2024年4月、メルセデス・ベンツ日本はコンパクトSUVのEV専用モデルメルセデスベンツ EQA(Mercedes-Benz EQA)を発表し、全国の販売店で発売しました。日本で販売される新型EQAモデルは、EQA 250 +のみとなります。
車の概要:メルセデス・ベンツ EQAとは?
メルセデス・ベンツ EQAとはドイツの高級車メーカー メルセデス・ベンツのコンパクトクロスオーバーSUVの電気自動車専用モデルであり、EVのエントリーモデルです。EQAの車名のEQは、メルセデス・ベンツのEV向けEQブランドのモデルであることを意味します。初代EQAは2021年にEQCに次ぐEQブランド車第2弾として登場しました。そして2024年に初のマイナーチェンジを実施し、改良新型EQAが登場しました。EQAのプラットフォームは、メルセデス・ベンツの小型SUV GLAと共用しています。

新型EQAは、容量70.5kWhのバッテリーを搭載し、WLTCモードでの一充電走行距離を591kmまで延ばしました。この長い走行距離により、日常の使用において高い利便性を提供します。また、第2世代のMBUXを搭載し、最新のインフォテインメントシステムを採用しています。さらに、EQAは外部給電器としても利用可能です(ただし、給電機能を利用する際には別途充放電器が必要です)。
また、EQAはメルセデス・ベンツの特徴である高い安全性、操縦安定性、快適性、利便性、品質を高いレベルで実現しています。お客様が電気自動車を購入する際の不安を解消するための多くのサービスも用意されています。これにより、EQAは電気自動車として特別な意識を必要とせず、従来の生活スタイルを変えることなく使用できるよう設計されています。
新型「EQA」は、その優れた性能と使い勝手の良さで、多くの方々に新しい電気自動車の魅力を伝えることが期待されます。
メルセデス・ベンツ EQAのエクステリアデザイン
新型メルセデス・ベンツ EQAのデザインは、メルセデス・ベンツの基本デザイン思想「Sensual Purity(センシュアルピュリティ:官能的純粋)」をより先進的に表現する「プログレッシブ・ラグジュアリー」というコンセプトのもとに作り上げられています。
新型EQAのエクステリアデザインは、前後がショートオーバーハングで力強さがありつつも、曲線的でスタイリッシュなクーペライクデザインが魅力的。EV時代の新しいデザインと都市型SUVのプロポーションがうまく融合しています。

フロントビューでは、メルセデスのアイコンとも言える、立体的なスター パターンがあしらわれた新デザインのフロントグリルや新しいフロントバンパーがフレッシュな印象を与えます。
リアビューでは、新デザインのリアコンビネーションランプが先進的な印象です。
さらに、AMGラインパッケージ装着車では、ホイールアーチがブラックからボディ同色となり、よりシックで高級感のある印象に。エクステリアカラーには新色の「ハイテックシルバー」「スペクトラルブルー」「パタゴニアレッド」が追加され、選択の幅が広がりました。

メルセデス・ベンツ EQAのボディサイズ
新型EQAのサイズは、全長4,465mm、全幅1,835mm、全高1,610mmというコンパクトなサイズで、日本の道路にも適した小回りの効くサイズ感です。
メルセデス・ベンツ EQAのインテリアデザイン
新型メルセデス・ベンツ EQAのインテリアには、新世代のステアリングホイールが採用されています。このステアリングホイールは、ナビゲーションやインストルメントクラスター内の各種設定、ドライビングアシスタンスパッケージの設定を手元で完結できる機能性を備えています。また、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック使用時のハンズオフ検知機能のために、リムに静電容量式センサーを備えたパッドが組み込まれています。これにより、ステアリングホイールにかかるトルクがなくても、ドライバーがハンドルを握っていることが認識され、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックの使い勝手が向上しました。

さらに、夜間走行時に無数のスリーポインテッドスターが助手席前部のインテリアトリムに浮かび上がる「スターパターンインテリアトリム(バックライト付)」が採用。センターコンソールに設置されていたタッチパッドは廃止され、すっきりとしたデザインへ進化。
また、AMGレザーエクスクルーシブパッケージには、ステアリングを素早く温めるステアリングヒーターが追加されました。

新型EQAには、オプション設定のアドバンスドパッケージにBurmester®サラウンドサウンドシステムが追加。このシステムは、12スピーカーと合計出力710Wのオーディオシステムを備え、車内で心地よいサウンドが楽しめます。
メルセデス・ベンツ EQAの走行性能
新型メルセデス・ベンツ EQA 250 +のパワートレインはフロントアクスルに同期モーターを搭載し、前輪駆動となっています。。この電気モーターは最高出力190PS(140kW)、最大トルク385Nmを発揮し、優れた加速力やスムーズなコントロールが魅力的。また、モーターの搭載方法が改善され、振動や騒音が車内に伝わらないよう配慮することで静粛性や快適性を高めています。
バッテリー容量は70.5kWhに増強。WLTCモードでの一充電走行距離は591kmに達しています。6.0kWまでの交流普通充電と100kWまでの直流急速充電(CHAdeMO規格)に対応しています。

また新型EQA購入者には「Mercedes me Charge」という充電サービスも提供されます。納車時に専用の充電カードが車載され、このカードを使用することで、全国にある約21,600基の提携充電器を利用できます。また、申し込みから1年間は月額基本料金および充電料金が無料となります。
メルセデス・ベンツ EQAの安全性能・運転支援機能
新型メルセデス・ベンツ EQAには従来の運転支援機能(レーダーセーフティパッケージ)から、国際的な基準(UN-ECE R152)に準拠した新世代の運転支援機能「ドライビングアシスタンスパッケージ」が導入されています。
アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(再発進機能付)
モノカメラとレーダーセンサーを使用し、高速道路や一般道で先行車を認識して車間距離を自動的に調整します。減速が必要な場合はアクセルやブレーキを調整し、先行車が停止した場合は自車も停止します。また、停止している先行車を最大速度約50km/hまで検知可能です。先行車との距離が急速に縮まった場合、警告灯と警告音でドライバーに知らせます。再発進機能により、高速道路で渋滞時に自動停止後、30秒以内に先行車が発進した場合、ドライバーがアクセルを踏まなくても自動で再発進します。一般道では3秒以内に再発進します。30秒以上停止していた場合は、アクセルを軽く踏むか、ステアリング上のスイッチを使用して再発進が可能です。
アクティブエマージェンシーストップアシスト
ドライバーが道路状況に反応しなくなった場合、警告灯と音で警告し、それでも反応がない場合は緩やかに減速して停止します。車両が停止するとパーキングブレーキがかかり、後方からの衝突による二次災害を防ぎます。
アクティブブレーキアシスト
先行車、飛び出し車両、歩行者などとの衝突のリスクを検知し、警告音と表示でドライバーに知らせます。ブレーキペダルの踏み込みが弱い場合はブレーキ圧を強化し、ドライバーが対応しない場合は緊急ブレーキを作動させます。また、交差点や曲がり角での右左折時に対向車や飛び出し車両、歩行者との衝突リスクを検知し、警告やブレーキを作動させます。
緊急回避補助
車両前方にいる歩行者などとの衝突リスクを検知し、ステアリングトルクを計算してドライバーが回避行動を行わないと判断した場合、ステアリング操作をアシストします。
アクティブレーンキーピングアシスト
約60km/h以上で走行中にフロントウィンドウのモノカメラが車線を検出し、フロントホイールが車線を越えたと判断すると、ステアリングを微振動させて警告します。ドライバーが反応しない場合は車線内に戻す操作を行います。破線の車線走行時には、隣車線の車両や対向車との衝突リスクがある場合にのみ作動します。
ブラインドスポットアシスト
リアバンパー左右のレーダーセンサーにより、ミラーで見えない死角エリアに車両や自転車がいることを警告します。追い越し車線に移る際や停車時にドアを開けようとした際に、後方から障害物が近づいている場合、警告表示灯が赤く点灯します。
メルセデス・ベンツ EQAの価格
新型メルセデス・ベンツ EQA 250+の価格は771万円です。
メルセデス・ベンツ EQAの発売時期
新型メルセデス・ベンツ EQAは2024年4月11日に販売開始されました。

メルセデス・ベンツ EQAの辛口評価
新型メルセデス・ベンツ EQAをあえて辛口で評価します。
まずエクステリアデザインは好みが分かれるでしょう。EVらしい先進的なデザインはどうしても、シンプルすぎるので従来型のデザインの方が好きという層は少なくないでしょう。またパフォーマンスについて、エントリーモデルであるため、力強いスポーティな走りや、加速性能を求める層には向いていないでしょう。
メルセデス・ベンツ EQAのライバル車
新型メルセデス・ベンツ EQAの競合モデルとして以下があげられます。
1. アウディ Q4 e-tron
アウディ Q4 e-tronは、EQAと同様にコンパクトSUVセグメントに属する電気自動車です。最大出力295馬力、航続距離約520km(WLTP)を誇ります。インテリアはアウディらしい高品質な仕上がりで、最新のインフォテインメントシステムを搭載しています。充電性能も優れており、急速充電により短時間で80%まで充電可能です。
2. ボルボ XC40 リチャージ
ボルボ XC40 リチャージは、EQAと競合するもう一つのコンパクトSUVです。最大出力408馬力、航続距離約400km(WLTP)を提供します。安全性能に定評があり、多くの先進運転支援システムを標準装備しています。スカンジナビアンデザインのインテリアも魅力の一つです。
3. テスラ モデル Y
テスラ モデル Yは、EQAの強力なライバルです。長距離モデルで航続距離約531km(EPA)、パフォーマンスモデルでは0-100km/h加速がわずか3.7秒という驚異的な性能を発揮します。テスラ独自のオートパイロット機能や、広範なスーパーチャージャーネットワークが強みです。
4. BMW iX3
BMW iX3は、EQAと同クラスのプレミアム電動SUVです。最大出力286馬力、航続距離約460km(WLTP)を提供します。ドライビングプレジャーを追求した走行性能と、BMWならではの高級感のあるインテリアが特徴です。最新のiDriveシステムも装備されています。
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