2023年12月14日、メルセデス・ベンツ日本は新型メルセデス・ベンツ GLS(Mercedes-Benz GLS)を発表し、同日日本での販売を開始しました。このモデルは、メルセデスSUVラインナップの最上級モデルとして位置付けられています。今回の改良新型GLSはエクステリアとインテリアの一新、パワートレインの変更など、多岐にわたるアップデートが施されています。この記事ではメルセデスベンツGLSについて詳しく紹介していきます。

車の概要:メルセデス・ベンツ GLSとは
メルセデス・ベンツ GLSは、ドイツの高級車メーカー メルセデス・ベンツのフラッグシップSUVです。GLSクラスはメルセデス・ベンツ GLクラスの後継車として位置付けられています。
初代GLSは2015年にはロサンゼルスモーターショーで発表され、日本では2016年4月に販売が開始。2代目GLSは2019年にはニューヨークモーターショーで発表され、2020年3月23日に日本での販売が開始されました。そして3代目が2023年4月4日に発表され、12月14日に日本で発売されました。

GLSは、メルセデス・ベンツのSUVラインアップの中で最上級のフルサイズSUVです。この車は、大人7名がゆったりと乗車できる広々としたボディサイズを持ち、オンロード/オフロード問わず優れた走行性能を有しています。上質で高いプレステージ性が特徴で、メルセデス・ベンツの中で非常に高い地位を占めています。
メルセデス・ベンツ GLSのエクステリアデザイン
メルセデス・ベンツの新型GLSクラスは、最新のフルサイズSUVとして、堂々たる存在感を誇るエクステリアデザインとなっています。この新型GLSは、メルセデス・ベンツの新デザイン言語「Sensual Purity(官能的純粋)」を採用し、エレガントなスタイルを表現しています。細かなエッジやラインを減らして面を強調することで、シンプルかつ洗練された外観を実現しており、エアロダイナミクスの改善にも大きく貢献しています。例えば、Cd値は0.32と、大型ラグジュアリーSUVとしては極めて優秀な空力性能を実現しています。
新型GLSのフロントグリルは、4本の力強い水平ルーバーを取り入れた新デザインが採用されています。このデザインは、車両のフロントビューに力強さと威厳を添え、メルセデス・ベンツの象徴的なエレガンスをさらに強調しています。フロントバンパーとエアインテークのデザインも新しくなり、よりスポーティな外観を実現しています。この新デザインは、車両のダイナミックな性格を前面に押し出すことで、GLSの存在感を際立たせています。マルチビームLEDヘッドライトは片側84個ものLEDを瞬時に制御する先進システムを搭載。

パノラミックスライディングルーフを搭載し、広大な面積のガラスルーフが、室内に大きな開放感をもたらします。
20インチの新しいホイールデザインは、車両全体の外観を引き締め、モダンで洗練された印象を与える要素となっています。

テールライトも新しいデザインに変更されています。新しいテールライトは、後部のスタイリングを一新し、GLSのスタイリッシュで先進的なキャラクターをさらに強調しています。
サイズは全長5210mm✕全幅1955mm✕全高1825mm、ホイールベースは3135mmとなっています。

メルセデス・ベンツ GLSのインテリアデザイン
メルセデス・ベンツの新型GLSのインテリアデザインは、ラグジュアリーと実用性を兼ね備えた進化したデザインです。7人乗りの3列シートが標準仕様で、2色のレザーカラー「カタラーナベージュ」と「バイア・ブラウン」が新たに設定されています。また、グロッシーブラウンのライムウッドがインテリアトリムに標準装備されています。

本革巻ウッドステアリングホイールはメルセデス・ベンツの最新世代を採用。ウッドと本革の上質なステアリングにはインフォテインメントの主要な機能を操作できるスイッチを集約しています。
デジタル装備としては12.3インチメディアディスプレイと12.3インチコックピットディスプレイを搭載。インフォテインメントシステムとして、MBUXの最新世代が採用されています。ディスプレイは3種類のスタイル(クラシック、スポーティ、ディセント)と3種類のモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス)から選べるようになっており、タッチスクリーンとして多機能に対応しています。

空調システムに関しては、前席左右、2列目シート左右、そして3列目シートの空調を独立して調整できる5ゾーンクライメートコントロールを採用。全乗員に快適な空調環境を提供しています。また、ドアクロージングサポーターを採用し、少ない力でもドアを確実に閉めることができる工夫がされています。
これまでGLS 580にのみオプション設定されていた2列目左右のリラクゼーション機能やシートベンチレーター、ヘッドレストクッションなどを追加できる「ショーファーパッケージ」がGLS 450dにもオプション設定され、最上級のSUVにふさわしい快適でラグジュアリーな空間を実現しています。また、全モデルにはBurmester®サラウンドサウンドシステムを標準装備し、心地よいサウンドを楽しむことが可能です。



メルセデス・ベンツ GLSの走行性能
メルセデス・ベンツの新型GLSは、フラッグシップSUVならではのオンロードとオフロードの両方で優れた走行性能を兼ね備えています。パワートレインは2タイプをラインナップ。いずれも電動化されたハイブリッドパワートレインとなっています。
GLS 450d 4MATIC
3.0ℓ直列6気筒ディーゼルエンジン+ISGを搭載。このエンジンは最高出力は367PS、最大トルクは750Nmを発揮。エンジンとトランスミッションの間に配置された電気モーター(ISG: Integrated Starter Generator)が搭載されています。このシステムはオルタネーターとスターターの機能も兼ね備え、48Vの電気システムにより回生ブレーキを通じて約1kWhのリチウムイオンバッテリーに発電します。エンジンが低回転時には、この電力を利用して動力補助を行い、効率性と力強い加速を実現します。また、エンジン始動時の振動を抑え、アイドリングストップ時の再スタートの快適性も向上しています。
GLS 580 4MATIC Sports
新型の4.0リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンが搭載されています。エンジンは最高出力517PS、最大トルク730Nmを発揮します。また、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と48V電気システムが組み合わされ、低負荷時に4気筒を休止することで燃料消費量とCO2排出量を抑制し、効率性、快適性、高性能化を同時に実現しています。
ドライビングダイナミクスの面では「Eアクティブボディコントロール」が設定されており、これはエアマチックのシステムをベースに、4輪それぞれに48V対応のアクチェーターを追加することで、スプリングレートとダンパーの減衰力を個別制御できる革新的なシステムです。さらに、ロードサーフェススキャン機能はステレオカメラで前方の路面をモニタリングし、あらかじめダンパーの減衰力を計算して準備し、よりフラットな乗り心地を提供します。また、オフロードモードでの脱出機能は、サスペンションが4輪を個別に上下させることで、タイヤが地面に加える荷重を増減させ、トラクションを復帰させます。

メルセデス・ベンツ GLSの価格
新型メルセデス・ベンツ GLSの価格は1530万円から2030万円です。
・GLS 450 d 4MATIC(ISG搭載モデル):15,300,000円
・GLS 580 4MATIC Sports(ISG搭載モデル):20,300,000円
メルセデス・ベンツ GLSの発売時期
新型メルセデス・ベンツ GLSは2023年12月14日に発売されました。

メルセデス・ベンツ GLSの辛口評価
新型GLSをあえて辛口で評価します。
まず最大の課題は価格でしょう。最も安いグレードでも1500万円オーバーと、かなり高価な設定となっています。
またかなり大きなボディサイズも、日本での取り回しにおいては大きな懸念となるでしょう。
メルセデス・ベンツ GLSのライバル車
メルセデス・ベンツ GLSの競合モデルとしては以下が挙げられます。
BMW X7
BMW X7は、ドイツの高級車メーカーであるBMWが製造・販売しているSUVです。2018年に初代モデルが発売され、2022年に大幅改良が実施されました。X7は、BMWのフラッグシップSUVとして、高級感や走行性能に優れています。
Audi Q8
Audi Q8は、ドイツの高級車メーカーであるAudiが製造・販売しているSUVです。2018年に発売され、現在は1代目モデルのみが販売されています。Q8は、AudiのSUVラインナップの最上級モデルとして、高級感や走行性能に優れています。また、クーペのような流麗なデザインが特徴です。
ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバーは、イギリスの高級車メーカーであるランドローバーが製造・販売しているSUVです。1970年に初代モデルが発売され、現在は5代目モデルが販売されています。レンジローバーは、ランドローバーのフラッグシップSUVとして、高級感やオフロード性能に優れています。また、ラグジュアリーな内装や、最新の安全技術が搭載されているのも特徴です。
レクサス LX
レクサス LXは、日本のトヨタ自動車の高級車ブランドであるレクサスが製造・販売しているSUVです。1995年に初代モデルが発売され、現在は4代目モデルが販売されています。LXは、レクサスのフラッグシップSUVとして、高級感やオフロード性能に優れています。

まとめ
メルセデス・ベンツの最上級フラッグシップSUVのGLSは堂々とした存在感が魅力的です。ただ、エクステリア、インテリアともに最新のメルセデスのデザインや機能からすると遅れている印象が否めません。このマイナーチェンジによってどこまで若返りに成功できるかが鍵となるでしょう。
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