トヨタGR86一部改良:限定200台特別仕様車も登場 価格294万円

トヨタは2024年7月12日、スポーツカー トヨタ GR86の一部改良モデルと台数限定特別仕様車を発表しました。8月1日より発売される一部改良モデルでは、「GRらしい走りの味」がさらに磨き上げられ、走行性能が向上しています。また、特別仕様車「GR 86 RZ “Ridge Green Limited”」も200台限定で販売されることが発表されました。

車の概要:トヨタ GR86とは?

トヨタ GR86は、2012年に発売された初代トヨタ86の後継モデルとして2021年に登場したスポーツカーです。スバルとの共同開発により誕生し、「ドライバーの意のままに操れる”手の内感”」や「限界域でのリニアな応答、キビキビした走り」といった特徴を持つ車両として、人気のスポーツクーペとなりました。

今回の一部改良では、様々なモータースポーツ参戦から得られた知見を活かし、アブソーバー減衰特性やEPS制御の改良、スロットル特性の変更(MT車)、ダウンシフト操作時における許容領域の拡大(AT車)などが施されています。これにより、接地感や操舵レスポンス、リニア感が向上し、より一層「GRらしい走りの味」が深化しました。特別仕様車「RZ “Ridge Green Limited”」は、新たに追加されたリッジグリーンの外板色や専用ブロンズホイール、インテリアの専用刺繍など、独自の装備を施した限定モデルとなっています。トヨタは今後もモータースポーツを起点としたさらなる進化を続け、ドライバーの期待に応える高性能スポーツカーの開発に取り組んでいくとしています。

トヨタ GR86のエクステリアデザイン

トヨタGR86のエクステリアデザインは、スポーツカーとしての機能美と洗練された外観を両立させています。フロントフェイスは、ワイドで低重心な印象を与える大型のグリルが特徴的です。このグリルは単なるデザイン要素ではなく、エンジンの冷却効率を高める機能的な役割も果たしています。ヘッドライトは、シャープな切れ込みを入れたようなデザインで、スポーティさと先進性を表現しています。また、今回の改良で新たにデイタイムランニングライトが追加され、昼間の視認性向上と同時に、より精悍な表情を演出しています。

サイドビューでは、なだらかに流れるルーフラインが特徴的です。このラインは、空力性能の向上に寄与するとともに、クーペらしい優美さを表現しています。フェンダーアーチは適度に張り出し、ワイドトレッドを強調することで、安定感のある佇まいを演出しています。

リアデザインは、幅広のリアフェンダーとシャープなリアコンビネーションランプが印象的です。トランクリッドには控えめなリアスポイラーが装着され、高速走行時の安定性向上に貢献しています。デュアルエキゾーストパイプは、スポーツカーとしての性能を視覚的に表現しています。

特別仕様車「RZ “Ridge Green Limited”」では、新色のリッジグリーンが外板色として採用されています。この深みのあるグリーンは、スポーツカーの持つダイナミズムと洗練された雰囲気を巧みに表現しています。さらに、専用のブロンズ塗装を施した18インチアルミホイールが装着され、エクステリアに特別感を与えています。

トヨタGR86のボディサイズ

トヨタGR86のサイズは、全長4,265mm、全幅1,775mm、全高1,310mmです。

トヨタ GR86のインテリアデザイン

トヨタGR86のインテリアデザインは、スポーツカーとしての機能性と快適性を高次元で両立させています。ダッシュボードは、ドライバーに向かって緩やかに傾斜しており、運転に必要な情報や操作系統へのアクセスを容易にしています。中央には8インチのタッチスクリーンディスプレイが配置され、インフォテインメントシステムの操作が直感的に行えるようになっています。

ステアリングホイールは、グリップ感に優れた本革巻きで、スポーティな3本スポークデザインを採用しています。ステアリングには、オーディオコントロールやクルーズコントロールなどの操作スイッチが適切に配置され、運転中の操作性を向上させています。

メーターパネルは、高解像度の7インチTFTディスプレイを採用し、走行モードに応じて表示内容が変化する先進的なデザインとなっています。スポーツ走行時には、タコメーターが中央に大きく表示され、エンジン回転数を瞬時に把握できるようになっています。

シートは、ホールド性に優れたバケットタイプを採用し、コーナリング時の体のブレを抑えつつ、長距離ドライブでも疲れにくい設計となっています。RZグレードでは、ウルトラスエード®と本革のコンビネーションシートを採用し、高級感と機能性を両立させています。

特別仕様車「RZ “Ridge Green Limited”」では、インテリアにも特別な装備が施されています。シート表皮には、ブラックパーフォレーションにタンアクセントを施したウルトラスエード®を採用し、スポーティさと上質感を演出しています。さらに、ドアトリムの運転席・助手席ショルダーパッド部には特別仕様車専用の刺繍が施され、特別感を高めています。センターコンソールには、キャストブラック塗装が施されたダイヤル式ヒータースイッチとピアノタッチスイッチが配置され、操作性と視認性を向上させています。また、VSC OFFスイッチや走行制御モードスイッチ、TRACKスイッチなどもブラックで統一され、スポーティな雰囲気を醸し出しています。ステアリングホイール、シフトブーツ、パーキングブレーキレバー&ブーツ、フロントシート、ドアアームレストには、タンカラーのステッチが施され、インテリア全体に統一感と高級感をもたらしています。

トヨタ GR86の走行性能

トヨタGR86の2024年モデルでは、「GRらしい走りの味」をさらに深化させるべく、走行性能に関する様々な改良が施されました。これらの改良は、モータースポーツでの経験を活かし、プロドライバーからのフィードバックを反映させたものとなっています。

まず、アブソーバーの減衰特性が見直され、スポーツカーらしいダイレクトなハンドリングレスポンスを維持しつつ、タイヤの接地感が向上しました。これにより、ドライバーはより路面の状況を感じ取りやすくなり、コーナリング時の安定性が増しています。

また、EPS(電動パワーステアリング)の特性が改良され、「ドライバーと対話できるクルマ」を目指した調整が行われました。具体的には、俊敏なレスポンスと操舵安定性の両立が図られ、特に限界域でのステアリングフィールが向上しています。これにより、高速コーナリングや緊急回避時などでも、より正確なハンドル操作が可能になりました。

MT車では、モータースポーツで求められるブリッピング操作のしやすさに着目し、エンジントルク制御が変更されました。アクセル操作に対してよりダイレクトなレスポンスが得られるスロットル制御を採用したことで、限界域での扱いやすさが向上しています。これにより、サーキット走行などでのより精緻な車両コントロールが可能になりました。

AT車では、モータースポーツに参戦するユーザーの要望に応え、ダウンシフト操作時におけるエンジン回転数の許容領域が拡大されました。これにより、より広いトルクバンドを活用したスポーツ走行が楽しめるようになり、AT車でもよりダイナミックな走りが可能になっています。

GR86の特徴である軽量・高剛性ボディは引き続き採用されています。車体の横曲げ、ねじり剛性が向上していることで、高速コーナーにおける軽快なハンドリングと安定した走行性を実現しています。

GR86は引き続き2.4L水平対向4気筒エンジンを搭載しており、最高出力235PS、最大トルク250Nmを発揮します。このエンジンは、幅広い速度域で軽やかに反応し、高回転域までストレスなく伸びるフィーリングを提供します。これらの改良により、GR86は「走る楽しさ」をさらに追求し、ドライバーの意のままに操れる「手の内感」と、限界域でのリニアな応答、キビキビとした走りを実現しています。モータースポーツからフィードバックを得た改良は、日常走行からサーキット走行まで、幅広いシーンでドライバーの期待に応える走行性能を提供しています。

トヨタ GR86の安全性能・運転支援機能

トヨタGR86には、安全性を高めるいくつかの新機能が追加されました。その中でも特筆すべきは、タイヤ空気圧警報システムの標準装備です。このシステムは、タイヤの空気圧が適正値から外れた場合にドライバーに警告を発し、安全性と燃費性能の維持に貢献します。

さらに、ブレーキシステムにおいては、RZグレードにbrembo製ベンチレーテッドディスクブレーキがメーカーオプションとして用意されています。これにより、高速走行時やスポーツ走行時の制動性能が向上し、より安全な走りをサポートします。

トヨタ GR86の価格

新型トヨタGR86の価格は294万円からです。

<トヨタGR86のグレード別価格表>

  • トヨタGR86 RC(MT): 2,936,000円
  • トヨタGR86 SZ(MT): 3,195,000円
  • トヨタGR86 SZ(AT): 3,293,000円
  • トヨタGR86 RZ(MT): 3,518,000円
  • トヨタGR86 RZ(AT): 3,616,000円

特別仕様車「トヨタGR86 RZ “Ridge Green Limited”」の価格は390万円からです。

  • トヨタGR86 MT: 3,897,000円
  • トヨタGR86 AT: 3,995,000円

トヨタ GR86の発売時期

トヨタ GR86の一部改良モデルは、2024年8月1日より発売されます。注文受付は2024年7月12日から全国のトヨタ車両販売店で開始されています。特別仕様車「RZ “Ridge Green Limited”」については、抽選受付が2024年7月12日から7月28日まで行われ、2024年10月頃より200台限定で販売される予定です。

トヨタ GR86の辛口評価

トヨタGR86をあえて辛口で評価します。

  1. 乗り心地:スポーツカーならではの乗り心地で、純正の足回りでも乗り心地が硬いと感じる可能性があります。ただし、これは慣れによって解消される傾向にあります。
  2. 価格帯:性能と価格のバランスは良好ですが、同クラスの他車種と比較すると若干割高感があると感じられるかもしれません。
  3. 後席の実用性:2+2シーターの設計ですが、後席の居住性は極めて限られており、実質的には荷物置き場程度の使用に留まります。

トヨタ GR86のライバル車

GR86の主なライバル車として、以下の車種が挙げられます

  1. スバル BRZ:
    • GR86と共同開発された兄弟車で、基本設計はほぼ同一です。
    • 価格帯:332万円から。
    • 細部のチューニングや内装デザインに違いがあり、好みで選択されることが多いです。
  2. マツダ ロードスター:
    • 軽量・コンパクトな2シーターオープンスポーツカーで、ドライビングの楽しさを追求している点で共通しています。
    • 価格帯はGR86とほぼ同等ですが、オープンカーという点で差別化されています。
  3. BMW 2シリーズ クーペ:
    • よりプレミアムな価格帯に位置するFRスポーツクーペです。
    • 高級感や洗練された走行性能で、GR86とは異なるアプローチを取っています。

兄弟モデル スバル BRZについて

2024年7月12日、兄弟モデルのスバルBRZも一部改良モデルが発表されました。

スバルBRZについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

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