日産に米国部門は2025年11月12日(米国時間)、マイナーチェンジを遂げた3列シートSUVの2026年モデルとなる改良新型 日産 パスファインダーを発表しました。今回の改良では、フロントとリアのデザイン刷新、12.3インチタッチスクリーンの全グレード標準装備、そして先進運転支援システムのさらなる充実が図られています。この新型パスファインダーは、2025年11月21日から30日まで開催されるロサンゼルスオートショーで一般公開され、2026年初頭から米国のディーラーで販売開始される予定です。

車の概要:日産 パスファインダーとは?
日産 パスファインダー(Nissan Pathfinder)は、1986年にデビューした、日産の代表的な3列シートSUVです。初代と2代目は日本国内で販売されていた「テラノ」の北米・中東向け仕様として登場し、当初は3ドアボディのみでしたが、1989年に5ドアバージョンが追加されました。しかし、日本市場では2002年にテラノの販売が終了し、それ以降パスファインダーは海外専用モデルとして継続生産されています。
現行モデルは2021年に登場した5代目(R53型系)にあたり、4代目から採用されたFFベースのモノコック構造を継承しています。今回マイナーチェンジを施して発表された2026年モデルは、この5代目の改良新型モデルで、ファミリー向けの実用性とアドベンチャーに対応できる走破性を兼ね備えた、ミドルサイズSUVとして位置づけられています。2004年以降、米国テネシー州で誇りを持って組み立てられており、日産の北米戦略における重要なモデルです。

日産 パスファインダーのエクステリアデザイン
2026年モデルの日産 パスファインダーは、力強さと冒険心を表現する大胆なデザインが特徴です。フロントとリアのファシアが刷新され、より存在感のある外観に仕上がっています。新たに追加されたバルティックティールという鮮やかなカラーも、このSUVの個性を際立たせています。
エクステリアのバッジはサテン仕上げに変更され、洗練された印象を与えます。SLとPlatinumグレードでは、従来のシルバーからブラックへとルーフレールの色が変更され、よりモダンな雰囲気を醸し出しています。最上級グレードのPlatinumには、新デザインの20インチホイールが装着され、高級感がさらに高まりました。


オフロード志向のRock Creekグレードは、専用のフロントバンパーとグリル、LEDフォグライト、チューブラールーフラック、そしてリフトアップされた車高と全地形対応タイヤを装備し、他のグレードとは一線を画す堂々たる姿を見せています。
日産 パスファインダーのボディサイズは、全長5,020mm(Rock Creekは5,048mm)、全幅1,979mm、全高1,801mm(Rock Creekは1,872mm)です。





日産 パスファインダーのインテリアデザイン
2026年モデルの日産 パスファインダーは、キャビン内も大きく進化しています。最も注目すべきは、全グレードで標準装備となった12.3インチタッチスクリーンで、ワイヤレスApple CarPlay®とワイヤレスAndroid Auto™に対応し、ドライバーとのつながりを強化しています。ダッシュボードもリデザインされ、インフォテインメントシステムの下には「PATHFINDER」の文字がエンボス加工で施されています。

SLグレード以上では、12.3インチのデジタルメータークラスターが採用され、視認性と操作性がさらに向上しました。Platinumグレードでは、新しいキルティングパターンを施したセミアニリンレザーシート、ウッドトーンのインテリアトリム、アンビエントライティングが採用され、プレミアムな空間が演出されています。
室内は3列シート仕様で、8人乗り、またはセカンドローにキャプテンシートを選択すれば7人乗りとなります。セカンドシートは日産独自のLATCH AND GLIDE®テクノロジーを採用しており、チャイルドシートを装着したままでもシートを前方にチップ&スライドさせ、サードシートへのアクセスを容易にします。
ラゲッジスペースは、サードシート使用時で470リットル(16.6立方フィート)、セカンド・サードシートを倒せば2,280リットル(80.5立方フィート)まで拡大可能です。SVグレード以上にはパワーリフトゲートが標準装備され、Platinumグレードではモーションアクティベート機能により、インテリジェントキーを持ったまま足をかざすだけでリフトゲートが開閉します。
ワイヤレス充電器も刷新され、冷却ファンを内蔵し、出力が従来の5ワットから15ワットへと3倍に向上しました。マグネット式のポジショニング機能により、スマートフォンを最適な位置に固定できます。最大5つのUSB-Cポートが用意され、全席で快適にデバイスを充電できます。





日産 パスファインダーの走行性能
2026年モデルの日産 パスファインダーは、信頼性の高い3.5リッターV6エンジンを搭載しています。S、SV、SL、Platinumグレードでは284馬力(212kW)、259lb-ft(351Nm)のトルクを発生し、Rock Creekグレードでは295馬力(220kW)、270lb-ft(366Nm)とさらにパワフルな仕様となっています。このエンジンには9速オートマチックトランスミッションが組み合わされ、パドルシフターによるマニュアル操作も可能です。
駆動方式は前輪駆動が標準で、全グレードでインテリジェント4WDをオプション選択できます(Rock Creekは4WD標準)。4WD仕様には、7つの走行モードを選択できるロータリーダイヤルが装備されており、Auto、Eco、Tow、Sport、Sand、Mud、Rutの各モードで、あらゆる路面状況に対応できます。
牽引能力も優れており、標準で1,588kg(3,500ポンド)、Rock CreekとPlatinumグレード、またはSVとSLのプレミアムパッケージでは最大2,722kg(6,000ポンド)まで牽引可能です。これにより、キャンピングトレーラーやボートの牽引も余裕をもって行えます。
特にRock Creekグレードは、オフロードチューニングされたサスペンション、リフトアップされた車高、全地形対応タイヤを装備し、舗装路以外でも高い走破性を発揮します。

日産 パスファインダーの安全性能・運転支援
2026年モデルの日産 パスファインダーは、充実した安全装備と運転支援システムを標準装備しています。全グレードに「日産セーフティシールド360」が標準装備され、自動緊急ブレーキ(歩行者検知機能付き)、リアオートマチックブレーキング、ブラインドスポットワーニング、リアクロストラフィックアラート、レーンディパーチャーワーニングなどが含まれます。
さらに、クラス唯一のインテリジェント・フォワード・コリジョン・ワーニングも全グレードに標準装備され、前方2台の車両の動きを監視し、追突の危険を事前に警告します。
SVグレード以上には、ProPILOTアシストとインテリジェントクルーズコントロールが標準装備され、高速道路での運転負荷を軽減します。これらのシステムは、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をサポートし、長距離ドライブをより快適にします。
Rock Creek、SL、Platinumグレードには、HDインテリジェントアラウンドビューモニターがアップグレードされ、新たにフロントワイドビューとインビジブルフードビューの2つの革新的なカメラシステムが追加されました。フロントワイドビューは前方と側方に180度の視界を提供し、駐車場の出口や見通しの悪い交差点での視認性を高めます。インビジブルフードビューは、まるで車のボンネットとエンジンルームが透けて見えるかのようなバーチャルビューを提供し、タイヤの位置を正確に把握できるため、洗車レーンや縁石への進入がより容易になります。
2026年モデルのパスファインダーは、NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)から5つ星の総合安全評価を獲得しており、日産の安全性へのコミットメントを証明しています。

日産 パスファインダーの価格
2026年モデルの日産 パスファインダーの米国での価格は、ベースグレードのSが約38,000ドル(約585万円)からスタートすると予想されています。SVグレードは約39,390ドル(約606万円)、SLグレードは約42,090ドル(約648万円)、Rock Creekグレードは約44,490ドル(約685万円)、最上級のPlatinumグレードは約48,640ドル(約749万円)と見込まれています。
ただし、これらは2025年モデルの価格を参考にした推定値であり、2026年モデルの正式な価格は、販売開始が近づく2026年初頭に発表される予定です。日本円換算は1ドル=154円のレートで計算しています。
参考までに、2023年モデルの米国価格を日本円に換算した場合、2WDのSグレードが約498万円、4WDのPlatinumグレードが約710万円でした。
日産 パスファインダーの発売時期
2026年モデルの日産 パスファインダーは、2026年初頭(early 2026)に米国のディーラーで販売開始される予定です。一般へのお披露目は、2025年11月21日から30日まで開催されるロサンゼルスオートショーで行われます。
今回の改良モデルは、日産の「Re:Nissan」復興計画の重要な要素として位置づけられており、多様で魅力的な製品ラインナップの一翼を担います。

日産 パスファインダーは日本で発売されるか
残念ながら、日産 パスファインダーは現在、日本での正規販売は行われていません。パスファインダーは初代と2代目が日本国内の「テラノ」の海外仕様として販売されていましたが、2002年にテラノの生産が終了して以降、海外専用モデルとして継続されています。
2026年モデルについても、日本市場での発売に関する公式なアナウンスはありません。パスファインダーは主に北米市場向けに開発・販売されており、ホンダ パイロットやトヨタ ハイランダーといったミドルサイズSUVと競合するポジショニングとなっています。
日本国内で3列シートSUVをお求めの場合は、日産エクストレイルや日産エルグランドなどの選択肢がありますが、パスファインダーのような本格的なミドルサイズ3列SUVの国内投入を望むファンの声も根強く存在します。

日産 パスファインダーをあえて辛口で評価します
日産 パスファインダーをあえて辛口で評価します。
2026年モデルは改良を受けたものの、根本的なパワートレインは従来と変わらない3.5リッターV6エンジンと9速ATの組み合わせです。近年、競合他社がハイブリッドやプラグインハイブリッドといった電動化技術を積極的に導入している中、パスファインダーは従来型のガソリンエンジンのみという点で、時代の流れに乗り遅れている感は否めません。トヨタ ハイランダーはハイブリッドモデルを用意しており、燃費面で大きなアドバンテージを持っています。
また、Rock Creekグレードを除く標準グレードでは284馬力という出力は、同クラスのホンダ パイロットと比較すると若干物足りなさを感じる場面もあるでしょう。特に高速道路での追い越しや、満載状態での登坂時には、もう少しパワーがほしいと感じるかもしれません。
インテリアの質感については、Platinumグレードでは確かに高級感が増しましたが、エントリーグレードのSやSVでは、ヒュンダイやキアといった韓国メーカーの同クラスSUVと比較すると、コストパフォーマンスの面で見劣りする部分があります。これらの競合車は、より充実した装備を低価格で提供しており、さらに10年・16万kmという長期保証も魅力です。
12.3インチのタッチスクリーンが全グレード標準になったのは歓迎すべき点ですが、この手の大型スクリーンは今や業界標準となっており、特別なセールスポイントとは言い難いでしょう。むしろ、遅れてようやく追いついたという印象を受けます。
日本市場での販売がない点も、日本の日産ファンにとっては残念な限りです。グローバル展開を謳う日産としては、自国市場でこのような魅力的なモデルが手に入らないというのは、ブランド戦略としていささか疑問が残ります。

日産 パスファインダーのライバル車
日産 パスファインダーのライバル車としては、以下のモデルが挙げられます。
最大のライバルはホンダ パイロットです。2024年モデルのパイロットは38,485ドル(約593万円)からとパスファインダーとほぼ同等の価格帯ですが、最高グレードでは53,875ドル(約830万円)と幅広い選択肢を提供しています。パイロットは3.5リッターV6エンジンで、パワフルな走行性能と優れた牽引能力を誇り、パフォーマンス重視のユーザーに支持されています。
もう一つの強力なライバルがトヨタ ハイランダーです。ハイランダーの最大の強みは、ハイブリッドパワートレインを選択できることで、燃費性能においてパスファインダーを大きく上回ります。また、信頼性の高いトヨタブランドという安心感も大きな魅力です。
シボレー トラバースも重要な競合車です。トラバースの価格帯は39,495ドルから55,595ドル(約608万円から856万円)で、より大きなボディと広い室内空間を提供しています。アメリカンサイズのSUVを求めるユーザーには魅力的な選択肢となります。
韓国メーカーからは、ヒュンダイ パリセードとキア テルライドが挙げられます。これらの車種は、パスファインダーよりも低価格でありながら、充実した装備と10年・16万kmという長期保証を提供しており、コストパフォーマンスに優れています。
いずれのライバル車も3列シート、ファミリー向け、優れた実用性という共通点を持ち、ミドルサイズSUV市場で激しい競争を繰り広げています。
日産 パスファインダーの主要スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| エンジン | 3.5L V6(S/SV/SL/Platinum) |
| 3.5L V6(Rock Creek) | |
| 最高出力 | 284hp @ 6,400rpm(S/SV/SL/Platinum) |
| 295hp @ 6,400rpm(Rock Creek) | |
| 最大トルク | 259lb-ft @ 4,800rpm(S/SV/SL/Platinum) |
| 270lb-ft @ 4,800rpm(Rock Creek) | |
| トランスミッション | 9速オートマチック |
| 駆動方式 | FWD/Intelligent 4WD |
| 乗車定員 | 7名または8名 |
| 全長 | 5,020mm(Rock Creek: 5,048mm) |
| 全幅 | 1,979mm |
| 全高 | 1,801mm(Rock Creek: 1,872mm) |
| ホイールベース | 2,901mm |
| 最低地上高 | 180mm(Rock Creek: 196mm) |
| カーゴ容量 | 470L(3列使用時)/ 2,280L(最大) |
| 牽引能力 | 1,588kg(標準)/ 2,722kg(最大) |
| 燃料タンク | 70L |
| 推定燃費(EPA) | 市街地: 20-21mpg / 高速: 23-27mpg |

まとめ
2026年モデルの日産 パスファインダーは、大胆なデザイン刷新と先進テクノロジーの充実により、3列シートSUV市場での競争力をさらに高めています。全グレード標準の12.3インチタッチスクリーンとワイヤレススマートフォン連携、HDインテリジェントアラウンドビューモニターの進化版、そして充実した安全装備は、現代のファミリーカーに求められる要素をしっかりと満たしています。信頼性の高い3.5リッターV6エンジンは、日常の通勤から週末のアドベンチャー、最大2,722kgの牽引まで幅広いニーズに応えます。特にRock Creekグレードは、オフロード性能を求めるユーザーにとって魅力的な選択肢です。2026年初頭の発売が待ち遠しい一台と言えるでしょう。ただし、ハイブリッド技術の導入や日本市場への展開など、今後の進化にも期待したいところです。



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