最大限に活かした走行を行います。

新開発の高出力モーターは、従来の丸型銅線から角型銅線への変更により高密度化を実現し、出力向上と23%の小型化・軽量化を同時に達成しています。走行用と発電用の2つのモーターは、従来の同軸配置から2軸配置に変更され、レイアウトの自由度を高めるとともに出力を向上させました。

パワーコントロールユニット(PCU)とインテリジェントパワーユニット(IPU)の軽量化により、高出力化と燃費向上を両立し、エンジンには高燃圧多段直噴システムを採用することで燃焼効率を改善しています。これらの技術により、街中から高速クルージングまで、ホンダならではの制御技術で爽快な走りを追求した「上質・爽快の走り」を実現しています。

また、EVモードも搭載されており、バッテリーからの電力を使ってモーターだけで走行することが可能で、住宅街の走行でエンジン音を控えたい時などに便利な機能となっています。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+の安全性能・運転支援機能

新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」の最大の特徴は、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」を国内向けモデルとして初搭載していることです。従来のアコードに標準搭載されている「Honda SENSING 360」に、ホンダの量販モデルとして初採用となる5つの先進機能が追加されています。

ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能では、高速道路や自動車専用道路を走行中、システムがアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を離しても車速や車線内の走行を維持できるよう支援します。高精度地図と全球測位衛星システム(GNSS)を活用して自車の位置を特定し、道路情報を取得することで、一定の条件下においてハンズオフでの運転を支援します。

レコメンド型車線変更支援機能は、ハンズオフ機能作動中に自車より遅い先行車を検知し、システムが追い越し可能と判断した場合、ドライバーに通知して承認を得た後、ウインカー操作や加減速、ステアリング操作を行い追い越しを支援します。また、ナビで設定した目的地への分岐や出口付近での車線変更、走行車線減少時の車線変更もシステムが支援します。

カーブ路外逸脱早期警報では、高速道路でカーブを走行する際、即座に減速しないと事故のリスクがあると判断した場合、メーターに「前方カーブ注意」を表示し、警告音とヘッドアップディスプレーでの点滅表示により減速を促し、必要に応じて緩減速ブレーキで減速操作を促します。

降車時車両接近警報は、駐停車中に後側方に接近する車両を検知するとサイドミラー上のインジケーターを点灯させ、ドアが接近車両と衝突するおそれがある場合はインジケーターを点滅させ警報音で注意を喚起します。

ドライバー異常時対応システムでは、システムの操作要求にドライバーが反応しない場合、警告音を強めて促し、それでも操作を行わない場合はハザードランプとホーンで周辺車両に注意喚起しながら同一車線で減速・停車を支援し、緊急サポートセンターへ接続します。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+の価格

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+の価格は599万9400円です。

アコードのラインナップは以下の通りです。

  • e:HEV: 559万9000円(消費税10%込み)
  • e:HEV Honda SENSING 360+: 599万9400円(消費税10%込み)

なお、今回の新グレード追加に合わせて、既存の「e:HEV」グレードも価格改定が実施され、従来価格から14万9600円の値上げが行われました。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+の発売時期

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+は、2025年5月30日より全国のホンダディーラーで発売が開始されます。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+の辛口評価

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+をあえて辛口で評価します。

この新グレードは、599万9400円という価格設定に対して、提供される価値に疑問を感じざるを得ません。既存の「e:HEV」グレードから40万円の価格差があるにも関わらず、追加される装備は主に安全運転支援システムとデザイン変更に留まっており、この価格差を正当化するには物足りない内容です。

外観デザインの保守性も指摘せざるを得ません。ブラックドアミラーや専用アルミホイールなどの変更点はあるものの、基本的なデザインは従来モデルと大きく変わらず、600万円という価格帯の車としては冒険心に欠ける印象を受けます。特に「大衆車にしか見えない」という厳しい評価もあり、この価格帯であれば所有する喜びや特別感をより強く演出する必要があるでしょう。

内装の選択肢の少なさも問題です。ブラック内装とホワイト内装の2種類のみの設定で、中国市場では赤のレザーシートやアルカンターラの白内装、さらにはサンルーフまで用意されているのに対し、日本仕様は明らかに選択肢が限られています。この価格帯の車としては、より多様な内装オプションが期待されます。

リセールバリューの懸念も無視できません。ホンダのセダンは一般的にリセールバリューが低く、600万円近い投資に対するリターンは期待できないのが現実です。同価格帯であれば、より高いブランド価値や所有満足度を提供する選択肢が豊富に存在します。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+のライバル車

アコードの主要なライバル車は、同じミッドサイズセダン市場に位置する国産車と輸入車に分かれます。

国産車のライバルとして最も注目されるのはトヨタ・クラウンです。クラウンは440万円からという価格設定で、アコードよりも100万円以上安価でありながら、高い所有満足度とブランド価値を提供しています。特に新型クラウンのクロスオーバーモデルは、時代のニーズに合わせた革新的なデザインを採用しており、アコードの保守的なアプローチとは対照的です。

トヨタ・カムリも重要な競合車種で、348万5000円からという価格設定でアコードよりも大幅に安価です。WLTCモード燃費27.1km/Lという優れた燃費性能を誇り、コストパフォーマンスの面でアコードを上回っています。

日産・スカイラインは、後輪駆動のエンジン車として本格的なスポーツセダンの性格を持ち、アコードとは異なる魅力を提供しています。パワフルな走行性能を重視するユーザーにとっては、アコードよりも魅力的な選択肢となる可能性があります。

マツダ・MAZDA6(現在は生産終了)も、284万円から466万3000円という価格帯で、アコードの強力なライバルでした。

輸入車のライバルとしては、BMW・3シリーズやメルセデス・ベンツ・Cクラスが挙げられます。これらの車種は、プレミアムブランドとしての価値と走行性能を提供し、同価格帯でより高い所有満足度を実現しています。

特に問題となるのは、アコードが「ライバルがクラウン低グレやハリアーになってしまう」という現実です。セダン市場の縮小により、同価格帯ではSUVとの比較が避けられず、実用性や人気の面でSUVに劣勢に立たされているのが現状です。

ホンダ アコード e:HEV Honda SENSING 360+のまとめ

ホンダは2025年5月29日、アコードに新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」を追加設定し、翌30日より599万9400円で発売すると発表しました。このモデルは、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」を国内向けとして初搭載し、ホンダの量販モデルとして初となるハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能を備えています。外観では専用のブラックドアミラーやベルリナブラックのアルミホイールを採用し、内装にはブラック内装とホワイトレザー内装の2種類を新設定しています。従来のe:HEVグレードから40万円の価格差があるものの、主に安全運転支援システムの充実に重点を置いた上級グレードとして位置づけられています。

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