2024年3月18日、アウディの新たな電動化戦略の一環として、新開発されたプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)に基づく最初の完全電気自動車であるアウディ Q6 e-tron (Audi Q6 e-tron)が世界初披露されました。これは、2024年および2025年に予定されている20以上の新型車のラインナップの序章となるものです。そして2024年下半期にはアウディ A5(Audi A5)とアウディ Q5(Audi Q5)を発表することを明らかにしました。
2024年を迎えるにあたり、アウディは電動化への歩みを一層深め、ポルシェとの共同開発により誕生したPPEプラットフォームを用いて、技術的に先進的な完全電気自動車を市場に送り出す準備を整えています。このPPEプラットフォームは、ミッドサイズからラグジュアリーまでの幅広い車種に適用可能であり、電動モビリティの新時代を象徴しています。

その先陣を切るのが、新型Audi Q6 e-tronです。この車は、PPEプラットフォームを採用したアウディ初の市販車として、効率性、航続距離、充電速度、そしてデザインにおいて新たな基準を設けることに成功しています。さらに、E3 1.2エレクトロニックアーキテクチャーを採用することで、将来的なアップデートやアップグレードを容易にし、操作体系を一新することで、完全につながる自動車への転換を図っています。そして、Audi Q6 e-tronは、インゴルシュタットにおけるアウディの完全電気自動車としては初めての生産モデルとなる点でも注目されています。

アウディのアニュアルメディアカンファレンスにおいてゲルノット・デルナーCEOとユルゲン・リッタースベルガーCFOが2023会計年度の成果について詳細を報告しました。さらに、今後の事業戦略や今後2年間に市場投入される複数の新型車についても説明がありました。

ゲルノット・デルナー CEOのコメント
Audi Q6 e-tronが、アウディにとっての電動モビリティの新時代の幕開けを告げ、昨晩のワールドプレミアでその姿を現しました。これは、アウディが今後数年間にわたり製品ラインナップを刷新していく広範な取り組みの第一歩です。特に2024年夏にはAudi A6 e-tronが登場予定であり、さらに同年下半期には新世代のPremium Platform Combustion(PPC)を採用したAudi A5とQ5が発表される予定です。2024年と2025年にかけては、20種類以上の新型モデルの投入が計画されています。
アウディは、自動車産業の未来が電動化にあるという信念を持ち続けており、2027年までに全ての主要セグメントでの電動化を実現することを目指しています。過渡期として、高効率の内燃エンジンモデルやプラグインハイブリッドの提供を続けながら、電気自動車への移行を進めています。すでに公表されている車種により、さまざまな顧客ニーズに対応する態勢を整えています。2023年には電気自動車の納車数が前年比で50%増加する見込みです。
自動車業界は、技術革新、新たな競争相手の出現、世界経済の厳しさなど、急速な変化に直面しています。アウディはこれらの変化に対応し、製品、テクノロジー、ブランド戦略の3つの主要分野に焦点を当てながら、中国と北米市場での展開を強化していく計画です。現在、アウディは史上最大のモデル更新に取り組みつつ、企業としての根本的な変革も推進しています。

ユルゲン・リッタースベルガー CFOのコメント
2023年は、ブランド・グループ・プログレッシブにとって記録的な年となりました。アウディ、ベントレー、ランボルギーニの3ブランドが、合計で190万台以上の車両を顧客に届けました。これは、各コア市場における強力な成長を背景に、業界全体の成長率を上回る結果です。この成果は、2023年における同グループの成功を物語るもので、堅実な財務基盤が今後数年間の展開の礎を築いています。
2024年は変革の年となる見込みであり、様々な挑戦が予想されます。しかし、これらの困難に直面しても、グループは持続可能な業績を目指して取り組んでいく方針です。パフォーマンス・プログラム14を通じて、グループは財務上の成功を図るための戦略を実行していきます。この取り組みは挑戦的なものになるかもしれませんが、明確な戦略、強力なブランドイメージ、魅力的な製品ラインナップ、そして優れたチームワークが同グループの大きな支えとなります。
また、アウディは、技術革新や市場競争の激化といった現代の自動車業界が直面する様々な挑戦に対しても、財務面での強さを武器に成功を収めることができる位置にあります。

アウディの2024年財務計画
アウディの最高財務責任者であるユルゲン・リッタースベルガー氏は、同社の堅実な財務構造が、今後数年にわたる変革の基盤を築いていると強調しています。「この強固な財務体制の下、私たちは収益性の向上を目指し、パフォーマンスプログラム14を立ち上げました。このプログラムを通じて、ブランドグループプログレッシブにおける営業利益率を14%に引き上げることを目標としています」とリッタースベルガー氏は述べています。
アウディは、その標語「Vorsprung durch Technik」を再びブランドの核心に据えつつあります。これにより、品質とデザインの分野でのリーダーシップを強化し、市場での優位性を確立しようとしています。
しかしながら、2024年は引き続き困難な年となる見込みです。マクロ経済の環境は依然として厳しく、市場競争の激化が予想されます。これに対応するため、アウディはドライブシステムの幅広いラインナップを整備し、市場の需要の変化に柔軟に対応する戦略を展開しています。電気自動車と内燃エンジン車の生産を並行して進めることで、未来への準備を進めています。
経済成長がわずかであるとの見込みと、安定した部品供給チェーンのもと、アウディグループは2024年度の売上高を630億ユーロから680億ユーロと予測しています。また、営業利益率は8%から10%になると見込まれており、ネットキャッシュフローは25億ユーロから35億ユーロの範囲で推移すると予想されています。

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