日産新型パトロール発表:ランクル競合大型SUV 価格 約940万円 日本発売に期待

2024年9月3日、日産自動車は中東のアブダビで、大型SUVの新型日産パトロールを世界初公開しました。日産自動車の内田誠社長兼CEOが登壇し、王族やVIP、日産の幹部、ディーラー、パートナー、メディア、顧客、従業員が参加する中、フルモデルチェンジした新型パトロールのベールを脱ぎました。

車の概要:日産 パトロールとは?

日産パトロール(Nissan Patrol)は、70年以上の歴史を持つ日産を代表するフルサイズSUVです。1951年に初代パトロールが登場して以来、日産のフラッグシップSUVとして堅牢性と信頼性により世界中で人気を博してきました。一時期日本では日産サファリの車名で販売されていましたが、現在パトロールは海外向けモデルとなっています。

今回発表された新型モデルは、パトロールの第7世代にあたります。新型パトロールは、パトロールの伝統的な強さを継承しつつ、最新のテクノロジーを搭載した未来志向のモデルとなっています。外装デザインは、日産のグローバルデザイン哲学を反映し、力強さと耐久性を表現しています。日産のV-motionグリルは、より幅広くボディに統合されたデザインとなり、アダプティブドライビングビーム(ADB)技術を搭載したダブルC字型ヘッドライトが両側を飾っています。

内装は高級感を追求し、キルティングレザーシートや28.6インチの水平モノリスディスプレイなど、快適性と先進性を両立させています。さらに、NissanConnect 2.0やProPILOTなどの最新技術を搭載し、安全性と利便性を高めています。

パワートレインには、新開発の3.5リッターV6ツインターボエンジンを採用し、425馬力と700Nmのトルクを発揮します。これは従来のV8エンジンと比較して、パワーが7%、トルクが25%向上し、同時に燃費も24%改善されています。また、316馬力と386Nmのトルクを発生する3.8リーター自然吸気V6エンジンも選択可能です。

新型パトロールは、オンロードでの快適性とオフロードでの性能を両立させ、日産のSUVの頂点に立つモデルとして位置付けられています。

日産 パトロールのエクステリアデザイン

新型パトロールのエクステリアは、日産のグローバルデザイン哲学を反映し、フルサイズSUVとしての力強さと耐久性を感じさせ、「unbreakable(壊れることのない頑丈性)」を表現しています。

フロントデザインの特徴は、より幅広くボディに統合されたV-motionグリル(Vモーショングリル)です。このグリルは、パトロールの伝統的な強さを表現しつつ、モダンで洗練された印象を与えています。グリルの両側には、アダプティブドライビングビーム(ADB)技術を搭載したダブルC字型ヘッドライトが配置されており、夜間の視認性を高めるとともに、独特の個性を演出しています。

サイドビューでは、彫刻的な造形と力強いキャラクターラインが目を引きます。大径の22インチアロイホイールは、路上での存在感を高めるだけでなく、優れたオフロード性能に必要な高いグラウンドクリアランスも実現しています。

リアデザインは、フロントグリルのデザインを反映したフルワイドのライトバーが特徴的です。セグメント化されたデザインのこのライトバーは、夜間の視認性を高めるとともに、パトロールの先進性を表現しています。

新型パトロールは、7種類の外装色が用意されており、そのダイナミックな外観をさらに引き立てます。さらに、個性的な4種類の2トーンカラーオプションも用意されています。また、乗員が車両に近づくと自動的に点灯するプードルランプも採用されています。このランプは、砂漠を走るパトロールのシルエットと「Since 1951」の文字を投影し、パトロールの長い歴史と伝統を表現するとともに、乗員を温かく迎え入れます。このように、新型パトロールのエクステリアデザインは、伝統的な強さと最新のテクノロジーを融合させ、グローバル市場で存在感を放つフルサイズSUVとしての地位を確立しています。

日産パトロールのボディサイズ

新型日産パトロールのサイズは、全長5,205mm、全幅2,030mm、全高1,955mm、ホイールベース3,075mmと現行モデルより大型化しました。

日産 パトロールのインテリアデザイン

新型パトロールのインテリアは、プレミアムな快適性と最先端のテクノロジーを融合させ、洗練された空間を創出しています。

インテリアの中心には、28.6インチの水平モノリスディスプレイが配置されています。このディスプレイは、14.3インチのツインディスプレイで構成され、ナビゲーション、エンターテインメント、車両情報を包括的に表示します。タッチスクリーン操作で直感的に使用でき、利便性と安全性を向上させています。リアシート乗員用には、12.8インチのデュアルスクリーンが用意されており、Miracast、HDMI、USBを介して自身のストリーミングデバイスを接続し、コンテンツの視聴やゲームを楽しむことができます。

新しく採用された高級感あふれるキルティングレザーシートは、日本の伝統的な木工芸「組子」からインスピレーションを得たデザインとなっています。フロントシートには8方向調整機能とマッサージ機能を搭載し、長時間のドライブでも快適な姿勢を保つことができます。さらに、1列目と2列目のシートにはNASA発の脊椎サポート技術が採用され、最適な姿勢を促進し疲労を軽減します。

64色のアンビエント照明システムを採用し、カスタマイズ可能なライブ背景と組み合わせることで、乗員の気分に合わせて車内の雰囲気を演出できます。一部のグレードでは、12スピーカーのKlipschプレミアムオーディオシステムを搭載しています。DynamicAudioReveal™技術により、環境条件に応じて音質を自動調整し、常に最適なサウンドを提供します。

セグメント初となるバイオメトリック冷却技術を採用し、外部温度に関係なく最適な快適性を維持します。一部のグレードでは、赤外線センサーを使用して1列目と2列目の乗員の体温を検知し、自動的に空調設定を調整する革新的なシステムを搭載しています。2列目と3列目の広々とした空間は、家族や大人数のグループに最適です。EZ flexシートにより、チャイルドシートを取り外すことなく3列目へのアクセスが容易になりました。また、3列目シートの電動格納・復帰機能により、モノリスディスプレイのタッチ操作で柔軟な収納ソリューションを提供します。

新設計のフレームにより動的ねじり剛性が向上し、車両の振動が低減されています。さらに、防音ガラスの採用や高品質な素材の使用により、より静かで落ち着いた走行環境を実現しています。

日産 パトロールの走行性能

新型パトロールは、パワフルな性能と洗練された走行性能を両立させ、オンロードでもオフロードでも卓越した走りを実現しています。

新型パトロールには、2種類のエンジンが用意されています。

  1. 新開発の3.5リッターV6ツインターボエンジン
    • 最高出力: 425馬力
    • 最大トルク: 700Nm
    • 従来のV8エンジンと比較して、出力が7%、トルクが25%向上
    • 燃費も24%改善
  2. 3.8リッター自然吸気V6エンジン
    • 最高出力: 316馬力
    • 最大トルク: 386Nm

新型9速オートマチックトランスミッションを採用し、スムーズな加速と効率的な動力伝達を実現しています。ステアリングホイールに装備されたパドルシフターにより、ドライバーは手動でギアチェンジを楽しむこともできます。

新型パトロールは、アダプティブエアサスペンションシステムを標準装備しています。これにより、車高の調整が可能となり、オンロードでの快適な巡航性能とオフロードでの優れた走破性を両立しています。また、空力性能の向上や乗降性の向上、荷物の積み下ろしの容易さにも貢献しています。

走行条件に応じてダンパー設定を自動調整するeダンパー技術を採用し、より制御された快適な乗り心地を実現しています。

6つの異なるドライブモードを用意し、様々な走行シーンに対応します。

  • スタンダード
  • サンド(砂地)
  • ロック(岩場)
  • マッド(泥濘)
  • エコ
  • スポーツ

これらのモードを切り替えることで、路面状況や運転スタイルに合わせた最適な走行性能を引き出すことができます。

日産車として初めて採用された4WDトランスファーモードインターロックシステムにより、様々な地形での直感的な操作が可能になりました。ドライバーはモードを簡単に切り替えることができ、困難な地形でも容易に走破することができます。

日産 パトロールの安全性能・運転支援機能

新型パトロールは、最新の安全技術と運転支援システムを搭載し、乗員の安全性と快適性を高めています。パトロールには、Nissan Safety Shield 360と呼ばれる包括的な安全技術パッケージが搭載されています。これには以下の機能が含まれます:

  • アダプティブクルーズコントロール
  • 自動緊急ブレーキ
  • 歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキ
  • ブラインドスポット警報
  • レーンキープアシスト
  • リアクロストラフィックアラート
  • タイヤ空気圧モニタリングシステム

また、新型パトロールにはプロパイロット(ProPILOT)システムが導入されました。このシステムは、アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援を組み合わせたもので、高速道路や渋滞時の運転をサポートします。ナビゲーションデータを活用して、カーブやインターチェンジに応じて車速を自動調整する機能も備えています。

日産 パトロールの価格

新型日産パトロールの価格は、約940万円(65,000ドル)からとなっています。

日産 パトロールの発売時期

新型日産パトロールは、2024年11月1日からアラブ首長国連邦、サウジアラビア、および中東地域で販売が開始される予定です。

日産 パトロールは日本で発売される?

現時点で、新型日産パトロールの日本での発売に関する公式発表はありません。日本では2007年に日産サファリの名で販売されていたパトロールの販売が終了して以来、パトロールは海外専売モデルとなっています。しかし、日本国内でのSUV人気の高まりや、トヨタ ランドクルーザーの好調な販売を受けて、日産パトロール(サファリ)の日本復活を望む声も上がっており、日本での再導入の可能性も完全には否定できません。

ちなみに、トヨタは海外専売モデルであったランドクルーザー250(旧ランドクルーザープラド)の兄弟者であるレクサスGXの日本導入を発表しています。

日産 パトロールの辛口評価

新型日産パトロールをあえて辛口で評価します。

まず、燃費性能については改善が見られるものの、依然として大排気量エンジンを搭載しているため、環境への配慮という点では十分とは言えません。3.5リッターV6ツインターボエンジンは425馬力を発揮しますが、同時に大量の燃料を消費します。

また、車体サイズが全長5,205mm、全幅2,030mm、全高1,955mmと非常に大きいため、都市部での取り回しや駐車に苦労する可能性があります。

インテリアデザインについては、最新のテクノロジーを採用しているものの、全体的な印象としては保守的で、より革新的なデザインを求める顧客層には物足りなさを感じさせる可能性があります。

価格設定も、約940万円からと高額であり、多くの消費者にとってはハードルが高いと言わざるを得ません。特に、同クラスの競合車と比較した際に、この価格に見合う付加価値を十分に提供できているかは疑問が残ります。

日産 パトロールのライバル車

新型日産パトロールの主要なライバル車として、以下の車種が挙げられます。

  1. トヨタ ランドクルーザー
    • パトロールの最大のライバル。信頼性と耐久性で定評があり、オフロード性能も高い。
    • 新型300系は、パトロールと同様に高級感と最新技術を備えている。
  2. レクサス LX
    • トヨタの高級ブランドであるレクサスのフラッグシップSUV。
    • より洗練されたデザインと高級感で、富裕層をターゲットにしている。
  3. ランドローバー ディフェンダー
    • 伝統的なオフロード性能と現代的なデザインを融合させたモデル。
    • 欧州車ならではの高級感と洗練されたイメージが特徴。
  4. フォード エクスペディション
    • アメリカ市場で人気の大型SUV。
    • 広々とした室内空間と快適性が魅力。
  5. シボレー タホ
    • アメリカンSUVの代表格。
    • 大型エンジンと豪快な走りが特徴。

やはりトヨタ ランクルがパトロールの最大のライバルと言えます。今回のフルモデルチェンジでランクルの牙城をどこまで崩せるかが見どころになるでしょう。

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