アストンマーティンDB12(Aston Martin DB12)は、英国の高級車メーカーの最新のグランドツーリングカーでありブランドを象徴するモデルです。このスーパーカーは、2023年5月に発表され、特に第76回カンヌ国際映画祭でのデビューが話題となりました。DB12はDB11の後継モデルであり、DBSからの影響を受けつつ、大幅なモデルチェンジを遂げています。エレガントでありながらさらに大胆になったDB12について徹底解説していきます。

車の概要:アストンマーティンDB12とは?
アストンマーティンDB12は、イギリスの高級自動車メーカー、アストンマーティンが製造するグランドツーリングカーです。DB11の後継モデルとして2023年に発表されました。アストンマーティンの次世代スポーツカー第一弾となるモデル。ハイパフォーマンス&ウルトラ・ラグジュアリーをコアバリューとしています。アストンマーティンはDB12を世界初のスーパーツアラーと称しています。
アストンマーティンの新たなエンブレムを擁し、エレガントでありながらさらに大胆になったデザイン。そして680馬力のV8ツインターボエンジンを搭載し圧倒的な走行性能を誇ります。
DBシリーズの最新モデルとして、伝統を踏襲しつつ、技術的にもデザイン的にも大きく進化したスーパーカーです。

アストンマーティンDB12を動画で観る
アストンマーティンの公式YouTubeチャンネルに投稿されているDB12の短い映像をご覧ください。
アストンマーティンDBシリーズの歴史
アストンマーティンDBシリーズの歴史は、英国の実業家デビッド・ブラウン氏のアストンマーティン買収に始まります。第二次世界大戦後の1940年代中頃、彼はアストンマーティンとラゴンダ社を買収し、その後のDBシリーズの開発に大きな影響を与えました。DBの車名の意味はデイビッド・ブラウン氏の頭文字に由来しています。
1948年に登場した初のDBシリーズモデル「DB1」は15台のみが生産されました。続いてブラウン氏はル・マン24時間レースに参戦するため、新型車「DB2」を製作しました。DB2は、高性能なスポーツカーとして1950年に市販モデルが発表されました。
その後もDBシリーズはモータースポーツとともに進化を続けていきました。
1964年にはDB5が映画「007 ゴールドフィンガー」でボンドカーに選ばれました。これにより世界的に有名な車となりました。また2015年には「007 スペクター」のボンドカーとしてDB10が選ばれ、撮影用に10台が製造されました。
そして2016年に登場したDB11の後継モデルとして2023年5月にDB12が発表されました。DB12は、アストンマーティン創立110周年とDBシリーズ誕生75周年という重要な節目の年に発表されました。

アストンマーティンDB12のエクステリアデザイン
DB12は、従来のグランドツーリングカー(GT)の概念を凌駕する「スーパーツアラー」として位置付けられており、そのデザインはアストンマーティンの75年にわたる「DB」シリーズの伝統と新世代スポーツカーとしての力強いフォルム、そしてエレガントなディティールを備えています。
エクステリアデザインで最も特徴的な要素はフロントデザインです。フロントグリルの開口部が56%大型化され、さらに大胆で強い印象を与えるデザインとなっています。また、フロントスプリッターも形状が見直され、よりアグレッシブな外観を演出しています。6つのブロックからなる新しいデイタイム・ランニングライト(DRL)を備えたLEDヘッドライトは、DB12のワイドなスタンスを強調し、全体的なデザインの力強さを一層引き立てています。

フロントノーズには、進化を遂げた象徴的なアストンマーティンの新デザインのロゴとなる「ウィング・バッジ」エンブレムが装着されており、これがDB12を特別な存在として際立たせています。また、小型のフレームレス・ウイングミラーは、車両のエアロダイナミクスを改善する効果を持ち、全体的なパフォーマンスに貢献しています。足元には、21インチの鍛造アロイホイールが標準装備され、その洗練されたデザインがDB12の高級感を一層高めています。
DB12のサイズは全長4,725mm、全幅2,060mm、全高1,295mm。スポーティでダイナミックプロポーションとなっています。特にトレッドは、フロントが6mm、リアが22mm拡大されており、これがDB12の安定した走行性能と印象的な外観に寄与しています。

アストンマーティンDB12のインテリアデザイン
アストンマーティンDB12のインテリアデザインは、そのスーパーツアラーとしての特性を裏付ける豪華さと機能性の融合が特徴です。車内は、高級レザーインテリアの老舗「Bridge of Weir」による手縫いのレザーで設えられ、ロングドライブでも快適な座り心地のシートが備わっています。新しいキルティング・パターンが、フルレザーおよびアルカンターラのインテリアに採用されており、高級感を際立たせています。

インテリアの全体的なデザインでは、インパネを横切る水平基調のラインと、高い位置に配置されたブリッジ状のセンターコンソールが目を引きます。最新鋭のディスプレイとアナログスイッチの組み合わせは、キャビンのセンターラインに沿って配置され、デジタルの先進性とアナログの世界を融合させたスタイリッシュな空間造りがされています。注目すべきは、次世代インフォテインメントの導入で、アストンマーティン初となる自社設計・開発の完全オーダーメイド・システムです。ワイヤレスでApple CarPlayおよびAndroid Autoをサポートし、静電容量式タッチコントロールを備えた10.25インチ高解像度スクリーンに情報を映し出します。シフト/ドライブモード/空調系のスイッチは物理スイッチとして残されており、デジタルとアナログの絶妙なバランスが取られています。

このように、DB12のインテリアは、最先端のテクノロジーとクラフツマンシップの見事な融合を体現しており、ドライバーと乗客に快適でラグジュアリーな体験を提供します。

アストンマーティンDB12の走行性能
DBシリーズは世界最高峰の走行性能を誇るグランツーリスモです。DB12はアストンマーティンの次世代スポーツカーとし徹底的に磨き上げられたシャシーとクラス最強の4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジン、そして最新の制御技術を組み合わせることで、圧倒的なドライブ体験を実現しました。
DB12は伝統のV12エンジンではなくなりましたが、4.0リッターのM177ツインターボV8エンジンを搭載しており、最高出力680PS(500kW)と最大トルク800Nmを発揮します。このエンジンはメルセデスAMG製のハンドビルトされたもので、さらにアストンマーティンエンジニアがファインチューニングを施したものです。圧縮の最適化、ターボチャージャーの大型化、冷却の改善によりパワフルな力を発揮。DB12の0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は325km/hに達します。

アストンマーティンの仕様に合わせてミシュランと共同開発された専用「ミシュラン Pilot Sport 5s」タイヤが採用されています。車のパフォーマンスとエモーショナルな走りを最大化するために、エレクトロニック・パワーアシスト・ステアリング(EPAS)とエレクトロニック・リア・ディファレンシャル(E-Diff)が採用され、これによりダイナミックなドライビング性能と俊敏性が向上しています。
さらに、6軸慣性測定システムを使用したエレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)により、DB12は5つのドライブモードを備えています。これにより、ドライバーは安全性を確保しつつ、走行特性を自由に変化させることが可能です。

アストンマーティンDB12の価格
日本でのアストンマーティンDB12の価格は2990万円からとなっています。
アストンマーティンDB12の発売時期
アストンマーティン DB12は日本で2023年の年末ごろから納車開始となりました。

まとめ
アストンマーティンにとってデイビッド・ブラウン氏の名前を冠したDBシリーズのモデルは非常に重要な意味を持ちます。その75周年の節目に登場したのは次世代スポーツカーとしては初となるDB12。スーパーツアラーと独自のカテゴリーを定義してまで、新たな存在として打ち出しました。
価格は約3000万円とかなり高価ですが、凄まじいパワートレインと唯一無二のデザイン、そして伝統の重みの価値と考えると決して高い価格とは言えないかもしれません。

アストンマーティン DB12 公式ページはこちら
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