トヨタ自動車は、2023年11月21日に欧州で新型「ヤリスクロス」のマイナーチェンジモデルを発表しました。ヤリスクロスはトヨタの小型SUVであり、人気のハッチバック「ヤリス」を基に開発されました。今回のアップデートでは、第5世代のトヨタハイブリッド技術を採用し、ドライビング性能、先進安全機能、および快適性が向上し、新色のエクステリアカラーを追加しました。

車の概要:新型ヤリスクロスとは?
ヤリスクロスは2020年に登場したヤリスベースの小型クロスオーバーSUV。開発、デザインともにトヨタの欧州拠点がリードしてきました。当初は欧州向けモデルでしたが、当時の豊田章男社長の声で日本でも販売されることとなりました。今回欧州で発表されたのは初代となる現行ヤリスクロスのマイナーチェンジです。
ヤリスクロスはトヨタのTNGA小型車向けGA-Bプラットフォームを採用しており、ヤリス、アクア、シエンタ、レクサス LBXなどと共用しています。
新型ヤリスクロスのエクステリアデザイン
ヤリスクロスのエクステリアはコンパクトに力強さが凝縮されたスタイルに、目をひく個性的で洗練されたフロントグリルとヘッドライト、流線型のボディラインなどが特徴的です。

新型ヤリスクロスはエクステリアデザインに大きな変更はないですが、ヒーローモデルである上位のプレミアムエディションには新色が登場。専用のアーバンカーキのツートンカラーがシックで気になる方も多いのではないでしょうか。また専用の新しい18インチダークグレー/マシン加工5スポークアロイホイールが設定されます。

新型ヤリスクロスのインテリアデザイン
新型ヤリスクロスは、12.3インチもしくは7インチのデジタル液晶メーターディスプレイを装備しています。このディスプレイはあらゆる光のレベルで視認性の高さを実現し、また気分に合わせてディスプレイの外観を、スマート、カジュアル、スポーティ、タフの4つのスタイルからカスタマイズすることが可能です。

また、マルチメディアタッチスクリーンはグレードに応じて10.5インチのもしくは9インチとなり、クラス最大級のサイズとなっています。トヨタスマートコネクトマルチメディアシステムが採用され、強化された音声認識システムが搭載されています。例えば「ねえトヨタ、暑いです」というと自動で室内温度を上げてくれます。
また騒音や振動を低減するために吸気ホースへの共振器の追加や単層から3層へ変更されたインナーダッシュサイレンサーなど改良が加えられ快適性が向上しました。




新型ヤリスクロスのドライビング性能
新型ヤリスクロス新たに「ハイブリッド130」というグレードのパワートレインを追加しました。第5世代のトヨタハイブリッドシステムと1.5L直列3気筒エンジンを組み合わせています。今回より大型で強力な電気モータージェネレーターの搭載とパワーコントロールユニット(PCU)の調整によりさらにパワフルな走りを楽しむことができるようになりました。
ドライビング性能の数値としては、最高出力が従来の116HPから132HPに約14%パワーアップし、最大トルクも141Nmから185Nmに約30%も増加しました。これにより、0-100km/hの加速が0.5秒短縮されて10.7秒に、80-120km/hの加速は0.4秒短縮されて8.9秒になりました。CO2排出量は103~122g/kmとわずかに増加していますがクラス最高を達成しています。

新型ヤリスクロスの安全性能
トヨタは安全に運転や駐車をしやすくする高度な機能の総称であるトヨタT-Mate(トヨタチームメイト)を推進しており、新型ヤリスクロスは世界で最も安全な小型車にすることを目指し、最新の「トヨタセーフティセンス(Toyota Safety Sense)」システムが搭載されています。これが全車に標準装備となっているのが大きな特徴です。
機能としてはプリコリジョンシステム(PCS)、低速走行時の身近な事故を防ぐ新機能プロアクティブ・ドライビング・アシスト(PDA)、緊急運転停止システム(EDSS)、アクティブクルーズコントロール(ACC)、レーントレースアシスト(LTA)など多数の安全機能が含まれています。
新型ヤリスクロスの競合車
ヤリスクロスのライバルモデルとして以下の車種が挙げられます。
- 日産 キックス
- ホンダ ヴェゼル
- マツダ CX-3
- 特徴:CX-3は、マツダの特徴である「魂動デザイン」が反映されたスタイリッシュな外観を持ち、走行性能にも優れています。ドライバーセントリックな設計と独特な走りの楽しさが魅力です。
- 価格レンジ:約227万9200円~343万4200円。
- マツダ CX-30
- スバル XV

新型ヤリスクロスの辛口評価
今回のマイナーチェンジで、パワートレインや安全機能などの強化が実施され盤石に見えるが、エクステリアデザインの変更が限定的である点が課題としてあげられる。トヨタ車はプリウスやクラウン、C-HRなどが続々とハンマーヘッドのフロントマスクなどトヨタの新たなデザインを採用している中で、ヤリスクロスはフルモデルチェンジを待つ必要がありそうです。
新型ヤリスクロスの価格
新型ヤリスクロスの価格は未発表ですが、昨今のインフレ傾向やマイナーチェンジでのパワートレイン、安全機能などの強化により価格が上昇する可能性が考えられます。
ちなみに現行モデルの日本での価格は約190万円〜294万円となっています。
新型ヤリスクロスの発売時期
新型ヤリスクロスの2024年モデルは、欧州の一部市場では2023年11月中にオンラインでの予約受付が開始される予定です。
新型ヤリスクロスは日本で発売される?
新型ヤリスクロスの日本での販売についてはまだ正式発表はありませんが、日本での発売は期待できるでしょう。すでに日本ではヤリスクロス現行モデルの受注は停止となっています。新型ヤリスクロスの日本での発売時期は2024年1月と想定されています。

まとめ
新型ヤリスクロスは、エクステリアに大きな変化はないものの、ハイブリッドパワートレインや安全技術、インテリアのデジタル装備周りなど大きくアップデートされました。この新型車は、コンパクトSUV市場におけるトヨタの地位をさらに強化するでしょう。そして日本での発売に関する正式発表を期待して待ちましょう。
情報ソース:欧州トヨタメディアサイトプレスリリース
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