日産 新型N6 中国で公開|価格・性能・発売時期まとめ 東風日産初のPHEVセダン 日本発売の可能性は?

日産自動車の中国合弁会社である東風日産乗用車公司は、2025年10月16日に新型のプラグインハイブリッドセダン「日産 N6(Nissan N6)」を公開しました。この発表は日産の中国事業を祝うイベントにおいて行われ、同社にとって初のPHEVセダンとして大きな注目を集めています。日産が推進する経営再建計画「Re:Nissan」の一環として投入される戦略的なモデルで、年内に中国市場で発売される予定です。

車の概要:日産 N6とは?

日産 N6は、東風日産が中国市場向けに開発した初のプラグインハイブリッドセダンです。この車は、2025年4月に発売されて好評を博している電気自動車「N7」の姉妹モデルとして位置づけられており、同じく東風日産独自の新エネルギー車技術アーキテクチャーを採用しています。N7が完全な電気自動車であるのに対し、N6はプラグインハイブリッドという異なるパワートレインを選択することで、中国市場における幅広い顧客ニーズに対応する狙いがあります。N6は東風日産の「天演(Tianyan)アーキテクチャ」と呼ばれるフレキシブルなプラットフォームをベースとしており、このプラットフォームはピュアEVだけでなくPHEVやEREV(航続距離延長型電気自動車)もサポート可能な設計となっています。日産としては、中国市場で初めてとなるPHEVセダンの投入により、電動化戦略を一層加速させる意向を示しています。

日産 N6のエクステリアデザイン

日産 N6のエクステリアは、日産のデザインアイデンティティである「V-Motion」デザインのシグネチャーグリルを採用し、ブランドの統一感を強く打ち出しています。フロントとリアには表情豊かなLEDライトを配置し、精悍で先進的な印象を与えるデザインとなっています。流麗で有機的なラインが車体全体を貫き、自信と躍動感を表現する一方で、流線形のファストバックスタイルを採用することでスポーティーな雰囲気も演出しています。

しかし、このスタイリッシュなエクステリアでありながら、中国のファミリー層が求める信頼性や知性、快適性を満たす広々とした室内空間も確保されている点が特徴的です。デザインの完成度は高く、姉妹モデルのN7と共通のデザイン言語を用いながらも、独自の個性を持つセダンとして仕上げられています。日産 N6のボディサイズは、全長4,831mm、全幅1,885mm、全高1,491mmです。

日産 N6のインテリアデザイン

日産 N6のインテリアについては、詳細が明かされていませんが、今後数週間以内に発表される予定となっています。ただし、姉妹モデルのN7が先進的なインテリジェント機能を搭載していることから、N6も同様に最新のコネクティビティ技術やデジタルコックピットを採用することが予想されます。

ホイールベースは2,815mmと余裕のある設定となっており、このロングホイールベースにより後席の足元空間も広々としたものになることが期待できます。また、全高が1,491mmと比較的高めに設定されていることから、頭上空間にも余裕があり、ファミリーユースにも適した快適な室内環境が実現されているはずです。中国市場では快適性と実用性が重視される傾向にあることから、N6のインテリアも中国のファミリー層のニーズに合わせた設計となっていると考えられます。

日産 N6の走行性能

日産 N6は、1.5リッターエンジンと21.1kWhのLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載しています。このバッテリー容量は中国の同セグメントのPHEVとしては最大容量となっており、競合他社に対する優位性を持つポイントとなっています。搭載される1.5リッターエンジンは「NR15」という型番で、東風日産が生産するもので最高出力75kW(約100馬力)を発揮します。この「NR15」という名称は日産のエンジン命名規則に当てはまるものの、これまでに存在していなかった新しいエンジンで、N6のために新開発された可能性が高く、熱効率の向上が期待されています。21.1kWhという大容量バッテリーにより、同クラスのPHEVと比較してより長い純電動走行距離を実現できると予想されます。東風日産独自の新エネルギー車技術アーキテクチャーを採用することで、効率的なエネルギーマネジメントと快適な走行性能を両立させています。

日産 N6の価格

日産 N6の価格はまだ公表されていませんが、中国メディアの予想では10万中国元以下(約200万円)での発売が見込まれています。姉妹モデルのN7の価格が11万9,900中国元(約237万円)からとなっていることを考慮すると、N6はそれよりも安価な価格設定になる可能性が高いとされています。

より短い車体長とPHEVシステムの製造コストを考慮すると、価格競争力のある設定になることが予想されます。参考までに、N7のグレード別価格は、エントリーグレードの「510 Air」が11万9,900中国元(約237万円)、上位グレードが14万9,900中国元(約297万円)となっています。N6の詳細な価格体系については、今後数週間以内に正式発表される予定です。

日産 N6の発売時期

日産 N6は、2025年内に中国市場で発売される予定です。具体的には、2025年第4四半期(10月から12月)の発売が見込まれています。10月16日の発表イベントで正式に公開された後、詳細スペックや価格などの追加情報が今後数週間以内に発表される予定となっており、その後速やかに市場投入される流れとなっています。日産は経営再建計画「Re:Nissan」を推進しており、中国市場での電動化を加速させるため、N6を含む新エネルギー車のラインナップ強化を急いでいます。年内発売という発表通り、2025年12月までには中国の東風日産ディーラーで販売が開始される見通しです。

日産 N6が日本で発売されるか

日産 N6が日本市場で発売される可能性は極めて低いと考えられます。N6は東風日産が中国市場向けに独自に開発したモデルであり、中国の顧客ニーズに特化した仕様となっているためです。日産は中国市場をグローバル戦略の重要な柱と位置付けており、現地のニーズに対応した商品開発を推進していますが、これらのモデルは基本的に中国専売車種として企画されています。姉妹モデルのN7も同様に中国専用モデルとして開発されており、日本での販売は予定されていません。日産の電動化戦略は市場ごとに最適化されており、日本市場には日本市場に適した電動車が別途投入される計画となっています。したがって、N6は中国国内専売モデルとして展開され、日本への導入は現時点では考えにくい状況です。

日産 N6をあえて辛口で評価します。

日産 N6をあえて辛口で評価します。まず指摘したいのは、このモデルが日産の独自開発というよりも、東風汽車との合弁による現地主導の開発である点です。日産のグローバルな技術力やブランド力を十分に活かしきれているかは疑問が残ります。また、21.1kWhという「同セグメント最大容量」というバッテリーも、絶対的な数値としては決して大きくなく、BYDなどの中国メーカーがより大容量のバッテリーを搭載したPHEVを投入する可能性も十分にあります。価格面でも、10万元以下という予想価格は魅力的に聞こえますが、中国のEV・PHEV市場は価格競争が激化しており、この価格帯でも十分な利益を確保できるかは不透明です。さらに、日産が中国市場で販売台数を大幅に落としている現状を考えると、N6の投入だけで市場シェアを回復できるとは考えにくく、ブランド力の低下という根本的な問題への対応が必要でしょう。デザインについても、N7との差別化が十分とは言えず、ファミリー層をターゲットにしながらも独自の個性が薄い印象は否めません。

日産 N6のライバル車

日産 N6の最大のライバルとなるのは、BYDの「秦L DM-i」です。秦Lは中国のPHEVセダン市場で圧倒的な人気を誇り、優れた燃費性能と手頃な価格で多くの支持を集めています。N6が10万元以下の価格帯で発売されれば、秦Lと真っ向から競合することになります。また、XPENGの「MONA」や「P7」といったEVセダンも、価格帯が近いことからライバルとなり得ます。これらのモデルはいずれも10万~20万元の価格帯に位置し、中国の若いファミリー層をターゲットとしている点で共通しています。さらに、同じ日産ブランドでは、姉妹モデルのEVセダン「N7」も間接的なライバルと言えるでしょう。N7は11万9,900元からという価格設定で、発売1カ月で1万7,000台以上を受注する好調な滑り出しを見せており、N6はこのN7の成功を踏襲しつつ、より手頃な価格帯で市場を開拓する役割を担っています。

まとめ

日産 N6は、東風日産が中国市場向けに投入する初のプラグインハイブリッドセダンとして、2025年10月16日に正式発表されました。1.5リッターエンジンと21.1kWhの大容量バッテリーを搭載し、同セグメントで最大容量のバッテリーを持つPHEVとして競争力を持ちます。V-Motionデザインを採用したエクステリアは精悍で躍動感があり、全長4,831mm、全幅1,885mm、全高1,491mmというボディサイズは、スタイリッシュさと実用性を両立させています。価格は10万元以下(約200万円)と予想され、姉妹モデルのN7よりも手頃な設定となる見込みです。発売時期は2025年内、具体的には第4四半期が予定されており、年内には中国市場で販売が開始される予定です。ただし、日本市場への導入予定はなく、中国専売モデルとして展開される見通しです。日産が推進する経営再建計画「Re:Nissan」の一環として、N6は中国市場での反転攻勢の鍵を握る戦略的なモデルと位置づけられています。

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