フェラーリ 849テスタロッサ 新型登場!価格・発売時期・最新スペックを解説|伝説の名が復活、1050馬力のPHEV 日本でも発売

2025年9月9日、フェラーリはミラノにて最新のプラグイン・ハイブリッド・ベルリネッタ「849テスタロッサ」を世界初披露しました。この新型モデルは、フェラーリのラインアップの中でもフラッグシップに位置する存在で、先行モデルのSF90ストラダーレからさらに50cv高い、総最高出力1050cvを誇ります。伝説的な名前「テスタロッサ」が約33年ぶりに復活し、最新のテクノロジーと圧倒的なパフォーマンスを兼ね備えたスーパースポーツカーとして誕生しました。​

車の概要:フェラーリ 849テスタロッサとは?

フェラーリ 849テスタロッサは、SF90ストラダーレの後継として開発されたプラグイン・ハイブリッドのスーパースポーツ・ベルリネッタです。ベルリネッタ(Berlinetta)とは、イタリア語で2シーターまたは2+2シーターの2ドア・クーペを指す呼称で、「自宅から自身で運転してサーキットへ行き、レースをして、また自走して帰ってこられるクルマ」という概念を表しています。1956年にエンツォ・フェラーリが「250 GTベルリネッタ」にこの名を採用して以来、フェラーリのスポーツクーペを象徴する呼称として定着しました。​​

フェラーリの歴史において「テスタロッサ(赤い頭)」という名前は特別な意味を持ち、初めて使用されたのは1956年の500TRで、エンジンのカムカバーの色を表していました。その後、1984年に登場した公道モデルのテスタロッサは、512BBの後継としてパリサロンでデビューし、5リッター水平対向12気筒エンジンを搭載し、最高出力390psを発揮するスーパーカーとして世界に衝撃を与えました。1990年代には512TR、F512Mへと進化を遂げ、1996年に生産を終了しました。今回の849テスタロッサは、1984年モデルから数えると約41年ぶりの復活となり、新世代のハイブリッド技術を搭載した全く新しいモデルとして誕生しました。​​​

フェラーリ 849テスタロッサのエクステリアデザイン

フェラーリ 849テスタロッサのエクステリアは、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターが手がけ、SF90ストラダーレから大きく変革されたデザインとなっています。

1970年代のスポーツプロトタイプと航空分野からインスピレーションを得た立体的で未来的なフォルムが特徴で、垂直方向と水平方向のラインが織りなす前例のないビジュアルを実現しました。

サイドボディは、複雑な3次元形状のドアパネルが占めており、1枚のアルミニウム合金から成形されています。縦長のサイド・インテークは対照的なブラックで仕上げられ、インタークーラーに空気を供給する機能的な役割も果たします。

リアは512Sをインスピレーションとする2つのツインテールのデザインが採用され、可動ウィングが組み込まれた特許取得の空力ソリューションとなっています。

フロントは1980年代のフェラーリを思わせるフォルムで、横に伸びるカバーがヘッドライトをつなぎ、全幅に広がるスポイラーの印象を生み出しています。

フェラーリ 849テスタロッサのボディサイズは、全長4718mm、全幅2304mm、全高1225mmです。​​

フェラーリ 849テスタロッサのインテリアデザイン

フェラーリ 849テスタロッサのインテリアは、水平なダッシュボードを持つベルリネッタのレイアウトとシングルシーターのコックピットが融合した、包み込まれるようなデザインとなっています。

ダッシュボード上面は浮遊している印象で、アルミニウム製フレームのC字形エア・ベントを備えます。上面と下面の間には対照的な帯が水平に広がり、主要な操作系とパッセンジャー用スクリーンが組み込まれています。ダッシュボード下部を特徴づけるのが帆をモチーフにした2個の構造部で、F80と同様のシフトゲートが浮遊するように配置されています。

センタートンネルのレイアウトは再設計され、補助的な操作系がより合理的でミニマルな印象にまとめられました。ステアリング・ホイールには物理的ボタンが装備され、アイコニックなエンジン・スタートボタンも含まれており、最新世代フェラーリの機能性を維持しつつ、ドライビング・エクスペリエンスを高めています。シートは2種類用意され、コンフォート・シートとカーボン・ファイバー製のレーシング・シートから選択できます。​

フェラーリ 849テスタロッサの走行性能

フェラーリ 849テスタロッサの走行性能は圧倒的です。プラグイン・ハイブリッドシステムは、全面的に再設計されたツインターボV型8気筒エンジン(最高出力830cv)と3基の電気モーター(合計220cv)で構成され、システム全体で総最高出力1050cvを発揮します。0-100km/h加速は2.3秒未満、0-200km/h加速は6.35秒、最高速度は330km/hを超えるという驚異的な数値を記録しています。フィオラノサーキットでのラップタイムは1分17秒500を記録し、先行モデルのSF90ストラダーレを大きく上回るパフォーマンスを実現しました。​​

内燃エンジンには、数々の受賞歴を誇るフェラーリのツインターボV8エンジン(プロジェクトコードF154FC)の最新バージョンが採用されています。排気量3990cc、比出力208cv/Lという高性能を達成し、従来バージョンから50cvのパワーアップを果たしました。この成果は、排気量を維持したまま、コンポーネントを全面的に改良することで実現されました。主な改良点には、まったく新しいターボチャージャー、シリンダーヘッド、エンジンブロック、エグゾースト・マニホールド、吸気プレナム、チタン製ボルト、バルブトレーン・システム、燃料レールが含まれます。​

新型ターボチャージャーは、F80から派生した低摩擦のベアリングを採用し、296GT3を基に生まれた革新的なヒートシールドをタービンケースに導入して、エンジン・コンパートメント内の熱管理に貢献しています。コンプレッサー・ホイールとタービンは素材と空力の面で最適化され、キャリブレーション戦略も洗練されました。これらすべての効果で、ターボラグが最小限になり、エンジンの鋭いレスポンスが維持されています。​​

ハイブリッド・システムは、リアのモーター1基とフロント・アクスルに装備するモーター2基で構成されます。フロントの2基はRAC-e(電子制御コーナリング・セットアップ・レギュレーター)システムを構成して、4WDシステムとトルク・ベクタリングを可能にし、コーナー出口で最大のトラクションと効率性を引き出します。第3の電気モーターはMGU-K(モーター・ジェネレーター・ユニット、キネティック/運動エネルギー回生システム)で、リア・アクスルに位置し、F1におけるスクーデリアの経験が直接生かされています。​​

電気モーターの冷却マップも最適化され、熱効率が高まって10~12℃の効果が得られました。そのため、集中的に使用する状況であっても、一貫したパフォーマンスをより長く維持できます。ブレーキング時の回生戦略も改善され、ペダルフィールがさらに向上し、いっそうスムーズで効果的なペダルストロークが実現しています。​

ビークル・ダイナミクスの制御には、新しいFIVE(Ferrari Integrated Vehicle Estimator:フェラーリ・インテグレーテッド・ビークル・エスティメーター)システムが導入されました。この推定システムは、実際の測定値(加速度、6Dセンサー)を活用するシンプルな数理モデルを基に、車両の挙動をリアルタイムで再現したデジタルの双子を生成できます。FIVEは、直接の測定が不可能な性能特性、例えば車速(誤差の範囲は1km/h未満)や車体のヨー・アングル(誤差1°未満)を正確に推定できるので、トラクション・コントロールや電子制御ディファレンシャルのマネージメント、e4WDシステムの効果が高まります。​​

849テスタロッサは、専用のサスペンション・セットアップとジオメトリーによって、限界域での挙動が最適化されています。横方向のパフォーマンスは、SF90ストラダーレとの比較で3%向上しています。ロール率が10%低減し、ボディ制御が向上しているため、空力の恩恵が最大限に生かされ、動的キャンバーの制御も最適化されています。​

ブレーキ性能も圧倒的で、100km/hから0km/hまでの制動距離はわずか28.5m、200km/hから0km/hまでは108.0mという数値を記録しています。4輪ともディスクとパッドのサイズが大きくなり、フロント・ディスクは通気ダクトが最適化され、新たなリア・キャリパーは熱管理と剛性が向上しています。こうしたコンポーネントの相乗効果によって、冷却効率、構造的強度、一貫した性能が、長時間の連続使用でも保証されています。​​

eDriveモードでは航続距離25kmの純粋な電動走行が可能で、7.45kWhのリチウムイオン・バッテリーがシャシー内に配置されています。バッテリーとモーターの制御戦略は、eマネッティーノで選択できる4種類のドライビングモード――eDrive、Hybrid、Performance、Qualify――に合わせてキャリブレーションされており、あらゆる状況で最適なパフォーマンスを実現します。​​

パワーウェイト・レシオは1.5kg/cvと、ラインアップモデル史上最高を誇ります。幅広いコンポーネントの軽量化によって、849テスタロッサは先行モデルのSF90ストラダーレからまったく車重を増やすことなく、パフォーマンスの大幅な向上を成し遂げました。これは、レース用エンジンで使われている機械加工、カムシャフトの軽量化、チタン製ネジの採用、さらに跳ね馬のラインアップモデルでは初めてとなる二次合金である再生アルミニウムをエンジンの鋳造パーツに使用したことなどが貢献しています。​

フェラーリ 849テスタロッサのエンジンサウンド

フェラーリ 849テスタロッサでは、力強くピュアな個性を感じさせるエンジンサウンドの新たな次元が導入されました。

新型V8ターボの音色は、あらゆる走行条件でフェラーリV8ならではのハーモニーが維持されるよう最適化されています。

音量は全回転域で増大しており、とりわけ低・中回転域において、濃密でピュアなサウンドになるよう特別な注意が払われました。点火順序による美しい倍音が作り出す澄んだ音色が加速時に強化され、8300rpmに設定されたリミッターに向けて回転が高まるにつれて、パワートレインの出力も爆発的に高まります。

SF90 XX ストラダーレから引き継いだ新たな変速戦略も改良され、攻めたドライビング中のシフトアップで、いっそう刺激的なエンジン・サウンドを生み出します。マネッティーノの「Race」モード以上では、変速がさらに過激になり、レーシングカーのようなサウンドを実現しています。​

フェラーリ 849テスタロッサの価格

フェラーリ 849テスタロッサの価格は6465万円からです。

さらなる高性能を追求したAssetto Fiorano仕様は、7127万9700円で追加が可能となっています。Assetto Fiorano仕様は、カーボン・ファイバーやチタンを幅広く使用し、総重量を約30kg削減できる専用コンポーネントで構成されています。

また、849テスタロッサ・スパイダー(オープントップモデル)も発表されており、こちらの日本価格は7027万円に設定されています。先行モデルのSF90ストラダーレが5340万円であったことを考えると、約1000万円以上の価格アップとなっていますが、フルモデルチェンジを思わせる内外装の刷新やパワーユニット、シャシー、エアロダイナミクス、クーリング性能のアップデートを考慮すると納得の価格設定といえます。​​

フェラーリ 849テスタロッサの発売時期

フェラーリ 849テスタロッサのデリバリーは、2026年の第3四半期頃にヨーロッパで開始される予定です。日本には2027年にデリバリーが開始される予定となっています。フェラーリ・ジャパンは2025年9月24日に東京都内で日本初披露イベントを開催し、ワールドプレミアからわずか15日後に日本上陸を果たしました。日本市場への導入時期は2027年初頭と見込まれており、すでに多くのフェラーリファンからの注目を集めています。

フェラーリ 849テスタロッサは日本で発売されるか

フェラーリ 849テスタロッサは日本で発売されます。フェラーリ・ジャパンは2025年9月24日に東京都内で新型プラグイン・ハイブリッド・ベルリネッタ「849テスタロッサ」を日本国内で初披露し、日本市場向けの価格も発表しました。車両本体価格は6465万円で、2027年に日本でのデリバリーが開始される予定です。フェラーリ・ジャパンのドナート・ロマニエッロ社長は、日本初披露イベントで「この849テスタロッサは、フェラーリの最新モデルの第1弾であり、驚異的なパワー、パフォーマンスを堪能できる、真のドライバーズカー」と語り、日本市場への強い期待を示しています。

フェラーリ 849テスタロッサをあえて辛口で評価します。

フェラーリ 849テスタロッサをあえて辛口で評価します。まず価格面では、先代のSF90ストラダーレから約1000万円以上も高い6465万円という設定は、いくらフルモデルチェンジレベルの進化を遂げたとはいえ、購入できる層がさらに限定されることになります。また、車両重量は1570kgと、ハイブリッドシステムを搭載しているため軽量とは言い難く、純粋なドライビングプレジャーを求めるピュアリストにとっては、やや複雑すぎるシステムと感じられるかもしれません。全幅2304mmという巨大なボディサイズは、日本の道路事情ではかなり扱いづらく、日常使用には不向きです。さらに、eDriveモードでの電動走行距離が25kmと短く、プラグイン・ハイブリッドとしての実用性には疑問が残ります。デザイン面でも、1984年のテスタロッサが持っていた衝撃的なインパクトと比べると、やや無難にまとまりすぎている印象があり、”テスタロッサ”の名前を冠するには物足りなさを感じる人もいるでしょう。​​

フェラーリ 849テスタロッサのライバル車

フェラーリ 849テスタロッサのライバル車としては、まずランボルギーニ レヴエルト(Lamborghini Revuelto)が挙げられます。レヴエルトは6.5リッターV12エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッドシステムで、最高出力1015psを発揮し、価格帯も近いスーパーカーです。次に、マクラーレン アルトゥーラ(McLaren Artura)もライバルとして位置付けられます。アルトゥーラは3.0リッターV6ツインターボとハイブリッドシステムで、より軽量でコンパクトなパッケージを実現しています。また、ポルシェ 918スパイダーの後継となる次世代ハイブリッドスーパーカーや、アストンマーティン ヴァルハラ(Aston Martin Valhalla)なども競合モデルとなります。これらのライバル車は、いずれもハイブリッド技術を駆使しながら、圧倒的なパフォーマンスと環境性能を両立させる新世代のスーパーカーとして注目されています。​​

まとめ

フェラーリ 849テスタロッサは、伝説的な名前を冠した新世代のプラグイン・ハイブリッド・スーパースポーツカーとして、2025年9月9日にミラノで世界初披露されました。SF90ストラダーレの後継として開発されたこのモデルは、ツインターボV8エンジンと3基の電気モーターを組み合わせ、総最高出力1050cvという圧倒的なパフォーマンスを誇ります。1970年代のスポーツプロトタイプからインスピレーションを得た立体的なエクステリアデザイン、包み込まれるような先進的なインテリア、そして力強いエンジンサウンドなど、すべての要素がフェラーリのフラッグシップにふさわしい仕上がりとなっています。価格は6465万円からで、日本でのデリバリーは2027年に開始される予定です。電動化時代において、フェラーリがブランドの象徴に託した新たな挑戦が、ここに結実しました。

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