ポルシェ新型マカンGTS、価格1396万円で日本発売!GTSの名を冠する初のEVマカン

ポルシェは2025年10月21日、フル電動SUV「マカン」のラインナップに、スポーティなハイパフォーマンスモデル「ポルシェ マカンGTS(Porsche Macan GTS)」を追加すると発表しました。マカンGTSは、ローンチコントロール使用時に最高出力420kW(571馬力)を発揮し、0-100km/h加速をわずか3.8秒で駆け抜ける圧倒的なパフォーマンスを誇ります。ポルシェジャパンでは2025年10月22日より全国の正規販売店で予約受注を開始し、価格は1396万円に設定されています。​

1963年の904カレラGTS以来、ポルシェファンの間で特別な存在とされてきた「GTS」の名を冠する初の電動マカンとして、注目を集めています。​

車の概要:ポルシェ マカンGTSとは?

ポルシェ マカンは、同社のフラッグシップSUV「カイエン」よりも小型のコンパクトSUVとして2013年に初代モデルが登場しました。当初は「ケイジャン」のコードネームで開発が進められ、2012年に正式に「マカン」という車名が発表されています。車名はインドネシア語でトラを意味し、力強く瞬発力に優れた走りを表現しています。

初代マカンは世界中で80万台以上を販売する大ヒット作となり、ポルシェの新規顧客獲得に大きく貢献しました。そして2024年1月、歴代初のフルモデルチェンジが実施され、タイカンに続くポルシェのBEV専用モデルとして2代目が誕生しています。

今回発表されたマカンGTSは、この2代目マカンエレクトリックの第5の派生モデルとして追加されました。マカンGTSは電動化されても「GTS」の伝統を受け継ぎ、スポーツエアサスペンションの専用チューニングや電子制御式リアデファレンシャルロックを装備し、卓越したアジリティと走行ダイナミクスを実現しています。​​

ポルシェ マカンGTSのエクステリアデザイン

マカンGTSのエクステリアは、すべてのポルシェGTSモデルに共通するブラックアクセントが随所に施された、スポーティで精悍なスタイリングが特徴です。フロント、サイド、リアに配された各種ブラックペイントのディテールが、GTSならではの個性を強調しています。​

特に印象的なのは、ティンテッド処理が施されたマトリクスLEDヘッドライトと、エアブレード上部の力強く造形されたアウターエッジです。2026年初頭からポルシェが全マカンモデルに提供する新しいスポーツデザインパッケージを、マカンGTSは最初に標準装備し、GTS専用のスタイリングで仕上げられています。インサート、サイドブレード、ホイールアーチトリム、アダプティブリアスポイラーのリップなどのコントラストエレメントは、すべてブラック仕上げとなっています。​

リア方向に向かって幅が広がる新デザインのサイドスカートも、精悍な印象を強調します。リアセクションはブラックトリムと際立つディフューザーパネルを備えた独特のデザインで、テールライトもヘッドライトと同様にティンテッド処理が施されています。標準装備となる21インチのマカンデザインアロイホイールはアンスラサイトグレー仕上げで、オプションとして同色の22インチRSスパイダーデザインホイールも選択可能です。​

マカンGTSの登場に合わせて、人気の「クレヨン」、GTS定番の「カーマインレッド」、そしてマカンとして初となる「ルガーノブルー」の3色が新たに追加されました。ポルシェカーコンフィギュレーターで選択できる15色に加え、ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャーのペイント・トゥ・サンプルプログラムでは約60色の追加カラーが用意されています。​

ポルシェ マカンGTSのボディサイズは、全長4784mm、全幅1938mm、全高1622mmです。

ポルシェ マカンGTSのインテリアデザイン

マカンGTSのインテリアは、スポーティな外観を室内でも継続する仕上がりとなっています。Race-Tex(レーステックス)の拡張アップホルスタリーとブラックスムースレザーのエレメントの組み合わせが特徴的です。​

ヒーター付きマルチファンクションGTスポーツステアリングホイール、センターコンソールとドアパネルのアームレスト、ダッシュボードにはRace-Texが採用されています。18ウェイ調整可能なアダプティブスポーツシートのセンターパネルもRace-Tex仕上げで、シートボルスターとヘッドレストはスムースレザーで仕上げられています。​

マカンエレクトリックとして初めて、オプションのGTSインテリアパッケージでは、外装と内装のカラーコーディネーションが可能になりました。対応する外装ペイントカラーに合わせて、カーマインレッド、スレートグレーネオ、ルガーノブルーのパッケージが用意されています。このパッケージでは、シート、ステアリングホイール、ドアパネル、ダッシュボード上部の装飾ステッチが選択したカラーで仕上げられ、シートベルトやシートの「GTS」レタリングも同色になります。ステアリングホイールにはカラーマッチした「GTS」レタリングのバッジも付きます。このパッケージにはカーボンインテリアパッケージも含まれ、ステアリングホイール、ダッシュボード、ドアパネルにカーボンファイバートリムが追加されます。​

デジタルコックピットでもGTSテーマが継続されています。センターディスプレイの3D車両ビジュアライゼーションには実際の外装カラーが反映され、インストルメントクラスターには「GTS」レタリングが表示されます。標準装備のスポーツクロノパッケージの多くの機能、例えばラップタイミング、テレメトリーレコーディング、セクター分析などは、センターディスプレイの専用アプリからアクセスできます。​

ポルシェ マカンGTSの走行性能

マカンGTSは、ポルシェの電動SUVラインナップの中でも特に走りに特化したモデルです。パワートレインには、マカンターボと同様にモデルシリーズ内で最もパワフルなリアアクスル電気モーターが搭載されています。電源ユニットは直径230mm、有効長210mmで、高効率の900A炭化ケイ素(SiC)パルスインバーターを装備しています。​​

フロントアクスルの電気モーターと組み合わせることで、通常時は380kW(516馬力)を発生し、ローンチコントロール使用時には420kW(571馬力)のオーバーブーストパワーと最大トルク955Nmを発揮します。トランスミッションは9.0:1のギア比を持ち、パフォーマンスモデルの巨大なトルクに耐えられるよう特別に設計されています。​​

加速性能は圧巻で、0-100km/h加速はわずか3.8秒、0-200km/h加速は13.3秒を記録し、最高速度は250km/hにリミッターで制限されています。航続距離はWLTP複合モードで最大586kmを実現しています。100kWhの高電圧バッテリーは、適切な急速充電ステーションで10%から80%までわずか21分で充電でき、ピーク充電容量は270kWに達します。​​

スポーツクロノパッケージが標準装備され、タイカンから継承されたトラックモードが追加されています。このモードは特に高性能走行のために車両を準備し、バッテリー冷却のレベルを上げることで熱による出力低下(デレーティング効果)を最小限に抑え、持続的な負荷下でのパフォーマンスを向上させます。​

マカンGTSは、リアバイアスの重量配分(48:52)、低重心、インテリジェントなパワーマネジメントを組み合わせた真のスポーツカースタイルでパワーを伝達します。高速反応の電子制御ポルシェトラクションマネジメント(ePTM)による全輪駆動システムに加え、ポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)が標準装備されています。電子制御式リアデファレンシャルロックはリアモーターの直後に配置され、トラクションとアジリティを高め、48:52のリアバイアス重量配分の実現に貢献しています。​

マカンGTSはモデルライン内で最も低い重心を実現しています。エンジニアたちは、レベルコントロールとポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)を備えたスポーツエアサスペンションを特別に改良しました。10mm低い車高とモデル専用のダンパーおよびアンチロールバーチューニングにより、卓越したアジリティとコーナリング精度を実現しており、オプションのリアアクスルステアリングでさらに強化することも可能です。​

マカンGTSのエモーショナルなキャラクターはサウンドにも及びます。ポルシェエレクトリックスポーツサウンド(PESS)機能は、「スポーツ」モードと「スポーツプラス」モードでそれぞれ異なるキャラクターを持つ、2つのGTS専用サウンドプロファイルを提供します。​

ポルシェ マカンGTSの安全性能・運転支援

マカンGTSは、マカンモデルレンジ全体に導入された最新のアップデートの恩恵を受けています。ドライバーアシスタンスシステムとデジタル機能に関する改善が図られており、物理キーに加えてポルシェデジタルキー、新しいパーキングアシスタンス機能、AIサポート付きボイスパイロット、車内ゲーミングの拡充したオファリング、そして最大牽引能力2,500kgへの向上などが含まれています。​

ポルシェ マカンGTSの価格

ポルシェ マカンGTSの価格は1396万円(消費税込)からです。この価格設定は、マカンエレクトリックシリーズの中で、マカン4S(1196万円)とマカンターボ(1525万円)の間に位置しています。

参考までに、マカンエレクトリックシリーズの他グレードの価格は以下の通りです。マカン(後輪駆動)が998万円、マカン4(四輪駆動)が1045万円、マカン4Sが1196万円、マカンターボが1525万円となっています。マカンGTSは、スポーティな走りを重視したGTS専用装備を多数標準搭載しながら、ターボよりも約130万円リーズナブルな価格設定となっています。

ポルシェ マカンGTSの発売時期

ポルシェ マカンGTSは、2025年10月21日に正式発表され、翌10月22日より全国のポルシェ正規販売店で予約受注が開始されました。具体的な納車開始時期については公式発表されていませんが、予約受注開始後、通常数ヶ月程度で最初の顧客への納車が始まると予想されます。

ポルシェ マカンGTSは日本で発売されるか

ポルシェ マカンGTSは、日本市場での発売が確定しています。ポルシェジャパンが2025年10月22日より全国のポルシェ正規販売店で予約受注を開始しており、日本仕様は右ハンドルのみの設定となっています。価格も日本円で1396万円(消費税込)と明確に設定されており、日本のポルシェファンにとって購入可能なモデルです。

新型マカンは、ポルシェ初のフル電動SUVとして日本でも2024年7月から順次予約受注が開始されており、マカンGTSはそのラインナップの第5の派生モデルとして正式に日本市場に投入されます。

辛口評価

ポルシェ マカンGTSをあえて辛口で評価します。

まず価格面では、1396万円という設定は決して安くありません。同じ電動SUVセグメントを見渡せば、より手頃な価格で優れたパフォーマンスを持つ競合車も存在します。特に日本の道路事情を考えると、571馬力というパワーを存分に発揮できる場面は限られており、オーバースペックと感じる方もいるでしょう。

ボディサイズも気になるポイントです。全幅1938mmという数値は、日本の狭い道路や駐車場では取り回しに苦労する場面が多いでしょう。特に都市部での日常使いを考えると、この大柄なボディは扱いづらさを感じる瞬間があるかもしれません。

さらに、電動化されたことでエンジンサウンドの魅力が失われた点も、従来のポルシェファンには物足りなく感じられる可能性があります。確かにポルシェエレクトリックスポーツサウンド(PESS)で疑似サウンドを提供していますが、自然吸気エンジンやターボエンジンの生のサウンドと比べると、やはり人工的な印象は拭えません。​

航続距離も586kmと発表されていますが、これはあくまでWLTP値です。実際の使用環境、特に高速走行やスポーツ走行を楽しむと、航続距離は大幅に短くなることが予想されます。GTSの強力なパワーを使えば使うほど、充電頻度は上がることになるでしょう。​

また、車両重量も気になります。マカン4Sが2420kgという重量を考えると、マカンGTSも同様に2400kg以上の重量があると推測されます。いくらポルシェの技術でハンドリングを最適化しているとはいえ、この重さは慣性の法則から逃れられず、ワインディングロードでの軽快感は従来のガソリンエンジンモデルには及ばない可能性があります。

ポルシェ マカンGTSのライバル車

ポルシェ マカンGTSのライバルとして挙げられるのは、まず同じプレミアム電動SUVセグメントの「アウディQ6 e-tron」です。マカンエレクトリックと同じPPEプラットフォームを共有する兄弟車で、価格帯も近く、直接的な競合となります。アウディブランドならではの先進技術と上質な仕上がりが魅力です。

次に、「BMW iX」シリーズや「メルセデス・ベンツEQE SUV」も強力なライバルです。両車ともドイツプレミアムブランドの電動SUVとして、ラグジュアリーさとパフォーマンスを兼ね備えています。特にBMW iXは独自のデザインと最新のテクノロジーで差別化を図っています。

「レンジローバー ヴェラール」の次期電動モデルも、マカンGTSの有力なライバルになると予想されています。英国の高級SUVブランドとして、オフロード性能とラグジュアリーさを両立したキャラクターで、マカンとは異なる魅力を提供するでしょう。

さらに、2026年に登場予定の「アルピーヌA390」も、スポーティな電動SUVとしてマカンGTSのライバルになる可能性があります。フランスのスポーツカーブランドとして独自の個性を打ち出すことが期待されています。

価格帯は異なりますが、中国の新興EVメーカー「Xpeng」の電動SUVなども、コストパフォーマンスの面で競合となる可能性があります。

まとめ

ポルシェは2025年10月21日、フル電動SUV「マカン」シリーズに待望のGTSモデルを追加しました。1963年の904カレラGTS以来、ポルシェファンに愛されてきた「GTS」の名を冠する初の電動マカンとして、スポーティな走りと電動化のメリットを両立させた意欲作です。最高出力420kW(571馬力)、0-100km/h加速3.8秒という圧倒的なパフォーマンスに加え、586kmの航続距離も確保しています。外観はGTS伝統のブラックアクセントで精悍に仕上げられ、内装もRace-Texとスムースレザーの組み合わせでスポーティさを強調。日本では2025年10月22日から予約受注が開始され、価格は1396万円に設定されました。電動化時代においても、ポルシェのスポーツDNAを体現する一台として、多くのドライビングエンスージアストの心を捉えることでしょう。

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