これまで海外専売モデルだったレクサスのオフローダーSUVのレクサスGX(LEXUS GX)。2023年6月にフルモデルチェンジした3代目が大きな話題になりました。嬉しいことに待望のレクサスGX日本導入について、ついにレクサスから公式に発表がありました。来年の2024年中の日本国内販売を予定しているとのことです。
この記事ではいよいよ日本にやってくる、レクサスGXについて徹底解説していきます。
車の概要:レクサスGXとは?
レクサスの大型SUV レクサスGXは、フラッグシップSUVのレクサスLXの弟分でありレクサスRXの兄貴分、そしてトヨタ ランドクルーザープラド(ランドクルーザー 250)の姉妹車でもあります。北米や中近東を中心に海外向けモデルとして2002年から販売されており、海外では人気のSUVの一つです。レクサスGXの名前の由来はGround Crossover(グランドクロスオーバー)の頭文字からきています。
2002年に初代GX470がデビューし、その名前は4.7L V8エンジンを意味していました。ランクル プラドの走破性と、レクサスの乗り心地や高級感を両立したモデルとして独自のポジションを確立しました。
2009年には2代目モデル「GX460」が登場し、4.6L V8エンジンへと変更されました。2013年のマイナーチェンジではレクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルを採用し、洗練されたデザインへと進化しました。
2023年には3代目となる新型GXが発表され、新規開発のGA-Fプラットフォームを採用。「ザ・プレミアム・オフローダー」という開発コンセプトのもと、オフローダーとしての顔となり一新されたデザインと高いオフロード性能が魅力のモデルとなり、話題となりました。パワートレインでもV6ツインターボやハイブリッドモデルなど、次第に合わせて進化してきました。

レクサスGXのエクステリアデザイン
新型レクサスGXのエクステリアデザインは、「HIGH END × PROFESSIONAL(ハイエンド x プロフェッショナル)」をコンセプトとし、レクサス本格オフローダーとしての、力強さと洗練を兼ね備えています。この車のデザインの特徴は、高い走行性能を支える機能的本質と、動的性能に根ざしたプロポーションと独自性を追求したフォルムにあります。
フロント部分にはレクサスの象徴であるスピンドルグリルから進化した「スピンドルボディ」が採用されています。これはEVの時代に合わせ、スピンドルをグリルではなく、塊で表現したものです。このスピンドルボディがプロテクター形状と融合しています。グリルからレクサスのLシェイプLEDヘッドランプに横基調で繋がっており、安定感と力強さを感じさせます。

サイドビューでは、水平基調で前後方向に抜けていくボディの軸と大きく張り出したホイールフレアが安定した印象を与えます。そして低く配したベルトラインによって、広い視界も確保しています。

リアデザインもオフローダーらしい機能美が感じられます。張り出した前後フェンダーによる安定感あるスタンスと、サイドから繋がる削りだしのインゴットのようなフォルムが、タフでモダンなプロポーションを実現。横一文字に伸びたリヤコンビネーションランプの上には新しい「 LEXUS」 ロゴタイプを採用。見通しの悪い場所でも後続車に存在を知らせるため、リアコンビネーションランプは高い位置に置かれています。

ボディサイズは全長は4,950mm、全幅1,980mm、全高1,865mm、ホイールベース2,850mmとなっています。ホイールサイズは18インチ、20インチ、22インチです。
レクサスGXのインテリアデザイン
新型レクサスGXのインテリアデザインは、オフロード車の機能性とレクサスの上質なデザインが融合した、洗練された空間です。インテリアのコンセプトは、「デジタル環境が完備された、森の中にたたずむモダンで快適な別荘」をイメージしており、レクサスの新コックピットデザイン「Tazuna Concept(タヅナコンセプト)」を採用。これにより、運転に集中できるように大きな視線移動無く各種操作が可能な設計となっています。

インパネは水平・垂直を基調としており、中央のディスプレイは低く配置されて前方の視認性を確保しています。さらに、インパネ中央を左右に貫く金属調加飾が広がりを持った空間を演出し、合成皮革で覆われたセンターディスプレイやニーパッドなど、シンプルながらも高品質な素材が使用されています。
センターディスプレイには、14インチの大型インフォテインメントシステムが備わり、12.3インチのデジタルメーターを採用しています。センターコンソールはオフロード走行時の操作性を重視し、ドライバー側に走行系や駆動系のスイッチを機能別に配置しています。さらに、カップホルダーにはスライドリッドを採用し、閉じるとスマートフォンなどのデジタルデバイスを置くスペースとして活用できるようになっています。

2列目シートは、キャプテンシートと3人掛けのベンチシートの2種類を用意しています。後者の場合、左右にアームレストが設置され、シート間にはカップホルダーがあり、ミニバン並みの快適性を提供しています。また、3列目シートは電動格納式で、ラゲッジルーム右側に操作パネルが設置されています。3列目にもカップホルダーとUSBポートが備わっており、実用性に富んだデザインです。
インテリアカラーはモノトーン基調の配色に、シート座面・背面中央やヘッドレスト、ドアトリムの色を3色から選択可能です。また、オフロード性能を高めた「OVERTRAIL」仕様では、2色設定するほか、ドアトリムには角度によって見え方が異なる「パーフォレーション表皮」やセンターコンソールの加飾には木炭のような艶の美しさを表した「艶炭」を採用しています。これらのデザイン要素は、新型GXのインテリアにさらなる豪華さと洗練された雰囲気をもたらしています。

レクサスGXのドライビング性能
新型レクサスGXは「LEXUS の本格オフローダーのど真ん中」のポジションを担うSUVとして、険しい山岳地帯や都市部など、さまざまな環境下で優れたドライビング体験を提供することを目指して開発されました。
オフロード走行においては、リヤリジッドサスペンション方式とホイールアーティキュレーションの伸長により路面追従性が向上しています。電動パワーステアリングシステム(EPS)の採用により、不要な路面情報を低減し、運転に集中できるようになっています。また、アクセルとブレーキの応答性も向上し、悪路でもドライバーの意図通りにコントロールしやすくなっています。
オンロード走行性能では、ボディ剛性の向上とEPSの採用により、軽快かつクリアな操舵感を実現しています。さらに、長時間移動でも疲労を最小限に抑える高い静粛性を備えています。これにより、レクサスらしい上質な乗り心地を提供しています。

プラットフォーム
まず新しい「GA-F」プラットフォームは、耐久性、信頼性、高い強度と剛性、静粛性をバランス良く兼ね備え、オンロード/オフロード双方での走行性能を向上させています。実は2002年のGX登場から初めてのプラットフォーム変更となります。またこのプラットフォームはレクサスLXと同じものになります。
パワートレイン
パワートレインはV6ツインターボエンジンと、レクサス ボディオンフレーム車としては初となるターボハイブリッドの2タイプ設定されています。
・3.5リットルのV6ツインターボエンジンには10速オートマチックトランスミッションを組み合わせ、クラストップレベルの牽引性能を実現。高出力、大トルクエンジンによる気持ちの良い加速やパワフルな走りが楽しめます。
・2.4L 直列4気筒ターボエンジンとモーターを合わせたハイブリッドに新開発のダイレクトシフト8速オートマチックトランスミッションを組み合わせたHVモデルも新登場。

“OVERTRAIL”仕様
オフロード性能をさらに高める専用パッケージを装備したOVERTEAIL(オーバートレイル)仕様も設定されています。
オフロードとオンロードの走行を高次元で両立するため、LEXUS初のE-KDSS(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)が採用されています。このシステムは、前後の電動式スタビライザーを独立制御し、路面状況や前後輪それぞれの状況に応じてスタビライザーの効果を細かく変化させることで、オフロード時の走行性能を一段と向上させています。新開発のサスペンションと組み合わせることで、従来型を超えるホイールアーティキュレーションを実現し、岩石路やモーグル路などにおける路面追従性がアップされています。
またオフロード走行時に滑りやすい路面などを走行する場合に、その負荷を軽減する「クロールコントロール」を搭載しています。5段階の速度設定に合わせ、駆動力とブレーキを自動で制御することで、アクセルやブレーキを操作することなく、ステアリング操作のみで走行することが可能になります。

レクサスGXの安全性能
新型GXには、レクサスの最新の予防安全技術である「Lexus Safety System +(レクサスセーフティシステムプラス」が搭載されており、運転状況に応じた適切な操作サポートを提供するプロアクティブドライビングアシストや、ドライバーモニターと連携した最適制御などが特徴です。
レクサスGXに搭載されている主要な安全技術は、以下の通りです
- プリクラッシュセーフティ [PCS]:このシステムは、ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせによって、交差点での他の車両や歩行者、自転車との衝突を防ぐためのサポートを提供します。
- レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付) :先行する車両をミリ波レーダーと単眼カメラで検出し、設定された車間距離を維持しながら追従走行を行います。先行車が停止した際には、自動的に停止し、先行車が再発進した際には追従走行を再開します。
- レーンディパーチャーアラート [LDA]:車線逸脱の可能性がある場合に警告を発し、ステアリング操作を支援することで、車線の逸脱を防ぎます。
- ドライバー異常時対応システム:レーントレーシングアシストが作動中にドライバーの運転姿勢が大きく崩れた場合にシステムが介入し、周囲に警告を発しながら速度を緩やかに減速させ、車線内の停止し、ドライバーの救命救護を促進します。
- プロアクティブドライビングアシスト [PDA]:運転状況に応じて歩行者や自転車、駐車車両への近接を避けるステアリングやブレーキの操作をサポートし、先行車との距離やカーブなどの運転状況に応じて、ステアリングをアシストして運転の安全をサポートします。

レクサスGXの価格
新型レクサスGXの米国での価格は約910万円(64,250ドル)からと発表されました(2023年12月14日追記)
新型レクサスGXの日本での価格は未発表ですが、恐らく米国と同じ900万円程度になるのではないかと想定されます。
レクサスGXの発売時期
レクサスの公式発表によると新型レクサスGXは2023年末から順次展開していくとのことです。恐らく米国での販売が先行すると考えられます。日本での発売は2024年と発表されています。

レクサスGXは日本で発売される?
レクサスGXは初代、2代目モデルは日本での販売がありませんでした。
今回発表された3代目の新型GXは日本でも販売されることが決定しています。
レクサスGXの辛口評価
新型レクサスGXをあえて辛口で評価します。
新型GXは全長4950mm、全幅1980mmと大きく、特に日本の都市部での取り回しにはあまり向いていないサイズ感です。駐車スペースのサイズは課題になるでしょう。
新型GXのデザインについては賛否が分かれるところでしょう。オフローダーに寄せたデザインは、洗練さを求めるユーザーからは魅力的に映らない可能性があります。
800万円程度と予想される価格は、比較的高めの設定となり、欧米の高級オフロード車などとの競合となります。

レクサスGXのライバル車
新型レクサスGXの競合モデルは以下の通りです。
ランドローバー ディフェンダー
ディフェンダーは、ランドローバーの伝統的なオフロードSUVです。1948年に初代モデルが発売されて以来、70年以上にわたって愛され続けているモデルです。ディフェンダーの最大の特徴は、優れたオフロード性能です。ボディオンフレーム構造を採用し、悪路走行に必要な装備が充実しています。また、タフなボディは、過酷な環境にも耐えることができます。さらに、ディフェンダーは、個性的なデザインも魅力です。丸みを帯びたクラシックなデザインは、他のSUVとは一線を画しています。価格は729万円から。
メルセデス・ベンツ GLEクラス
GLEクラスは、メルセデス・ベンツのミドルクラスSUVです。2015年に初代モデルが発売され、2019年に2代目モデルが発売されました。GLEクラスの最大の特徴は、プレミアムな内外装です。インテリアには、上質な素材や装飾が施され、ラグジュアリーな雰囲気を演出しています。また、エクステリアも、洗練されたデザインを採用しています。さらに、GLEクラスは、優れた走行性能も備え、力強くスムーズな走りを実現しています。価格は1376万円から。
メルセデス・ベンツ Gクラス
Gクラスは、メルセデス・ベンツのフラッグシップSUVです。1979年に初代モデルが発売されて以来、高い人気を誇るモデルです。Gクラスの最大の特徴は、タフなボディと優れたオフロード性能です。ボディオンフレーム構造を採用し、悪路走行に必要な装備が充実しています。また、タフなボディは、過酷な環境にも耐えることができます。さらに、Gクラスは、独特のデザインも魅力です。角張ったクラシックなデザインは、他のSUVとは一線を画しています。価格は1294万円から。
BMW X5
X5は、BMWのミドルクラスSUVです。2000年に初代モデルが発売され、2019年に4代目モデルが発売されました。X5の最大の特徴は、スポーティな走行性能です。最新のエンジンとトランスミッションを搭載し、力強く俊敏な走りを実現しています。また、スポーティなデザインも魅力です。さらに、X5は、優れた安全装備も備えています。価格は 1198万円から。
アウディ Q7
Q7は、アウディのミドルクラスSUVです。2005年に初代モデルが発売され、2015年に2代目モデルが発売されました。Q7の最大の特徴は、洗練されたデザインです。エレガントなデザインは、他のSUVとは一線を画しています。さらに、Q7は、優れた走行性能も備え力強くスムーズな走りを実現しています。価格は1042万円から。

まとめ
これまで世界の約30の国と地域で累計約54万台を販売してきたレクサスGX。今回のフルモデルチェンジは驚きの変化で、かっこいいとかなり好評の様子。そのGXがついに日本でも販売されるとあって、注目度が高く、2024年中の発売を楽しみに待ちたいですね。
レクサスからの公式発表についてはこちら
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