ベントレーは2024年6月25日、新型コンチネンタルGTスピードを発表しました。この新モデルは、ベントレーの101年の歴史の中で最も力強い市販車として位置づけられており、世界最高峰のラグジュアリーグランドツアラーの究極のパフォーマンス志向モデルとなっています。
車の概要:ベントレー コンチネンタルGTスピードとは?
コンチネンタルGTスピード(Bentley Continental GT Speed)とは、イギリスの高級車ブランド ベントレーの4シータクーペです。このモデルは、スピードモデルの長い伝統を受け継いでおり、2007年に登場した初代コンチネンタルGTスピードにまで遡ります。コンチネンタルGTの歴史は2003年に始まり、フォルクスワーゲングループ傘下での最初の新型モデルとして登場しました。当時、その6.0リッターW12エンジンは、ベントレーが市販車に搭載した中で最強のエンジンでした。以来、コンチネンタルGTは進化を続け、V8エンジンモデルの追加や様々な特別仕様車の展開を経て、ブランドの象徴的存在となっています。
2024年にフルモデルチェンジを実施し、4代目となる新型コンチネンタルGTスピードが登場しました。また、合わせてコンバーチブルモデルの新型コンチネンタルGTCスピードも発表されました。

ベントレー コンチネンタルGTスピードのエクステリアデザイン
新型コンチネンタルGTスピードのエクステリアデザインは、ベントレーの101年にわたる歴史の中で最もダイナミックな市販車にふさわしい、力強さと洗練を兼ね備えたものとなっています。
フロントデザインは、過去20年間で最大の変更が加えられました。最も目を引くのは、1959年のS2以来、主力モデルとしては初めて採用されたシングルヘッドランプです。このヘッドランプは、ハンティングタイガー(狩をする虎)の鋭い眼差しにインスピレーションを得たもので、車両の表情をより力強く、集中力のあるものに仕上げています。ヘッドランプ内部には、マトリックスグリルのデザインを反映した3Dラティスワークが施され、コンチネンタルGTスピード専用の大胆な精密ディテールが光ります。この美しいデザインは単なる装飾ではなく、高度な機能性も備えています。メインビームは常時使用可能で、対向車を検知すると中央部分が自動的に減光します。さらに、道路標識からの反射光による眩しさを防ぐ自動応答機能も搭載されています。

ボディ全体のデザインは、より筋肉質で洗練された形状を目指して視覚的にクリーンアップされました。表面の分断が少なくなり、より力強さと洗練さが強調されています。フロントエンドには、ボディ同色の統合型ボディキットが採用され、よりスポーティな印象を与えています。
リアデザインも一新され、バンパー、テールライト、トランクリッド、エキゾーストテールパイプが刷新されました。トランクリッドには、展開式リアスポイラーを必要としない空力形状が統合され、バンパーはより劇的なスタイリングとなり、車両の幅を強調しています。テールライトは、トランクリッドまで伸びるより広いグラフィックを採用し、より印象的な外観となっています。点灯時には、ダイヤモンドパターンの先端が強調され、溶岩のような視覚効果を生み出します。

新しい22インチホイールは、タイガーの「爪」が路面を掴むようなイメージの強い方向性のあるデザインを採用。ダークティントペイントにポリッシュ加工のアクセント、グロスブラック、またはシルバーペイントの3種類のフィニッシュが用意されています。
ベントレー コンチネンタルGTスピードのボディサイズ
新型コンチネンタルGTスピードのサイズは全長4985mm、全幅1966mm、全高1397mmです。
ベントレー コンチネンタルGTスピードのインテリアデザイン
新型コンチネンタルGTスピードのインテリアデザインは、ベントレーの卓越した職人技と最新テクノロジーを融合させ、ラグジュアリーグランドツアラーにふさわしい洗練された空間を実現しています。まず目を引くのは、新たに採用されたウェルネスシートテクノロジーです。20ウェイ調整可能なシートには、ポスチャーアジャストとオートクライメイト機能が搭載され、長距離ドライブでも疲労を最小限に抑え、快適性が高くなっています。
インテリアの質感も大幅に向上しています。新たに導入された3Dレザーテクスチャーは、視覚的な奥行きと触感の豊かさを演出し、モダンなキルティングパターンと相まって、より洗練された雰囲気を醸し出しています。また、ダーククロームフィニッシュが随所に施され、コンテンポラリーな美しさを際立たせています。

テクノロジー面では、12.3インチの高解像度ディスプレイを備えたベントレー・ローテーティング・ディスプレイ(Bentley Rotating Display)が引き続き採用されています。このユニークな3面ディスプレイは、ボタン一つで切り替えが可能で、インフォテインメント画面、アナログ計器、そして美しい木目のパネルを選択できます。
さらに、室内の快適性を高めるために、エアコンディショニングシステムが刷新されました。新たに導入された空気イオン発生装置や微粒子フィルターにより、車内の空気質が大幅に向上しています。また、車内外の空気質を表示する機能も追加され、より健康的な走行環境を実現しています。

カスタマイズ性も高く、30種類のカラーオプションから選べるムードライティングシステムにより、乗員の好みに合わせて室内の雰囲気を演出することができます。コネクティビティも充実しており、ワイヤレスApple CarPlayやAndroid Auto、OTA(Over-The-Air)マップアップデートなどが標準装備されています。さらに、My Bentley App Studioを通じて、様々なアプリを直接インフォテインメントシステムにダウンロードすることも可能です。
ベントレー コンチネンタルGTスピードの走行性能
新型コンチネンタルGTスピードの走行性能は、ベントレー史上最強とも言えるパワーを発揮します。まず、パワートレインについて、新型モデルには「ウルトラ パフォーマンス ハイブリッド」と呼ばれる新開発のプラグインハイブリッドシステムが搭載されています。このシステムは、600PSを発揮する4.0リッターV8ツインターボエンジンと190PSの電気モーターを組み合わせ、システム合計で782PSの最高出力と1,000Nmの最大トルクを生み出します。これにより、0-100km/h加速はわずか3.2秒、最高速度は335km/hという驚異的な性能を実現しています。

さらに、このパワフルなパワートレインの性能を最大限に引き出すため、シャシーシステムも大幅に進化しています。新設計の2チャンバーエアスプリングと新設計のデュアルバルブダンパーを採用し、ベントレー ダイナミック ライド(48V電子制御アクティブ アンチロールバー)、電子制御リミテッドスリップデフ(eLSD)、トルクベクタリングなどの先進技術と組み合わせることで、卓越したボディコントロールと快適な乗り心地を両立しています。特筆すべきは、新型モデルでは初めて49:51のリアバイアス重量配分を実現したことです。これにより、ダイナミックな走行時により自然なバランスを得られるようになりました。
また、電子制御式全輪操舵システムの採用により、低速時の取り回しの良さと高速時の安定性を両立しています。さらに、高度な電子制御スタビリティコントロール(ESC)システムにより、ドライバーは様々な走行モードを選択できます。ESCを完全にオンにすれば、トラクションを最大限に確保した安定した走行が可能です。一方、ダイナミックモードでは、リアアクスルにある程度のスリップを許容し、コーナリング時のアティチュードをドライバーがコントロールできるようになります。ESCを完全にオフにすれば、最もダイナミックな走行が楽しめます。

ベントレー コンチネンタルGTスピードの価格
日本での新型コンチネンタルGTスピードの価格は3930.3万円からです。
- コンチネンタルGTスピード:3930万3000円
- コンチネンタルGTCスピード:4312万円

ベントレー コンチネンタルGTスピードの発売時期
ベントレーは、新型コンチネンタルGTスピードの生産と納車を2024年第3四半期(7月から9月)に開始する予定であると発表しています。日本市場へのデリバリーは、2025年の第1四半期に始まる見込みとなっています。
ベントレー コンチネンタルGTスピードは日本で発売される?
新型コンチネンタルGTスピードは日本でも発売される予定です。ベントレーモーターズジャパンは2024年6月27日に、新型「ベントレー・コンチネンタルGTスピード」および「コンチネンタルGTCスピード」の国内導入を発表しました。

ベントレー コンチネンタルGTスピードの辛口評価
新型コンチネンタルGTスピードについて、あえて辛口で評価します。
まず、車両重量が重いことが挙げられます。新型車の正確な車両重量は発表されていませんが、先代よりも重くなっていることが想定され、ハンドリングや燃費に影響を与えており、より軽量化が望まれるところです。インテリアは高級感溢れる仕上がりですが、一部では「やや古い」という指摘もあります。最新のテクノロジーと伝統的な贅沢さのバランスが、より洗練されることを期待する声もあります。また、全長4,985mmという車体サイズは、都市部での取り回しに若干の難があります。駐車や狭い道路での運転には、十分な注意が必要でしょう。

ベントレー コンチネンタルGTスピードのライバル車
コンチネンタルGTスピードの主なライバル車としては、以下のモデルが挙げられます。
- アストンマーティン DB11:
 英国の伝統的なライバルであるアストンマーティンのDB11は、より軽量でスポーティな走りを提供します。V12エンジンモデルは635馬力を発揮し、0-100km/h加速は3.7秒とGTスピードに迫る性能を持ちます。
- フェラーリ・ローマ:
 イタリアンGTの代表格であるローマは、620馬力のV8ツインターボエンジンを搭載。0-100km/h加速は3.4秒と、GTスピードよりも若干速いです。より軽量でスポーティな走りが特徴です。
- ポルシェ911ターボS:
 ドイツの高性能スポーツカーである911ターボSは、650馬力を発揮し、0-100km/h加速はわずか2.7秒と、GTスピードを大きく上回ります。ただし、ラグジュアリー性ではベントレーに一歩譲ります。
- メルセデスAMG S65クーペ:
 ドイツの高級車メーカーによるこのモデルは、630馬力のV12エンジンを搭載。快適性と性能のバランスでGTスピードに近い存在です。
- ロールス・ロイス・レイス:
 究極の贅沢を追求するロールス・ロイスのレイスは、624馬力のV12エンジンを搭載。快適性ではGTスピードを上回りますが、スポーティな走りではやや見劣りします。

 
  
  
  
  

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