日産自動車は2025年10月27日、プレミアムスポーツセダン「日産 スカイライン(Nissan SKYLINE)」の一部仕様向上を発表しました。
あわせて、現行スカイラインの集大成となる特別限定車「400R Limited」を400台限定で発売することも発表されています。注文受付は11月13日から開始され、12月18日より顧客への納車が始まる予定です。
今回の仕様向上では、特別な日産スポーツカーのみに許される特別色「ワンガンブルー」がエクステリアカラーに追加されました。また、エマージェンシーブレーキの検知対象を歩行者や自転車にまで拡大し、安全性能も向上させています。

車の概要:日産 スカイラインとは?
日産 スカイラインは、1957年の誕生以来、革新を重ねながら多くの顧客に愛され続けてきた日産を代表するプレミアムスポーツセダンです。
初代はプリンス自動車工業が製造し、1966年に日産自動車と合併した後も車名が引き継がれました。 1968年に登場した3代目(C10型)では、通称「ハコスカ」として親しまれ、高性能モデル「GT-R」が初めて設定されました。その後、「ケンメリ」(4代目)、「ジャパン」(5代目)など、各世代ごとに愛称を持ち、日本の自動車史に名を刻んできました。
現行モデルは2014年にデビューした13代目V37型で、2019年には大幅なマイナーチェンジが実施され、日産の先進運転支援技術「プロパイロット2.0」が搭載されました。 今回発表されたのは、この13代目スカイラインの一部仕様向上モデルとなります。
日産 スカイラインのエクステリアデザイン
今回の一部仕様向上では、エクステリアカラーに特別な日産スポーツカーのみに許された「ワンガンブルー」が追加設定されました。
ワンガンブルーは、特殊な顔料を使用することで、太陽光と夜の照明下でまったく異なる表情を見せるブルーが特徴です。日産のスポーツカーの中でも、特別なモデルにのみ与えられてきた伝統的な色であり、スカイラインのスポーティなキャラクターを際立たせています。
特別限定車「400R Limited」では、リヤスポイラーとドアミラーカバーに特別カーボンパーツを装着。トランク部分には「Limited」と一目でわかる専用バッジが与えられ、400台限定の特別感を演出しています。


また、400R Limitedには19インチアルミホイールが装着され、専用銘柄のDUNLOP SP SPORT MAXX GT 600タイヤが採用されています。フロントは+0.5J、リアは+1.0J幅広化されており、よりスポーティな佇まいとなりました。

日産 スカイラインのボディサイズは、全長4810mm、全幅1820mm、全高1440mmです。
日産 スカイラインのインテリアデザイン
現行の日産 スカイラインは、プレミアムスポーツセダンにふさわしい上質なインテリアが特徴です。
特別限定車「400R Limited」では、限定モデルを所有する特別感を味わえる装備が施されています。400台のみに与えられたシリアルナンバープレートが設置され、所有する喜びを高めています。

さらに、センターコンソールにはカーボンフィニッシャーが装着され、スポーティで洗練された雰囲気を演出。これらの特別装備は、長年スカイラインを愛してきたファンへの感謝を込めたものとなっています。
インテリア全体は、ドライバーを中心とした操作性と視認性を重視した設計で、運転する喜びを最大限に引き出す空間となっています。上質な素材と緻密な作り込みが、プレミアムスポーツセダンとしての価値を高めています。

日産 スカイラインの走行性能
日産 スカイラインには、VR30DDTT型エンジンが搭載されています。このエンジンは、300馬力仕様と400馬力仕様の2種類が用意されています。
特に400馬力仕様を搭載する「400R」シリーズは、スカイラインの中でも最高峰のパフォーマンスを誇ります。今回発表された特別限定車「400R Limited」では、この400馬力エンジンの性能をさらに引き出すための専用チューニングが施されています。
19インチアルミホイールに装着されるタイヤは、専用銘柄のDUNLOP SP SPORT MAXX GT 600を採用。フロントは+0.5J、リアは+1.0J幅広化されています。さらに、フロントサスペンションのバネ定数を4%、リヤスタビライザーのバネ定数を44%向上させることで、ロールを抑えた気持ちの良いハンドリングを実現しました。
ブレーキには耐フェード性が高いパッドを使用することで、高温でも安定した制動性能を実現。スポーツ性能と快適性を高次元で両立した仕上がりとなっています。

トランスミッションは全車7速マニュアルモード付オートマチックが採用され、駆動方式は2WD(FR)となっています。
日産 スカイラインの安全性能・運転支援
今回の一部仕様向上では、エマージェンシーブレーキの検知対象を歩行者および自転車等にまで拡大し、安全性を向上させています。
また、各種最新の法規にも適合させており、より安心して運転できる車へと進化しました。これにより、日常の運転からスポーツドライビングまで、幅広いシーンで高い安全性を提供します。
日産 スカイラインの価格
日産 スカイラインの価格は544万2,800円からです。
グレードごとの価格は以下の通りとなっています。
GT Type P:544万2,800円
300馬力のVR30DDTTエンジンを搭載し、7速マニュアルモード付オートマチックトランスミッションを組み合わせた2WDモデルです。
GT Type SP:572万3,300円
GT Type Pをベースに、装備を充実させたモデルとなっています。
400R:649万5,500円
400馬力のVR30DDTTエンジンを搭載した高性能モデルで、スカイラインの走りを最大限に楽しめる仕様です。
400R Limited:693万5,500円
現行スカイラインの集大成として、400台限定で販売される特別限定車です。400Rの性能をさらに引き出す専用チューニングと、特別装備が与えられています。
なお、今回の仕様向上にともない、グレード体系と価格が改定されています。
日産 スカイラインの発売時期
日産 スカイラインの一部仕様向上モデルと特別限定車「400R Limited」の注文受付は、2025年11月13日から開始されます。
顧客への納車開始は2025年12月18日からとなる予定です。
特別限定車「400R Limited」は400台限定で、受注は先着順となっており、台数到達次第終了となります。限定モデルをお考えの方は、早めの注文をおすすめします。
日産 スカイラインは日本で発売されるか
日産 スカイラインは日本専用モデルとして開発・販売されています。
今回発表された一部仕様向上モデルおよび特別限定車「400R Limited」も、日本国内での販売が予定されています。注文受付は2025年11月13日から全国の日産販売店で開始され、12月18日より納車が始まります。
なお、特別限定車「400R Limited」は持込み登録車となり、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)の扱いとなります。
辛口評価
日産 スカイラインをあえて辛口で評価します。
今回の一部仕様向上は、新色の追加と安全装備の拡充が中心で、既存オーナーにとっては目新しさに欠けるかもしれません。特に、プラットフォームやエンジンの根本的な刷新がないため、13代目が登場してから10年以上が経過する中で、競合他社の最新モデルと比較すると古さを感じる部分もあります。
特別限定車「400R Limited」は400台限定という希少性と専用装備が魅力ですが、ベース車両の400Rから44万円の価格差があります。追加される装備が主にカーボンパーツやシリアルナンバープレート、サスペンションのチューニングといった点を考えると、コストパフォーマンスについては評価が分かれるところでしょう。
また、現代のプレミアムセダン市場では電動化が主流となりつつある中、スカイラインは純ガソリンエンジンのみのラインナップとなっています。環境性能や燃費の面では、ハイブリッドやプラグインハイブリッドを搭載する競合車に対して不利な立場にあることは否めません。
さらに、13代目スカイラインは2022年にハイブリッドモデルが生産終了となっており、ラインナップの縮小が続いています。今後のモデル展開に不安を感じるユーザーも少なくないでしょう。
日産 スカイラインのライバル車
日産 スカイラインのライバル車としては、まずトヨタ クラウンが挙げられます。
クラウンは日本を代表する高級セダンで、2022年にはクロスオーバースタイルに生まれ変わり、ハイブリッドシステムを全車に搭載しています。走りと環境性能を両立させた点で、スカイラインとは異なるアプローチを取っています。
ISはFRレイアウトのスポーツセダンで、洗練されたデザインと上質な走りが魅力。レクサスブランドのプレミアム性と充実したアフターサービスで、スカイラインと同じ顧客層を狙っています。
輸入車では、BMW 3シリーズが最大のライバルとなります。
3シリーズは世界的に高い評価を受けるスポーツセダンで、洗練されたハンドリングと豊富なパワートレインの選択肢が特徴です。ディーゼルやプラグインハイブリッドなど、多様なニーズに応える幅広いラインナップを持っています。
Cクラスは上質な乗り心地と先進的な安全装備、高級感あふれるインテリアで、プレミアムセダン市場で確固たる地位を築いています。スカイラインとは価格帯が重なる部分も多く、直接的な競合となっています。
まとめ
日産 スカイラインは、2025年10月27日に一部仕様向上が発表され、特別な日産スポーツカーのみに許される「ワンガンブルー」が新色として追加されました。安全性能も強化され、エマージェンシーブレーキの検知対象が歩行者や自転車にまで拡大されています。現行スカイラインの集大成となる特別限定車「400R Limited」は400台限定で、専用チューニングやカーボンパーツ、シリアルナンバープレートなどの特別装備が与えられています。価格は544万2,800円から693万5,500円で、注文受付は11月13日から開始され、12月18日より納車が始まります。1957年の誕生以来、13代にわたって進化を続けてきたスカイラインの最新モデルは、スポーツ性能と快適性を高次元で両立したプレミアムスポーツセダンとして、長年のファンに応える仕上がりとなっています。



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