中国から新型高級EVミニバン:7人乗りXPENG X9(シャオペン X9)登場

中国からまた新たな高級EVが登場しました。今回はXPENG(シャオペン)という電気自動車メーカーのX9というフラッグシップ高級EVミニバンです。この最大7人乗りのミニバンのX9は2023年の広州オートショーでワールドプレミアされ、中国での先行販売が開始されました。これはシャオペンの7番目のモデルであり、新しいXシリーズの最初のモデルです。シャオペンのモデルは、セダンのPシリーズとSUVのGシリーズに分類されていました。

シャオペンはフォルクスワーゲンが約1000億円もの資金を出資している、勢いのあるメーカーであり注目に値する存在となっています。

車の概要:シャオペン X9とは?

新型XPENG X9は、3列シートを備えた最大7人乗りで全長5.29メートルの大型電動ミニバンです。宇宙船をイメージしたデザインとスマート機能を搭載した豪華な内装が特徴のシャオペンのフラッグシップMPVモデルです。大容量バッテリー搭載によりロングドライブが可能で、スマート車載オペレーティングシステムなどによる高度運転支援機能も魅力の一つです。

Xpeng(シャオペン)とは?

Xpeng(シャオペン:小鵬汽車)とは中国のスマート電気自動車の大手企業です。シャオペンは2014年に創業、中国広州市に本社を置き、北京、上海、米国シリコンバレー、サンディエゴ、オランダ アムステルダムに主要オフィスを構えている。シャオペンのEVは主に広東省肇慶市と広州市の工場で生産されています。2018年に初の量産モデルXpeng G3 SUVを発表し、2019年に発売しました。シャオペンは急成長している中国EVメーカーであり、年間販売台数は14万台を超える規模に達しており、中国を代表する新興自動車メーカーの一つに数えられます。

ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が7億ドル(約1,000億円)出資し、EVを共同開発するなど深い協力関係にあります。

シャオペン X9のエクステリアデザイン

XPENG X9のエクステリアは従来の箱のようなMPVデザインではなく、スターシップ(宇宙船)にインスパイアされた流線的でエレガントなデザインとなっています。

フロントデザイン

X9のフロントエンドは、大きく照らされたXPENGのXロゴが印象的です。このロゴの両側には、車両の側面にまで伸びる細いLEDヘッドライトが配置されています。ヘッドライトの下には、コーナーにセンサーが組み込まれた大きなエアインテークがあります。これにより、フロントデザインは力強さと先進性を表現しています​​。

サイドビュー

X9のサイドシルエットは長く、流線型で、傾斜したルーフラインと丸みを帯びたリアエンドが特徴です。特に21度傾斜したAピラーと23度傾斜したリアウインドウシールドの組み合わせが、エレガントなプロポーションを作り上げています。

リアデザイン

X9のリアエンドは比較的シンプルで、大きなXPENGロゴと二つのLEDテールライトが配置されています。

革新的なエクステリアの特徴

X9は、「新種」として位置づけられており、スマートな7人乗りMPVとしての特性を持っています。シャープなラインと深く先進的なスタイルが特徴で、まるで宇宙船のような外観をしています。特に「浮遊する」屋根のデザインが後部から見ると特徴的です。シャオペン X9のボディサイズは全長5,293mm、全幅1,988mm、全高1,785mmで、ホイールベースは3,160mmです​​​​。

シャオペン X9のインテリアデザイン

XPEN X9はスマートで広々としたインテリアも大きな魅力の一つです。3列シートを備えた最大7人乗りのMPVで車内フロアスペースはクラストップレベルの7.7m²を誇ります。

豪華で広々としたキャビン

X9のインテリアは、高級感と広さを重視した設計です。キャビンはナッパレザーや木材などの高品質素材が使用されており、ミニマリストデザインとクリーンなラインが特徴です。フロントには、複数の方向に調節可能な快適でサポート性の高い2つのシートが配置されています。また、大型のセンターコンソールには、車のインフォテイメントシステム、気候制御システム、その他のコントロールが備わっています​​。

テクノロジーと機能性

X9は、XpengのフルシナリオXNGP ADASと次世代スマート車内オペレーティングシステム「XOS Tianji」を搭載しています。これにより、運転開始から目的地での駐車までの複数の運転シナリオを処理できます​​。また、クラス最大級の21.4インチの大型タッチスクリーンインフォテイメントシステムや、デジタルインストゥルメントクラスターを装備しています​​。シングルエアベント、2つのワイヤレス充電パッド、2つのカップホルダーがセンタースクリーンの下に配置されています​​。

快適性と先進技術の融合

車内には、温冷スマート冷蔵庫、ゼログラビティリクライニングソファ(無重力リクライニングソファ)などが備わっています。これに加えて、世界初となるラップアラウンド一体型セントラルエアコンが装備されており、快適な車内環境を提供します​​。

スタイリッシュな装備

インテリアには、スターシップのアンビエント照明が搭載されています。後部座席にはデュアルテーブルトップがあり、中央には独立したエアコン制御パネル、冷蔵庫、リア天井スクリーンが備わっています​​。また、X9のインテリアは7シートで、2 + 2 + 3のレイアウトを採用しています。2列目には2つの独立したキャプテンチェアがあり、アームレストと別々の充電ポートが装備されています​​。

2列目と3列目の広々としたシート

2列目は、1列目よりもさらに広く、フルサイズシートが配置されています。レッグスペースと頭上の空間は広く、シートはリクライニングや折りたたみも可能です。3列目は、大人2人または子供3人が快適に座れるようにデザインされており、もちろん荷物スペースを作るために折りたたむことができます​​。

シャオペン X9の走行性能

ドライビング性能面においても、XPENG X9は最先端のスマートなEVとも言えるテクノロジーが搭載されています。

パワートレイン

X9は、2つのパワートレイン構成が提供されます。最初の構成はシングルモーターで、最高出力315馬力(235 kW/320 PS)を発揮。最高速度は200 km/hに達します。デュアルモーターは最高出力315馬力と181馬力の2つモーターにより合計出力は496 馬力(370 kW/503 PS)ものパワーを発揮します。そして最大トルクは640Nm。0-100km/h加速はわずか5.7秒となっています。最高速度は同じく200km/hです。

バッテリーと航続距離

X9は、800Vの高電圧SiC(シリコンカーバイド)プラットフォームと3Cバッテリーセルを搭載。最大702kmの航続距離と、100kmあたりわずか16.2 kWhの総合エネルギー消費量となっています。X9のバッテリーは101.5 kWhの総容量と98 kWhの正味容量を持ち、最大DC充電速度は171 kWです。0-100%の充電には52分、より一般的な10-80%の充電には20分が必要です。レベル1およびレベル2のAC充電では、オンボード充電器が最大11 kWの充電をサポートし、自宅での0-100%の充電に約8時間54分かかります​​​​​​。

ドライビングダイナミクス

X9はSEPA2.0アーキテクチャに基づいており、知能、スペース、走行ダイナミクス、安全性において、従来のMPVの観念を覆すとされています​​。加えて、アクティブリアホイールステアリングと標準装備のインテリジェントダブルチャンバーエアサスペンションにより、優れた走行安定性を実現。X9は四輪駆動システムを備えており、各軸に1つのモーターが支えています。路面状況に応じてサスペンションスプリングの硬さを自動的に調整することで、快適なドライビングが楽しめます。

シャオペン X9の安全性能・運転支援機能

X9はXPENGのXNGP ADASと次世代スマート車載オペレーティングシステムXOS Tianjiを搭載したスマートEVで、高度な運転支援機能を備えています。

XNGP ADASは、地図の有無によらず、車の発進から目的地での駐車まで、複数の運転シナリオを処理できます。

XOS Tianjiは、AI時代のスマート車載機能を搭載。マルチタスク、カスタマイズ可能なXDock、リアルタイムのSR(周辺現実)表示、全方位の安全警告、AIを搭載したスマート音声アシスタントが特徴的です。

シャオペン X9の価格

中国でのシャオペン X9の価格は359,800元(約729万円)から419,800(約851万円)です。これは当初の発表よりも28,200元安く設定されることとなりました。ただし価格が729万円からということで高級ミニバンセグメントに位置付けられる車となります。

シャオペン X9の発売時期

中国でのシャオペン X9の発売日は2024年1月1日です。

シャオペン X9は日本で発売される?

現時点ではXPENGは日本市場への参入を発表していないため、XPENG X9の日本販売は不明です。

ただし、シャオペンはすでに2023年からノルウェー、スウェーデン、デンマーク、オランダなど北欧を中心にヨーロッパでは販売を開始しています。さらに2024年にドイツ市場に参入する予定で、本格的に欧州に市場を広げていきます。これはドイツのフォルクスワーゲンとの資本業務提携の影響も大きいと考えられます。

今後の事業成長次第では全世界へと販路を広げ、日本での発売の可能性もあると考えられます。

シャオペン X9の辛口評価

XPENG X9をあえて辛口で評価します。

まず約729万円からとする高い価格設定は大胆だと言えます。これにより高級車ブランドのミニバンなどがライバルとなるため、かなり高いハードルをクリアする必要が出てきます。特に、設立間もない中国メーカーであり、ブランド価値という観点では欧州や日本の自動車ブランドにどこまで太刀打ちできるかは大きな課題となるでしょう。

また、全長5,293mmという大きなサイズ感はオーナーを選ぶことになるでしょう。

さらにXPENGは中国EV市場に大きく左右されると想定され、今後の中国市場、今後のEV市場は必ずしも確実に明るいわけではないので、リスクがあります。

シャオペン X9のライバル車

XPENG X9の競合モデルとしては以下の高級ミニバンが挙げられます。

トヨタ アルファード/ヴェルファイア

レクサス LM

メルセデス・ベンツ Vクラス

ボルボ EM90

日産 エルグランド

日産のフラッグシップミニバンであり、広い室内空間と快適な乗り心地が魅力の車種です。エクステリアは、堂々とした存在感のあるデザインが特徴です。インテリアは、上質な素材が使用され、ゆったりとくつろげる空間が広がっています。モデル末期の為、フルモデルチェンジが待たれる。価格は404万円から。

ホンダ オデッセイ

デンツァ D9

デンツァD9は、先進的な電動ミニバンです。デンツァ(DENZA)とは中国のBYDとドイツのメルセデス・ベンツのEV合弁会社です。高級感あふれるインテリアと静かで力強い電動パワートレインが魅力。環境への配慮と快適性を両立させた設計。ジャパンモビリティショー2023に出展して話題となりました。日本での発売や価格は未定。

まとめ

中国のEVメーカー新興御三家の一つであるシャオペンは勢いのあるメーカーです。特にドイツVWも認めた存在で、資本業務提携を締結し、EV領域で共同開発を進めています。

まだ日本での発売は不明ですが、このユニークな存在の高級ミニバンに興味のある人もいるのではないでしょうか。

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