アウディの電動SUVのフラッグシップモデル、アウディ Q8 e-tron(Audi Q8 e-tron)。新型アウディ Q8 e-tronは、2018年に登場したアウディ初の量産電気自動車アウディ e-tronの後継モデルとして位置付けられています。従来のSUVモデルに加え、クーペライクなスタイルのアウディ Q8 スポーツバック e-tron(Audi Q8 Sportback e-tron)もラインナップされています。
車の概要:アウディ Q8 e-tronとは?
Q8 e-tron / Q8 Sportback e-tronは、アウディの最上級EVであるSUVモデルです。電気自動車の先駆者であるe-tronの成功を受け継ぎ、さらに進化させたモデルです。初代モデルとなるe-tronはアウディブランド初の量産電気自動車として、2018年に誕生しました。2022年11月にマイナーチェンジが発表され、2023年に日本で新型Q8 e-tron、Q8 Sportback e-tronが発売されました。

Q8 e-tronのパワートレインは、50 e-tron、55 e-tron、SQ8 e-tronの3種類が用意され、最大出力は250kW(340PS)から370kW(503PS)まで幅広くラインナップされています。バッテリー容量も89kWhと106kWhの2種類が選択可能で、WLTPモードでの航続距離は最大619kmに達します。Q8 e-tronはデザイン面でも新しいアウディのブランドアイデンティティを採用し、フロントグリルやヘッドライト、リアデザインなどが刷新されています。
アウディ Q8 e-tronのエクステリアデザイン
新型アウディQ8 e-tronのエクステリアデザインは、フラッグシップ電動SUVとしての先進性と力強さを表現しています。フロントデザインでは、八角形のシングルフレームグリルが特徴的です。ほぼ完全に閉じられたグリルは、電気自動車であることを強調しています。グリル周囲のマスクは、特徴的なヘッドライトと視覚的につながり、車両の幅を強調する効果があります。ヘッドライトには、デイタイムランニングライトの水平なライトシグネチャーが組み込まれています。オプションのデジタルマトリクスLEDヘッドライトを選択すると、より精密な照明機能が利用可能になります。

サイドビューでは、バッテリーパッケージを収めた低いシルエットが印象的です。オプションのバーチャルエクステリアミラーは、空力性能の向上に寄与するとともに先進的な印象を与えます。


リアデザインでは、水平基調のテールライトが特徴的です。デイタイムランニングライトのグラフィックを反映したセグメント化されたデザインとなっています。

ボディカラーは11色が用意され、新色のソネイラレッドメタリック、マグネティックグレー、マデイラブラウンメタリック、ウルトラブルーメタリックなどが加わりました。S lineパッケージを選択すると、20インチホイールやボディ同色のフルペイントなどでよりスポーティな外観を演出できます。
ホイールサイズは19〜22インチまで選択可能で、5種類の新しいデザインが追加されました。
空力性能も大幅に改善され、クーペスタイルのスポーツバックモデルでは空気抵抗係数(Cd値)を0.26から0.24に、SUVモデルでは0.28から0.27に低減しています。これにより、航続距離の向上に貢献しています。

アウディ Q8 e-tron のボディサイズ
アウディ Q8 e-tronのサイズは全長4,915mm、全幅1,935mm、全高1,635mmです。
アウディ Q8 Sportback e-tronのサイズは全長4,915mm、全幅1,935mm、全高1,620mmです。
アウディ Q8 e-tronのインテリアデザイン
新型アウディQ8 e-tronのインテリアデザインは、高級感と先進性を兼ね備えています。まず、室内空間の広さが特筆されます。巨大なサイズのQ8 e-tronは、前後席ともに十分な頭上空間と膝元スペースを確保しています。特に後席は、電気自動車特有のセンタートンネルがないため、レッグルームに余裕があります。
インテリアデザインの特徴として、水平基調のダッシュボードが挙げられます。ドアパネルまで伸びる大きなアーチ状のラップアラウンドデザインが採用され、運転席を中心とした操作性の良いコックピットレイアウトとなっています。上部のMMIタッチレスポンスディスプレイは、電源オフ時には大きな黒いパネル面に溶け込むようなデザインです。下部のディスプレイは、センターコンソールに統合されています。

高級感を演出する内装素材も充実しています。ファブリックから本革まで幅広い選択肢があり、S lineモデルではコントラストステッチ入りのスポーツシートが用意されています。デコラティブパネルには、オープンポアの木目調やアルミニウム、カーボン構造など、様々な素材が選べます。新たに、ライトブラウンのウォールナットウッドや、リサイクルPETボトルから作られた持続可能な技術ファブリックも追加されました。

快適装備も充実しています。パノラマガラスルーフは電動で開閉可能で、室内を明るく開放的な雰囲気にします。4ゾーンオートマチックエアコンやエアクオリティパッケージなどのオプションも用意され、イオン化装置や調整可能な芳香剤により、最高級の空気品質を実現します。
さらに、シートには3段階の通気機能が備わっており、暑い日でも快適なドライブが楽しめます。オプションのコンツアーシートには、マッサージ機能も搭載可能です。10個のエアクッションが7種類のプログラムと3段階の強度で背中の筋肉をリラックスさせ、長距離ドライブでの快適性を高めます。

サステナビリティにも配慮がなされています。インテリアの一部には、リサイクル素材が使用されています。カーペットや断熱材、制振材にはリサイクル素材が採用され、資源の有効活用と循環型経済への貢献を目指しています。
アウディ Q8 e-tronの走行性能
新型アウディ Q8 e-tronは、3つのパワートレインバリエーションが用意されています。エントリーモデルのQ8 50 e-tronは、89kWhのバッテリーを搭載し、最高出力250kW(340PS)、最大トルク664Nmを発揮します。0-100km/h加速は6.0秒です。
中間グレードのQ8 55 e-tronは、106kWhの大容量バッテリーを採用し、最高出力300kW(408PS)、最大トルク664Nmを実現。0-100km/h加速は5.6秒です。
最上級グレードのSQ8 e-tronは、3モーター(フロント1基、リア2基)による電気式quattroシステムを採用。最高出力370kW(503PS)、最大トルク973Nmという圧倒的なパフォーマンスを実現し、0-100km/h加速はわずか4.5秒を記録します。

Q8 e-tronの航続距離は最大619km(レンジプラスパッケージ装着車)で、エントリーモデルでは424kmです。
Q8 e-tronは、電気自動車ならではの低重心と理想的な重量配分により、優れたハンドリング性能を実現しています。標準装備のアダプティブエアサスペンションと進化した電動パワーステアリングにより、快適性と俊敏性を高次元で両立させています。

また、新開発のホイールスポイラーや空力パーツの採用により、空気抵抗係数(Cd値)を大幅に低減。SUVモデルで0.27、スポーツバックモデルで0.24という優れた空力性能を実現し、航続距離の向上に貢献しています。
充電性能も向上し、DC急速充電では最大170kW(Q8 50 e-tronは150kW)の充電が可能。10%から80%までの充電時間は約31分で、10分の充電で最大123kmの航続距離を追加できます。
アウディ Q8 e-tronの安全性能・運転支援機能
新型Audi Q8 e-tronは、最新の安全性能と運転支援システムを搭載しています。車両には5つのレーダーセンサー、5つのカメラ、12個の超音波センサーが装備され、周囲の状況を常時モニタリングしています。これらのセンサー情報を中央制御ユニットで統合的に処理することで、40種類もの運転支援機能を実現しています。
標準装備のアウディプレセンスは、事故の危険を察知すると乗員を保護するための対策を自動的に講じます。アダプティブクルーズアシストは、長距離ドライブでの運転負荷を軽減します。
駐車時の安全性向上のため、インテリジェントパークアシストやリモートパークアシストプラスなどの新機能も用意されています。これらのシステムにより、狭いスペースへの駐車も容易になります。
さらに、デジタルマトリクスLEDヘッドライトやバーチャルエクステリアミラーなど、先進的な装備により夜間や悪天候時の視認性も向上しています。

アウディ Q8 e-tronの価格
アウディQ8 e-tronの日本での価格帯は、1,099万円から1,492万円となっています。具体的なグレード別の価格は以下の通りです。
- アウディ Q8 50 e-tron quattro S line: 1,099万円
- アウディ Q8 55 e-tron quattro S line: 1,275万円
- アウディ Q8 Sportback 55 e-tron quattro S line:1,317万円
- アウディ SQ8 Sportback e-tron:1,492万円
アウディ Q8 e-tronの発売時期
新型アウディQ8 e-tronは、2023年8月31日に日本国内で正式に発売されました。そして2023年夏以降に日本で発売されました。

アウディ Q8 e-tronの辛口評価
アウディQ8 e-tronをあえて辛口で評価します。
- 重量: 約2.5トンという車重は、ハンドリングや効率性に影響を与える可能性があります。
- 価格: 1,099万円からという価格帯は、同クラスの他のEVと比較しても比較的高額です。
- デザイン: 外観デザインの刷新は行われましたが、ラグジュアリーEV SUVとしてはやや保守的であると考えられます。
アウディ Q8 e-tronのライバル車
アウディ Q8 e-tronのライバルモデルとしては以下が挙げられます。
- BMW iX:
- 専用EVプラットフォームを採用
- より長い航続距離(最大630km)
- 最新のテクノロジーと先進的なデザイン
- メルセデス・ベンツ EQE SUV:
- EV専用設計による効率的な空間利用
- 最新のインフォテインメントシステム
- メルセデスならではの高級感
- テスラ Model X:
- 長い航続距離と高速充電ネットワーク
- 独自の自動運転技術
- 斬新なデザインと機能(ファルコンウィングドア)
- ジャガー I-PACE:
- スポーティな走行性能
- 洗練されたデザイン
- 比較的コンパクトなボディサイズ
- ポルシェ タイカン クロスツーリスモ:
- 高性能と優れた走行ダイナミクス
- ポルシェブランドの魅力
- 800V系システムによる超高速充電
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