トヨタ ランドクルーザーFJ発表!新型の小型ランクル 価格480万円以下で2026年発売予定

トヨタ自動車は2025年10月21日、新型SUV「ランドクルーザーFJ(TOYOTA LANDCRUISER FJ)」を世界初公開しました。ランドクルーザーシリーズに新たに加わる第4のモデルとして登場した小型のランクルミニとも言えるランクルFJ。ランドクルーザーFJの日本での発売は2026年年央を予定しています。価格は現行ラインナップの中で最も手の届きやすい設定となる見込みで、現在の最安モデル「70」シリーズの480万円を切る可能性があることが明らかになりました。10月30日から11月9日にかけて東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」で実車が公開され、アジア、中近東、アフリカ、中南米を中心に約60カ国・地域で順次展開される予定です。​​

車の概要:ランドクルーザーFJとは?

ランドクルーザーは、1951年にトヨタBJ型として誕生し、誕生直後に自動車として初めて富士山6合目への登山に成功した伝説的なモデルです。70年以上の歴史の中で、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として信頼性・耐久性・悪路走破性を継承し進化を続け、現在までに190を超える国と地域で累計1,215万台(レクサスLX・GXを含む)が販売されてきました。歴代モデルは、初代のBJシリーズ(1951年〜)から始まり、20シリーズ(1955年〜)、40シリーズ(1960年〜)、55シリーズ(1967年〜)、60シリーズ(1980年〜)、80シリーズ(1989年〜)、100シリーズ(1998年〜)、200シリーズ(2007年〜)、そして現行の300シリーズ(2021年〜)へと進化を遂げてきました。​​

現在のランドクルーザーは、フラッグシップの「300」シリーズ、ヘビーデューティな「70」シリーズ、2024年に誕生した中核モデルの「250」シリーズという3つのシリーズで展開されてきました。今回発表されたランドクルーザーFJは、これらに続く第4のシリーズとして位置づけられます。車名の「FJ」には、ランクルに自分らしく楽しむ自由「Freedom & Joy」という新たな価値を付与し、ランクルを未来へ繋ぐという意味が込められています。250シリーズで原点回帰したからこそ見えた、「もっと多くのお客様にランクルを楽しんでいただきたい」という思いから開発され、従来の信頼性・耐久性・悪路走破性に加えて、新しい楽しさの価値を提供するモデルとなっています。​

トヨタ ランドクルーザーFJのエクステリアデザイン

ランクルFJのエクステリアは、歴代ランクルが重視してきた居住性と積載性を考慮したスクエアなキャビンを意識したシルエットを踏襲しています。サイコロをモチーフとした直方体ボディと、角をそぎ落とした面取り構成により、無駄のない強い塊感と楽しさを表現しているのが特徴です。​

フロントとリヤは、引き締まったシンプルなボディに力強いバンパーと張り出したフェンダーの構成とすることで、圧倒的な安定感を演出しています。注目すべきは、フロント・リヤともにコーナーバンパーを取り外し可能な分割タイプとしたことで、壊れた部分のみ交換可能とし修理性を向上させるとともに、より個性的にランクルを楽しめるカスタマイズへの対応にも配慮されています。オプションとして、歴代のランクルを彷彿とさせる丸目型ヘッドランプも用意される予定です。​

ランドクルーザーFJのボディサイズは、全長4,575mm、全幅1,855mm、全高1,960mmとなっています。​

トヨタ ランドクルーザーFJのインテリアデザイン

ランクルFJのインテリアは、移動の楽しさを体験できる室内を目指して設計されています。車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネルを採用し、視点移動が少なくなるよう機能をそれぞれ集約したモニター、スイッチ類、自然な操作ができるシフトノブなど、様々な環境で運転する時でも瞬時に認知、操舵ができるコクピットレイアウトを実現しています。​

安全なオフロード・オンロード走行に貢献するため、低く設計されたカウルとインストルメントパネル上面によって、見通しのいい前方視界を確保しました。さらに悪路でも路面を見下ろしやすいように、ベルトラインを低く設計されています。乗車定員は2列シート5人乗りとなり、多様な用途に応じた荷室空間を提供でき、アウトドア用品などを取り付けられるモールパネルも装備される予定です。​

トヨタ ランドクルーザーFJの走行性能

ランドクルーザーFJは、IMVシリーズで鍛えたプラットフォームを活用し、地上高やアプローチアングルを確保しています。「70」シリーズ同等のホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)により、ランクルにふさわしい優れた悪路走破性を実現しました。​

パワートレインには2TR-FE型2.7リッターガソリンエンジンを搭載し、最高出力120kW(163PS)、最大トルク246N・mを発生します。トランスミッションは6速オートマチック(6 Super ECT)を組み合わせ、駆動方式はパートタイム4WDシステムを採用しています。ホイールベースは2,580mmで、「250」シリーズと比較して270mm短縮したことにより、最小回転半径5.5mという優れた取り回しの良さを実現し、オフロードでの機動性を確保しました。​

床下へのブレース追加やボディの高剛性化により、優れた操縦安定性も確保されています。開発段階では、オフロード試験にて弱点を徹底的に洗い出し、ランクルネス(信頼性・耐久性・悪路走破性)をつくり込んだとされています。​

トヨタ ランドクルーザーFJの安全性能・運転支援

ランクルFJには、プリクラッシュセーフティなどの先進機能を付与した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が採用されており、より安心な運転をサポートします。低く設計されたカウルとインストルメントパネル上面により、見通しのいい前方視界を実現し、悪路でも路面を見下ろしやすいように設計されたベルトラインが、安全なオフロード・オンロード走行に貢献します。​

トヨタ ランドクルーザーFJの価格

ランクルFJの価格は現時点では正式に公表されていませんが、現行モデルの中では「手の届きやすい価格になる予定」とされています。トヨタの担当者によると、現在の最安モデルである「70」シリーズの480万円を切る価格設定を目指しているとのことです。これにより、若年層など新たな需要を取り込むことが期待されています。ガソリンエンジンで駆動し、新興国市場向けに開発したプラットフォームを使用することで、コストを抑えた価格設定が実現される見込みです。

トヨタ ランドクルーザーFJの発売時期

ランクルFJの日本での発売は、2026年年央頃を予定しています。グローバルモデルとして、日本に投入後、アジア、中近東、アフリカ、中南米を中心に約60カ国・地域で順次展開される予定です。10月30日から11月9日にかけて東京ビッグサイトで開催される「Japan Mobility Show 2025」では、プロトタイプの実車が展示されます。​​

トヨタ ランドクルーザーFJは日本で発売されるか

ランクルFJは日本での発売が正式に決定しており、2026年年央頃に投入される予定です。トヨタは10月21日の世界初公開時に、日本市場への導入を明言しており、グローバル展開の中でも日本は主要市場の一つとして位置づけられています。生産はタイで行われますが、日本国内でも正規販売される予定で、Japan Mobility Show 2025での展示を通じて、日本の消費者に向けたアピールも積極的に行われます。​​

トヨタ ランドクルーザーFJをあえて辛口で評価します

ランクルFJをあえて辛口で評価します。まず、パワートレインが2.7リッターガソリンエンジンのみという点は、昨今の電動化トレンドや環境規制の厳格化を考えると、やや時代遅れの感が否めません。163PSという出力は、悪路走破性を重視したとはいえ、車重を考慮すると決して余裕のある数値とは言えないでしょう。​

また、「250」シリーズで原点回帰したからこそ見えた新たな価値というコンセプトは理解できますが、結局のところ既存のIMVシリーズのプラットフォームを流用しているため、真に革新的なモデルとは言い難い面があります。価格を抑えるための戦略とはいえ、ランドクルーザーブランドの威厳を保てるのか疑問が残ります。​​

さらに、「Freedom & Joy」という新たな価値を謳っていますが、具体的にどのような体験が提供されるのかが不透明です。カスタマイズの自由度を高めたとはいえ、それは従来のランクルでも可能だったことであり、差別化要素としては弱いと感じられます。ホイールベースの短縮により取り回しが向上したのは評価できますが、その分室内空間や積載性が犠牲になっている可能性も考慮すべきでしょう。​

トヨタ ランドクルーザーFJのライバル車

ランクルFJの主なライバル車としては、まず同じトヨタブランドの姉妹車であるランドクルーザー「250」シリーズが挙げられます。FJより上級モデルとして位置づけられますが、価格帯が近ければ競合する可能性があります。また、三菱パジェロスポーツは、同様にIMVプラットフォームをベースとした本格オフローダーで、価格帯も近いことから直接的な競合となるでしょう。​​

スズキ ジムニーシエラは、よりコンパクトで価格も安価ですが、本格的なオフロード性能を持つSUVとして、若年層の支持を集めており、FJのターゲット層と重なる部分があります。さらに、輸入車ではジープ ラングラーが、伝統的なオフローダーとして根強い人気を持ち、カスタマイズ性の高さでも知られているため、FJの強力なライバルとなります。いすゞ D-MAXやフォード レンジャーなどのピックアップトラックベースのSUVも、新興国市場を中心に展開される点で競合する可能性があります。

ランドクルーザーFJの主要スペック(プロトタイプ)

全長(mm)4,575
全幅(mm)1,855
全高(mm)1,960
ホイールベース(mm)2,580
乗車定員2列シート5人乗り
エンジン2TR-FE 2.7Lガソリンエンジン
駆動方式4輪駆動(パートタイム4WDシステム)
トランスミッション6 Super ECT
最高出力120kW(163PS)
最大トルク246N・m

まとめ

トヨタが2025年10月21日に世界初公開したランドクルーザーFJは、70年以上の歴史を持つランクルシリーズに新たな価値「Freedom & Joy」を加える第4のモデルとして誕生しました。2026年年央に日本での発売が予定され、価格は現行最安の「70」シリーズを下回る480万円以下を目指しています。全長4,575mmのコンパクトなボディに2.7リッターガソリンエンジンを搭載し、「250」シリーズより270mm短いホイールベースによって最小回転半径5.5mという取り回しの良さを実現しました。IMVシリーズで鍛えたプラットフォームを活用し、「70」シリーズ同等の悪路走破性を確保しながら、カスタマイズの自由度を高めることで、若年層を含む新たな顧客層の獲得を目指します。トヨタセーフティセンスを標準装備し、安全性能も確保されています。

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