SUBARUは2025年10月29日、電気自動車「ソルテラ」の改良モデルを正式に発表しました。今回の改良では、デザインと電池・充電性能を刷新し、BEVとしての先進性と実用性を大幅に向上させています。注目すべきは、性能の進化とともに価格が大幅に引き下げられた点で、エントリーグレードは517万円からの設定となり、改良前のモデルと比較して約110万円もの値下げが実施されました。

車の概要:スバル ソルテラとは?
スバル ソルテラ(Subaru Solterra)は、SUBARUが初めてグローバルに展開するバッテリー電気自動車(BEV)のSUVとして、2021年11月11日に世界初公開されました。車名は、ラテン語で「太陽」を意味する「SOL(ソル)」と「地球」を意味する「TERRA(テラ)」を組み合わせたもので、「太陽の下、大自然の中で仲間と愉しむSUBARU」という思いが込められています。トヨタとスバルが共同開発したEV専用プラットフォーム「e-TNGA」を採用しており、トヨタ「bZ4X」の兄弟車でもあります。
2022年年央に日本、米国・カナダ、欧州、中国などで市場投入が開始され、現在販売されているのは初代モデルに当たります。今回発表された改良モデルは、初代ソルテラの大幅なアップデートとなり、実質的には「D型」と呼べるほどの進化を遂げています。BEVならではの新しい価値と、「安心と愉しさ」というSUBARUが長年にわたって大切に培ってきた価値を併せ持ったSUVとして、お客様の声に真摯に向き合い、実用性を中心に商品の進化を続けてきました。

スバル ソルテラのエクステリアデザイン
今回の改良では、エクステリアデザインに大きな変更が加えられ、より洗練された印象に生まれ変わりました。フロントフェイスには新デザインのヘッドランプとフロントバンパーを採用し、6つのシグネチャーランプが特徴的な表情を生み出しています。従来モデルとはまったく異なる印象のフロントマスクは、より力強く伸びやかなイメージを演出しています。

フロントとリヤのホイールアーチモールは、標準仕様をブラック塗装に変更し、メーカー装着オプションでボディ同色の仕様も設定可能としました。これにより、より都会的で洗練されたデザインを実現しています。特に注目すべきは、発光式の「六連星」オーナメントと「SUBARU」ロゴの入ったリヤゲートガーニッシュの採用で、SUBARUブランドの存在感を強調する仕上がりとなっています。
スバル ソルテラのボディサイズは、全長4690mm、全幅1860mm、全高1650mmとなっています。

スバル ソルテラのインテリアデザイン
インテリアも大幅に刷新され、シンプルで使いやすさを追求したデザインに進化しました。インパネ全体にはシンプルな横基調の造形を施し、居心地の良さを感じさせる開放的なデザインとしています。最大の特徴は、全車に標準装備された14インチの大型ディスプレイで、車両情報やハードスイッチをディスプレイ内に集約することで、よりシンプルで使いやすいコックピットを実現しました。

上級グレードの「ET-HS」では、本革シートにブルーを基調としたナッパレザーを採用し、SUBARUらしいスポーティなイメージのインテリアに仕上げています。質感の高い素材と洗練された配色により、プレミアムな空間を演出しています。また、「ET-HS」グレードには装備が充実しており、ハーマンカードンサウンドシステムなど快適装備も搭載されています。
広い室内空間と大容量ラゲッジスペース(421L〜410L)も備え、アウトドアやファミリー用途にも適した実用性の高さが魅力です。





スバル ソルテラの走行性能
走行性能面でも大幅な進化を遂げており、モーターの高出力化により、FWDモデルでは167kW(227PS)、AWDモデルでは前後合わせて252kW(342PS)のシステム最高出力を実現しました。特にAWDモデルは、フロントモーターが167kW(227PS)・268N・m、リヤモーターが88kW(120PS)・169N・mを発生し、力強い加速性能を提供します。
SUBARUが培ってきた技術を活かしたサスペンションや電動パワーステアリングのセッティングと、新たなAWD制御の採用により、様々な路面でドライバーがより意のままに操れる走りを実現しています。スバル独自のAWD技術を活かした四輪駆動システムは、雪道や悪路でも安定した走行性能を発揮し、EVでもスバルらしい走りを追求した仕上がりとなっています。
最低地上高は210mmを確保し、SUVとしての高い走破性も兼ね備えています。AWDモデルにはメーカーオプションとしてルーフレールの装備も可能となっており、アウトドアシーンでの使い勝手も考慮されています。

スバル ソルテラの電池・充電性能
電池・充電性能では、リチウムイオンバッテリー容量の拡大や制御の改良により、航続距離を最大746km(WLTCモード)へ大幅に伸長させました。これはFWDモデルの数値で、AWDモデルでは687kmの航続距離を実現しています。
さらに注目すべきは、バッテリープレコンディショニング機能の搭載です。これは急速充電の前にバッテリー本体の温度を調整する機能で、低温時において充電量10%から80%までの急速充電時間を約28分に短縮しました。改良前モデルでは約55分を要していたため、ほぼ半分の時間で充電可能となり、あらゆる環境におけるBEVの実用性を高めています。
充電性能については、急速充電が最大150kW、普通充電が最大6.6kWに対応し、CHAdeMO規格とJ1772規格をサポートしています。また、V2H(Vehicle to Home)やV2L(Vehicle to Load)、AC100Vコンセントにも対応しており、災害時の電源としても活用できる実用性の高さが魅力です。
上級グレードの「ET-HS」にはメーカーオプションとしてソーラーパネルの装備が可能で、年間約1850km走行程度の電力をチャージできるとのことです。
スバル ソルテラの安全性能・運転支援
スバル ソルテラには、トヨタの運転支援システムを採用した「SUBARU Safety Sense」が搭載されており、幅広いシーンでドライバーの安全運転をサポートします。BEVならではの低重心設計と高剛性ボディにより、優れた衝突安全性能も実現しています。
スバル ソルテラの価格
スバル ソルテラの価格は517万円からとなっています。グレード別の価格設定は以下の通りです。
エントリーグレードの「ET-SS」FWDモデルが517万円、中間グレードとなる「ET-SS」AWDモデルが561万円、装備内容を充実させた最上級グレード「ET-HS」(AWD専用)が605万円となっています。旧型モデルは2023年モデル以降627万円からの価格設定だったため、新型ソルテラは約110万円という大幅な値下げが実施されたことになります。
なお、CEV補助金の対象車となっており、「ET-SS」グレードでは88万円、「ET-HS」グレードでは68万円の補助金が適用されます。
スバル ソルテラの発売時期
スバル ソルテラの改良モデルは、2025年11月27日(木)より全国のSUBARU販売店で注文受付が開始されます。

スバル ソルテラは日本で発売されるか
スバル ソルテラは日本市場向けに正式に発表されており、2025年11月27日より全国のSUBARU販売店を通じて販売が開始される予定です。初代モデルは2022年年央に日本での市場投入が開始されており、今回の改良モデルも引き続き日本市場で購入可能となります。
スバル ソルテラをあえて辛口で評価します
スバル ソルテラをあえて辛口で評価します。まず指摘したいのは、初代モデルからの歴史が浅く、まだ市場での実績が十分とは言えない点です。2021年に発表されてから数年しか経過しておらず、長期的な耐久性やバッテリーの劣化具合については未知数な部分が残ります。
また、トヨタ「bZ4X」との共同開発という点も、スバルの独自性を求めるスバリストにとっては物足りなさを感じる要素かもしれません。基本構造が同じであるため、スバルらしさがどこまで表現できているかは議論の余地があります。価格面でも、補助金を差し引いても400万円台後半からとなり、決して安価とは言えないレベルです。
さらに、販売実績についても課題があります。電気自動車市場の中でもやや地味な存在であり、テスラや日産リーフといった先行EVと比較すると知名度や販売台数で劣る面は否めません。充電インフラの整備状況に左右される点や、急速充電でも約28分かかる点は、ガソリン車の給油と比較すれば明らかに時間を要します。
スバル ソルテラのライバル車
スバル ソルテラの最大のライバルは、同じプラットフォームを共有するトヨタ「bZ4X」です。基本構造が同じであるため、ブランドの好みや細かな装備の違いで選ぶことになります。
その他のライバルとしては、日産「アリア」が挙げられます。同じくミドルクラスSUVタイプのBEVで、航続距離や価格帯が競合します。また、テスラ「モデルY」も価格帯は異なるものの、EVのSUVというカテゴリーで競合する存在です。国産EVとしては、三菱「エアトレック」(海外名:アウトランダーPHEV)もプラグインハイブリッドながら電動SUVとして比較対象となるでしょう。
スバル ソルテラの主要スペック
グレード:ET-SS(FWD)
- 価格:517万円
- 駆動方式:前輪駆動
- ボディサイズ:全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm
- ホイールベース:2850mm
- 最低地上高:210mm
- 車両重量:1880kg
- バッテリー:リチウムイオン電池、総電圧391V
- モーター最高出力:167kW(227PS)
- モーター最大トルク:268N・m(27.3kgf・m)
- 航続距離:746km(WLTCモード)
- 交流電力量消費率:113Wh/km(WLTCモード)
- タイヤサイズ:235/60R18
グレード:ET-SS(AWD)
- 価格:561万円
- 駆動方式:常時全輪駆動
- 車両重量:1980kg(オプション装着時最大1990kg)
- フロントモーター最高出力:167kW(227PS)
- フロントモーター最大トルク:268N・m(27.3kgf・m)
- リヤモーター最高出力:88kW(120PS)
- リヤモーター最大トルク:169N・m(17.3kgf・m)
- 航続距離:687km(WLTCモード)
- 交流電力量消費率:121Wh/km(WLTCモード)
グレード:ET-HS(AWD)
- 価格:605万円
- 駆動方式:常時全輪駆動
- 車両重量:2000kg(オプション装着時最大2040kg)
- その他のスペックはET-SS(AWD)と同様
- タイヤサイズ:235/60R18(20インチオプション選択時:235/50R20)
- 航続距離:687km(20インチホイール選択時:622km)
まとめ
スバル ソルテラの改良モデルは、デザインの刷新、航続距離の大幅伸長、充電時間の短縮、モーターの高出力化など、多岐にわたる進化を遂げています。特に注目すべきは、これだけの性能向上を実現しながら約110万円もの大幅な値下げを断行した点で、BEVの実用性と購入しやすさを同時に高めた意欲的なモデルチェンジと言えるでしょう。スバルが初めてグローバルに展開するBEVとして2021年に誕生したソルテラは、今回の改良により電気自動車市場での競争力を大きく高め、より多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となりました。2025年11月27日からの注文受付開始に向けて、スバルの新たな挑戦が始まります。



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