テスラ モデルY 新型スタンダードモデル発表!価格632万円からの廉価版 日本発売に期待

2025年10月7日、テスラは米国市場において、ベストセラーSUVであるテスラ モデルYに新グレード「スタンダードモデル(Tesla Model Y Standard)」を追加発表しました。価格は41,630ドル(約632万円)からと、従来のベースモデルより5,000ドル(約75万円)安価に設定され、SUVとして4万ドルを切る初のテスラ車両として注目を集めています。この価格を実現するために、プレミアム機能、航続距離、性能が一部省かれていますが、日常の足としてEVを求める人々にとって魅力的な選択肢となることが期待されます。

車の概要:テスラ モデルY スタンダードモデルとは?

テスラ モデルY スタンダードモデルは、2019年3月14日に発表されたミッドサイズ電動SUVであるモデルYの最新グレードです。モデルYはテスラの5番目の電気自動車として、小型EVセダンのモデル3をベースに開発され、モデル3の75%の部品を共用しています。2020年1月に米国フリーモント工場で生産が開始され、同年3月に納車が開始されました。日本市場には2022年6月に受注が開始され、同年9月に納車が開始されています。モデルYは2023年にEVとして初めて世界の車種別販売台数トップに立ち、同年にはグローバルでの累計販売数が120万台を突破するという快挙を達成しました。

2025年1月には、サイバートラックやロボタクシー「サイバーキャブ」のデザインテイストを取り入れた大規模なマイナーチェンジが実施され、エクステリア、インテリア、乗り心地や効率性が向上しました。そして2025年10月7日、さらなる価格の低下を実現したスタンダードモデルが米国市場で発表され、モデルYシリーズは「スタンダード」「プレミアム」「パフォーマンス」の3階層に再編されました。現在のモデルYは初代モデルに当たりますが、2025年1月の大規模改良により、約5年ぶりの刷新が行われています。

テスラ モデルY スタンダードモデルのエクステリアデザイン

テスラ モデルY スタンダードモデルのエクステリアは、2025年1月に刷新された新型モデルYのデザインを踏襲しています。最大の特徴は、サイバートラックやロボタクシー「サイバーキャブ」から得た大胆なデザインテイストを取り入れた、先進的で未来的なスタイリングです。リアデザインには、ボディパネルテールライトとして初の拡散反射技術が採用され、独特の存在感を放っています。

ただし、スタンダードモデルでは価格を抑えるため、一部の装備が簡素化されています。具体的には、パノラマガラスルーフが金属製ルーフに変更され、ヘッドライトの左右をつなぐLEDストリップが省略されました。テールランプも間接照明から通常のランプへと変更されています。ボディカラーの選択肢は3色に限定され、ステルスグレーが標準色、パールホワイト(+1,000ドル)、ダイアモンドブラック(+1,500ドル)が選択可能です。足元には18インチホイールが標準装備され、19インチホイールは1,500ドルの追加料金で選択できます。

テスラ モデルY スタンダードモデルのボディサイズは、全長4,800mm、全幅1,980mm、全高1,624mmです。

テスラ モデルY スタンダードモデルのインテリアデザイン

テスラ モデルY スタンダードモデルのインテリアは、テスラの特徴であるミニマルなデザインを継承しつつ、価格を抑えるために一部の快適装備が簡素化されています。最も大きな変更点は、シート素材がレザーシートからファブリック(布製)シートに変更された点です。また、フロントシートのベンチレーション機能が削除され、後席シートヒーターも利用できなくなっています。

ステアリングホイールは電動調整式から手動調整式へと変更されました。また、後部座席用の8インチタッチスクリーンが廃止され、後席乗客による空調やエンターテイメントの操作ができなくなっています。フロントライトバーも削除され、照明が簡素化されました。

一方で、フロント中央には15.4インチの大型タッチスクリーンが残されており、車両に関する設定はほとんどこのタッチパネルに集約されています。ギアセレクターはセンターディスプレイに統合され、シンプルな操作性を実現しています。基本は2列シート5人乗りステーションワゴンで、2列目シートは3人掛けのベンチシートとなっており、個別に倒すことができます。2列目をすべて倒すとフルフラットの荷室になり、最大限の積載能力を発揮します。

テスラ モデルY スタンダードモデルの走行性能

テスラ モデルY スタンダードモデルは、後輪駆動(シングルリアモーター)を採用し、パワフルかつ効率的な走行を実現しています。バッテリー容量は69.5kWhを搭載し、最高出力は300馬力に抑えられています。0-60mph(約0-96km/h)加速は6.8秒を記録し、日常使いには十分な動力性能を備えています。

航続距離は推定321マイル(約517km)となっており、上位モデルのプレミアムグレード(357マイル、約575km)と比較すると若干短くなりますが、その差は劇的というほどではありません。最高速度に関する具体的な数値は公表されていませんが、日常の運転において必要十分な性能を確保しています。

バッテリー容量をわずかに小さくし、最高出力を抑えることで、航続距離の減少を最小限に抑えながら価格の低減を実現している点が、スタンダードモデルの大きな特徴といえます。また、EVならではの静粛性や滑らかな加速フィーリングは健在で、ストレスフリーなドライビングを楽しむことができます。

テスラ モデルY スタンダードモデルの安全性能・運転支援

テスラ モデルY スタンダードモデルには、テスラの誇る先進的な安全性能と運転支援システムが搭載されています。モデルYは様々な安全性テストにおいて高い評価を獲得しており、ヨーロッパの新車安全性評価プログラム「ユーロNCAP」では最高評価を獲得しています。また、オーストラリア新車評価プログラム(ANCAP)でも5つ星評価を獲得し、セーフティアシストの項目では過去最高の98%のスコアを記録しました。

標準装備される運転支援機能として、「ベーシック オートパイロット」が搭載されています。これは、走行車線を維持する「オートステアリング」と、設定された走行速度を維持する「トラフィックアウェア クルーズコントロール」を組み合わせた機能です。トラフィックアウェア クルーズコントロールは、前方車両との車間距離を自動で維持しながら速度調整を行い、高速道路の走行時や渋滞時にドライバーの負担を大幅に軽減します。

衝突回避アシスト機能も充実しており、正面衝突警告、自動緊急ブレーキ、障害物検知走行モードなどが装備されています。正面衝突警告は、前方に車両、オートバイ、自転車、歩行者といった障害物が存在し、衝突の危険性が高い場合に視覚・聴覚による警告を発します。自動緊急ブレーキは、正面衝突の衝撃を緩和するために自動的にブレーキをかける機能です。これらの安全機能は5km/hから200km/hで運転している場合に作動します。

テスラ モデルY スタンダードモデルの価格

米国市場においてテスラ モデルY スタンダードモデルの価格は、41,630ドル(約632万円)からです。従来のベースモデルより5,000ドル(約75万円)安価に設定されており、SUVとして4万ドルを切る初のテスラ車両として大きな注目を集めています。

米国市場におけるモデルYの全グレード価格は以下の通りです。スタンダードモデルは41,630ドル(約632万円)、プレミアムモデルは46,630ドル(約708万円)、プレミアムAWDモデルは50,630ドル(約769万円)、パフォーマンスモデルは59,130ドル(約898万円)となっています。

オプションとして、19インチホイール(+1,500ドル)、パールホワイトのボディカラー(+1,000ドル)、ダイアモンドブラックのボディカラー(+1,500ドル)、牽引ヒッチ(+1,000ドル)、完全自動運転機能(+8,000ドル)、自宅充電器(+450ドル)などが選択可能です。すべてのオプションアップグレードを選択しても、最高価格は53,630ドルに留まります。

なお、日本市場では2025年1月に刷新された新型モデルYが、RWDグレードで595万円、ロングレンジグレードで683万9000円から販売されています。

テスラ モデルY スタンダードモデルの発売時期

テスラ モデルY スタンダードモデルは、2025年10月7日に米国市場で正式に発表されました。米国市場では数週間以内に納車が開始される予定となっています。

ただし、現時点では米国市場専売モデルとして発表されており、日本の公式サイトではまだ確認できない状況です。テスラは時期も頻度も決めず、いきなり価格や仕様を変更するメーカーであるため、今後の展開については予測が難しい状況といえます。

日本市場では、2025年1月に刷新された新型モデルYが受注開始されており、2025年4月から納車が開始されています。新型モデルYは、RWDグレードとロングレンジグレードの2グレード展開となっています。

テスラ モデルY スタンダードモデルは日本で発売されるか

テスラ モデルY スタンダードモデルの日本市場導入については、現時点では公式なアナウンスはありません。2025年10月7日の発表時点では、スタンダードモデルは米国市場専売として位置づけられており、日本の公式サイトではまだ確認できない状況です。

日本市場では、2025年1月に刷新された新型モデルYが、RWDグレード595万円、ロングレンジグレード683万9000円という戦略的な価格設定で販売されています。すでに競争力のある価格帯で展開されているため、スタンダードモデルを日本市場に導入する必要性が低い可能性も考えられます。

一方で、日本市場における電気自動車の普及促進という観点から、より手頃な価格帯のモデルが求められる可能性もあります。テスラは過去にも市場の需要に応じて柔軟にグレード展開を変更してきた実績があるため、今後の動向に注目が集まります。日本導入を希望するユーザーは、テスラジャパンの公式発表を待つ必要があるでしょう。

テスラ モデルY スタンダードモデルをあえて辛口で評価します。

テスラ モデルY スタンダードモデルをあえて辛口で評価します。まず最大の懸念点は、価格を下げるために犠牲にされた快適装備の多さです。パノラマガラスルーフが金属製ルーフに変更されたことで、モデルYの魅力の一つであった開放感が失われています。また、レザーシートがファブリックシートに、フロントシートのベンチレーション機能が削除されるなど、長距離ドライブでの快適性が大きく低下している点は見逃せません。

後部座席用の8インチタッチスクリーンが廃止されたことも残念なポイントです。せっかくの5人乗りSUVでありながら、後席乗客が空調やエンターテイメントを自由に操作できないのは、ファミリーユースを考えると大きなマイナスといえるでしょう。ステアリングホイールが手動調整式になったことも、現代の電動車としては時代に逆行している印象を受けます。

車幅1,980mmという日本の道路事情を考えると非常に大きなボディサイズも、日常使いでは取り回しの悪さが目立つでしょう。立体駐車場やコインパーキングとの相性も悪く、都市部での使い勝手は決して高くありません。また、航続距離517kmは十分に見えますが、上位グレードと比較すると約60km短く、長距離移動の際には充電頻度が増える可能性があります。

さらに、このスタンダードモデルは現時点で日本市場では発売されておらず、米国市場専売となっている点も問題です。日本のユーザーにとっては「絵に描いた餅」であり、実際に購入することができません。価格面での魅力はあるものの、実用性や快適性を考えると、少し予算を増やしてでも上位グレードを選ぶ方が賢明な選択といえるでしょう。

テスラ モデルY スタンダードモデルのライバル車

テスラ モデルY スタンダードモデルのライバルとして、まず挙げられるのが中国BYDの「シーライオン7」です。2025年4月に日本で発売されたシーライオン7は、価格495万円からと、モデルYよりも手頃な価格設定となっており、テスラ・モデルYの対抗車種として位置づけられています。航続距離や急速充電規格「チャデモ」への対応、運転中にドライバーが目を閉じたり注意を逸らしたりした際に警告を発する新機能など、全方位的に充実した装備を備えています。

同じくBYDの「ATTO 3」も有力なライバルです。コンパクト電動SUVとして、価格面での競争力を持ちながら、日本市場で着実に存在感を高めています。日産「リーフ」も、日本の電気自動車市場における定番モデルとして、モデルYと競合関係にあります。2025年モデルのリーフは、優れた電費性能を実現しており、市街地・高速走行にかかわらず、オールラウンドに電費性能が優れている点が強みです。

韓国ヒョンデの「コナ」も、60kWh超級の電池容量を搭載し、ゆとりの航続距離を確保したライバル車種として挙げられます。また、スウェーデンのボルボ「EX30」も、コンパクトながら高級感のある電動SUVとして、モデルYと競合しています。日本メーカーからは、トヨタ「bZ4X」(500万円から)や日産「アリア」などもライバル車種といえるでしょう。

米国市場では、フォード、シボレー、起亜などの大手自動車メーカーからも、モデルYの王座を狙うコンパクト電動SUVが続々と登場しており、電気自動車市場は非常に競争が激化しています。

まとめ

テスラ モデルY スタンダードモデルは、2025年10月7日に米国市場で発表された、価格41,630ドル(約632万円)からの廉価版グレードです。SUVとして4万ドルを切る初のテスラ車両として注目を集めており、従来のベースモデルより約75万円安価に設定されています。航続距離は約517kmを確保し、0-60mph加速6.8秒という日常使いに十分な性能を備えています。ただし、価格を抑えるためにパノラマガラスルーフが金属製に変更され、レザーシートがファブリックシートになるなど、快適装備が簡素化されている点には注意が必要です。現時点では米国市場専売となっており、日本での発売については公式なアナウンスはありません。2019年の発表以来、2023年にはEVとして初めて世界販売台数トップを記録したモデルYは、2025年1月の大規模マイナーチェンジを経て、さらに魅力を増しています。スタンダードモデルの追加により、テスラはより幅広いユーザー層に電気自動車を提供する体制を整えつつあります。

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