日産自動車の北米部門である北米日産会社は2025年11月17日(現地時間)、北米市場向けに初となるプラグインハイブリッドモデル「ローグ プラグインハイブリッド」を発表しました。このモデルは三菱アウトランダーPHEVをベースとしたOEM車で、日産・ルノー・三菱アライアンスの協力関係を活用した戦略的なモデルとなっています。11月21日から30日まで開催されるロサンゼルス・オートショー2025で一般公開され、2026年初頭から米国で販売される予定です。
日産にとって北米で初のプラグインハイブリッドとなる今回のモデルは、Re:Nissan再建計画の一環として電動化モデルの製品ラインアップ拡充に貢献するとされています。パワートレインはアウトランダーPHEVと共通の2.4リッターガソリンエンジン、20kWhリチウムイオンバッテリー、2基の電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを採用しており、既存の実績ある技術を活用することで、開発期間の短縮とコスト削減を実現しています。EPA基準において約61km(38マイル)のEV走行距離と、約676km(420マイル)の総航続距離を実現しており、日常の通勤はゼロエミッションで、週末のロングドライブはガソリンエンジンの安心感とともに楽しめる、まさに「いいとこ取り」のSUVとなっています。

車の概要:日産 ローグ プラグインハイブリッドとは?
日産 ローグ(Nissan Rogue)は、北米市場で販売されているクロスオーバーSUVで、日本市場では「エクストレイル」という車名で知られています。初代ローグは2007年に登場し、当時は日本で販売されていた「デュアリス」の兄弟車でした。2013年には2代目にフルモデルチェンジされ、このモデルからエクストレイル(3代目)との兄弟車となりました。そして2020年には現行の3代目ローグ(T33型)が発表され、日本のエクストレイル(4代目)と外観が共通化されています。
今回発表された「ローグ プラグインハイブリッド」は、この3代目ローグをベースに開発されたモデルですが、注目すべきはそのパワートレインが三菱アウトランダーPHEVから供給されるOEM車である点です。具体的には、2024年10月のマイナーチェンジ前のアウトランダーPHEVの仕様に準じるシステムを採用しており、日産・ルノー・三菱アライアンスの協力関係を活用したバッジエンジニアリングモデルとなっています。このアプローチにより、既に市場で実績のあるPHEV技術を短期間で北米市場に投入することが可能となりました。
デザイン面では、アウトランダーがラグジュアリー要素を備えるのに対し、ローグ プラグインハイブリッドは日産エクストレイル系統のアクティブでダイナミックなデザインを採用し、独自のアイデンティティを保持しています。通常の2列シート5人乗りローグとは異なり、3列シート7人乗り仕様を採用し、ファミリー層のニーズに応える設計となっています。日産アメリカズのチーフプロダクトオフィサーであるポンズ・パンディクティラ氏は、「EVと従来型SUVの両方の利点を1台で享受したいというお客さまのニーズに応えるもの」と述べており、電動化へのステップとして重要な位置づけとなっています。

日産 ローグ プラグインハイブリッドのエクステリアデザイン
日産 ローグ プラグインハイブリッドは、筋肉質でダイナミックなエクステリアデザインが特徴です。フロント部分には、複数の要素で構成されたLEDヘッドライトを採用し、存在感のある顔つきを演出しています。20インチのダーク塗装アルミホイール、ブラックミラーカバー、ブラック外装トリムが組み合わされ、スポーティで力強い印象を与えます。
LEDフォグライトをはじめ、デイタイムランニングライト、テールライトに至るまで、すべてのランプ類がLED化されており、先進的なルックスと優れた視認性を両立しています。最上級グレードのプラチナムでは、グロスブラック仕上げのルーフレールが装備され、アクティブなライフスタイルにも対応します。
モーション感応式のパワーテールゲートは全グレードに標準装備され、荷物の積み下ろしが楽々です。リアドアは70度まで大きく開き、乗降性を向上させるとともに、チャイルドシートの取り付けも容易になっています。
日産 ローグ プラグインハイブリッドのボディサイズは、全長4,709mm(185.4インチ)、全幅2,144mm(84.4インチ)、全高1,740mm(68.5インチ)です。





日産 ローグ プラグインハイブリッドのインテリアデザイン
インテリアは、機能性と快適性を見事に融合させた魅力的な空間となっています。ダッシュボードやドアアームレストにはソフトタッチ素材が使用され、上質な質感を演出。フロントドアガラスには遮音性を高めるアコースティックラミネートガラスが採用され、静粛性の高いキャビンを実現しています。
コックピット周りには、エアコン、オーディオ、ドライブモードの物理スイッチが配置され、操作性に優れています。12.3インチのフルデジタルメーターが標準装備され、ドライバーに必要な情報を見やすく表示します。センターコンソールには9インチのタッチスクリーンが配置され、ワイヤレスApple CarPlayと有線Android Autoに対応しています。

最上級のプラチナムグレードでは、10インチのヘッドアップディスプレイを装備し、視線移動を最小限に抑えます。さらにBose製の9スピーカー高級オーディオシステムも搭載され、車内で高音質な音楽を楽しめます。
シートは7人乗りの3列シート仕様となっており、2列目はスライド、リクライニング、前倒しが可能で、3列目へのアクセスも容易です。SLグレードにはレザーレット素材、プラチナムグレードには本革シートが採用されています。前席にはヒーター機能が標準装備され、プラチナムグレードでは後席シートヒーターやステアリングヒーターも追加されます。
利便性の面では、ワイヤレス充電パッドが標準装備され、前席と後席それぞれにUSB-AポートとUSB-Cポートが用意されています。プラチナムグレードには120V・1,500Wコンセントがトランクと後席に2つ装備され、アウトドアやテールゲートパーティーで電気機器を使用できます。
荷室も柔軟性に優れており、3列目格納時にはゴルフバッグ4個を収納可能です。3列目使用時でも約363リットル(12.8立方フィート)、3列目格納時には約873リットル(30.8立方フィート)、2列目まで格納すると約1,833リットル(64.7立方フィート)の荷室容量を確保しています。背の高い室内空間により、マウンテンバイクも楽に積載可能です。





日産 ローグ プラグインハイブリッドの走行性能
日産 ローグ プラグインハイブリッドは、2つの電気モーター、20kWhリチウムイオンバッテリー、2.4リッター直列4気筒ガソリンエンジンを組み合わせた、先進的なプラグインハイブリッドシステムを搭載しています。
2.4リッターガソリンエンジン(MMC 4B12型)は、最高出力131馬力(5,000rpm時)、最大トルク144lb-ft(約195Nm、4,300rpm時)を発揮します。フロント電気モーターは114馬力、188lb-ft(約255Nm)、リア電気モーターは134馬力、144lb-ft(約195Nm)を発生し、システム全体では最高出力248馬力、最大トルク332lb-ft(約450Nm)を実現しています。この出力は、通常のガソリンモデルのローグよりも速い加速性能を可能にしています。
EPA基準において、EV走行距離は約61km(38マイル)、総航続距離は約676km(420マイル)となっています。燃費性能は、電気とガソリンを合わせた複合燃費が64MPGe、ガソリンのみでの燃費は26mpg(市街地25mpg、高速道路27mpg)です。
バッテリーの充電は、レベル2の家庭用充電設備により約7.5時間で満充電でき、120V家庭用コンセントでは約16時間で充電可能です。ポータブル充電ケーブル(120V EVSE)は標準装備されています。
ドライバーは、EV、セーブ、チャージの3つのモードから選択でき、バッテリー充電量とガソリンエンジンの使用をニーズに応じて調整できます。さらに、シフトレバーをDからBに切り替えることで2段階の回生ブレーキが作動し、e-Stepワンペダルドライビング機能も利用可能です。
インテリジェントAWDは全車標準装備で、7つのドライブモード(ノーマル、パワー、エコ、ターマック、グラベル、スノー、マッド)を備えています。これらのモードは、シーンに合わせてパワーとAWDトルク配分を最適化し、様々な路面状況でも高い走行性能と安心感を提供します。
サスペンションは、フロントに独立ストラット式、リアに独立マルチリンク式を採用し、どちらもスタビライザーバーを装備しています。ステアリングは電動パワーアシスト式で、最小回転半径は約11メートル(36.1フィート)です。

日産 ローグ プラグインハイブリッドの安全性能・運転支援
日産 ローグ プラグインハイブリッドは、11個のエアバッグを標準装備し、デュアルステージ補助フロントエアバッグ、フロントシート装着サイドインパクトエアバッグ、ルーフ装着カーテンサイドインパクトエアバッグ(ロールオーバーセンサー付き)、リアシート装着サイドインパクトエアバッグ、フロント中央シート装着サイドインパクトエアバッグを備えています。
すべてのモデルに、Nissan Safety Shield 360技術が標準装備されています。これには、歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキ、ハイビームアシスト、車線逸脱警報、後方交差警報、ブラインドスポット警告、後退時自動ブレーキが含まれます。
さらに、移動物体検知機能付きインテリジェントアラウンドビューモニターが標準装備され、車両周囲360度の視界を提供することで、駐車時や低速走行時の安心感を高めています。
運転支援システムとしては、加減速とステアリング操作を同時に支援する「ProPILOT Assist 1.1」が全グレードに標準装備されています。この機能により、高速道路での運転負荷を軽減できます。
その他の安全装備として、予測前方衝突警報、車線維持支援、車線変更支援、ブラインドスポット介入、インテリジェントドライバー警報、交通標識認識機能も備えています。ヒルスタートアシスト、ヒルディセントコントロール、ビークルダイナミクスコントロール、トラクションコントロールシステムも標準装備され、様々な状況下で安全な走行をサポートします。

日産 ローグ プラグインハイブリッドの価格
日産 ローグ プラグインハイブリッドの価格は、まだ正式に発表されていませんが、約40,000ドル(現在のレートで約620万円)からのスタートになると想定されます。
参考までに、兄弟モデルとなる三菱アウトランダーPHEVが40,000ドル強からスタートし、フル装備で50,000ドル(約775万円)を超えることから、ローグ プラグインハイブリッドもこの価格帯に近い設定になる可能性が高いとされています。
なお、通常のガソリンモデルの2026年型ローグは、Sグレード(FWD)が29,090ドル(約451万円)、SVグレード(FWD)が30,090ドル(約467万円)、Rock Creekグレード(AWD)が33,990ドル(約527万円)、プラチナムグレード(AWD)が38,990ドル(約605万円)となっています。これに送料1,495ドル(約23万円)が加算されます。
日産 ローグ プラグインハイブリッドの正式な価格は、発売が近づく2026年初頭に公表される見込みです。

日産 ローグ プラグインハイブリッドの発売時期
日産 ローグ プラグインハイブリッドは、2026年初頭から米国の日産ディーラーで販売が開始される予定です。2025年11月21日から30日まで開催されるロサンゼルス・オートショーで一般公開された後、数ヶ月以内に顧客の手に渡ることになります。
SLグレードとプラチナムグレードの2つのグレードが用意され、すべてのモデルにインテリジェントAWDが標準装備されます。
日産 ローグ プラグインハイブリッドは日本で発売されるか
日産 ローグ プラグインハイブリッドの日本市場での発売に関する公式発表は、現時点ではありません。このモデルは北米市場向けに開発されたもので、今回の発表も北米日産会社によるものです。
日本市場では、ローグの兄弟車にあたるエクストレイルが販売されていますが、現在のところプラグインハイブリッド仕様の導入予定は明らかにされていません。ただし、日産が電動化を推進していることや、他の市場での成功次第では、将来的に日本市場への導入の可能性も完全には否定できません。
過去には、北米で新型ローグが発売された後、日本ではエクストレイルとしてフルモデルチェンジされた例もあり、今後の動向に注目が集まります。

日産 ローグ プラグインハイブリッドをあえて辛口で評価します。
日産 ローグ プラグインハイブリッドをあえて辛口で評価します。まず気になるのは、このモデルが三菱アウトランダーPHEVの兄弟車であるという点です。基本的なプラットフォームやパワートレインを共有していることから、日産独自の技術革新というよりは、アライアンスの資産を活用した現実的な製品戦略と言えるでしょう。
EV走行距離が約61km(38マイル)という数値は、競合他社のPHEVと比較すると平均的であり、突出した性能とは言えません。日々の通勤には十分かもしれませんが、より長距離をEVモードで走行したいユーザーには物足りなさが残ります。
また、価格面でも懸念があります。予想価格が40,000ドル(約620万円)以上となると、通常のガソリンモデルの最上級プラチナムグレード(38,990ドル、約605万円)よりも高額になります。この価格差を正当化できるだけの付加価値を感じられるかどうかは、実際のオーナーの評価を待つ必要があるでしょう。
3列シート7人乗り仕様は魅力的ですが、3列目使用時の荷室容量が約363リットル(12.8立方フィート)と限られている点も気になります。大家族でフル乗車した際、荷物の積載に制約が出る可能性があります。
さらに、このモデルが北米市場専用であり、日本市場での発売予定がない点も残念です。日産が電動化を推進するなら、まず国内市場でこうした先進モデルを展開すべきではないでしょうか。日本のユーザーは、海外で先進モデルが発売されながら、国内では旧型や異なる仕様のモデルを手にすることになり、メーカーへの信頼感に影響する可能性もあります。
日産 ローグ プラグインハイブリッドのライバル車
日産 ローグ プラグインハイブリッドの主なライバル車としては、以下のモデルが挙げられます。
まず、三菱アウトランダーPHEVは、日産ローグ プラグインハイブリッドと基本的なプラットフォームやパワートレインを共有する兄弟車です。価格は40,000ドル(約620万円)強からスタートし、フル装備で50,000ドル(約775万円)を超えます。
トヨタ RAV4プライムは、強力なライバルです。プラグインハイブリッドシステムを搭載し、優れたEV走行距離とトヨタブランドの信頼性を武器に、北米市場で高い人気を誇っています。2026年型RAV4 XLE AWDの価格は32,460ドル(約504万円)となっています。
ホンダ CR-Vも強力な競合車です。実用性と信頼性に優れ、2026年型CR-V EX AWDの価格は34,650ドル(約537万円)です。CR-Vにもハイブリッドモデルが設定されており、燃費性能の面で比較されることになるでしょう。
ヒュンダイ ツーソンも見逃せないライバルです。スタイリッシュなデザインと充実した装備が特徴で、2026年型ツーソン SEL AWDの価格は32,050ドル(約497万円)となっています。ツーソンにもプラグインハイブリッドモデルが用意されており、直接的な競合となります。
シボレー エクイノックスも、コンパクトSUV市場での有力なライバルです。手頃な価格と広い室内空間が魅力で、ファミリー層から支持を集めています。
これらのライバル車と比較して、日産 ローグ プラグインハイブリッドは、7人乗りの3列シート仕様や、標準装備のProPILOT Assist、120V電源アウトレットなどの差別化ポイントを打ち出しています。


日産 ローグ プラグインハイブリッドの主要スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| パワートレイン | |
| エンジン | 2.4リッター直列4気筒DOHC(131馬力、144lb-ft) |
| フロント電気モーター | 114馬力、188lb-ft(約255Nm) |
| リア電気モーター | 134馬力、144lb-ft(約195Nm) |
| システム総合出力 | 248馬力、332lb-ft(約450Nm) |
| バッテリー | 20kWhリチウムイオン |
| 性能 | |
| EV走行距離(EPA) | 約61km(38マイル) |
| 総航続距離(EPA) | 約676km(420マイル) |
| 燃費(電気+ガソリン複合) | 64MPGe |
| 燃費(ガソリンのみ複合) | 26mpg(市街地25mpg / 高速道路27mpg) |
| 充電時間 | レベル2:約7.5時間 / 120V:約16時間 |
| 駆動系 | |
| 駆動方式 | インテリジェントAWD(全車標準) |
| ドライブモード | 7モード(ノーマル、パワー、エコ、ターマック、グラベル、スノー、マッド) |
| トランスミッション | シングルスピードリダクションギアボックス |
| ボディ・重量 | |
| ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,709mm × 2,144mm × 1,740mm |
| ホイールベース | 2,705mm(106.5インチ) |
| 最低地上高 | 約201mm(7.9インチ) |
| 車両重量 | SL:2,120kg / プラチナム:2,155kg |
| 乗車定員 | 7人(3列シート) |
| 容量 | |
| 荷室容量 | 3列目使用時:約363リットル / 3列目格納時:約873リットル / 2列目格納時:約1,833リットル |
| 燃料タンク容量 | 56リットル(14.8ガロン) |
まとめ
日産 ローグ プラグインハイブリッドは、日産が北米市場に投入する初のプラグインハイブリッドモデルとして、2025年11月17日に発表されました。2026年初頭から米国で販売が開始されるこのモデルは、約61kmのEV走行距離と約676kmの総航続距離を実現し、日常の通勤はゼロエミッション、週末のロングドライブはガソリンエンジンの安心感とともに楽しめる設計となっています。3列シート7人乗り仕様を採用し、ファミリー層のニーズに応える柔軟性を備えている点も大きな魅力です。システム総合出力248馬力、最大トルク332lb-ftの力強い走行性能、標準装備のインテリジェントAWDと7つのドライブモード、充実した安全装備のNissan Safety Shield 360とProPILOT Assist 1.1など、先進技術が惜しみなく投入されています。価格は未発表ですが、約40,000ドル(約620万円)からのスタートが予想され、SLグレードとプラチナムグレードの2グレード展開となる見込みです。日本市場での発売予定は現時点では明らかにされていませんが、日産の電動化戦略を象徴する重要なモデルとして、今後の展開が注目されます。



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