アウディ新型Q3 価格は約758万円から|欧州10月発売、日本での販売は?

アウディが2025年8月25日に第3世代となる新型アウディ Q3(Audi Q3)を発表しました。欧州では2025年10月に発売が予定されており、ドイツ本国での新型Q3の価格と主要装備が公開され、デザイン・走り・デジタル体験を横断的に刷新したことが示されました。この新型Q3は、累計販売200万台超を誇る同社のベストセラーモデルの第3世代として、プレミアム・コンパクトSUV市場に新たな基準を打ち立てる存在として位置づけられています。

車の概要:アウディ Q3とは?

アウディ Q3は2011年に初代が登場したプレミアム・コンパクトSUVで、累計販売は200万台超に達する同社のベストセラーのひとつです。2018年に2代目が発表され、2025年に第3世代へフルモデルチェンジして新しいデザイン言語や電動化、先進運転支援を大幅に強化しました。今回の新型はSUVとスポーツバックの両ボディで展開され、欧州は2025年10月発売(受注は夏開始)というロードマップが示されています。

アウディ Q3のエクステリアデザイン

新型アウディ Q3は、先代と比較してより筋肉質でエモーショナルなデザインへと大幅進化しました。フロントマスクの中心を担うワイドなシングルフレームグリルと細く絞り込まれたヘッドライトが、集中力のある鋭い表情を演出しています。

最大の注目点は、コンパクトセグメント初のデジタル マトリクスLEDヘッドライトです。約1.3cm幅のモジュールに25,600個のマイクロLEDを搭載し、各LEDは約40マイクロメートル(人毛の約半分の太さ)という極小設計により、優れた照明性能と道路上でのコントラスト向上を実現します。

サイドビューでは、フロントからリアライトを結ぶ水平ショルダーラインが光と影の特別な演出効果を生み出し、フロント・リアホイール部分から力強く張り出すブリスターフェンダーが、初代quattroを想起させるアウディのDNAを現代的に表現しています。リア部分には36セグメントのデジタルOLEDライトと連続LED ライトストリップを配置し、特に発光リングがロービーム点灯時に作動して夜間の識別性を向上させています。

外装カラーは11色を用意し、新色のセージグリーンとマデイラブラウン(マット仕上げ・新型Q3専用)を追加。ホイールは標準17インチから最大20インチまでラインナップし、アウディスポーツは19・20インチで計5デザインを供給します。最後に、アウディ Q3のボディサイズは、全長4531mm、全幅1859mm、全高1581mmです。

アウディ Q3のインテリアデザイン

新型アウディ Q3のインテリアは「デジタルステージ」コンセプトのもと、上級クラス装備をコンパクトセグメントに移植した画期的仕上がりです。11.9インチのバーチャルコックピットと12.8インチMMIタッチディスプレイの湾曲パノラマ表示システムに、ヘッドアップディスプレイを組み合わせた3層構造の情報表示体系を構築しています。

最も注目すべきは新しいステアリングホイール コントロールユニットで、ステアリングコラム上に2つのレバー(右:ギアセレクター/左:ライト・ワイパー操作)を配置し、センターコンソールからシフトレバーを廃止しました。この変更により、2つのカップホルダーと15W対応の冷却式ワイヤレス充電トレイを設置でき、実用性が大幅向上しています。車内には前席2つ・後席2つの計4つのUSB-Cポートを配置し、現代のデジタルライフスタイルに対応します。

質感向上要素として、アンビエント照明パッケージが内装を演出し、フロントドアには大面積照明をオプション設定、MMI経由で30色から選択できパーソナライゼーション可能です。オプションのSONOSプレミアムサウンドシステムは12基のハイパフォーマンススピーカー(最大420W)で仮想サラウンドサウンド体験を提供し、4つのプリセット音響プロファイルから選択できます。

車載システムはAndroid Automotive OS採用で、Audi Application StoreからYouTubeなどを直接利用可能、学習型「Audi assistant」が初めてアバター表示でMMIに登場します。トランク容量は488リットル(SUV)で、シートベンチ調整により最大1,386リットルまで拡大、牽引能力は最大2,100kg対応です。

アウディ Q3の走行性能

新型アウディ Q3は多様なパワートレインと進化したシャシー技術により、優れた走行性能を実現しています。エントリーには1.5 TFSI 110kW(150PS)をマイルドハイブリッド技術と7速Sトロニックで設定し、CODシステムにより低・中負荷時に2・3番シリンダーを停止させ燃費向上を図ります。

中間グレードには2.0 TFSI 150kW(204PS)/320Nmと195kW(265PS)/400Nmをquattro全輪駆動で用意し、ディーゼルは2.0 TDI 110kW(150PS)/360Nmを前輪駆動で設定します。

最注目はプラグインハイブリッド(PHEV)の大幅進化です。1.5 TFSI 130kW(177PS)とモーターの組み合わせでシステム総出力200kW(272PS)/400Nmを発生し、高電圧バッテリー総容量25.7kWh(正味19.7kWh)により、WLTP測定でSUVは最大119km、スポーツバックは最大118kmの純電動走行が可能です。理想条件下で最大50kW DC急速充電に対応し、10%から80%まで30分弱で回復できます。

シャシー面では標準サスペンション改良に加え、オプションでスポーツサスペンションと2バルブダンパー制御付きサスペンションを設定。ダンパー制御システムは路面と走行状況に連続反応し、各ホイール毎に理想ダンピングを計算・調整します。改良プログレッシブステアリングはセンターからの正確性を保ちつつ、終端では舵角比を減少させ操縦性を向上、摩擦低減により路面フィードバックも改善されています。新Audi drive selectでは「balanced」モードが標準となり、quattro仕様では「Offroad plus」もデフォルト選択可能です。

アウディ Q3の安全性能・運転支援

「アダプティブドライビングアシスタンス プラス」は210km/hまでの加減速・車間・車線維持に対応し、90km/h以上でのレーンチェンジ支援(後方レーダー連動)も可能です。緊急時にはエマージェンシーアシストが路肩へ自動停止まで行い、車内カメラが眠気や注意散漫を監視して段階的に警告、最後は自動停止と緊急通報に移行します。駐車関連では学習型パーキング(最大5件/各50m)、リバースアシスト(約50m自動後退)、サラウンドビューカメラなどで取り回しを強力にサポートし、標識認識は警戒標識(工事・横断・動物・踏切等)にも対応しました。

アウディ Q3の価格

新型アウディ Q3の価格は約758万円(44,600ユーロ)からです(Q3 SUV TFSI 110kW/ドイツ)。PHEVのQ3 SUV e-hybrid 200kWは約838万円(49,300ユーロ)という目安です。なお本国価格であり、装備や税制が異なる地域では実際の支払総額が変動します。

アウディ Q3の発売時期

欧州(ドイツ/ヨーロッパ)での新型アウディQ3の発売日は2025年10月予定で、受注はすでに開始されており、Q3 スポーツバックは11月発売の計画です。

日本で発売されるか

新型アウディ Q3の日本導入について、現時点でアウディジャパンから正式発表はありませんが、導入可能性は高いと見られています。アウディジャパンが2025年8月28日に新型Q3の日本語プレスリリースを配信していることから、日本市場導入を前提とした動きであると考えられます。

過去のパターンでは、アウディ新型車は欧州発表から約半年から1年後に日本導入されるケースが一般的で、現行Q3も欧州2018年発表・日本導入2019年末と約1年のタイムラグがありました。この法則を適用すると、欧州2025年10月発売の新型Q3は、日本では2025年末から2026年前半の導入が最も有力とされています。

新型Q3は日本市場での重要性が高く、早期導入が検討されている可能性があります。国内ディーラー関係者からは、すでにテスト車両が日本で確認されているとの情報もあり、右ハンドル仕様開発や法規制適合作業が進行中と推測されます。価格については、現行Q3の約500万円スタートを考慮すると、新型は装備充実により500万円台後半から650万円程度と予想されています。PHEVモデルは補助金対象となる可能性もあり、実質購入価格面でのメリットが期待されます。

辛口評価

アウディ Q3をあえて辛口で評価します。

50kW級DC急速充電はPHEVとして実用的ながら、長距離の充電休憩短縮という観点では”超高速”とまでは言い切れず、インフラや使い方によって利便性の体感に差が出やすいでしょう。2.0 TFSI系はCO2クラスがGで動力性能優先の味付けが見える一方、環境対応面での数値上の見映えは平凡に映る可能性があります。Android Automotive OSや学習型ボイスアシスタントなどデジタル化は進みましたが、機能の多さゆえ日常で使いこなすまでに設定・習熟のコストを感じるユーザーも出そうです。

ライバル車

新型アウディ Q3が属するプレミアム・コンパクトSUV市場には強力なライバルが存在しています。最も直接的な競合がBMW X1で、2022年フルモデルチェンジの第3世代はiDrive 8システムや「BMW Driving Assistant Professional」を搭載し、動力性能・質感・実用性の総合バランスで定評があります。

メルセデス・ベンツ GLAは2020年の第2代目導入以来、「Mercedes-Benz Intelligent Drive」による快適性と最新安全支援技術を武器に都会派SUVとしての地位を確立し、MBUXインフォテインメントシステムの先進性とメルセデス伝統の上質な乗り心地で差別化を図っています。

北欧からの対抗馬ボルボ XC40は、2017年登場以来、電動化戦略と安全思想に根差した機能美が持ち味で、純電動XC40 Rechargeも展開し、サステナビリティ重視のトレンドを先取りしています。ボルボ独自の「IntelliSafe」安全技術とスカンジナビアンデザインは他ブランドにない独特の魅力です。

日本市場では、レクサス UXが強力な競合として存在します。日本での知名度とブランド力、日本の道路事情に最適化されたサイズ感と上質な乗り味で確固たる地位を築き、特にハイブリッドシステムの成熟度は燃費・環境性能を重視するユーザーに魅力的です。

近年はGenesis GV70やキャデラック XT4などアメリカンプレミアムブランド、国産ではマツダ CX-5上級グレードやインフィニティ QX50も価格帯的に競合します。これら競合に対し、新型Q3はデジタル マトリクスLED、「デジタルステージ」インテリア、119kmEV走行可能PHEVシステムなどの最新技術で差別化を図る戦略です。

まとめ

第3世代に進化したアウディ Q3は、マイクロLEDのデジタル マトリクスLEDや”デジタルステージ”によるUI/UX、強化されたサスペンションと先進運転支援、そしてPHEVの実用EV航続など、プレミアム・コンパクトSUVの基準を広範に更新しました。欧州での発売は2025年10月で、ドイツ価格は44,600ユーロからと発表済み、日本導入については公式続報を待つ段階です。

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