2000GT、LFAに続く”トヨタの魂”がついにベールを脱いだ!
2025年12月5日、TOYOTA GAZOO Racingは新型車「トヨタ GR GT」および「GR GT3」を世界初公開しました 。「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を深化させ、”公道を走るレーシングカー”として開発されたこのモデルは、マスタードライバーの「モリゾウ」こと豊田章男会長を中心に、プロドライバーやエンジニアがワンチームで開発を進めてきた渾身の一台です 。
新開発の4L V8ツインターボと1モーターハイブリッドシステムを搭載し、システム最高出力650ps以上、最大トルク850Nm以上という圧倒的なパフォーマンスを実現します 。「低重心」「軽量・高剛性」「空力性能の追求」という3つのキー要素を軸に、走りを極めたスポーツカーの誕生です 。

最新情報:トヨタ GR GTが東京オートサロン2026でも出展されます。詳しくは以下の記事で紹介しています。
車の概要:トヨタ GR GTとは?
トヨタ GR GTは、1967年発売の「TOYOTA 2000GT」、2010年発売の「Lexus LFA」に続く、TOYOTA GAZOO Racingのフラッグシップスポーツカーとして位置づけられています 。これらの名車はいずれも、トヨタが各時代の技術の粋を集めて限定生産した特別なモデルでした 。
特にレクサス LFAは、2010年12月から2012年12月にかけて世界500台限定で生産・販売されたスーパーカーで、V型10気筒エンジンを搭載していました 。今回のトヨタ GR GTは、このLFAの開発に携わったベテランから若手への技能・技術伝承を行いながら、「トヨタの式年遷宮」として”クルマづくりの秘伝のタレ”を次世代に伝えることも開発の狙いのひとつとされています 。
GR GT3についても、2022年の東京オートサロンで「GR GT3 Concept」として初公開されて以来、その市販化に注目が集まっていました 。市販車をベースとするカスタマーモータースポーツのトップカテゴリーであるFIA GT3規格に準拠したレーシングカーとして、「勝ちたい人に選ばれるクルマ」を目指して開発されています 。

トヨタ GR GTのエクステリアデザイン
トヨタ GR GTのエクステリアは「空力ファースト」をコンセプトに開発されました 。通常の市販車開発ではデザインを決めてから空力性能を検討しますが、GR GTはこの順序を逆転させる革新的な手法が採用されています 。
FIA世界耐久選手権(WEC)の参戦車両を手掛けた空力エンジニアとエクステリアデザイナーが議論を重ね、「空力モデル」と呼ぶ理想のフォルムをまず作成 。その上で量産化を見据えたデザインを決定していくというプロセスで生み出されました 。最高速度320km/h以上を誇るこのモデルにおいて、空力・冷却性能を追求するデザインは最重要課題のひとつです 。



トヨタ GR GTのボディサイズは、全長4,785mm、全幅2,050mm、全高1,195mmです 。




トヨタ GR GTのインテリアデザイン
トヨタ GR GTのインテリアは「ドライビングポジションと視界の最重視」を設計思想としています 。プロドライバーやジェントルマンドライバーとともに、サーキットユースとデイリーユースを両立する最適なデザインを追求しました 。

人間工学の視点からベストなドライビングポジションを導き出す中で、開発チームは「守られ感」の重要性を再認識したといいます 。運転に関わるスイッチ類はステアリング付近に配置され、直感的に押しやすい位置と形状にこだわっています 。

メーター表示についても、サーキット走行時でも視認できるよう、シフトアップインジケーターやシフトポジションの情報表示における幅・高さ・位置を試行錯誤しながら作り込まれました 。限界走行を支える視界と、日常使いの快適性を両立させた、妥協なきインテリアとなっています 。



トヨタ GR GTの走行性能
トヨタ GR GTには、トヨタ自動車として初めて市販車に搭載される4L V8ツインターボエンジンが採用されています 。「徹底的に小さく、軽く」を設計思想に、ボア87.5mm×ストローク83.1mmのショートストローク設計でエンジン全高を低減 。バンク内に2つのターボを配置したホットV形式と、ドライサンプシステムの採用により、低重心化を実現しています 。
低重心パッケージ
GR GTの開発では、徹底した低重心化を目指し、全高とドライバーの位置を極限まで下げることからスタートしています 。ドライサンプ方式を採用した4L V8ツインターボエンジンや、リヤに搭載したトランスアクスルのほか、ユニット類の最適配置によって、重量物の重心位置を大幅に引き下げました 。
特筆すべきは、ドライバーとクルマの重心をほぼ同じ位置に設定している点です 。これはクルマとドライバーの一体感と扱いやすさを高めるために、理想的なドライビングポジションを追求した結果として生まれました 。駆動用バッテリーや燃料タンクといった重量物の最適配置によって、前後重量配分は前45:後55を実現しています 。

駆動方式とパワートレーン
駆動方式は限界領域での扱いやすさを考慮し、FR(後輪駆動)を採用しています 。エンジンが生み出した動力は、CFRP製トルクチューブを介してリヤのトランスアクスルへと伝達されます 。このトランスアクスルにはモータージェネレーター、トルクコンバーターを廃した「WSC(ウェット・スタート・クラッチ)」を使った新開発8速AT、機械式LSDが一体化されており、動力をタイヤまでダイレクトに出力しています 。
サスペンションとブレーキ
サスペンションは前後ともに新設計のアルミ鍛造アームを使用したローマウントのダブルウィッシュボーン式を採用 。日常使いから限界域までリニアなレスポンスと高いコントロール性にこだわって開発されました 。
ブレーキにはBrembo社製カーボンディスクを搭載し、ブレーキを使った車両挙動の制御もプロドライバーとともに作り込まれています 。VSCは駆動力とブレーキ制御を多段階で調整可能で、運転技量や走行時の天候に応じて車両コントロールの難易度を自ら選択できます 。これはニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車にも採用されており、モータースポーツ参戦によって鍛えられた技術のひとつです 。
タイヤはMICHELIN社のPILOT SPORT CUP2をGR GT専用開発で装着しています 。開発初期からプロドライバーとともにシミュレーターを活用し、実車の走り込みとシミュレーター評価をアジャイルに行うことで、サーキットやワインディングロードなど一般道でもクルマと対話できる最適な性能を目指しています 。



トヨタ GR GTの価格
トヨタ GR GTの正式価格はまだ発表されていませんが、複数の自動車メディアでは3,000万円超と予想されています 。限定生産による希少性と、レーシングカーからの技術転用を考慮した価格設定になると見られています 。
かつてのレクサス LFAは販売当時3,750万円で500台限定で販売されており、同様のフラッグシップポジションとなるGR GTも同等以上の価格帯になる可能性があります 。正式な価格については、開発が進み次第、随時情報が公開される予定です 。

トヨタ GR GTの発売時期
トヨタ GR GTは2027年頃の発売を目指して開発が進められています 。2025年12月5日に開発中のプロトタイプ車両が世界初公開され、今後詳細については準備ができ次第、随時情報が公開される予定です 。
また、2026年1月9日から11日に開催される東京オートサロン2026での正式発表も予定されているとの情報があります 。GR GT3についても、2027年頃の発売を目指して同時並行で開発が進んでいます 。
トヨタ GR GTの日本発売について
トヨタ GR GTは日本での発売が予定されています 。東京オートサロン2026での正式発表が予定されていることからも、日本市場を重視した展開が見込まれます 。
富士スピードウェイやトヨタテクニカルセンター下山など国内のテストコースでの走り込みに加え、ニュルブルクリンクなど世界中のサーキットで走行性能や耐久性能を確認しています 。日本での公道テストも行われており、日常使いにおいても高揚感と扱いやすさ、安心感を提供できるよう作り込まれています 。

トヨタ GR GTの辛口評価
トヨタ GR GTをあえて辛口で評価します。
まず、予想価格3,000万円超という価格帯は、一般ユーザーには手が届きにくい存在となります 。限定生産が予定されていることもあり、富裕層や特別な顧客向けのモデルとなる可能性が高いでしょう。
また、システム最高出力650ps以上というハイパワーは、一般道での日常使いにおいてはオーバースペックと言わざるを得ません 。サーキット走行を想定した性能設計のため、そのポテンシャルを発揮できる場面は限られます。さらに、全幅2,050mmという大きなボディサイズは、日本の狭い道路や駐車場では取り回しに苦労する可能性があります 。
トヨタ GR GTのライバル車
トヨタ GR GTのライバルとなるのは、世界のトップブランドが手掛けるスーパースポーツカーです 。
- 日産 GT-R:日本を代表するスーパースポーツで、次期型は2027年に登場が予想されています
- レクサス LFAコンセプト:同日に発表されたLFAの後継EVコンセプト
- ポルシェ 911 GT3:FIA GT3規格のベースモデルとして定評あるライバル
- メルセデス-AMG GT:ドイツの高性能スポーツカー
- BMW Mシリーズ、アウディ R8などの欧州プレミアムスポーツ
トヨタ GR GTの主要スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 全長 | 4,785mm |
| 全幅 | 2,050mm |
| 全高 | 1,195mm(GR GT3) |
| ホイールベース | 2,725mm |
| 車両重量 | 1,750kg以下(GR GT3) |
| 前後重量配分 | 前45:後55 |
| エンジン | 4L V8ツインターボ |
| モーター | トランスアクスル内蔵1モーターハイブリッド |
| システム最高出力 | 650ps以上 |
| システム最大トルク | 850Nm以上 |
| 変速機 | 新開発8速AT |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) |
| サスペンション | 前後ダブルウィッシュボーン式 |
| ブレーキ | カーボンセラミック・ディスクブレーキ |
| タイヤサイズ | 前265/35ZR20、後325/30ZR20 |
| 最高速度 | 320km/h以上 |
| 骨格 | オールアルミニウム骨格 |
| 乗車定員 | 2名 |
まとめ
トヨタ GR GTは、TOYOTA 2000GT、レクサス LFAの系譜を継ぐTOYOTA GAZOO Racingのフラッグシップスポーツカーとして、2025年12月5日に世界初公開されました 。豊田章男会長を中心にプロドライバーとエンジニアがワンチームで開発を進め、新開発の4L V8ツインターボハイブリッドシステムによる650ps以上の出力と、トヨタ初のオールアルミニウム骨格を採用した革新的な一台です 。2027年頃の発売に向けて開発が進められており、東京オートサロン2026での続報が期待されます 。
最新情報:トヨタ GR GTが東京オートサロン2026でも出展されます。詳しくは以下の記事で紹介しています。




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