メルセデスベンツ新型GLCクーペ：高級SUVクーペの定番モデル 価格は898万円

2023年11月にメルセデス・ベンツ日本が発売した、新型メルセデス・ベンツ GLC クーペ（Mercedes-Benz GLC Coupe）は、SUVクーペ特有の流麗なフォルムとSUVの走破性や存在感が融合した魅力的なモデルです。GLCクーペはメルセデス・ベンツのベストセラーモデルCクラスに匹敵する快適性も兼ね備えています。この記事ではGLCクーペについて詳しく紹介していきます。

車の概要：メルセデス・ベンツ GLCクーペとは？

メルセデス・ベンツ GLCクーペとはドイツ高級車メーカーメルセデス・ベンツGLCをベースとしたミドルサイズSUVクーペです。2016年にベースとなる初代GLCクラスが誕生し、2017年にGLCの派生モデルとして初代GLCクーペが登場しました。そして2023年、初のフルモデルチェンジを実施し2代目GLCクーペが発売されました。

新型GLCクーペの特徴は、流れるようなシルエットとスポーティな外観、リアルウッドトリムを使用した高級感溢れるインテリアにあります。また、ダイナミックな走行特性、進化した安全運転支援システム、縦型の11.9インチ大型メディアディスプレイが装備されています。このメディアディスプレイでは、走行状況に合わせて変化するコンテンツを提供し、ゼロレイヤーデザインにより、直感的な操作が可能になっています。

さらに、ARナビゲーションや130万画素のDIGITALライトによる夜間視界の確保、リアアクスルステアリングによる優れたハンドリングなど、フラッグシップモデル「Sクラス」から受け継がれた最新技術が採用されています。特に注目すべきは、「トランスペアレントボンネット」機能やオフロード時に車両の傾きや路面の勾配を表示する「オフロードスクリーン」で、オフロード性能の向上にも貢献しています。

メルセデス・ベンツ GLCクーペのエクステリアデザイン

新型メルセデス・ベンツ GLC クーペは、ブランドのデザイン哲学「Sensual Purity センシュアルピュリティ（官能的純粋さ）」に基づき、洗練された美しさと力強い存在感を備えたSUVクーペとして登場しました。メルセデス・ベンツSUVファミリーの一員としてのアイデンティティを保ちながら、現代的ラグジュアリーを象徴するデザインを採用しています。

フロントは、クロームトリムとアンダーガード風のデザインでスタイリッシュにまとめられ、スターパターングリルにより先進的な表情を演出しています。アグレッシブなフロントバンパーとスリムなヘッドライトが車のワイド感を強調し、圧倒的な印象を与えます。

サイドビューは、不要なラインやエッジを減らし、彫刻的な曲線を通じて陰影を生み出すことで、力強さとエレガンスを表現しています。ホイールアーチ上のラインやドアパネル下部を貫くラインがサイドの曲面にエッジを加え、スポーティかつ表情豊かなボディデザインを実現しています。ホイールベースの延長により、よりスポーティでスタイリッシュなシルエットが生まれました。

リアは、張り出したフェンダーと水平基調のバンパー、新型リアコンビネーションランプにより、リアエンドをワイドかつシャープに見せます。クロームトリムがエグゾーストエンドと一体化し、リアエンドに個性を加えています。改良されたエアロダイナミクスにより、優れた燃費性能も実現しています。

新型メルセデス・ベンツ GLCクーペのボディサイズは全長4765mm、全幅1890mm、全高1605mmです。

メルセデス・ベンツ GLCクーペのインテリアデザイン

新型メルセデス・ベンツ GLC クーペは、航空機の影響を受けたダイナミックなデザインと最先端技術が融合したインテリアを特徴としています。ダッシュボードは上部が翼の形を模したデザインで、角型のエアアウトレットが配置されており、スポーティさを強調しています。また、豪華なリアルウッドのインテリアトリムがダッシュボードからセンターコンソールにかけて広がり、高級感あふれる室内空間を演出しています。

12.3インチの大型コックピットディスプレイと11.9インチの縦型メディアディスプレイはドライバーに向けて傾斜して配置され、視認性と操作性を高めています。これらのディスプレイは、ナビゲーションやアシスタンス、オフロードモードなど多彩なカスタマイズが可能で、個々のドライバーの好みに合わせた運転環境を提供します。

新型GLC クーペのインテリアには、最新世代のメルセデス・ベンツステアリングホイールも搭載されています。これには静電容量式センサーが備えられており、ドライバーがステアリングホイールを握っているかを認識できるため、ディスタンスアシスト・ディストロニックの使用時においても、より自然なドライビングが可能です。

インテリアの魅力をさらに引き立てるのは、「アンビエントライト」です。64色から選べるこの照明は、車内をさまざまな色で染め上げることができ、エアコンディショナーの温度設定に応じて色が変わる機能も備えています。

ナビゲーションシステムには、AR（拡張現実）技術を採用し、現実の道路景色にナビゲーション情報を重ねて表示することで、より直感的な行先案内を可能にしています。また、生体認証による個人設定の読み込み機能も搭載しており、ドライバーごとに最適な運転環境を素早く設定できます。

メルセデス・ベンツ GLCクーペの走行性能

新型メルセデス・ベンツ GLC 220 d 4MATIC クーペは、パワフルかつクリーンな2.0リッターディーゼルターボエンジン「OM654M」を搭載し、マイルドハイブリッドシステムによる電気のブースト機能を組み合わせることで、効率的ながらもダイナミックなドライビングを実現しています。この組み合わせにより、エンジン自体は最高出力197PS（145kW）、最大トルク440Nmを発生し、短時間で最大23PS（17kW）、205Nmの追加パワーを発揮します。この先進的なエンジンは、排気量を1,992ccに拡大し、燃料噴射圧力を2,700 barまで高めるなど、数々の改良を施されており、快適な走行性能と低燃費を両立させています。

また、「9G-TRONICオートマチックトランスミッション」との組み合わせにより、広い変速比幅を持ち、低回転での運転を実現しており、これによりエネルギー効率の向上と快適性を提供しています。さらに、「DYNAMIC SELECT」に「Offroad」モードを含むことで、オフロード時の走破性も強化されています。

新型GLC クーペは、「トランスペアレントボンネット」や「オフロードスクリーン」機能を搭載しています。これらは360°カメラシステムを利用して、オフロード走行時にフロント部分下方の路面状況をリアルタイムで把握できるようにするものです。これにより、大きな石や深い窪みなどの障害物を早期に察知し、運転の安全性を高めることが可能になります。

サスペンションには、「AGILITY CONTROL サスペンション」が標準装備され、乗り心地と静粛性、俊敏なハンドリングを実現しています。オプションで選択可能な「AIRMATICサスペンション」は、可変ダンピングシステムを搭載し、路面状況や運転状況に応じて最適な減衰力を保ち、さらに高速走行時や「Sport」モード選択時には車高を下げることで、ハンドリングや空力特性を向上させます。

後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」もオプション装備として用意され、約60km/h以下ではリアホイールをフロントホイールと逆方向に最大4.5度傾けることで、クルマの取り回しやすさを向上させます。60km/hを超えると、同じ方向に最大4.5度操舵し、走行安定性を高めます。

メルセデス・ベンツ GLCクーペの安全性能・運転支援機能

新型メルセデス・ベンツ GLC クーペには、「インテリジェントドライブ」と呼ばれる先進の運転支援機能が搭載されています。このシステムには、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックやアクティブステアリングアシストなどが含まれ、高速道路や一般道での運転をサポートします。特にアクティブディスタンスアシスト・ディストロニックは、車間距離の自動調整や、必要に応じてアクセルおよびブレーキの調整を行い、先行車が停止した場合には自車も自動で停止します。渋滞時には自動で再発進する機能も備わっています。

また、アクティブレーンチェンジングアシストでは、ドライバーがウインカーを使用して車線変更の意思を示すと、車両周囲を監視し、安全であれば自動で車線変更を行います。緊急時にはアクティブエマージェンシーストップアシストが車両を安全に停止させ、二次災害を防ぎます。