マツダの北米部門は2024年7月9日、クロスオーバーSUV CX-50の2025年モデルを米国で発表しました。今回の発表で最も注目すべき点は、新たにトヨタ製ハイブリッドシステムを搭載したHVモデルが追加されたことです。
車の概要:マツダ CX-50とは?
マツダCX-50は、2021年11月に北米市場向けに発表された比較的新しいクロスオーバーSUVモデルです。CX-5よりもひと回り大きく、よりワイドで低いスタイリッシュなデザインが特徴です。2022年春から北米で販売が開始され、アラバマ州ハンツビルにあるマツダとトヨタの合弁工場で生産されています。

CX-50は当初、2.5リッターの自然吸気エンジンと2.5リッターターボエンジンの2種類のガソリンエンジンラインナップでスタートしました。マツダの「魂動デザイン」哲学を踏襲しつつ、北米市場特有のアウトドア志向に応えるべく、オフロード性能を強化したモデルとして位置づけられています。
2025年モデルでは、これらのガソリンエンジンモデルに加え、トヨタ製のハイブリッドシステム(THS)を採用したハイブリッドモデルが新たにラインナップに加わりました。このハイブリッドモデルの追加により、CX-50は燃費性能と環境性能を大幅に向上させ、より幅広い顧客層にアピールする製品となりました。

マツダ CX-50のエクステリアデザイン
マツダCX-50のエクステリアデザインは、アウトドア志向の顧客ニーズに応える力強さと洗練さを兼ね備えています。フロントフェイスは、マツダの「魂動デザイン」哲学を踏襲しつつ、より力強さを強調しています。グリルの位置が高めに設定され、厚みのあるボンネットと相まって、SUVらしい存在感を醸し出しています。シグネチャーウィングと呼ばれるグリルの両端から伸びるクロームラインが、ヘッドライトと一体化することで、横方向への広がりを強調し、安定感のある印象を与えています。

サイドビューでは、長いボンネットと後方に下がったキャビンが特徴的です。これにより、ダイナミックで躍動感のあるプロポーションが生み出されています。また、大径のホイールとブラックのホイールアーチモールディングが、オフロード走行にも対応できる力強さを表現しています。
リアデザインは、幅広のリアコンビネーションランプが水平基調のデザインを強調し、安定感と力強さを演出しています。デュアルエキゾーストパイプは、スポーティな印象を与えています。

CX-50のエクステリアには、アウトドアでの使用を想定した実用的な要素も多く取り入れられています。標準装備の高強度ルーフレールは、キャリアの取り付けを容易にし、アウトドア用品の積載を可能にしています。また、マツダ車として初めて採用されたパノラマサンルーフは、開放感を高めるとともに、自然光を十分に取り入れることができます。2025年モデルのCX-50ハイブリッドは、通常のガソリンモデルとは異なる専用のデザイン要素を取り入れています。特徴的なのは、ユニークなホイールデザインと、フロントバンパーの異なるデザインです。これらの要素により、ハイブリッドモデルの先進性と環境性能を視覚的に表現しています。

ボディカラーには、マツダの特徴的なカラーであるソウルレッドクリスタルメタリックやマシーングレープレミアムメタリックなどが用意され、CX-50の洗練されたデザインをさらに引き立てています。
マツダ CX-50のボディサイズ
マツダ CX-50のサイズは、全長4,720mm、全幅1,900mm、全高1,610mmです。
マツダ CX-50のインテリアデザイン
マツダCX-50のインテリアデザインで、まず目を引くのは運転席の設計です。ドライバーズシートは、ステアリングホイールとペダルに対して対称的にバランスよく配置されています。これにより、運転時の姿勢が自然で快適になり、長時間のドライブでも疲労を軽減することができます。一部のトリムでは、クライミング用バックパックやハイキングブーツの靴紐からインスピレーションを得た耐久性の高い素材が使用されています。これらの素材は、アウトドア用品の機能性とラグジュアリーな質感を巧みに融合させています。

快適性を高める装備も充実しています。8ウェイパワーアジャスタブルドライバーズシート、3段階調整可能な前席シートヒーター、パワースライディングガラスムーンルーフなどが用意されています。特に、パノラミックムーンルーフは、車内に自然光を取り入れ、開放感を演出しています。

テクノロジー面では、10.25インチのフルカラーセンターディスプレイを採用し、HD Radio™やワイヤレスApple CarPlay、Android Autoとの統合、Mazda Connect™インフォテインメントシステムなどを搭載しています。また、Alexa Built-inの統合により、ハンズフリーでの音声コマンド操作が可能になりました。

カーゴスペースも使い勝手が良く設計されています。リアシート背面から荷室フロアまでシームレスな設計となっており、大型の荷物や自転車なども容易に積載できます。また、プログラム可能な電動リアリフトゲートを装備し、荷物の積み下ろしを容易にしています。
マツダ CX-50の走行性能
マツダCX-50の2025年モデルでは、3種類のパワートレインが用意され、それぞれに特徴的な走行性能を発揮します。まず、ベースとなる2.5リッターの自然吸気エンジンは、187馬力と185lb-ftのトルクを発生します。2025年モデルでは内部の改良により、燃費性能が向上し、市街地走行で25mpg、高速道路走行で31mpg、複合で28mpgを達成しています。これは前年モデルから各1mpgの向上となります。
次に、ターボチャージャー付きの2.5リッターエンジンは、プレミアムガソリン使用時に256馬力と320lb-ftのトルクを発揮します。このエンジンを搭載したCX-50は、0-60mph加速を6.4秒で達成し、クラス最速レベルの加速性能を誇ります。ターボモデルは、レギュラーガソリン使用時でも227馬力と310lb-ftのトルクを発生し、十分なパワーを維持します。

2025年モデルの目玉は新たに追加されたハイブリッドモデルです。トヨタハイブリッドシステム(THS)を採用し、2.5リッター自然吸気エンジンと電気モーターの組み合わせで、合計219馬力を発揮します。このハイブリッドシステムにより、EPA推定燃費は複合38mpgを達成し、同クラスのガソリンモデルと比較して約40%の燃費向上を実現しています。
CX-50の走行性能の特徴は、マツダ伝統の運動性能の高さにあります。レスポンシブなハンドリングと適度な重さのステアリングにより、運転の楽しさを提供します。ボディロールは抑えられており、カーブの多い道路でも安定した走行が可能です。全モデルに標準装備されるi-ACTIV AWDシステムとMi-Drive(マツダ・インテリジェント・ドライブ・セレクト)により、様々な路面状況に対応可能です。Mi-Driveには、スポーツモードとオフロードモードが用意され、一部のパッケージではトーイングモードも選択できます。牽引能力も十分で、ターボモデルは最大3,500ポンド(約1,588kg)、ハイブリッドモデルは1,500ポンド(約680kg)の牽引が可能です。

マツダ CX-50の安全性能・運転支援機能
マツダは2025年モデルのCX-50において、安全性能と運転支援機能を大幅に強化しています。i-ACTIVSENSEと呼ばれるマツダの先進安全技術群が、全グレードに標準装備されています。2025年モデルでは、以下の新機能が追加されました。
- リアシートアラート:後部座席に乗員や荷物が残されていないか確認を促す機能
- 車両退出警告:ドアを開ける際に接近車両や自転車を検知して警告する機能
- スマートブレーキサポートの改良版:夜間の歩行者検知機能と正面衝突軽減機能が追加
これらに加えて、従来から搭載されている以下の機能も引き続き標準装備されています。
- 歩行者検知機能付きスマートブレーキサポート
- ブラインドスポットモニタリング
- ドライバーアテンションアラート
- レーンデパーチャーワーニングシステム
- レーンキープアシスト
- リアクロストラフィックアラート
さらに、マツダレーダークルーズコントロール(MRCC)にストップ&ゴー機能が追加され、渋滞時の運転負荷軽減に貢献します。また、スピードリミットアシストと交通標識認識機能も新たに搭載され、ドライバーの状況認識をサポートします。CX-50 2.5ターボプレミアムプラスグレードでは、さらに高度な安全機能が追加されています。
- 360°ビューモニター(新機能のシースルービュー付き)
- フロント/リアパーキングセンサー
- エマージェンシーレーンキーピング(ブラインドスポットアシスト)
- フロントクロストラフィックアラート(新機能)
- リアスマートブレーキサポート

マツダ CX-50の価格
北米での2025年モデルのマツダCX-50の価格は約470万円(30,300ドル)からです。
マツダCX-50 ハイブリッドの価格は約530万円(33,970ドル)からです。
マツダ CX-50の発売時期
北米での2025年モデルのCX-50の発売時期は、2024年8月です。以下のようにパワートレインによって販売時期が異なります。
- 非ハイブリッドモデル:2024年8月より販売開始予定
- ハイブリッドモデル:2024年後半頃に販売開始予定
マツダ CX-50は日本で発売される?
マツダCX-50の日本での販売については、現在のところ予定はありません。CX-50は海外専売モデルです。ただ、並行輸入車としてCX-50を購入する方法があります。広島で並行輸入車の販売を行う「カーエース広島」が、CX-50の販売を行うと公式サイト上で発表しています。

マツダ CX-50の辛口評価
マツダCX-50をあえて辛口で評価します。
- 乗り心地:スポーティな走行性能を重視したため、特に20インチホイール装着車では乗り心地が硬めになっています。
- ロードノイズ:高速走行時に路面によってはロードノイズが目立つという指摘があります。
- アプリの使いづらさ:Mazda Connectアプリの動作が遅く、リモートスタート機能などが使いにくいという声があります。
- 内装の品質:一部モデルでは、前モデルのCX-5と比較して内装の仕上がりが劣るという指摘もあります。

マツダ CX-50のライバル車
マツダCX-50の主要なライバル車として、以下のモデルが挙げられます。
- トヨタRAV4:
- ホンダCR-V:
- スバル・フォレスター:
- 日産ローグ:
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