史上最速スバルWRX:670馬力のプロジェクトミッドナイト発表 モンスター級仕様

スバルモータースポーツUSAは2024年7月9日、スバル史上最速のWRXレースカー プロジェクト ミッドナイト(Project Midnight)を正式に発表しました。この最高出力670馬力を誇る、モンスター級スペックの新型マシンは、7月11日から14日にかけて開催される2024年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでデビューを飾ります。

車の概要:スバル プロジェクトミッドナイトとは?

スバル プロジェクト ミッドナイトは、記録破りの「エアスレイヤー」ジムカーナカーの成功を受けて誕生しました。プロジェクト ミッドナイトはその名の通り、真夜中の闇を切り裂くかのような圧倒的なスピードを追求したマシンです。軽量化されたワイドボディのこのマシンは、ラリークロスでの優勢を引き継ぎながら、さらに進化を遂げ、記録更新とプラットフォームの性能限界に挑戦します。

プロジェクト ミッドナイトの前身となるエアスレイヤーは、2020年型スバルWRX STIをベースに開発されました。ウイングによる空中姿勢制御を駆使した230フィート(約70メートル)のジャンプなど、驚異的なスタントを披露したバイラル動画「ジムカーナ2020」で有名になりました。「エアスレイヤー」は、伝説的なマウントワシントン・ヒルクライムやカー・アンド・ドライバー誌の「ライトニングラップ」などのタイムドイベントで記録を更新しましたが、ジムカーナスターとしての多目的な性能が求められていました。そこで開発陣は、現行WRXをベースに、純粋に舗装路でのスピードだけに焦点を当てたマシンを想像しました。さらに、F1からラリークロスまで幅広い経験を持つスバルモータースポーツUSAのドライバー、スコット・スピード選手が操縦するとしたらどうなるか。この構想から「プロジェクト・ミッドナイト」は生まれました。

スバル プロジェクトミッドナイトのエクステリアデザイン

スバル プロジェクト ミッドナイトは、超ワイドな空力ボディワークと、チームのWRX ARA24グラベルラリーカーに搭載されているウイングを大幅に拡大したものを特徴としています。カーボンファイバー製のボディと大幅に軽量化されたシャーシにより、車両重量は2,469ポンド(約1,120kg)と、2,500ポンド(約1,134kg)を大きく下回っています。これはエアスレイヤーより約300ポンド(約136kg)、標準のWRXより1,000ポンド(約454kg)も軽量化されています。サスペンションは舗装路専用に開発された特殊なジオメトリーを採用し、エアスレイヤーの17インチラリークロスホイール・タイヤパッケージから、18×11インチのOZレーシング製スーパーツーリズモLMPマグネシウムホイールと280/650R18のヨコハマADVANスリックタイヤに変更されています。プロジェクト ミッドナイトのボディサイズ(全長、全幅、全高)については具体的な数値が発表されていませんが、標準のWRXよりも大幅にワイドなボディワークを採用していることから、特に全幅が大きく拡大されていると推測されます。

スバル プロジェクトミッドナイトの走行性能

ボンネット下には、ターボチャージャーとインタークーラーを搭載した2.0リッター水平対向4気筒エンジンが搭載されています。このエンジンは最高出力670馬力と最大トルク680lb-ft(約922Nm)を発生し、9,500rpmまで回転します。さらに、ボンネットから出る排気管からは炎を吹き出す様子も見られます。このパワーユニットは、スバルモータースポーツUSAが2021年のニトロラリークロスチーム選手権でスコット・スピード選手とともに優勝を果たした、高性能ラリークロスエンジンの最新進化版です。

今後のスバルプロジェクトミッドナイト

スコット・スピード選手は「プロジェクト・ミッドナイト」について次のようにコメントしています。「スバルモータースポーツUSAとバーモントスポーツカーのチームは、まさに獣のようなマシンを作り上げました。運転していると、明らかにラリークロスのルーツを感じますが、より広いタイヤとトラック、そしてジオメトリーが非常にユニークな感覚と信じられないほどのグリップを与えてくれます。究極のドライビングマシンと言えるでしょう。ラリークロスとスポーツカーの特性を半分ずつ持ち合わせた、本当に運転する喜びを感じられる車です」スピード選手は、ラリークロスでの経験を活かしながら「プロジェクト・ミッドナイト」の開発に携わり、新たな挑戦と記録更新に挑みます。

この挑戦の様子は、スバルモータースポーツUSAのSNS(Facebook、Instagram、TikTok)で随時公開される予定です。プロジェクト ミッドナイトは、スバルのモータースポーツ部門が持つ技術力と革新性を体現した究極のマシンとして、注目を集めることは間違いありません。グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでのデビューを皮切りに、どのような記録に挑戦し、どのような進化を遂げていくのか、今後の動向が非常に楽しみです。

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