CES 2024でホンダは新たなEVの方向性を示しました。まさに自動車業界が次のフェーズへと進化する中で、Hondaが新たな一歩を踏み出した形となりました。
ホンダは電気自動車の「ホンダe(Honda e)」を販売していましたが、2024年1月に生産終了することを発表していました。ホンダのEV戦略に新たな動きが想定されていましたが、今回発表されたのが「Honda 0(ホンダ ゼロ)」シリーズです。ホンダの新たなEVシリーズであり、革新的なEVを予感させます。

コンセプトカーとして「Honda 0 SALOON(サルーン)」と「Honda 0 SPACE-HUB(スペースハブ)」が同時発表されました。この記事ではHonda 0 シリーズのコンセプトとサルーンについて徹底解説していきます。
ホンダ イー(Honda e)の販売・生産終了については以下の記事で詳細を解説しています。
車の概要:Honda 0 サルーンとは?
Honda 0 サルーンは、2024年1月10日米国ラスベガスで開催しているCES 2024にてホンダが発表した革新的な電気自動車(EV)であり、ホンダEVの未来のビジョンを体現しています。Honda 0 シリーズは2026年に市場へ投入される予定です。まずは北米市場へ展開し、グローバルで展開される予定です。Honda 0シリーズのフラッグシップとなるモデルであり、斬新なデザインやEV開発コンセプトが特徴的です。
この車は、自由度が高く効率的なEV専用プラットフォームをベースにしており、低くて流線型のボディが特徴です。また高い空力性能とHondaの先進的な電動化技術によって、優れた走行性能を実現します。
ちなみにサルーンとはセダンの意味です。主にヨーロッパではセダンをサルーンと呼びます。
Honda 0 SALOON コンセプトムービー
Honda 0シリーズの開発コンセプト
Honda 0シリーズは開発アプローチとして3つのキーワードと、5つのコアバリューが設定されています。
まず、ホンダの開発チームはHonda 0シリーズの開発にあたり、「これからの時代にHondaが創りたいEVとは何か」を原点から見つめ直すことから始めました。その結果たどり着いたのは、バッテリー量の増加やプラットフォーム大型化などによる厚くて重いEVという制約から解放され、新たなEVの価値を創造することを目指すことでした。そこでEV開発アプローチを「Thin, Light, and Wise(薄い、軽い、賢い)」と規定しました。そしてそのアプローチをもとに5つのコアバリューを設定しました。

Thin, Light, and Wise アプローチ
- Thin(薄い): Honda 0 シリーズは、フロア高を低く抑えたEV専用プラットフォームを採用しています。これにより、低全高のスタイリッシュなデザインと高い空力性能を実現。デザインの自由度を高め、EVの新たな可能性を拡大。
- Light(軽い): 独自技術による軽量化を追求し、従来のEVに見られた重厚なイメージを払拭。軽快な走りと優れた電費性能を実現し、運転の楽しさと効率を両立。
- Wise(賢い): 進化した知能化技術に基づき、Honda独自のソフトウェアデファインドモビリティを実現。車両が賢く機能し、より快適で安全な運転体験を提供。
5つのコアバリュー
- 共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン: 「The Art of Resonance(ジ アート オブ レゾナンス)」というデザインコンセプトに基づき、環境、社会、ユーザーとの共鳴をテーマにしたデザインを採用。見る者に共鳴を呼び起こし、新しい生活の可能性を提供するサステナブルなモビリティを目指しています。
- 安全・安心のAD/ADAS: 自動運転レベル3(条件付自動運転車:限定領域)に対応した「Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)」技術を活用。AIや先進的なセンシング技術による高精度な危険予測で、安全・安心な自動運転の実現を目指しています。
- IoT・コネクテッドによる新たな空間価値: Honda独自のビークルOSとIoT・コネクテッド技術を軸に、車内外での新しい接続性を提供。AIとビッグデータを活用し、ユーザーの好みや行動傾向に合わせたカスタマイズされた提案を行います。
- 人車一体の操る喜び: 電動化技術とダイナミクス技術を組み合わせ、軽快で心地よいドライビング体験を提供。モータースポーツで培った空力技術を活用し、性能とデザインの高次元での融合を実現します。
- 高い電費性能: 電動化技術に基づくエネルギー効率の追求と、高性能なバッテリー技術の採用。長い航続距離と最小限のバッテリー劣化を目指し、安心で持続可能なEVの普及をサポートします。
これらのアプローチとコアバリューは、Honda 0 シリーズを通じてEVの未来像を形成し、ユーザーに新しい価値と体験を提供することを目指しています。Honda 0 サルーンは、これらの要素を結集させたモデルとして、革新的なEVの地平を切り開いています。

Honda 0 サルーンのデザインと技術
Honda 0 シリーズの「SALOON」モデルの詳細について説明します。
Honda 0 サルーンのデザインとスタイル
Honda 0 SALOONは、スタイリッシュで斬新な薄型セダンです。低全高でスポーティなスタイルと、流線型のボディラインにより、未来的なデザインとなっています。同時に優れた空力性能を実現しています。ドアはガルウイングが採用されています。車体は、シンプルかつモダンなデザイン言語を採用し、未来的な雰囲気を醸し出しています。

インテリアは、意外と広い室内空間となっています。インパネはシンプルで直感的な操作が可能なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を採用。洗練されたシームレスなUI(ユーザー・インターフェース)を実現しています。またエクステリアインテリアともにサステナブルマテリアルが使用され、環境との共生も目指したモデルです。

Honda 0 サルーンの性能と技術
Honda 0 SALOONは、軽量で効率的なEV専用プラットフォームを採用しています。これにより、軽快な走りと優れた電費性能を実現し、運転の楽しさと効率性を両立させています。さらに、ステア・バイ・ワイヤの採用や、ホンダ独自のロボティクス技術で培った姿勢制御などのモーションマネジメントシステムが活用されます。これにより様々な走行シーンでドライバーの思い通りのコントロールができるような走行性能を目指しています。
Honda 0 サルーンの安全性と快適性
Honda 0 SALOONには、最先端の安全技術と運転支援システムが搭載されています。これには、自動運転技術、先進的なセンシング技術、およびHonda SENSING Eliteの機能が含まれています。また、Honda独自のソフトウェアデファインドモビリティにより、車両が賢く機能し、快適で安全な運転体験を追求します。

ホンダの新Hマークエンブレム
ホンダのロゴであるHマークは、1981年に改訂されたものが現在使用されています。Honda 0シリーズは新たなHマークを採用しました。これはホンダがHonda 0シリーズをはじめとする次世代EVに対する強い意志や決意が表れていると言えます。
新Hマークエンブレムのデザインと意味
この新しいHマークエンブレムは、従来のHondaのHマークをベースに、より現代的かつ洗練されたデザインが施されています。このデザインは、二つの手が広げられた形を象徴しており、Hondaが移動の可能性を拡げ、顧客のニーズに応え続けるというコミットメントを表現しています。この新しいエンブレムは、Hondaの電気自動車が新しい時代の移動手段としての地位を築くという企業の決意を示しています。

新Hマークエンブレムの意義
このエンブレムの導入は、Hondaが電気自動車の分野で大きなステップを踏み出していることを象徴しています。新しいHマークは、Hondaの歴史と伝統を継承しつつ、未来志向のイノベーションと変革への取り組みを表しています。これは、Hondaが電気自動車市場において、環境に配慮した持続可能な技術と解決策を推進していくことの象徴でもあります。
新エンブレムの展開
この新しいHマークエンブレムは、Honda 0 シリーズをはじめ、今後登場するHondaの電気自動車に採用される予定です。このエンブレムは、これらの車両が提供する新しい価値と体験を象徴し、Hondaの電気自動車がもたらす新しい時代の幕開けを告げる重要な役割を担っています。
Honda 0 サルーンは日本で発売される?
Honda 0シリーズは日本での発売について公表していませんが、グローバル展開予定としていることから日本でも発売されることが想定されます。

まとめ
ホンダにとって2024年はEV戦略における重要な転換点となりました。2024年1月にはHonda eの生産終了となり、また同月ホンダの新たなEVブランドとなるHonda 0シリーズが発表されました。
ホンダ0シリーズは現在のEVトレンドである厚くて重い、高性能化、長い航続距離などに対してある種逆張りの発想で開発されました。この革新的なアプローチによって、EVの幅広い普及につながる可能性を秘めています。
またデザインも斬新で、このデザインがどこまで受け入れられるかは未知数ですが、ホンダの挑戦的な姿勢が伺えます。
Honda 0シリーズの市販化は2026年と少し先ですが、楽しみにしたいモデルの一つですね。

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