23年の歴史に幕、BMW Z4が最終章を飾る特別仕様車を発表しました!
BMWは2025年11月、アイコニックなロードスター「Z4」の生産を2026年3月に終了することを正式に発表しました。同時に、この名車の有終の美を飾る特別仕様車「BMW Z4 ファイナルエディション」を発表し、世界中のファンに最後のチャンスを提供します。
23年にわたる歴史の中で、BMW Z4は卓越したデザイン、ピュアなドライビング体験、スポーティなダイナミクスを兼ね備えた2シーターオープンスポーツカーとして、多くの愛好家を魅了してきました。今回のファイナルエディションは、このアイコニックなモデルの集大成として、外装・内装に専用装備を纏い、将来コレクターズアイテムとなる可能性を秘めています。
注文受付は2026年1月下旬から短期間のみ実施され、生産は2026年3月に終了予定です。限られた期間でしか手に入らない、文字通り「最後のZ4」となります。

車の概要:BMW Z4 ファイナルエディションとは?
BMW Z4は、BMW 328ロードスター、BMW 507、BMW Z8といった名車の系譜を受け継ぐ、BMWの伝統的なオープン2シータースポーツカーです。その歴史は2002年秋に始まり、BMW Z3の直接的な後継モデルとして第1世代(E85型)がデビューしました。
第1世代は、ロングノーズ・ショートデッキというクラシックなプロポーションと、50:50の理想的な重量配分により、当時のコンバーチブル・ロードスターセグメントで前例のないねじり剛性を実現しました。2008年12月には、電動開閉式のハードトップを標準装備した第2世代(E89型)が登場し、開閉わずか20秒でクーペの快適性とロードスターの開放感を両立しました。

現行モデルとなる第3世代(G29型)は、2018年8月にカリフォルニア州モントレー近郊のペブルビーチで世界初公開されました。電動ソフトトップを採用し、クラシックなオープンスポーツカーの現代的解釈として生まれ変わり、プレミアムな運転支援システム、インフォテインメント、コネクティビティ機能を搭載しています。このセグメントで唯一となる3.0L直列6気筒エンジンを搭載したM40iグレードは、2024年にマニュアルトランスミッション仕様の「ピュアインパルスエディション」も追加され、ピュアドライビングの楽しさを追求してきました。
今回発表されたファイナルエディションは、この第3世代BMW Z4の集大成であり、23年に及ぶZ4の歴史における最終章を飾る特別なモデルとなります。
BMW Z4 ファイナルエディションのエクステリアデザイン
BMW Z4 ファイナルエディションの最大の外観上の特徴は、この特別仕様車専用となる「フローズンマットブラック」塗装です。このマットな黒色仕上げは、ファイナルエディションのためだけに用意されたエクスクルーシブなカラーで、BMW Z4の個性的でダイナミックな雰囲気を一層際立たせます。
もちろん、フローズンマットブラック以外にも、BMW Z4の通常ラインアップから好みの外装色を追加料金なしで選択することも可能です。どのボディカラーを選択しても、全てのファイナルエディションには「M ハイグロス・シャドーライン・エクステリアトリム」が標準装備され、精悍な印象を演出します。
ブレーキシステムには、ハイグロスレッド仕上げの「M スポーツブレーキ」が標準装備されています。このブレーキは、優れた制動性能を発揮するだけでなく、ホイールの隙間から覗く鮮やかな赤色が、スポーティな存在感を強調しています。フローズンマットブラックのボディと相まって、この赤いブレーキキャリパーは特に印象的な視覚効果を生み出します。
BMW Z4 ファイナルエディションのボディサイズは、全長4,335mm、全幅1,865mm、全高1,305mmです。





BMW Z4 ファイナルエディションのインテリアデザイン
BMW Z4 ファイナルエディションのインテリアは、鮮やかな赤いコントラストステッチが印象的な特徴となっています。この赤いステッチは、ファイナルエディション専用にセレクトされたもので、インストルメントパネル、センターコンソール、ドアトリム、そしてVernascaレザー/アルカンターラのMスポーツシートに施され、室内全体を統一感のあるスポーティな雰囲気で包み込んでいます。
ステアリングホイールには、マッチングする赤いコントラストステッチを配した「Mアルカンターラステアリングホイール」が装備されます。このステアリングは、BMW Z4 ファイナルエディションのスポーティなキャラクターを完璧に強調し、ドライバーに直接的な操縦感覚を提供します。握った瞬間から、この車が特別な存在であることを実感できるでしょう。
さらに、ドアシルには特別な刻印が施され、ファイナルエディションの排他性を高めています。乗り込むたびに、これが限定生産の特別なモデルであることを思い出させてくれる、細やかながらも重要なディテールです。
全体として、赤と黒を基調としたカラースキームは、スポーティでありながらもプレミアムな質感を保ち、オープンエアドライビングの高揚感をさらに引き立てます。





BMW Z4 ファイナルエディションの走行性能
BMW Z4 ファイナルエディションは、全てのエンジンバリエーションで選択可能です。エントリーモデルの「sDrive20i」には、最高出力145kW(197ps)を発生する2.0L直列4気筒ターボエンジンが搭載されています。このエンジンは、日常的な使い勝手と十分なスポーツ性能を兼ね備え、燃費性能はWLTPモードで7.3~7.4L/100kmを実現しています。
中間グレードの「sDrive30i」は、190kW(258ps)を発揮する同じく2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、より力強い加速性能を提供します。燃費はWLTPモードで7.4L/100kmとなっています。
シリーズの頂点に立つ「M40i」には、BMW伝統の3.0L直列6気筒ツインパワーターボエンジンが搭載され、最高出力250kW(340ps)、最大トルク500Nmという圧倒的なパワーを発揮します。このエンジンは、低回転域から発生する豊かなトルクにより、あらゆる速度域で余裕のある加速を実現し、ロードスターならではの爽快なドライビング体験を提供します。0-100km/h加速はわずか4.1秒で、燃費はWLTPモードで8.0~8.7L/100kmです。
どのエンジンを選択しても、ファイナルエディション専用の装備は同じく適用され、選択したトランスミッションに関係なく特別な走りを楽しめます。BMW Z4の特徴である50:50の理想的な重量配分と、低い着座位置がもたらすピュアなロードスター体験は、このファイナルエディションでも健在です。

価格
BMW Z4 ファイナルエディションの価格は、アメリカ市場において78,675ドル、日本円に換算して約1,232万円(78,675ドル)と発表されています。ベースモデルのZ4 M40iが約1,089万円(69,575ドル)であることを考えると、ファイナルエディションパッケージは約143万円(9,100ドル)相当の価値があることになります。
ヨーロッパ市場では、ファイナルエディションパッケージの価格は車体価格にプラスして4,200ユーロ、日本円で約70万円(4,200ユーロ)となっています。これは、すでにMスポーツパッケージが標準装備されているsDrive30iとM40iに適用される価格です。sDrive20iの場合は、Mスポーツパッケージ(通常3,200ユーロ)が含まれるため、ファイナルエディションパッケージは7,400ユーロ、約123万円(7,400ユーロ)となります。
なお、日本市場における現行BMW Z4の価格は、Z4 sDrive20i M Sportが814万円から、Z4 M40iが984万円からとなっています。ファイナルエディションが日本で正式に発売される場合の価格については、後述の「日本で発売されるか」のセクションをご参照ください。

発売時期
BMW Z4 ファイナルエディションの注文受付は、2026年1月下旬から開始されます。ただし、注文可能な期間は非常に短く設定されており、限定的な機会となることが予告されています。
具体的な生産台数は明らかにされていませんが、非常に少数だと公表されています。
生産は2026年3月に終了する予定で、これをもってBMW Z4の製造が完全に終了します。つまり、ファイナルエディションを注文できる期間は実質2か月程度しかなく、2026年2月から4月の間に「ごく少量」のみ生産される計画です。
この短い注文期間と限定生産という条件は、BMW Z4 ファイナルエディションを真のコレクターズアイテムにする要素となっています。興味のある方は、発売開始と同時に迅速な行動が求められるでしょう。
日本で発売されるか
BMW Z4 ファイナルエディションの日本市場での正式な発売については、現時点では明確な情報が公表されていません。BMWの公式発表では、まずアメリカ市場向けに販売されることが確認されていますが、日本市場などへの振り分けについては不明とされています。
Z4シリーズにおいて「ファイナルエディション」という名称の特別仕様車が登場するのは今回が初めてであり、正真正銘「最後のZ4」となる可能性が高いことから、世界中のファンから注目を集めています。
参考までに、姉妹車であるトヨタGRスープラでは、日本限定200台の「GRスープラ ファイナルエディション」が車両本体価格1,500万円で発売され、超高額にもかかわらず完売した実績があります。この事例を考えると、BMW Z4 ファイナルエディションについても、日本市場への導入を望む声は少なくないはずです。
日本での正式発表を待ち望むファンは、BMWジャパンの公式アナウンスに注目しておくことをお勧めします。

辛口評価
BMW Z4 ファイナルエディションをあえて辛口で評価します。
まず気になるのは、価格設定です。アメリカ市場での約1,232万円(78,675ドル)という価格は、ベースモデルのM40iから約143万円(9,100ドル)もの上乗せとなります。この追加料金で得られるのは、専用の塗装色、赤いステッチ、特別な刻印付きドアシルなど、主に視覚的な装備のみです。エンジン性能や走行性能に関する変更は一切なく、純粋に見た目と希少性にお金を払う形になります。
さらに、「ファイナルエディション」という名称ながら、技術的な進化や特別なメカニカルチューニングが施されていない点も物足りなさを感じます。過去のBMW Mモデルのスペシャルエディションでは、サスペンションの専用セッティングや軽量化パーツの採用などが見られましたが、今回のファイナルエディションはあくまで「見た目の特別感」に重点を置いた仕様となっています。
注文期間がわずか2か月程度という短さも、純粋にこの車を愛する人よりも、投機目的のコレクターを優遇しているように感じられます。本当にZ4を愛し、最後のモデルを手に入れたいと願うファンにとって、この短い期間で決断を迫られるのは厳しい条件です。
また、BMW Z4自体が2018年の第3世代登場からわずか8年で生産終了となることも残念です。トヨタとの共同開発により生まれたこのプラットフォームは、まだまだ改良の余地があったはずです。ファイナルエディションという名で幕を引くのは、少し早すぎるのではないでしょうか。
ライバル車
BMW Z4 ファイナルエディションの主なライバルとして挙げられるのは、同じオープン2シータースポーツカーセグメントに属する車種です。
最大のライバルは、ポルシェ 718ボクスターでしょう。718ボクスターは水平対向4気筒ターボエンジン(最高出力300ps)または水平対向6気筒エンジン(最高出力400ps)を搭載し、ミッドシップレイアウトによる卓越したハンドリング性能を誇ります。新車時価格は658万円から1,514万円と幅広く、Z4 M40iと同価格帯のモデルも存在します。ボディサイズは全長4,379mm×全幅1,801mm×全高1,281mmと、Z4よりもわずかに大きく低い設計です。
もう一つの選択肢として、メルセデス・ベンツ SLクラス(旧SLC)も挙げられます。こちらはZ4と同様にフロントエンジン・リアドライブのレイアウトを採用し、電動ハードトップを備えたモデルもラインアップされています。メルセデスらしい上質な乗り心地とプレミアム感を重視する顧客に人気です。
国産車では、BMW Z4と姉妹車関係にあるトヨタ GRスープラも比較対象となります。クーペボディではありますが、同じプラットフォームとエンジンを共有しており、走行性能は非常に近いものがあります。GRスープラも2025年にファイナルエディションを発表し、日本限定200台が1,500万円で完売しました。
また、価格帯は異なりますが、マツダ ロードスターも純粋なオープンスポーツカーとして、ライトウェイトスポーツの楽しさを求めるユーザーには魅力的な選択肢です。
主要スペック
BMW Z4 ファイナルエディション sDrive20i
- エンジン:直列4気筒ツインパワーターボ
- 排気量:1,998cc
- 最高出力:145kW(197ps)
- トランスミッション:8速スポーツAT
- 燃費(WLTP):7.3~7.4L/100km
- CO2排出量:164~166g/km
- 駆動方式:FR
- ボディサイズ:全長4,335mm×全幅1,865mm×全高1,305mm
- ホイールベース:2,470mm
- 乗車定員:2名
BMW Z4 ファイナルエディション sDrive30i
- エンジン:直列4気筒ツインパワーターボ
- 排気量:1,998cc
- 最高出力:190kW(258ps)
- トランスミッション:8速スポーツAT
- 燃費(WLTP):7.4L/100km
- CO2排出量:167g/km
- 駆動方式:FR
- ボディサイズ:全長4,335mm×全幅1,865mm×全高1,305mm
- ホイールベース:2,470mm
- 乗車定員:2名
BMW Z4 ファイナルエディション M40i
- エンジン:直列6気筒ツインパワーターボ
- 排気量:2,997cc
- 最高出力:250kW(340ps)/5,000-6,500rpm
- 最大トルク:500Nm(51.0kgm)
- トランスミッション:8速スポーツAT
- 燃費(WLTP):8.0~8.7L/100km
- CO2排出量:181~197g/km
- 0-100km/h加速:4.1秒
- 駆動方式:FR
- ボディサイズ:全長4,335mm×全幅1,865mm×全高1,305mm
- ホイールベース:2,470mm
- 乗車定員:2名
まとめ
BMW Z4 ファイナルエディションは、2025年11月に発表された、23年の歴史を誇るBMW Z4シリーズの集大成となる特別仕様車です。2026年3月の生産終了を前に、2026年1月下旬からわずか2か月程度という限定的な期間のみ注文を受け付ける、真のコレクターズアイテムとなっています。
専用のフローズンマットブラック塗装、赤いブレーキキャリパー、室内全体に施された赤いコントラストステッチなど、視覚的に特別感を演出する専用装備を纏い、sDrive20i、sDrive30i、M40iの全てのエンジンバリエーションで選択可能です。価格は欧州でプラス4,200ユーロから、米国では78,675ドル(約1,232万円)となっていますが、日本市場での正式発売については現時点で未定です。
エンジン性能や走行性能の変更はないものの、このファイナルエディションは「最後のZ4」として、BMW伝統のオープンスポーツカーの歴史に新たな1ページを刻む特別なモデルとなるでしょう。興味のある方は、BMWジャパンの公式アナウンスに注目し、限られたチャンスを逃さないよう準備しておくことをお勧めします。



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