2024年5月2日、フォルクスワーゲンはコンパクトハッチバックEVのフォルクスワーゲン ID.3(Volkswagen ID.3)のマイナーチェンジモデルの詳細を発表し、欧州でPro Sモデルの先行販売を開始しました。
改良新型ID.3は、パワートレインがアップデートされ、より力強い電気駆動や、最大559kmの航続距離を発揮する電気自動車へ進化しました。また、次世代インフォテインメントを搭載し、新しいディスプレイや操作コンセプト、生成AIのChatGPTを統合した最新世代のソフトウェアなど、デジタル面でのアップデートも施されました。

車の概要:VW ID.3とは?
フォルクスワーゲン ID.3とはドイツの自動車メーカーフォルクスワーゲンの小型ハッチバックタイプのEV専用モデルです。2020年に初代ID.3が登場しました。フォルクスワーゲンのEV専用プラットフォーム「モジュラーエレクトリックドライブマトリックス(MEB)」を採用しています。ID.3の車名の3には、VWの最重要モデルであるビートル、ゴルフに次ぐ第3の革新的なモデルになるという意味から由来しています。
2023年3月にID.3初のマイナーチェンジをワールドプレミア。2024年5月、改良新型ID.3を発売しました。

VW ID.3のエクステリアデザイン
新型フォルクスワーゲン ID.3のエクステリアは、エアロダイナミクスが改善され、フレッシュでシャープなエクステリアに進化しました。
新しいフロントバンパーは親しみのあるデザインに。フロントガラス下の黒い帯が取り除かれたことで、ボンネットが長く見えるようになり、サイドの凹み部分がさらにフロントを長く見せています。
「エア・カーテン」と呼ばれる前輪周りの空気の流れを改善し、エアロダイナミクスを最適化しました。リヤでは、2分割されたテールライトが初めてリヤリッドにも搭載されています。



VW ID.3のインテリアデザイン
新型フォルクスワーゲン ID.3のインテリアは、よりモダンなデザインとアニマル・フリーの素材が使用されたサステナブルな設計となっています。コントラストカラーの縫い目が上質感を高めています。
ドアトリムとシートカバーにマイクロファイバー素材Artvelours Ecoを使用。これは、プラスチックをリサイクルして得られる二次原料からできています。アートベロア・エコは、従来素材と同様の見た目と手触り、耐久性を備えています。

新型ID.3には、最新世代のインフォテインメントシステムが搭載。コンソール中央のタッチスクリーンは12.9インチへ大型化。5.3インチのコンパクトなドライバーディスプレイは、よりシンプルで直感的な操作が可能となったマルチファンクションステアリングホイールで操作可能です。オプションの拡張現実ヘッドアップディスプレイ(ARヘッドアップディスプレイ)は、車速やダイナミックナビゲーションの指示などの情報をフロントガラスに投影します。

ドライビング・モード・セレクターはデジタル・コックピットのハウジングから取り外され、独立したステアリング・コラム・スイッチとして設計されています。照明付きで人間工学に基づいたデザインのタッチスライダーは、インフォテインメント・システム・ディスプレイの下に配置され、室内温度や音量の調節に使用されます。新しいIDA音声アシスタントは自然言語で操作できます。多くの車両機能を操作できるだけでなく、ウィキペディアなどのオンラインデータベースにアクセスして質問に答えることも可能です。そしてもう一つの新機能は、ChatGPTによる人工知能(AI)が統合されています。
ウェルネス・アプリという、運転中や休憩中の健康増進のために開発された新機能も追加。ID.3 Pro Sでは、このアプリは背景照明、サウンド、空調などの機能を使用。発売段階では、以下のウェルネス・モードが利用可能です:フレッシュアップ、カームダウン、パワーブレイク。モードはカスタマイズも可能で、例えば、あらかじめプログラムされたサウンドの代わりにスポティファイ(Spotify)のプレイリストを使用。

新しいサウンドシステムID.3 Pro Sには、オーディオのスペシャリストであるハーマン カードン(Harman Kardon)の480Wサウンドシステム(オプション)が追加。この12チャンネル・サウンド・システムは、あらかじめ4つのサウンド設定が可能です:Pure(ニュートラルなスタジオサウンド)、Relax(イージーリスニング)、Speech(話し言葉にフォーカス)、Vibrant(ダイナミックなライブサウンド)。
VW ID.3の走行性能
新型フォルクスワーゲン ID.3の電気モーターはパワーアップし、効率性も向上しました。ID.3オーナーは車両を購入後、ファンクション・オン・デマンドによって最高出力を150 kWから170 kWに引き上げるかどうかを決めることができるようになりました。この「パワー・オン・デマンド」オプションはフォルクスワーゲンにとって新たなデジタル・ビジネスモデルです。最高出力を170 kWにパワーアップすると、0-100 km/h加速は7.1秒に向上。ID.3 Pro SのWLTP航続距離は559kmに達します。
外出先では、革新的な充電・温度管理機能により、次のDC充電停止に先立ち、バッテリーのコンディションをあらかじめ整えます。これにより、ID.3 Pro Sは長距離でもできるだけ早くエネルギーを供給することができます。バッテリーは最適な温度まで加熱されるため、最大出力175kWでの充電が可能に。これにより、特に冬場の充電時間を数分短縮することができます。

VW ID.3の安全性能・運転支援機能
新型VW ID.3 Pro Sグレードには、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、歩行者・サイクリストモニタリング機能付き自律緊急ブレーキ(フロントアシスト)、車線維持システムレーンアシスト、旋回時の対向車ブレーキ機能、ダイナミック道路標識ディスプレイなどすでに幅広いアシストシステムが搭載されています。また、Car2Xトラフィック・ハザード・アラート機能も標準装備。このシステムは、道路上で何が起きているかの情報を提供することでドライバーをサポートし、道路工事、事故、渋滞の終わり、緊急車両などの状況を早期に警告することができます。
オプションには、スウォームデータを活用した拡張トラベルアシストのような革新的なシステムが含まれます。これにより、全車速域での縦方向および横方向の誘導支援や、高速道路での車線変更支援が可能になります。パークアシスト・プラスとシステムのメモリー機能(最大50メートルの距離で保存された駐車操作を自動的に実行)は、オプション装備として利用可能です。パークアシスト・プラスは、スマートフォンアプリによるリモートパーキング機能を含むように拡張。出口警告システムは、サイドアシスト車線変更システムの延長として、ID.3に新たに追加されました。システムの制限内であれば、後方から車両が接近してきた場合に、片方のドアが開かないようにすることができます。システムは音響と視覚による警告を発し、緊急の危険が迫った場合には、該当するドアの開放を短時間で阻止します。

VW ID.3の価格
新型フォルクスワーゲン ID.3の価格は未発表です。
VW ID.3の発売時期
新型フォルクスワーゲン ID.3はPro Sグレードが2024年5月2日に先行販売開始されました。
VW ID.3は日本で発売される?
現行のID.3は日本で販売されていませんが、ID.3は日本導入予定とされています。
正式発表されていませんが、この新型ID.3が日本で販売される可能性はあります。

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