ポルシェは2025年11月25日、ドバイで開催された「アイコンズ オブ ポルシェ(Icons of Porsche)」フェスティバルにおいて、パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのインテリア仕様を初公開しました。この特別なモデルは、ポルシェの特別注文プログラム「ゾンダーヴンシュ」によって生み出された、顧客の夢を具現化したワンオフモデルです。

車の概要:ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュとは?
ポルシェ パナメーラは、2009年に初代モデルが登場して以来、ポルシェのスポーツカー哲学とラグジュアリーセダンの快適性を融合させた4ドアスポーツカーとして進化を続けてきました。2016年に2代目へと進化し、2023年には3代目となる現行モデルがデビューしています。
今回発表されたパナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュ(Porsche Panamera Turbo Sonderwunsch)は、3代目パナメーラをベースに、ポルシェの特別注文プログラム「ゾンダーヴンシュ」によって製作された特別仕様車です。「ゾンダーヴンシュ」は1970年代後半から存在する伝統的なプログラムで、顧客の個別の要望に応じて唯一無二の車両を創り上げることができます。ポルシェのインディビジュアライゼーション&クラシック部門のバイスプレジデント、アレクサンダー・ファビグ氏は「パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのインテリアは、最高の精度と細部へのこだわりをもって、すべての顧客の個人的な夢を実現するという私たちの情熱を体現しています」と語っています。

ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのエクステリアデザイン
この特別なモデルの最大の特徴は、2トーンペイントのフェード効果です。ボディカラーは、レブロン・ヴァイオレット・メタリックからボディ下部3分の1にかけてソリッドブラックへと滑らかに変化していきます。さらにクリアトップコートには金色のフレークが散りばめられており、深みのある高級感あふれる仕上がりを実現しています。
このゾンダーヴンシュプロジェクトのために特別に開発されたコントラストカラー「アヴィウム・メタリック」は、ピンストライプ、アロイホイールの外側面、サイドウィンドウフレームに使用されています。この特別なカラーがエクステリアとインテリアをつなぐ架け橋となっており、内外装の統一感を生み出しています。
ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのボディサイズは、全長5052mm、全幅1937mm、全高1423mmです。





ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのインテリアデザイン
インテリアは、エクステリアの2トーンカラーと呼応する形でデザインされています。ブラックからメタリックサンセットレッドへと変化する微妙なカラーグラデーションがシートセンター、パーセルシェルフ、車両書類フォルダーに施されています。
ダッシュボードとドアパネルはブラックレザーで仕上げられ、バリックレッドのダブルステッチが施されています。ドアパネルには、ブラックステイン仕上げのチェスナットウッド(栗材)のエレメントが配されています。フロントシートのバッジは特に注目すべきポイントで、パナメーラが開発・生産されたポルシェの拠点に敬意を表し、運転席側にはツッフェンハウゼンの地理座標、助手席側にはライプツィヒの地理座標が刻まれています。シートベルトはバリックレッド色です。

特別に開発されたアヴィウム・メタリックは、センターコンソールトリムのゾンダーヴンシュレタリング、スイッチ類、スポーツクロノディスプレイのサラウンドと針、ドライブモードスイッチのリング、トリムストリップ、ドアハンドル、ドアパネルのスピーカーグリル、シートのパイピングなど、インテリア各所に使用されています。
最もユニークな装備として、センターコンソールの収納部に設置されたシガーヒュミドールがあります。シダーウッドのインサートと湿度計により、常に最適な湿度が保たれる仕組みになっており、ガラスカバーを通して高級葉巻を眺めることができます。取り外し可能なインサートには、シガーカッターやライターなどの高品質なアクセサリーが収納されています。

もうひとつの特別な装備は、リアシートに統合されたイルミネーション付きシャンパンクーラーです。小型ボトル1本とグラス2脚を収納でき、グラスはアームレストに格納できます。コンポーネントはアヴィウム色で塗装され、ボトルホルダー自体はブラックレザー製で「ゾンダーヴンシュ」のレタリングがエンボス加工されています。アームレストのポルシェクレストはターボナイト仕上げです。

ラゲッジコンパートメントは全面レザー張りで、さらなるラグジュアリー感を強調しています。ブラックアノダイズド加工されたメタルインサートがアヴィウムカラーのフレームで囲まれ、荷物による傷から保護します。ローディングシルプロテクションは、ブラックラッカー仕上げのメタル製で、本物の金箔フレークが散りばめられた極めて贅沢な仕上げとなっています。
ドアシルトリムはブラッシュドブラックアルミニウム製で、ホワイトで照明される「ゾンダーヴンシュ」レタリングが施されています。アヴィウムステッチとエンボス加工されたポルシェクレストを備えたブラックレザー製キーケース、バリックレッドステッチが施されたブラックレザー製充電ケーブルバッグも、インテリアの広範なパーソナライゼーションを完成させています。




ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュの走行性能
ベースとなるパナメーラ ターボ E-ハイブリッドは、最大出力382kW(519PS)を発生する新開発の4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載しています。これに電気モーターが組み合わされ、システム総合出力は500kW(680PS)に達します。
3代目パナメーラには、400ボルトシステムで制御されるサスペンション調整機能が搭載されており、ボディの動きを制御し、車高を調整し、路面の凹凸を吸収します。ダイナミックな状況下でも車両をしっかりと路面に保ち、コーナリングの安定性と敏捷性を高めます。このテクノロジーはパナメーラのボディを完璧に水平に保ち、安定したホイール荷重を維持します。
WLTPモードでの燃料消費量は3.6〜4.4リットル/100km、電力消費量は18.8〜19.9kWh/100km、CO₂排出量は81〜99g/kmとなっています。

ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュの安全性能・運転支援
現行パナメーラには、衝突被害軽減ブレーキ、歩行者衝突回避システム、クルーズコントロール、レーンキープアラート、レーンアシストなどの先進安全装備が標準装備されています。また、360度ビューカメラや駐車支援装置も装備されています。
オプションとして、スマートフォンによるリモートパーキング機能「リモートパークアシスト」や、アクティブレーンガイダンス機能などを含む運転支援システム「ポルシェ・イノドライブ」が用意されています。

ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュの価格
ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュは、特別注文プログラム「ゾンダーヴンシュ」によって製作されたワンオフモデルのため、具体的な価格は公表されていません。参考までに、ベースとなるパナメーラ ターボ E-ハイブリッドの日本での価格は2,954万円からとなっています。
ゾンダーヴンシュプログラムでは、顧客の個別の要望に応じてカスタマイズが行われるため、仕様により価格は大きく変動します。今回のモデルのように、特別開発されたカラーや本物の金箔を使用した装備、シガーヒュミドールやシャンパンクーラーなどの特注装備を含む場合、ベース車両価格に対して相当なプレミアムが加算されると考えられます。
なお、パナメーラシリーズ全体の日本での価格帯は、ベースモデルの1466万円から最上級のパナメーラ ターボS E-ハイブリッドの3325万円までとなっています。

ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュの発売時期
パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのインテリア仕様は、2025年11月25日にドバイで開催された「Icons of Porsche」フェスティバルで公開されました。このモデルは特定の顧客のために製作されたワンオフモデルであり、一般販売されるものではありません。
ゾンダーヴンシュプログラムは、個々の顧客の要望に応じて車両を製作するオーダーメイドプログラムであるため、発売時期という概念は適用されず、顧客からの依頼を受けて個別に製作されます。
ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュは日本で発売されるか
パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュは、特定の顧客のために製作されたワンオフモデルであり、日本を含めて一般販売される予定はありません。ただし、ポルシェの特別注文プログラム「ゾンダーヴンシュ」自体は、日本のポルシェ正規ディーラーを通じて利用可能です。
日本の顧客も、ゾンダーヴンシュプログラムを利用することで、今回公開されたモデルのような高度なカスタマイズを施した独自の車両を注文することができます。ベースとなるパナメーラ ターボ E-ハイブリッドは日本で正規販売されており、2954万円から購入可能です。

ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュをあえて辛口で評価します
このパナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュは、確かに唯一無二の存在ですが、実用性の観点から見ると疑問符が付く部分もあります。シガーヒュミドールやシャンパンクーラーといった装備は、非常に贅沢で魅力的ではありますが、日常的にどれほど活用されるのかは不明です。特にヒュミドールは湿度管理が必要で、メンテナンスの手間もかかるでしょう。
また、金箔をちりばめたローディングシルプロテクションは見た目こそ豪華ですが、荷物の積み降ろしが多い使用環境では、すぐに傷んでしまう可能性があります。実用性よりも見栄えを優先した仕様と言えるかもしれません。
ベースとなるパナメーラ ターボ E-ハイブリッドは全長5メートルを超える大型セダンで、日本の狭い道路や駐車場では取り回しに苦労する場面もあるでしょう。さらに、このような特別仕様車は万が一の修理や部品交換の際に、通常モデル以上の時間とコストがかかることが予想されます。
とはいえ、これらの点は「唯一無二のパーソナライズカー」という本来の目的を考えれば、些細な問題かもしれません。結局のところ、このような車は実用性ではなく、所有する喜びと自己表現のためのものですから。
ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのライバル車
ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュのライバルとしては、以下の車種が挙げられます。
BMW 8シリーズ グランクーペは、全長5088mm×全幅1933mm×全高1407mmのボディサイズを持ち、パナメーラと同様のラグジュアリースポーツセダンというポジショニングです。V8エンジンを搭載するM850i xDriveグランクーペは、パナメーラと直接競合するモデルと言えます。
メルセデス・ベンツ AMG GT 4ドアクーペも、スポーツカーの血統を受け継ぐ4ドアモデルとして、パナメーラの強力なライバルです。特に上級グレードのAMG GT 63 S E パフォーマンスは、プラグインハイブリッドシステムを採用している点でも共通しています。
アウディ RS7スポーツバックは、スポーティな走りと実用性を兼ね備えたラグジュアリーハッチバックとして、パナメーラの対抗馬となります。V8ツインターボエンジンを搭載し、クワトロ四輪駆動システムによる高い走行性能を誇ります。
また、同じポルシェブランドからは電気自動車のタイカンが、全長4965mm×全幅1965mm×全高1381mmのボディサイズで展開されており、環境性能を重視する顧客にとってはパナメーラの代替選択肢となります。

ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュの主要スペック
- ボディサイズ: 全長5052mm×全幅1937mm×全高1423mm
- ホイールベース: 2950mm
- エンジン: 4.0リッターV8ツインターボ
- エンジン最高出力: 382kW(519PS)
- システム総合出力: 500kW(680PS)
- トランスミッション: 8速PDK
- 駆動方式: 4WD
- 燃料消費量(WLTP複合): 3.6〜4.4リットル/100km
- 電力消費量(WLTP複合): 18.8〜19.9kWh/100km
- CO₂排出量(WLTP複合): 81〜99g/km
- 特別装備: レブロン・ヴァイオレット・メタリックからブラックへのフェードペイント、金箔入りクリアコート、シガーヒュミドール、イルミネーション付きシャンパンクーラー、レザー張りラゲッジコンパートメント、金箔入りローディングシルプロテクション
まとめ
ポルシェ パナメーラ ターボ ゾンダーヴンシュは、2025年11月25日にドバイで公開された、ポルシェの特別注文プログラム「ゾンダーヴンシュ」によって生み出されたワンオフモデルです。3代目パナメーラをベースに、レブロン・ヴァイオレット・メタリックからブラックへと変化する2トーンペイントや、金箔を散りばめた特別な仕上げが施されています。インテリアには、シガーヒュミドールやシャンパンクーラーといった極めてユニークな装備が組み込まれ、顧客の夢を具現化した究極のパーソナライゼーションカーとなっています。ベースとなるパナメーラ ターボ E-ハイブリッドは、4.0リッターV8ツインターボエンジンと電気モーターを組み合わせ、システム総合出力680PSを発揮する高性能セダンです。このモデルは一般販売されるものではありませんが、ゾンダーヴンシュプログラム自体は日本でも利用可能であり、顧客は自分だけの特別なポルシェをオーダーすることができます。



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