三菱自動車は、2023年5月25日に、新型デリカミニを発売しました。
デリカミニは、「頼れるアクティブな軽スーパーハイトワゴン」というコンセプトのもと、力強さと便利さを兼ね備えたデザインと機能で、日常からレジャーシーンまで幅広く活躍します。2022年11月に初披露され、2023年1月の「東京オートサロン2023」での参考出品に合わせて開始された予約注文は約1万6000台に上り、人気を博しています。
また、日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024の10ベストカーや2023年度グッドデザイン賞を受賞するなど、専門家からの評価も非常に高い軽自動車となりました。
この記事ではそんな注目度の高い三菱デリカミニを徹底解説していきます。
車の概要:三菱デリカミニとは
デリカミニは長い歴史を持つ三菱「デリカ」シリーズの中の軽スーパーハイトワゴンと呼ばれるカテゴリーの新型車です。デリカの車名の由来は「Delivery Car(デリバリーカー)」つまり運ぶ車という言葉からきており、当初三菱 デリカは商用車として生まれました。初代となるモデルが1968年に登場した「デリカ トラック」です。なんと今から55年も前にデリカは生まれたのです。それからデリカ バン、デリカ コーチが設定され、2/3代目のデリカ スターワゴン、4代目のデリカ スペースギア、5代目のデリカD:5と続きました。
新型デリカミニは、伝統的なデリカシリーズの最新作として注目を集めています。この車は、都市部での使い勝手の良さとアウトドアでの実用性を両立させた軽スーパーハイトワゴンとしてデザインされています。「Reliable & Active Super Height Wagon(頼れるアクティブな軽スーパーハイトワゴン)」をコンセプトに開発され、広々とした室内空間と力強い走りを融合させたデザインが特徴です。2023年5月に発売されたこのモデルは、先進的な安全機能や様々なグレードが用意されており、幅広いユーザー層から人気を博しています。

新型デリカミニのエクステリアデザイン
新型三菱デリカミニのエクステリアデザインは、アクティブで頼れる軽スーパーハイトワゴンのコンセプトを具現化したものです。「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)」をデザインテーマとしてつくられました。このデザインは、デリカの伝統的な力強いイメージを継承しつつ、現代的な都市生活とアウトドア活動の両方に適応するスタイリッシュさを備えています。
フロントマスクは、まずダイナミックな立体感を持つ「ダイナミックシールド」が印象的で、半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトと組み合わせています。このヘッドライトは、夜間の視認性を高めると同時に、車両の表情を一層際立たせるデザイン要素となっています。フロントバンパーやテールゲートガーニッシュには、「DELICA」というロゴが施されており、ブランドアイデンティティを強調しています。

車体のサイドビューは、高さのあるボディと流れるようなラインが特徴で、スーパーハイトワゴンならではの広い室内空間を予感させます。また、大径タイヤの採用により、SUVらしい力強さと高い質感が表現されており、未舗装路やアウトドアシーンでの走破性も視覚的に強調されています。
リアビューでもテールゲートガーニッシュに設置された立体的な「DELICAロゴ」がデリカらしさを強調しています。
ボディカラーはデリカミニに合わせて新開発されたアッシュグリーンメタリックが新色として登場。全部で2トーン6色、モノトーン6色の12色が設定されています。
三菱デリカミニのボディサイズは4WDモデルで全長3395mm×全幅1475mm×全高1830mm、2WDモデルで全高1800mmとなっており、軽スーパーハイトワゴンとしての高さが特徴です。全高は同じカテゴリーの「eKスペース」よりも20〜30mm高く、ルーフレールの標準装備や、上級グレードと4WDモデルに165/60R15タイヤを装備する点などが影響しています。ホイールベースは、2495mmとなっており、ekシリーズの車種と共通しています。

新型デリカミニのインテリアデザイン
新型三菱デリカミニのインテリアデザインは、SUVのデザインを内装にも反映させたタフでクールなスタイルが特徴です。インテリアでは、シャープな印象のブラックを基調に、ライトグレーのアクセントカラーをインパネに配してワイド感を強調しています。装飾は最小限に留められ、機能性を重視したシンプルなデザインとなっています。しかし、細部には高級感をもたらす本革巻きのステアリングホイールやメッキ仕立てのインナードアハンドル、ピアノブラック調のタッチパネルを採用したフルオートエアコンなどが採用されています。
シートのデザインでは、サイド部分と上部に合成皮革を用い、背もたれと座面には撥水シート生地が採用されており、上質感と実用性を兼ね備えています。座面と背もたれ部分にはダウンジャケットからヒントを得た3Dパターンを採用し、汚れが拭き取りやすく、通気性の良さと快適な乗り心地を提供しています。

快適装備として、全車に運転席・助手席のシートヒーターが搭載されており、上位グレードにはステアリングヒーターやリヤサーキュレーター、後席のロールサンシェードなどが備わっています。
収納面では、エアコンパネルの上部と助手席前に小物が置けるトレイが用意されており、センターロアボックスはダストボックスとしても使える多機能性を持っています。運転席と助手席には深さのあるドリンクホルダーが設置されており、センタートレイは引き出し式で、カップホルダーとしても利用可能です。
収納スペースも充実しており、アッパーグローブボックスや深さのある通常のグローブボックスがあります。全てのドアにはボトルホルダーが装備されているほか、コンビニエントフックやモバイルポケット付きのシートバックポケットがあり、Type-Aの充電用USBポートも備わっています。助手席の座面下には「助手席シートアンダートレイ」と呼ばれる隠し収納もあり、車検証入れも用意されています。
上位グレードの「G Premium」「T Premium」では、助手席シートバックテーブルも備わり、ドリンクホルダーやコンビニエントフックがついているため、休憩時の利用に適しています。

新型デリカミニのドライビング性能
新型三菱デリカミニのドライビング性能について解説します。
まず、デリカミニはグリップコントロールやヒルディセントコントロールを標準装備しており、特に4WDモデルは大径タイヤと専用開発のショックアブソーバーを使用しています。これにより、ラフロードでのしなやかな走行を実現し、アウトドアレジャーや荒れた路面での走行安定性を向上させ、快適な乗り心地を提供しています。
4WD車の前後輪間の回転速度差をわずかに設定し、駆動力を4輪に配分することで、滑りやすい路面やわだち路での高い直進安定性をもたらし、雨や雪の日、未舗装路での安心・快適な走りを実現しています。
また、ブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえる間にブレーキを最大2秒間キープする機能もあり、坂道発進での車の後退を防ぎます。パワートレインはトルクフルなエンジンと軽快な加速性能のCVT、加速時にモーターでエンジンをアシストするハイブリッドシステムから成り、力強くエコな走りをサポートしています。
パワートレインは660ccの3気筒エンジンを搭載。最高出力は通常モデルが最高出力52PS、最大トルク60Nm、ターボチャージャーモデルが最高出力64PS、最大トルク100Nmとなっています。モーターの最高出力は2.7PS、最大トルクは40Nmとなっています。

新型デリカミニの安全性能や運転支援機能
三菱デリカミニは、最新の安全技術を多数搭載しており、ドライバーと乗員の安全を高いレベルで保証します。特に注目すべきは、三菱独自の安全技術「三菱 e-Assist」と高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット(MI-PILOT)」の採用です。
「三菱 e-Assist」は、衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い衝突防止アシストなど8つの先進安全装備を含んでおり、ドライバーが日常の運転中に直面する様々な危険から保護します。これらの機能は、衝突のリスクを低減するだけでなく、万が一の衝突時における被害を最小限に抑えるために設計されています。デリカミニは国が推奨する安全運転をサポートする先進技術の搭載車であるセーフティ・サポートカーS ワイド(サポカーS ワイド)の対象車となっています。
一方、「マイパイロット」は、レーダークルーズコントロールシステムと車線維持支援機能を組み合わせたもので、長距離運転や高速道路での運転負担を軽減します。このシステムは、車間距離の保持をアシストし、車線中央付近を走行するためのステアリング制御を行います。これにより、ドライバーはよりリラックスして、安全に運転に集中できるようになります。
他にもマルチアラウンドモニター(移動物検知機能付)やデジタルルームミラー、アクティブスタビリティコントロール、アダプティブLEDヘッドライトなど安全機能を多数搭載しています。
新型デリカミニの受賞歴
三菱デリカミニは日本の自動車業界における重要な賞を受賞しています。主な受賞歴は以下の通りです。
日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024 10ベストカー
三菱デリカミニは日本で発表された今年のベストカーを決める、日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024においてトップ10に入る、10ベストカーを受賞しました。
日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024の詳細はこちらの記事で紹介しています。
2023年度グッドデザイン賞
三菱デリカミニは公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2023年度グッドデザイン賞」を受賞しました。グッドデザイン賞は日本唯一の総合的なデザイン評価の賞で、優れたデザインだと認められた証となります。

新型デリカミニの価格
三菱デリカミニの価格は180万円からです。グレードごとの価格は以下の通りです。
- T Premium: 最上級のターボモデルで、多数の先進機能を搭載。価格は2,074,600円から。
- T: ターボモデルの基本グレードで、スポーティな走りを体感できる。価格は1,881,000円から。
- G Premium: 運転席側電動スライドドアやマイパイロットなどを装備した上級モデル。価格は1,985,500円から。
- G: 充実した装備のスタンダードモデルで、個性的なデザインと広々とした室内空間が特徴。価格は1,804,000円から。
新型デリカミニの発売時期
新型デリカミニは、2023年5月25日より発売されました。
辛口評価
三菱デリカミニをあえて辛口で評価すると、先進機能を多数備えていることもあり価格が競合に比べて高めの設定となっています。またターボエンジンの挙動がいまいちというレビューも見受けられます。
新型デリカミニのライバル車
スズキ スペーシア ギア
スペーシア ギアは、ハスラーやジムニーのデザインを踏襲したSUV風の外観が特徴です。防汚フロアや撥水加工シートなど、アウトドアでの使用を想定した装備を採用しています。ターボエンジンを搭載するグレードも設定されており、走行性能も充実しています。価格は173万円から。
スズキ ハスラー
ハスラーは、丸みを帯びた愛らしいデザインが特徴です。悪路走行もこなせる高い走破性を備えています。軽自動車ながら、高い安全性能を実現している点も評価されています。価格は137万円から。
ダイハツ タント ファンクロス
タント ファンクロスは、スタイリッシュなSUV風の外観が特徴です。ラゲッジスペースが広く、アウトドアで活躍する荷物を積み込むのに便利です。シートアレンジが豊富で、さまざまなシーンで使いやすい点も魅力です。価格は169万円から。
ダイハツ タフト
タフトは、スクエアなデザインが特徴です。悪路走行にも強い、高い走破性を備えています。広々とした室内空間と、高い収納力を備えている点も魅力です。価格は132万円から。
ホンダ N-BOX
N-BOXは、室内空間が広く、使い勝手が良いのが特徴です。安全性能が充実しており、ファミリー層に人気があります。ハイブリッドモデルも設定されており、燃費性能にも優れています。価格は165万円から。

まとめ
新型デリカミニは、三菱デリカの伝統を継承し、力強いデザインが魅力の軽スーパーハイトワゴン。軽ながら洗練されたデザインと充実した安全性能や運転支援技術が魅力のクルマ。同セグメントの中ではかなり高価格帯に位置しますが、それでも十分な魅力を持っているのではないでしょうか。軽自動車の中では注目の一台です。
三菱 デリカミニ 公式ページはこちら
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