1人乗りEV mibot(ミボット):車検・車庫証明不要の原付き分類 KGモーターズ

2024年8月23日、広島県のベンチャー企業KGモーターズは画期的な1人乗りEV「mibot(ミボット)」の予約受付を開始しました。mibotは、第1種原付ミニカー規格に属する車両で、普通の車のようですが実は車検不要、車庫証明不要となっています。そして価格は税込100万円とEVとしては破格の値段。この可愛らしい一人乗り電気自動車は日本のモビリティに革新を起こす可能性を秘めており、テレビ朝日のテレビ番組「グッド!モーニング」で取り上げられるなど、大きな注目を集めています。mibotは2024年12月に発売(本申込)される予定です。

mibot(ミボット)とは?:mibotの特徴と魅力

KGモーターズのmibotは、一人乗り専用の小型電気自動車として設計されており、1回の充電での航続距離は100km(30km/h定地走行テスト値)です。この走行距離は、日常的な短距離移動に最適なレンジとなっています。充電時間はAC100Vで5時間です。また、小型軽量な設計により、都市部の限られた駐車スペースでも簡単に駐車することができます。

mibotには、ドアやエアコンが標準装備されており、天候に左右されず快適な移動が可能です。これにより、従来の原付バイクでは難しかった全天候型の移動が実現しています。さらに、法規上要求されていない衝突安全性についても、KGモーターズは独自に衝突テストを実施し、高い安全性を確保しています。具体的には、速度40km/hでコンクリートバリアに衝突した際に、十分な室内空間を確保し、乗員のダメージを軽減することを目標としています。

mibotの大きな特徴の一つは、その経済性です。維持コストが低く、燃費の良さから日常の移動を非常に経済的に行うことができます。また、小型軽量設計によりエネルギー効率が高く、環境負荷を最小限に抑えています。これは、持続可能な移動手段の実現という、KGモーターズの使命に沿ったものです。

mibotのボディサイズ

mibotのサイズは、全長2490mm、全幅1130mm、全高1465mmです。

第1種原付ミニカー規格のmibotのメリット

一人のりEVのmibotが属する第1種原付ミニカー規格には、以下のような多くのメリットがあります:

  1. 車検不要:通常の自動車と異なり、定期的な車検が不要です。
  2. 車庫証明不要:駐車スペースの確保を証明する必要がありません。
  3. 普通自動車免許(AT限定可)で運転可能:特別な免許を取得する必要がありません。
  4. ヘルメット着用義務なし:快適な乗車が可能です。
  5. 二段階右折不要:通常の自動車と同じ走行ルールが適用されます。

これらのメリットにより、mibotは従来の自動車よりも維持費が大幅に安くすることが出来、手軽に所有・運転することができます。KGモータースによるとガソリン車と比べてmibotは運用コスト(維持費、ガソリン代、電気代)を約80%削減できるとのことです。また、1kmあたりのCO2排出量は約83%圧縮可能となっています。

ただし、最高速度は60km/hに制限されており、高速道路や自動車専用道路の走行はできません。

mibotの予約と購入について

mibotは2024年8月23日21時から予約受付が開始されました。予約金は3万円(税込)で、これは車両価格の一部として充当されます。予約をすることで、優先的に納車されるメリットがあります。

本申込は2024年12月頃に予定されており、この時点で正式な売買契約が締結されます。予約者には、本申込の手続き案内が送られ、2週間以内に手続きを完了する必要があります。期限内に手続きを完了しない場合、予約の権利が失効するので注意が必要です。

KGモーターズは、以下のような生産・納車計画を立てています:

  • 2025年度:300台限定(優先納車エリア:広島・東京)
  • 2026年度:3,000台限定(全エリアに納車)

この計画により、初期の段階では限定的な地域での展開となりますが、翌年には全国展開を目指しています。

mibotの価格

mibotの価格は100万円(税込)です。mibotはローンでの購入も可能で、詳細は公式サイトで確認できます。予約金の3万円は、この車両価格の一部として充当されます。

アフターサービスと保証

KGモーターズは、mibotの購入者に対して充実したアフターサービスと製品保証を提供する予定です。具体的な内容については、今後公式サイトで順次公開される見込みです。

将来の展望

KGモーターズは、mibotの将来的な発展として以下の計画を掲げています:

  1. 自動運転機能の開発:これにより、免許を持たない人でもmibotを利用できるようになることを目指しています。
  2. シェアリングサービスの展開:購入した車両を貸し出せるサービスを計画しており、より多くの人々が手軽にmibotを利用できるようにする予定です。

これらの取り組みにより、KGモーターズは「誰もが、安全に、快適に、手頃な価格で自由に移動できる世界」の実現を目指しています。

mibotの意義と今後の展開

mibotは、持続可能な移動手段の実現を目指す革新的な小型EVです。KGモーターズは、環境負荷の低減と経済的な移動の実現を通じて、より良い社会の創造に貢献することを目指しています。mibotの開発は現在も進行中であり、今後さらなる機能の追加や改良が期待されます。KGモーターズは、可能な限り情報を開示していく方針を示しており、今後の展開に注目が集まっています。

都市部での移動をより便利にし、環境にも配慮したmibotは、これからの移動手段の新たな選択肢として期待されています。その小型でスマートなデザイン、経済性、環境への配慮、そして将来的な自動運転やシェアリングサービスの可能性など、mibotは多くの魅力を秘めた次世代のモビリティとして、自動車業界に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。mibotの今後の展開と、それが私たちの日常生活や都市のあり方にもたらす変化に、大きな期待が寄せられています。

mibotの辛口評価

mibotをあえて辛口で評価します。mibotは革新的なコンセプトを持つ車両ですが、実用性、安全性、インフラ整備など、多くの課題を抱えています。

限定的な用途: 1人乗りで最高速度が60km/hに制限され、高速道路や自動車専用道路を走行できないmibotは、日常的な移動手段としては非常に限定的な用途しか持ちません。

安全性への懸念: KGモーターズは独自の衝突テストを実施しており高い安全性を目指してはいますが、これは原付ミニカー規格では法規制で要求されていないものです。一般的な自動車の安全基準と比較して、十分な安全性が確保されているかどうかは不明確です。小型・軽量という特性は、事故時の乗員保護において不利に働く可能性があります。

充電インフラの課題: 100kmという航続距離は、都市部での短距離移動には十分かもしれませんが、長距離移動には適していません。また、専用の充電設備が必要となる可能性が高く、一般的な電気自動車用の充電スタンドが利用できない場合、充電の利便性が大きく損なわれる可能性があります。

将来性への疑問: 自動運転機能やシェアリングサービスの展開を計画していますが、これらは多くの技術的・法的課題を克服する必要があります。小規模なメーカーがこれらの課題を単独で解決できるかどうかは疑問です。

mibotのライバル車

mibotのライバルとして考えられる車両には以下のようなものがあります:

  1. トヨタ車体 コムス: コムスは、トヨタ車体が製造する1人乗りの超小型EVです。mibotと同様に短距離移動に適しており、都市部での利用を想定しています。
  2. タケオカ自動車工芸 Lala(ララ): 富山県に拠点のあるタケオカ自動車工芸の超小型EV。航続距離は120km。

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