ホンダ 新型プレリュード 9月発売|価格617万円から、24年ぶり復活の6代目スペシャリティスポーツ

ホンダは2025年9月4日、新型プレリュード(Honda Prelude)を2025年9月5日に発売すると発表しました。24年ぶりの復活となる6代目プレリュードは、電動化時代の新しいスペシャリティスポーツとして、Honda独自のハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載し、「操る喜び」と環境性能を両立させたモデルです。大空を自由に飛べるグライダーを発想の起点とし、「UNLIMITED GLIDE(無限滑空)」をグランドコンセプトに掲げ、優雅に滑空するような高揚感と非日常のときめきを提供することを目指しています。

車の概要:ホンダ プレリュードとは?

ホンダ プレリュードは、1978年に初代が登場して以来、日本を代表するスペシャリティクーペとして親しまれてきた歴史あるモデルです。初代は日本車初の電動サンルーフを標準装備し、ホンダの新販売店チャンネル「ベルノ」の専売モデルとして登場しました。その後、1982年の2代目、1987年の3代目、1991年の4代目、1996年の5代目と進化を遂げ、特に1980年代から1990年代にかけて「デートカー」としても高い人気を誇りました。5代目は2001年9月に生産を終了し、それから24年の時を経て、今回6代目として復活を果たしました。

新型プレリュードは、これまでのモデルとは技術的なつながりを持たず、名称と2ドアクーペというカテゴリーのみを継承した完全新設計のモデルです。シビックTYPE Rのシャシーをベースにプレリュード専用セッティングを施し、シビックe:HEVのパワーユニットを組み合わせることで、スポーツ性能と環境性能を高次元で融合させています。

ホンダ プレリュードのエクステリアデザイン

新型プレリュードのエクステリアは、グライダーで滑空するような高揚感を生み出すデザインが特徴です。低くシャープなフロントノーズと、抑揚のあるなめらかなボディラインが、ダイナミックな走りを予感させます。低くワイドなスタンスは、スペシャリティスポーツとしての存在感を際立たせています。

ヘッドライトは羽ばたく勢いを表現し、外側上方に伸びる細かいストライプを成形したマルチファンクションライトを採用しています。夜間の視認性向上に貢献するアダプティブドライビングビームとアクティブコーナリングライトも装備され、機能性も高められています。ルーフにはレーザーブレーズ技術を採用してルーフモールを廃止し、ガラスプリントアンテナの採用により、スムーズでクリーンなルーフラインを実現しました。

フロント・リヤのバンパー下部に配されたブルーアクセントは、伸びやかさと低い全高を印象づけ、開発コンセプトである「UNLIMITED GLIDE」を象徴しています。フラッシュアウターハンドルや、上質さを表現するフロントグリルのブラッククロームメッキなど、細部のデザインまでこだわりが感じられます。

ホンダ プレリュードのボディサイズは、全長4,520mm、全幅1,880mm、全高1,355mmです。

ホンダ プレリュードのインテリアデザイン

新型プレリュードのインテリアは、エクステリアと同様に滑空するような高揚感を感じさせるデザインとなっています。運転席だけでなく助手席も快適な空間を目指し、両シートを作り分けているのが特徴です。運転席はホールド性を高めてスポーツ走行に適した形状とする一方、助手席はほどよく包まれるような快適さを提供する設計となっています。

インテリアのメインカラーである「ブルー×ホワイト」は、軽快感のあるホワイトに深いブルーでコントラストを付けたコーディネートで、プレリュードのコンセプトを表現しています。思わず触れたくなるような、やわらかな陰影のホワイト表皮や、所有する喜びを高めるPRELUDEロゴの刺繍、乗降時のスムーズな足の出し入れを考慮したドアライニング形状など、きめ細やかな造り込みで特別感を演出しています。

低く水平基調の視界、Dシェイプデザインのステアリングホイール、メタル製のパドル、プレリュード専用のフルグラフィックメーターなど、走りへの期待感を高めるインテリアデザインが採用されています。9インチHonda CONNECTディスプレーにはGoogleが搭載され、Google アシスタント、Google マップ、Google Playなどの機能を使用できます。さらに、8スピーカーのBOSEプレミアムサウンドシステムが標準装備され、車速に応じて音量と音質を自動調整する機能により快適なリスニング体験を提供します。

ホンダ プレリュードの走行性能

新型プレリュードの走行性能の核となるのが、Honda車として初となる制御技術「Honda S+ Shift(エスプラスシフト)」です。Honda独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」に組み合わされたこの技術は、モーター駆動でありながら仮想の8段変速で加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロールし、あたかも有段変速機があるかのようなダイレクトな駆動レスポンスと鋭いシフトフィールを実現します。

エンジン回転数と同期した迫力のある音をスピーカーから流すアクティブサウンドコントロールシステムを採用し、これと協調して俊敏に反応するメーターなどにより、乗る人の五感を刺激する走りを提供します。さらに、グライダーを体現する制御として、ニュートラルギアに入れたかのような減速度で走行する「コースティング制御」をHonda車として初めて採用しました。

「SPORT」「GT」「COMFORT」の3つのドライブモードに加え、「INDIVIDUAL」モードも設定されており、パワートレーン、ステアリング、サスペンション、メーター、エンジンサウンド、アダプティブクルーズコントロールなど6項目をカスタマイズして自分だけのドライブモードで走りを楽しむことが可能です。

シャシーはピュアスポーツ性能を追求したシビックTYPE Rをベースに、プレリュード専用セッティングを施し、応答性の良いハンドリングとスムーズな乗り心地を実現しています。卓越したハンドリング性能と路面追従性を実現するデュアルアクシス・ストラットフロントサスペンション、アダプティブ・ダンパー・システム、高剛性とVGR(可変ステアリングギアレシオ)による取り回しのよさを備えた高応答ステアリングシステム、Brembo社製大容量フロントブレーキなどが採用されています。

ホンダ プレリュードの安全性能・運転支援

新型プレリュードには、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」がプレリュード専用セッティングで標準装備されています。乗員に快適で安心感のある自然な制御を実現するため、全16機能が搭載されています。

主な機能としては、衝突軽減ブレーキ(CMBS)、誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能、近距離衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)、車線維持支援システム(LKAS)、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)などが含まれます。また、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能、アダプティブドライビングビーム、ブラインドスポットインフォメーション、後退出庫サポート、パーキングセンサーシステム、急アクセル抑制機能も装備されています。

旋回時の回頭性と挙動安定性を向上させるアジャイルハンドリングアシストは、Honda車として初めてブレーキング時まで作動範囲を広げており、ターンインからコーナー脱出までシームレスなライントレースを可能とし、障害物などを回避するような場面においても挙動を安定させることに貢献します。

ホンダ プレリュードの価格

ホンダ プレリュードの価格は617万9,800円(消費税10%込み)からです。1グレードのみの設定となっており、乗車定員は4名、駆動方式はFFです。パワーユニットは2.0L直噴アトキンソンサイクルエンジンと2モーターハイブリッドの組み合わせで、トランスミッションは電気式無段変速機となっています。

ボディカラーは、Honda新色のムーンリットホワイト・パール(82,500円高)、メテオロイドグレー・メタリック(38,500円高)、クリスタルブラック・パール、フレームレッド、そしてHonda ON限定販売専用色のムーンリットホワイト・パール&ブラック(2トーンカラー、300,300円+用品パッケージ59,900円高)の全5色が用意されています。

ホンダ プレリュードの発売時期

ホンダ プレリュードは、2025年9月5日(金)に発売されました。プレスリリースは2025年9月4日に行われ、翌日から全国のホンダディーラーでの販売が開始されました。販売計画台数は月間300台となっています。

また、プレリュードに多くの方に触れてもらえるよう、9月5日の発売以降順次、全国の一部のHonda Cars店舗にてプレリュードのレンタカー貸出しが開始されています。Hondaとして、Honda Carsに新型車のレンタカーを配備するのは初めての取り組みとなります。

ホンダ プレリュードは日本で発売されるか

ホンダ プレリュードは、日本国内向けモデルとして正式に発売されています。2025年9月5日から全国のホンダディーラーで購入可能となっており、新車販売オンラインストア「Honda ON」でも専用のボディカラーが数量限定で販売されています。日本市場をメインターゲットとして開発されたモデルであり、国内での販売が確定しています。

辛口評価

ホンダ プレリュードをあえて辛口で評価します。まず最も大きな懸念点は、617万9,800円という価格設定です。この価格は、サーキット最速のシビックタイプR レーシングブラックパッケージと同等であり、ハイブリッドシステムを搭載しているとはいえ、2ドアクーペとしては非常に高価です。歴代プレリュードがより手の届きやすい価格帯でスペシャリティカーとしての地位を確立してきたことを考えると、この価格は新規顧客の獲得を難しくする可能性があります。

次に、ライバル車との比較において、日産フェアレディZ(546万7,000円から)やトヨタ スープラ 2.0L SZ-R(約601万円)と比べても高価であり、これらのモデルは伝統的なFRスポーツカーとしての純粋性を持っています。プレリュードはFFレイアウトを採用しているため、この価格帯で求められる「本格スポーツカー」としての訴求力に欠ける面があります。

また、1グレード展開のみという選択肢の少なさも課題です。600万円超という価格帯で購入を検討する顧客は、より多様な選択肢や自分好みのカスタマイズを求める傾向がありますが、グレード展開がないことで購入層が限定される可能性があります。月間販売計画台数が300台という控えめな数字も、ホンダ自身がこのモデルの市場性について慎重な見方をしていることを示唆しています。

ホンダ プレリュードのライバル車

新型プレリュードのライバル車としては、まず日産フェアレディZが挙げられます。400馬力を発揮する3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、546万7,000円からという価格設定はプレリュードに近く、日本を代表する2ドアスポーツクーペとして強力な競合相手となります。

トヨタ スープラの2.0L「SZ-R」仕様も重要なライバルです。約601万円という価格帯で、本格派スポーツクーペの代表格として位置づけられていますが、生産終了が近づいており、新車での入手は限られています。レクサスRCも、高級感のある2ドアクーペとして600万円台の価格帯でプレリュードと重なりますが、こちらも2025年11月に生産を終える予定です。

より手頃な価格帯では、トヨタ GR86とスバル BRZがライバルとなります。これらはFRレイアウトを採用した2ドアクーペで、プレリュードと同様にスポーティな走りを重視したモデルですが、プレリュードがハイブリッドシステムを採用しているのに対し、GR86/BRZは自然吸気エンジンを搭載している点が大きな違いです。

輸入車では、BMW 2シリーズクーペが候補に入ります。626万円からの価格設定で、高級スポーツクーペにふさわしい走行性能を誇り、プレミアムブランドとしての魅力を持っています。メルセデス・ベンツCLAクーペも、流麗なラインとブランド力で競合するポジションにあります。

まとめ

2025年9月5日に発売された新型ホンダ プレリュードは、24年ぶりに復活した6代目として、電動化時代の新しいスペシャリティスポーツの形を提示しています。Honda独自のe:HEVハイブリッドシステムに、Honda車として初となる「Honda S+ Shift」制御技術を組み合わせることで、モーター駆動でありながら有段変速機のようなダイレクトな駆動感を実現しました。シビックTYPE Rのシャシーをベースにしたプレリュード専用セッティングにより、応答性の良いハンドリングとスムーズな乗り心地を両立させています。価格は617万9,800円で、1グレードのみの展開となっており、月間販売計画台数は300台です。「UNLIMITED GLIDE」のグランドコンセプトのもと、グライダーのように優雅に滑空するような走りの高揚感と、環境性能を両立させた新時代のクーペとして、スペシャリティカー市場に新たな選択肢を提供しています。

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