2024年9月16日、ホンダは米国で2025年モデルのホンダ アコードを発表しました。新型アコードでは新たにSEグレードが追加されました。SEグレードはより多くの標準装備と、スポーティな黒い外装アクセントが特徴で、ターボチャージャー搭載モデルとなります。新型アコードはすでにホンダディーラーに到着し始めています。
車の概要:ホンダ アコードとは?
2025年型ホンダ アコード(Honda Accord)は、アメリカで過去50年間にわたってベストセリングカーの座を守り続けている人気モデルの最新版です。この新型は11代目アコードにあたります。アコードの歴史は1976年に遡り、当初は3ドアハッチバックとして登場しました。その後、セダン、クーペ、ワゴンなど様々なボディタイプで展開され、アメリカ市場で絶大な人気を誇ってきました。特筆すべきは、1982年からアメリカのオハイオ州で生産を開始し、海外メーカーとして初めてアメリカでの自動車生産に成功したことです。
今回の2025年モデルでは、ターボチャージャー搭載のLXとSE、そしてハイブリッド電気駆動のSport、EX-L、Sport-L、Touringの6グレードが用意されています。

ベース価格は28,295ドル(約420万円)からスタートし、ハイブリッドモデルは33,655ドル(約500万円)からとなっています。新型アコードの特徴として、全モデルに後部エアコン吹き出し口とUSB-Cポートが標準装備されました。また、ハイブリッドモデルは強力かつ効率的なホンダの2モーターハイブリッドシステムを採用し、247lb-ftのトルクを発揮する一方で、優れた燃費性能も実現しています。アコードは、アメリカの中型車セグメントにおいて、ミレニアル世代、Z世代、初めて車を購入する顧客、多文化的な顧客層に特に人気があり、これらのセグメントでは人気トップの座を誇ります。
ホンダ アコードのエクステリアデザイン
2025年型アコードは、洗練されたエレガントさと力強さを兼ね備えたエクステリアデザインが特徴です。全長4,975mm、全幅1,860mm、全高1,450mmというボディサイズで、堂々とした存在感を放っています。
フロントマスクは、大型のグリルと細長いLEDヘッドライトが印象的です。グリルは六角形のデザインを採用し、中央にはホンダのエンブレムが配置されています。ヘッドライトは横長のデザインで、LEDデイタイムランニングライトが組み込まれ、先進的な印象を与えています。

サイドビューでは、なだらかに流れるルーフラインが特徴的です。このクーペライクなシルエットは、スポーティさと高級感を両立させています。ボディサイドには、シャープな キャラクターラインが走り、動きのある表情を生み出しています。
リアエンドは、LEDテールランプがL字型のデザインを採用し、夜間の視認性を高めると同時に、モダンな印象を演出しています。トランクリッドにはスポイラーが装備され、空力性能の向上にも貢献しています。

新しく追加されたSEトリムは、ブラックのエクステリアアクセントを特徴としています。17インチのブラックアロイホイール、ブラックのウィンドウトリム、ブラックのドアミラー、ブラックのシャークフィンアンテナ、そしてグロスブラックのBピラートリムが装備され、よりスポーティな外観を実現しています。全体として、2025年型アコードは洗練されたデザインと高級感を兼ね備えたエクステリアデザインとなっています。
ホンダ アコードのインテリアデザイン
2025年型アコードのインテリアは、モダンでスポーティな雰囲気を醸し出しています。高品質な素材と細部にまでこだわった仕上げにより、プレミアム感のある空間が演出されています。インストルメントパネルには、洗練されたピアノブラックトリムが採用されています。その中でも特に目を引くのが、インストルメントパネルを横断するメタルメッシュのアクセントです。インテリア全体に先進的で上質な印象を与えています。

運転席には、10.2インチのドライバーインフォメーションインターフェースが標準装備されています。このデジタルディスプレイにより、ドライバーは必要な情報を見やすく、効率的に確認することができます。センターコンソールには、使いやすい7インチのカラータッチスクリーンオーディオシステムが搭載されています。このシステムは、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応しており、スマートフォンとの連携も簡単です。また、音量調整やチューニングのための物理的なノブも備えており、直感的な操作が可能となっています。
SEトリム以上のグレードでは、快適性がさらに向上しています。フロントシートヒーター、ワンタッチ式電動スライディングムーンルーフ、デュアルゾーンオートマチックエアコンなどが標準装備されています。また、運転席には10ウェイパワーシート(ランバーサポート付き)が採用され、快適なドライビングポジションを確保できます。ハイブリッドモデルでは、さらに豪華な装備が追加されています。12.3インチの大型タッチスクリーン、Qi対応の15Wワイヤレススマートフォン充電器、ワイヤレスApple CarPlayとAndroid Autoなどが標準装備となっています。

最上位グレードのTouringには、さらに高度な技術が搭載されています。Googleが組み込まれており、Google アシスタント、Google マップ、Google プレイなどのアプリがシームレスに利用可能です。また、カスタマイズ可能な6インチのヘッドアップディスプレイ、12スピーカーのBoseプレミアムオーディオシステム、4G-LTE Wi-Fiホットスポット機能なども装備されています。
ホンダ アコードの走行性能
2025年型アコードは、2つのパワートレインオプションを提供し、優れた走行性能と燃費効率を実現しています。

ターボチャージャーエンジンモデル
LXとSEトリムには、1.5リッターターボチャージャーエンジンが搭載されています。このエンジンは、VTECⓇ可変バルブリフト技術を採用し、最高出力192馬力、最大トルク192lb-ftを発生します。このオールアルミニウム製エンジンは、無段変速機(CVT)とペアリングされ、フルスロットル時にギアチェンジをシミュレートするステップシフトプログラミングを特徴としています。このパワートレインの組み合わせにより、市街地走行で29mpg、高速道路走行で37mpg、複合燃費で32mpgという優れた燃費性能を実現しています。
ハイブリッドモデル
Sport、EX-L、Sport-L、Touringトリムには、ホンダの2モーターハイブリッドシステムが標準装備されています。このシステムは、最高出力204馬力を誇り、最大トルク247lb-ftを発生させます。ハイブリッドモデルは、リニアシフトコントロールを採用しており、従来のドライブトレインのようなギアシフト感覚を再現し、加速時により自然な走行フィーリングを提供します。燃費性能も非常に優れており、EX-Lトリムでは市街地走行で51mpg、高速道路走行で44mpg、複合燃費で48mpgという驚異的な数値を達成しています。

走行モード
全てのアコードモデルには、4つの選択可能な走行モードが用意されています。エコ、ノーマル、スポーツ(ハイブリッドのみ)の各モードでは、パワートレインのレスポンス、ステアリングアシストレベル、メーターレイアウト、アダプティブクルーズコントロールの設定が最適化されます。さらに、ハイブリッドモデルには「Individual」モードが追加されており、ドライバーの好みに合わせて走行特性をカスタマイズすることができます。
操縦性
アコードは、長年にわたって磨き上げられたシャシーチューニングにより、優れたハンドリングと快適な乗り心地を両立しています。特にスポーツトリムとTouringトリムに装着される19インチアロイホイールは、よりスポーティな走行フィーリングを提供します。総じて、2025年型ホンダ・アコードは、パワフルかつ効率的なパワートレイン、洗練された走行性能、そして多彩な走行モードにより、幅広いドライビングシーンに対応する優れた走行性能を実現しています。

ホンダ アコードの価格
米国での2025年型ホンダ アコードの価格は約420万円からです。
ホンダアコード グレード別価格
- LX(1.5L ターボ):28,295ドル(約420万円)
- SE(1.5L ターボ):30,560ドル(約454万円)
- Sport(ハイブリッド):33,655ドル(約500万円)
- EX-L(ハイブリッド):34,940ドル(約519万円)
- Sport-L(ハイブリッド):35,375ドル(約525万円)
- Touring(ハイブリッド):39,300ドル(約584万円)
ホンダ アコードの発売時期
2025年型アコードは、2024年9月16日から米国のホンダディーラーに到着し始めています。

ホンダ アコードは日本で発売される?
日本でもホンダ アコードは販売されていますが、今回米国で発表された2025年モデルの日本導入については未発表です。現行アコードは2.0Lハイブリッドモデル(e:HEV)のみとなっており、ターボエンジンモデルは販売されていません。日本での価格は以下の通りです。
- EX:5,449,400円
ホンダ アコードの辛口評価
ホンダ アコードをあえて辛口で評価します。
まず、デザインについては、洗練されているものの、やや保守的で冒険心に欠ける印象を受けます。ミッドサイズセダン市場で際立つためには、より大胆なスタイリングが求められるかもしれません。
パワートレインに関しては、1.5リッターターボエンジンの192馬力は、同クラスの競合車と比べると決して高いとは言えません。より力強い走りを求めるドライバーにとっては物足りなさを感じる可能性があります。
また、最新のテクノロジー面では、Google組み込みシステムがTouringグレードにのみ搭載されている点が惜しまれます。より低価格のグレードでもこの機能を利用できれば、テクノロジー志向の顧客にとってより魅力的な選択肢となるでしょう。

ホンダ アコードのライバル車
2025年型ホンダ アコードの主要なライバル車には以下のモデルが挙げられます:
- トヨタ カムリ:
アコードの最大のライバルと言えるカムリは、同様に高い信頼性と燃費性能を誇ります。カムリは、より多様なパワートレインオプションを提供しており、スポーティなTRDモデルも用意しています。 - 日産 アルティマ:
アルティマは、オプションで全輪駆動システムを選択できる点が特徴です。これは、積雪地域の顧客にとって魅力的な選択肢となっています。 - マツダ6:
マツダ6は、よりスポーティなハンドリングと高級感のあるインテリアで差別化を図っています。ただし、ハイブリッドモデルは提供していません。 - 現代自動車 ソナタ:
ソナタは、大胆なデザインと豊富な先進技術で注目を集めています。ハイブリッドモデルも用意されており、アコードの直接的な競合となっています。 - フォード フュージョン:
フュージョンは生産終了が発表されていますが、在庫モデルは依然としてアコードのライバルとなっています。特にプラグインハイブリッドモデルは、電気自動車への移行を考えている顧客にアピールしています。
これらのライバル車と比較して、アコードは優れた燃費性能、信頼性、そして洗練されたデザインで競争力を維持しています。特にハイブリッドモデルの販売比率が50%を超えている点は、アコードの強みと言えるでしょう。しかし、全輪駆動オプションの欠如や、一部のライバル車が提供しているプラグインハイブリッドモデルがないことは、アコードの潜在的な弱点となる可能性があります。総じて、2025年型ホンダ・アコードは、バランスの取れた性能と装備で、依然としてミッドサイズセダン市場で強い競争力を持っていると言えます。
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