日産新型セレナ:進化したe-Powerとプロパイロット2.0で大人気のミニバンを徹底解説

日本を代表するミニバンモデルの一つが日産セレナ。
2022年11月11日に日産は6代目となる新型セレナの発売を発表しました。この主力ミニバンは、新世代の「e-POWER」を搭載し、自動運転技術「プロパイロット」もアップデート。ミニバンながら軽快な走りや室内空間の快適さ、先進の運転支援機能などでファミリー層を中心に人気を博しています。この記事では、新型セレナの特徴、スペック、価格などについて詳しく紹介します。

車の概要:日産セレナとは?

日産セレナ(SERENA)とは、日産のラインナップにおける重要なミニバンです。1991年に初代セレナ(C23型)が登場。トヨタ ノア/ヴォクシーやホンダステップワゴンなどと共に日本のミニバンを代表するモデルへと成長し、代を重ねてきました。2016年には先代の5代目セレナ(C27型)が登場しました。
最新世代の6代目セレナ(C28型)は2022年11月に発表されました。

こののフルモデルチェンジでは初代から受け継がれるBIG、EASY、FUNをコンセプトとして開発され、さらに新技術も投入され新しい世代へと進化セレナ。特に注目すべきは、最上位グレード「e-POWER LUXION(イーパワールキシオン)」。ミニバン世界初搭載のロングドライブをサポートする「プロパイロット2.0」や新開発エンジンと組み合わせた第2世代の「e-POWER」などが搭載され、家族でのかけがえのない時間を楽しむために日産の技術とこだわりが盛り込まれた新型車となりました。

新型セレナのエクステリアデザイン

新型セレナのエクステリアは先代モデルから大幅に進化し、上質でありながら親しみやすいデザインになっています。

デザインコンセプト

新型セレナのエクステリアデザインは、「BIG」「EASY」「FUN」という3つのキーワードに基づいています​​。その中で「BIG」を象徴するのは、“シュプールライン”です。これは、サイドウィンドウの下端にあるウエストラインのことで、波のようにウエイブしています。このラインがボンネット横からグリルに伸び、車体全体を包み込むようにデザインされているため、キャビンがより大きく見えます​​。

「EASY」を表現する要素としては、日本人の美意識にマッチするシームレスで整ったデザインが採用されています。特にドア下端のスッキリ感が強調されており、サイドシル部分に切り欠きのような凹みがデザインされています​​。

「FUN」を体現するフロントマスクでは、左右の3段ヘッドライトからグリルの下まで続くクロームバーが、大きなVモーションを形成しています。暗い環境下での光の演出により、Vモーションがより明確に認識しやすくなるデザインです​​。

各部デザイン解説

まず目を引くのは、フロントフェイスの変更です。新型セレナでは、特徴的な新世代「Vモーショングリル」を採用し、これが薄型ヘッドランプと一体化する形で表現されています。先代モデルではメッキ仕上げだったVモーショングリルが、新型では横基調のクロームバーとなり、一層洗練された印象を与えています。フロントバンパーと一体化しているデザインとなったため、レクサス(LEXUS)のスピンドルグリルに近い印象を与えるかもしれません。

ヘッドライトに関しては、新型セレナの標準モデルでもフルLEDヘッドライトが標準装備されており、Vモーショングリルに組み込まれた上下3段組のユニークなデザインが特徴です。消灯時でも目立たないデザインが採用されていますが、点灯するとスタイリッシュなフロントマスクを形成します。
フロントフォグランプには、LEDが標準で装備されています。これにより、機能性だけでなくデザイン面でも先進性が感じられます。

サイドビューに目を向けると、サイドウィンドウが先代モデルよりも大きくなっており、その結果、視認性が向上し、ダイナミックなスタイルを実現しています。サイドウィンドウの下端のラインがヘッドライトにつながるデザインは、伸びやかなサイドスタイルを形成し、全体のバランスを保っています。

タイヤ&ホイールに関しては、新型モデルの標準車にはホイールカバーを装着した16インチのタイヤ&ホイールが標準で装備されています。これは、先代モデルと比較してもバランスが良く、外観の印象を高めています。

後部のデザインでは、リアビューが大きく変化しています。新型セレナは、ボディの上部を絞り込んだ台形の形状を採用しており、先代の真四角なボックスタイプから大きく進化しています。この変更により、よりスポーティーな後ろ姿を実現しており、特にルーフスポイラーの採用がその印象を強化しています。リヤコンビネーションランプは、新型モデルで縦に長い“L字型”のフルLEDを採用し、旧型モデルとは異なるスッキリとした後ろ姿を実現しています。テールランプのラインが色ムラなく、キレイに光るデザインは特に好印象です。

ボディカラーは合計14色用意されており、ルーフがブラックのツートーンが4色、モノトーンが10色となっています​​。これらのデザイン要素を通じて、新型セレナはそのコンセプトである「BIG」「EASY」「FUN」を体現しています。

ボディサイズは標準モデルが全長×全幅×全高が4690mm×1695mm×1870mm、ルキシオンモデルは4765mm×1715mm×1885mm、ホイールベースは2870mmとなっており、車重は標準モデルが1670kg、ルキシオンモデルで1850kgです。

新型セレナは、先代モデルと比べてより洗練されたデザインと先進性を備え、ミニバン市場において独自の存在感を示しています。

新型セレナのインテリアデザイン

新型セレナのインテリアデザインは、「先進的で上質な広々とした空間」を目指しています。このデザインは、ファミリーユースを考慮した機能性と利便性を組み合わせることで実現されています​​。

運転席周りは、視界を遮る凹凸が少なくされており、良好な視界によって運転のしやすさに貢献しています。Aピラーの後ろの三角形のオペラガラスにより、斜め前方の視界も確保されています​​。

前席のインストルメントパネルは非常にシンプルで、すっきりとした広々とした空間を演出しています。ドアトリムからインストルメントパネルまでWステッチが連続しており、高級感と広々感を生み出しています​​。日産車では初となるスイッチタイプの電制シフトが配置されています​​。センターディスプレイは統合型インターフェースディスプレイと一体感を持っており、洗練されたデザインが特徴です。このディスプレイは新型セレナの先進的なコックピットを象徴しています​​。

メーターはスクエアなカラーディスプレイで、ナビゲーション装着車では12.3インチ、非装着車では7インチサイズが設定されています​​。2列目と3列目のシートは、ファミリーカーとしての使用を考慮してデザインされており、座面の素材はお菓子などをこぼした時に掃除しやすいよう凹凸を減らしています。シートの背面には合皮素材が使用されており、汚れを拭き取りやすくなっています。全グレードのシート着座面とステアリングには抗菌処理が施され、一部グレードには撥水シートが用意されています​​。

車酔いを防止するための工夫も施されており、室内空間の新車臭を低減するフィルターや、腹部への圧迫を低減するシートベルトバックル、映像と外の景色を見せる後席専用モニターなどが用意されています​​。高い視線位置と穴あきヘッドレストの採用で、3列目シートは明るく開放感があります​​。また、センターディスプレイと一体感のある統合型インターフェースディスプレイによって、洗練された先進的なコックピットが演出されています​​。右左折時の安全確認を容易にするためにスリムなフロントピラーが採用されており​​、後側方の安全確認がしやすいスマートアップサードシート(低位置格納式)があります​​。

これらの工夫により、新型セレナのインテリアは、上質さ、モダン感、広々感を兼ね備え、同時にファミリーでの利用を考慮した機能性を備えています。家族の時間を快適に過ごすために設計されています。新型セレナのインテリアは、使う人のことを考え抜かれた設計で、家族でのドライブがより楽しいものになるでしょう。

新型セレナのドライビング性能

新型セレナのドライビング性能は、快適性と気持ちの良い走りの向上に重点を置いて進化しています。

  1. 安定性の向上:新型セレナは高速道路での走行安定性を強化しました。横風による車両のふらつきを抑制するために、ラックアシスト式電動パワーステアリングをミニバンとして初めて採用し、エアカーテンを通じた空気の流れを設計しています。これにより、高速走行時の安定感が向上し、より安心して運転できるようになっています​​。
  2. サスペンションの改良:新型セレナでは、カーブ走行時の車体の傾きを軽減するために、サスペンションロール剛性を20%向上させた高性能サスペンションを搭載しています。この改良により、カーブでも車体が安定し、よりスムーズで快適な走行が可能になりました​​。
  3. 静粛性の向上:ロードノイズやエンジン音の低減に注力しています。遮音・吸音材を拡大することで、室内への音の侵入を軽減し、静かで心地のいい走りを実現しています。これにより、長距離運転でも疲れにくく、快適なドライブを楽しむことができます​​。
  4. 第2世代e-POWERシステム:新型セレナは、第2世代e-POWERシステムに新開発の1.4L専用エンジンを組み合わせることで、静粛性が高く、パワフルな走りを実現。163PS(120kW)の高出力と最大トルク315Nmを発揮。燃費は20.6km/L。e-POWERならではのレスポンスの良さ、滑らかで力強い加速感が特徴です。このパワートレインは、都市部での運転から高速道路まで、幅広い走行状況において優れたドライビング体験を提供します​​。
  5. 気持ちのいい加速のガソリン車:新コントロールバルブを採用したシフトバイワイヤ方式の新世代CVTにより、アクセルに対してレスポンスの良い気持ちの良い加速を味わえるエンジンを実現。最高出力は150PS(110kW)、最大トルクは200Nmを発揮。燃費は13.4km/L。

新型セレナのこれらの特徴は、快適な運転体験を提供することに重点を置いています。特に、ファミリーユースを考慮した設計は、日常の使用からロングドライブまで、あらゆるシーンでの運転の楽しさと安心感を高めています。

新型セレナの安全性能と運転支援技術

日産の先進運転支援技術「プロパイロット」は新型セレナ全モデルに標準装備となりました。

加えて、最高級グレードの「e-POWER LUXION(ルキシオン)」には、「プロパイロット2.0」が標準で装備されており、長時間の運転時のストレスを大幅に軽減します。この技術は、ドライバーがステアリングを操作する際に助けとなる「衝突回避ステアリングアシスト」機能や、車が自動的に駐車場を記憶し、ボタン一つで自動駐車を実現するメモリー機能付き「プロパイロット パーキング」(日産モデルとして初搭載)も備えています。これにより、駐車が苦手なドライバーも安心して操作できます。さらに「e-POWER LUXION」グレードには、リモートコントロールで車を出し入れできる「プロパイロット リモート パーキング」も搭載されており、狭いスペースでも乗り降りや荷物の積み下ろしが楽になります。

新型セレナの価格

新型セレナの価格は277万円からとなっています。

グレード別の価格は以下の通りです。

駆動エンジングレード乗車ミッション価格(円)
2WDHR14DDe-EM57e-POWER X83,198,800
e-POWER XV3,499,100
e-POWER ハイウェイスター V3,686,100
e-POWER LUXION74,798,200
MR20DDX8エクストロニック
CVT
2,768,700
XV3,088,800
ハイウェイスター V3,269,200

新型セレナの発売時期

新型セレナのガソリン車は2022年冬から、e-POWER車は2023年春に発売されました。

新型セレナの辛口評価

新型セレナをあえて辛口で評価します。

・エクステリアデザイン:洗練されてはいるものの、最近のデザインとしては少しおとなしい印象。日産セレナの個性をもっと打ち出しても良いかもしれないですね。

・パワートレイン:今回のフルモデルチェンジの目玉機能であるプロパイロット2.0が最上位グレードのみの採用となっています。プロパイロットは日産においても非常に重要な運転支援機能なので、もっと広げても良いのではないかと思います。

新型セレナのライバル車

日本のミニバン市場では、トヨタ ノア/ヴォクシーとホンダ ステップワゴンが日産 セレナの長年のライバルです。これら競合車種について特徴を紹介します。

トヨタ ノア/ヴォクシー:トヨタのミニバン市場を代表する車種です。2022年1月にフルモデルチェンジし、現行型は4代目となります。ノア/ヴォクシーの最大の特徴は、低床設計による乗り降りのしやすさと、広々とした室内空間です。また、シートアレンジも豊富で、多彩な使い方ができます。
さらに、ノア/ヴォクシーは、先進の安全装備も充実しています。全車に、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などの予防安全装備を標準装備しています。また、上位グレードには、高度運転支援システム「トヨタセーフティセンス」をオプション設定しています。トヨタ ノアの価格は267万円から、トヨタ ヴォクシーの価格は309万円からとなっています。

ホンダ ステップワゴン:ホンダのミニバン市場を代表する車種です。2022年5月にフルモデルチェンジし、現行型は6代目となります。ステップワゴンの最大の特徴は、多彩なシートアレンジと、広々とした室内空間です。また、使い勝手の良さも兼ね備えています。さらに、ステップワゴンは、先進の安全装備も充実しています。全車に、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報などの予防安全装備を標準装備しています。また、上位グレードには、高度運転支援システム「Honda SENSING」をオプション設定しています。ステップワゴンの価格は305万円からとなっています。

まとめ

今回のフルモデルチェンジでは日産らしい革新性を取り込んだ進化をすることで、ファミリー向けミニバンの定番としての力強さを感じさせました。特にプロパイロット 2.0と最新世代のe-POWERは日産の本気度をうかがうことができます。この6代目セレナはさらに人気を博すミニバンモデルになることが容易に予想できます。

また自動車専門家からの評価も高く、日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024の10ベストカーを受賞しました。10ベストカーについては以下の記事で詳しく解説しています。

日産 新型セレナ 公式ページはこちら

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