フォルクスワーゲン ジャパンは2024年7月3日、7年ぶりのフルモデルチェンジとなる3代目の新型「ティグアン(Tiguan)」を発表しました。9月より全国のフォルクスワーゲン正規ディーラーにて予約注文の受付を開始し、11月以降に出荷を開始する予定です。日本での価格は発表されていませんが、欧州での新型ティグアンの価格は約630万円(36,600ユーロ)からとなっており、600万円程度の価格が想定されます。

車の概要:フォルクスワーゲン ティグアンとは?
ティグアン(Volkswagen Tiguan)とは、フォルクスワーゲンのミドルサイズSUVです。2007年に初代ティグアンが誕生して以来、世界中で760万台以上の販売を達成した人気モデルです。2019年以降はフォルクスワーゲングループ全体でも最量販モデルとして高い評価を得ており、同社のベストセラーモデルとしての地位を確立しています。3世代目となる新型ティグアンは、従来のMQBアーキテクチャーの進化版であるMQB evoを採用し、最新の技術を数多く取り入れています。外観デザインは一新され、SUVらしいパワフルな印象を強調しつつ、空力性能も向上させています。cd値は0.33から0.28へと改善され、燃費性能の向上にも貢献しています。インテリアには新世代のインフォテイメントシステム「MIB4」を採用し、より直感的な操作が可能になりました。また、アダプティブシャシーコントロール「DCC Pro」や、高精細なLEDマトリックスヘッドライト「IQ.LIGHT HD」など、上級セグメントの先端技術を多数採用しています。パワートレインには、「Tiguan」として初となる48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載した1.5L eTSIガソリンターボエンジンと、2.0L TDIクリーンディーゼルエンジンを用意。日本市場のニーズに応えるため、クリーンディーゼルエンジンにはフルタイム4WDシステム「4MOTION」を組み合わせています。新型ティグアンは、先進の技術と洗練されたデザイン、高い実用性を兼ね備えた次世代SUVとして、さらなる進化を遂げています。

フォルクスワーゲン ティグアンのエクステリアデザイン
新型ティグアンのエクステリアデザインは、フルモデルチェンジで刷新され、SUVらしいパワフルな印象を強調しつつ、洗練された現代的なスタイルを実現しています。
フロントデザインは、フォルクスワーゲンのSUVファミリーのデザイン要素を取り入れています。特徴的な低めのバンパーの上には、中央にフォルクスワーゲンのロゴを配置した幅広いグリルが設置されています。グリルの両端には、全グレードに標準装備されたLEDヘッドライトが配置され、上級グレードには照明付きのグリルライトラインも用意されています。

サイドビューでは、車体の長さに沿って走る力強いキャラクターラインが特徴的です。ルーフレールは、SグレードとSE R-Line Blackグレードではブラック、SEグレードとSEL R-Lineグレードではシルバーとなっています。

リアデザインでは、標準装備のLEDテールランプが車名のレタリングを挟むように配置されており、高級感のある仕上がりとなっています。
新型ティグアンのボディカラーは、アトランティックブルーメタリック、ディープブラックパール、プラチナグレーメタリック、パイライトシルバーメタリック、ピュアホワイト、オパールホワイトパール、キングスレッドの7色が用意されています。R-LineグレードにはR-Line専用のバンパーやボディ同色のサイドシルが装備され、スポーティな印象を強調しています。ホイールは、グレードによって17インチから20インチまでのサイズが用意されています。Sグレードには17インチホイール、SEグレードには18インチアロイホイール、SE R-Line Blackグレードには19インチブラックアロイホイール、SEL R-Lineグレードには20インチホイールが装着されています。

新型ティグアンのエクステリアデザインは、空力性能の向上にも貢献しています。cd値(空気抵抗係数)は0.33から0.28へと改善され、燃費性能の向上にも寄与しています。
フォルクスワーゲン ティグアンのボディサイズ
新型ティグアンのサイズは全長4,545mm、全幅1,840mm、全高1,650mmです。現行モデルに対して全長・全高が約25〜30mm拡大しています。
フォルクスワーゲン ティグアンのインテリアデザイン
新型ティグアンのインテリアデザインは、最新のテクノロジーと快適性を融合させ、洗練された空間を実現しています。中央には新世代のインフォテイメントシステム「MIB4」を採用した大型タッチスクリーンディスプレイが配置されています。このシステムは、より直感的な操作性を実現し、ドライバーの利便性を向上させています。

ダッシュボードには、デジタルメータークラスター「Digital Cockpit Pro」が標準装備されており、運転に必要な情報を鮮明に表示します。さらに、ヘッドアップディスプレイも搭載され、ドライバーの視線移動を最小限に抑えながら重要な情報を確認できます。センターコンソールには、ドライビング・エクスペリエンス・コントロールが配置されており、オーディオの音量調整や運転モードの選択といった機能へ素早くアクセスできるようになっています。
シートデザインも大きく進化し、快適性と機能性が向上しています。「Elegance」と「R-Line」グレードには、運転席に空気圧式マッサージ機能が標準装備されています。さらに、オプションのレザーシートパッケージを選択すると、運転席と助手席の両方に8種類のパターンから選択できる空気圧式マッサージ機能が搭載されます。シートベンチレーション機能も新たに採用され、乗員とシートの間にこもった熱を逃がし、快適性を維持します。また、外気温を検知してシートヒーター・ベンチレーションを自動的に作動させる設定も可能です。

インテリアの雰囲気を演出するアンビエントライトは、カラー調整機能付きで全グレードに標準装備されています。これにより、乗員の好みや気分に合わせて室内の雰囲気を変えることができます。収納スペースも充実しており、前席と後席にはカップホルダーとセンターアームレストが装備されています。また、ラゲージルームには AC100V 電源ソケットが設置され、実用性が向上しています。新型「Tiguan」のインテリアは、高級感と機能性を両立させ、乗員全員に快適な空間を提供しています。最新のテクノロジーと洗練されたデザインが融合し、SUVセグメントにおける新たな基準を示しています。

フォルクスワーゲン ティグアンの走行性能
新型ティグアンは、走行性能においても大幅な進化を遂げています。MQB evoプラットフォームの採用により、高度な制御システムと新世代のパワートレインを組み合わせることで、快適性と動力性能の両立を実現しています。
パワートレインには、2つのラインナップが用意されています。1つはティグアンとして初となる1.5L eTSIマイルドハイブリッドシステム(FWD)で、もう1つは日本市場でも人気の高い2.0L TDIクリーンディーゼルエンジンにフルタイム4WDシステム4MOTIONを組み合わせたものです。1.5L eTSIガソリンターボエンジンは、最新世代のEA211 evo2エンジンを採用し、最大出力110kW(150PS)、最大トルク250Nmを発揮します。このエンジンには、アクティブシリンダーマネジメント機構(ACT)が強化され、4気筒のうち2気筒をより頻繁に停止させることで効率を高めています。また、48Vマイルドハイブリッドシステムを初搭載し、発進時のトルクアシストや燃費向上に貢献しています。

2.0L TDIディーゼルターボエンジンは、EA288 evoエンジンを採用し、142kW(193PS)の最高出力と400Nmの最大トルクを発生させます。このエンジンには、ツインドージングシステムを搭載し、窒素酸化物(NOx)の排出量をさらに削減しています。
走行性能を大きく向上させる新技術として、アダプティブシャシーコントロール”DCC Pro”が挙げられます。これは、ボリュームセグメントでは世界初採用の2バルブ独立制御式システムで、伸び側と縮み側で別々に減衰力をコントロールします。この技術により、ダイナミックな走行と快適な乗り心地を高いレベルで両立させています。さらに、”DCC Pro”と電子制御ディファレンシャルロック(XDS)を高度に協調制御する”Vehicle Dynamics Manager”を採用。これにより、4輪独立で可変制御を行い、フォルクスワーゲンの特徴である正確なステアリングレスポンスをさらに高次元へと引き上げています。また、ドライビングプロファイル機能により、運転者の好みや走行シーンに応じて車両特性を変更することも可能で、多様な走行ニーズに応える柔軟性も備えています。

フォルクスワーゲン ティグアンの安全性能・運転支援機能
新型ティグアンには、フォルクスワーゲンの最新運転支援システム「IQ.DRIVE」が標準装備されています。主な機能は以下の通りです:
- 同一車線内全車速運転支援システム「Travel Assist」
- レーンキープアシストシステム「Lane Assist」
- レーンチェンジアシストシステム「Side Assist Plus」
- アダプティブクルーズコントロール「ACC」(全車速追従機能付)
- 緊急時停車支援システム「Emergency Assist」
- プリクラッシュブレーキシステム「Front Assist」(歩行者&サイクリスト検知対応)
さらに、駐車支援システム「Park Assist Plus」も搭載されており、ステアリング操作だけでなくアクセル・ブレーキも自動操作します。新たに搭載されたメモリー機能では、駐車スペースの50m手前からの操作を記憶することができ、最大5件までメモリー登録が可能です。
フォルクスワーゲン ティグアンの価格
新型ティグアンの価格については、現時点で正式な発表はされていません。日本での価格は発表されていませんが、欧州での新型ティグアンの価格は約630万円(36,600ユーロ)からとなっており、600万円程度の価格が想定されます。

フォルクスワーゲン ティグアンの発売時期
フォルクスワーゲン ジャパンは、新型ティグアンの発売スケジュールを以下のように発表しています。
- 予約注文受付開始: 2024年9月
- 出荷開始: 2024年11月以降
フォルクスワーゲン ティグアンの辛口評価
新型ティグアンをあえて辛口で評価します。
まず、エンジンラインナップについては、1.5L eTSIマイルドハイブリッドシステムと2.0L TDIクリーンディーゼルエンジンの2種類のみとなっており、より高性能なバリエーションを求めるユーザーにとっては物足りなさを感じる可能性があります。また、インテリアデザインについては、機能性は高いものの、デザイン面での個性や魅力が若干不足している印象です。特に、同価格帯の他ブランドのモデルと比較すると、高級感や先進性の面でやや見劣りする部分があります。燃費性能に関しては、ライバル車と比較してやや劣る点も指摘されています。

フォルクスワーゲン ティグアンのライバル車
新型ティグアンの主要なライバル車としては、以下のモデルが挙げられます:
- トヨタ RAV4:
日本市場で圧倒的な人気を誇るRAV4は、ティグアンにとって最大のライバルの一つです。RAV4は優れた燃費性能と広い室内空間が特徴で、特にハイブリッドモデルの燃費性能はティグアンを大きく上回ります。一方で、ティグアンは走行性能や高級感の面で優位性を持っています。 - ホンダ CR-V:
CR-Vも日本市場で人気の高いモデルです。ティグアンと同様にターボエンジンを採用しており、走行性能は互角です。CR-Vは室内の広さと使い勝手の良さで評価が高く、ティグアンはより洗練されたデザインと高級感で差別化を図っています。 - マツダ CX-5:
CX-5はティグアンと同様に、走行性能と高級感を重視したモデルです。デザイン性と内装の質感ではティグアンと互角か若干優位ですが、ティグアンの方が最新の運転支援システムや快適装備で一歩リードしています。 - 日産 エクストレイル:
エクストレイルは、ティグアン同様に3列シートを選択できる点が特徴です。オフロード性能ではエクストレイルが優位ですが、ティグアンは舗装路での走行性能と高級感で勝っています。 - BMW X1:
プレミアムブランドのエントリーSUVであるX1は、ティグアンよりも高価格帯に位置しますが、同様のターゲット層を狙っています。X1は走行性能と高級感でティグアンをやや上回りますが、ティグアンの方が価格面での優位性と実用性の高さを持っています。
コメント