2025年7月、ルノーは新型グローバルSUV「ボレアル(Renault Boreal)」を発表しました。新型ボレアルは、ヨーロッパ以外の国際市場向けに開発されたCセグメントSUVであり、ラテンアメリカやトルコ、中東、地中海沿岸地域をはじめとする70カ国以上での展開が予定されています。生産は、ブラジルのクリチバ工場とトルコのブルサ工場で行われ、まず2025年末にブラジルで発売、以降順次各地域へ導入される予定です。日本への導入については未発表ですが、期待がかかります。
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車の概要:ルノー ボレアルとは?
新型ボレアルは、ルノーの「インターナショナル・ゲームプラン 2024-2027」に基づく、新たな国際戦略の一環として登場した新型SUVです。近年のカージアンやグランドコレオスの成功を受け、ルノーがグローバル市場でさらなる存在感を示すべく生み出されたモデルです。
このボレアルは、歴史的にもルノーのグローバルな歩みの新たな章を担う車種であり、ルノー4(1961年登場)やルノー5、クリオといった、世界中の道で愛されてきた“ユニバーサル”な名車たちの系譜に連なる存在として位置づけられています。しかし、ボレアルはその名のとおり、これまでのルノーSUVの直接的な後継車やモデルチェンジではなく、まったく新しいグローバルSUVラインとして誕生した初代モデルです。

この車は全長4.56メートル、ホイールベース2.70メートルという堂々たるサイズと彫刻的なスタイリングが特徴。足回りには19インチアルミホイール、ブラックのコントラストルーフ、パノラミックサンルーフなどを備え、最新世代のデジタルコクピット(2つの10インチディスプレイとGoogleネイティブのインフォテインメント)、最大24種の先進運転支援システム、48色のアンビエントLED照明など、快適性・安全性・先進性を追求しています。
生産現地のカスタマーに合わせて1.3リッターターボエンジン(ガソリン/フレックス燃料対応)、6速デュアルクラッチATを搭載するなど、地域ごとに最適化された仕様も特徴です。
総じてボレアルは、ルノーがCセグメントSUV市場における存在感をさらに強め、世界各国の多様なユーザーニーズに的確に応えるための“新たな象徴”となっています。
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ルノー ボレアルのエクステリアデザイン
新型ルノー ボレアルは、新たなグローバルSUVとして先進性と高級感を兼ね備えたエクステリアデザインが特徴です。発表資料によれば、このモデルはラテンアメリカ、トルコ、中東、地中海沿岸地域など多彩な市場の顧客ニーズに応えるべく、特に外観の存在感と洗練さに重点を置いて開発されました。各地域ではデザインが購買動機の中心とされており、ボレアルはSUVとしての威厳と、先進技術を感じさせるエレガンスをアピールしています。
デザインテーマは「彫刻的で表情豊かなボディライン」。流麗な面構成に張りのあるライン、バランスの取れたプロポーションが印象的です。ボディはなめらかな曲線と、引き締まったディテールが組み合わされており、精緻さとダイナミズムを強調。正面からは新世代の「Nouvel’R」ロゴを配したフルカラーグリルと、ナイアガラ・コンセプトから着想を得た新型LEDライトシグネチャーが特徴です。LEDヘッドライトはウイング部まで伸び、追加のLEDモジュールとあわせてワイドで存在感のあるフロントイメージを実現しています。
サイドビューは強調されたショルダーラインと十分な曲面で構成され、力強さと上品さを兼ね備えています。ホイールアーチにはクリーンなデザインの樹脂製プロテクターを採用し、都会的かつ洗練されたたたずまいになっています。
足元には19インチのアロイホイールを標準装備。移動の快適性と堂々たるSUVらしさを両立しています。さらに、ブラックのコントラストルーフ、パノラミックサンルーフ、アルミ調スキッドプレート、ルーフバーなど、上質感と実用性を高めるディテールが随所に盛り込まれています。
リアは緩やかに傾斜するルーフラインと、連続したグレージング(ガラス部)が横長で伸びやかな印象を作り、動感と広さを両立。全体として、家族向けの実用性と自動車としてのステータス性、そして最新のルノーデザイン理念が見事に融合しています。
ボディサイズ
新型ルノー ボレアルのサイズは全長4,560mm、全幅1,840mm、全高1,650mmです。





ルノー ボレアルのインテリアデザイン
新型ルノー ボレアルのキャビンは、モダンでハイテク感あふれる空間づくりが際立っています。外観と同じく、SUVらしい力強さと先進性、そして快適性が高いレベルでバランスされています。
特に注目すべきは、ドライバーと同乗者両方の体験を重視した“ユーザー中心設計”です。インパネまわりは、新世代ルノー車に採用されている「OpenR」ディスプレイ・レイアウトを踏襲し、10インチのデジタルメーターパネルと10インチのセンタータッチスクリーンによるデュアルディスプレイ構成を実現。メーター側には走行情報の表示が集約され、センターディスプレイではエンターテインメントやコネクテッド関連の操作が直感的に行えます。これにより、視認性・操作性が大きく向上しています。
また、インテリア全体に品質にこだわった素材が用いられています。ダッシュボードの上部にはソフトタッチの表皮を採用し、優れた手触りと上質感を演出。キャビン内の各所には、レーザーエングレービングによる加飾パネルがアクセントとして配置され、アンビエントライトの反射で幻想的な雰囲気を作り出します。アンビエントLED照明は48色で自由にカスタマイズ可能。さらに車両の「Multi-Sense」モードによって、自動的に最適な照明に変化する演出も用意されています。
シートは、乗員の快適性とサポート性に配慮したデザインです。仕様・市場ごとに異なるカラーで提供され、ラテンアメリカ市場はブルー、トルコ市場はピュアクールグレーの専用シート表皮に、コントラストステッチが施されます。運転席にはパワーシート(ポジションメモリー付き)やマッサージ機能も備わっています。
収納の面でも、多忙な家族のニーズに応える工夫が満載です。冷蔵機能付きの大型センターコンソールをはじめ、車内の随所に実用的な収納スペースがあり、つねに整頓された空間を保てます。フロントには2つのUSB-Cポートとワイヤレススマートフォンチャージャー、リアシートでもUSB-Cポートと独立したエアアウトレットを備え、全席で快適に過ごすことができます。後席は40:60分割で、ラゲッジ側からワンタッチで折り畳める「イージーブレイク」機能を装備。これによりラゲッジスペースの拡張もスムーズです。
荷室容量も大容量設計で、標準で586リットル、後部座席をたたむと1,770リットルまで拡大。荷物の積み下ろしがしやすい低い積載口も確保されています。
快適性の面ではデュアルゾーンオートエアコンを全車標準装備し、前席にはシートヒーターやパーソナルメモリーなども用意。コンパクトなe-シフターや多機能ステアリング、バックライト付きの金属調操作スイッチなど、先進性と上質感を随所に感じさせるインテリアとなっています。
このように、ルノー・ボレアルのインテリアは、ファミリーユースはもちろん、ハイテク志向のユーザーやクオリティにこだわる層にも満足できる最新かつ快適な空間に仕上げられています。





ルノー ボレアルの走行性能
新型ルノー ボレアルは、グローバル市場向けに最適化された新世代のモジュラープラットフォームを採用し、快適性とダイナミックな走りを両立しています。プレスリリースによると、ボレアルはルノー・グループが新開発した「超柔軟型モジュラープラットフォーム」に基づいており、この技術基盤によりさまざまな地域・市場の要件に的確に対応できる設計となっています。
まず注目したいのは、走行性能の“礎”となるこのプラットフォームの柔軟性です。ルノー・カージアンやグランド・コレオスと同様に、異なるエンジンや駆動方式、足回り仕様に柔軟に対応でき、都市部の機動性から高速クルージング、さらには長距離ツーリングに至るまで、使い勝手と乗り味が高次元でバランスされています。全長4.56メートルのゆとりあるボディとホイールベース2.70メートルの安定感ある設計が、車体のふらつきを抑え、安心感あるフットワークを提供します。
エンジンには、各市場のニーズや環境対応への意識を反映し、最新世代の1.3リッターターボチャージャー付きガソリンエンジンを搭載(一部市場ではエタノール混合燃料にも対応)。このエンジンは優れたパワーと低燃費を両立しながら、発進時や追い越し加速など幅広いシーンで余裕ある走行性能を発揮します。組み合わせられる6速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)は、スムーズでレスポンスの良い変速フィールが特徴で、ドライバーの意図に素早く応じて快適なドライビングを可能にしています。
さらに、走りのカスタマイズ性も高められており、「Multi-Sense」機能によりパワートレーンのレスポンスやステアリング特性、車内の照明演出まで好みに合わせて選択できます。これにより、市街地では静粛かつ滑らかな走り、高速域では安定感とリニアな操舵感を実現。乗員全員がストレスなく移動できる快適性も重視されています。
また、車両の電子制御技術についても先進的な設計が導入され、最大24種類もの先進運転支援システム(ADAS)が標準またはオプションで用意されています。アクティブドライバーアシスト、アダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、歩行者検知機能付き自動緊急ブレーキ、360度カメラシステムなど、安全・快適性の向上に大きく寄与します。
このように、ルノー・ボレアルはモジュラープラットフォームや最新パワートレーン、幅広い先進運転支援などを通じて、グローバル市場で“安心して家族や仲間と移動できる本格派SUV”としての実力を備えています。都市から高速道路、さまざまな環境でも頼れる走行性能を発揮します。

ルノー ボレアルの価格
新型ルノー ボレアルの価格については、執筆時点(2025年7月)で正式な発表はありません。現時点ではグレードやオプション別の価格表も公開されていません。
なお、参考として同じグローバル戦略のSUVである「ルノー カージアン」のブラジル市場での販売価格は、約13万レアル(約420万円 )と報道されていますが、ボレアルはより上級CセグメントSUVとなるため、現地でのスタート価格はこれよりやや高い水準になる可能性が考えられます。今後、各国市場向けの詳細な価格設定やグレード展開が順次発表される見込みです。

ルノー ボレアルの発売時期
新型ルノー ボレアルは、2025年末にブラジルで初めて発売される予定です。その後、2026年初頭からはラテンアメリカ諸国やトルコ、中東、地中海沿岸地域など、計70カ国以上へ段階的に導入される手はずとなっています。量産はブラジル・クリチバ工場とトルコ・ブルサ工場で行われ、市場ごとに最適化された仕様で展開されます。
ルノー ボレアルは日本で発売される?
新型ルノー ボレアルについて日本での発売予定は現時点でアナウンスされていません。本モデルは欧州外市場、特にラテンアメリカ、トルコ、中東、地中海沿岸諸国向けに最適化されており、日本は販売対象地域に含まれていないとされています。そのため、今後日本で正式に導入される可能性は現状低いとみられます。ただし、ルノーのグローバル戦略次第では、今後動きがある場合もゼロではありませんので、最新情報に注視していきたいところです。

ルノー ボレアルの辛口評価
新型ルノー ボレアルをあえて辛口で評価します。
ルノー・ボレアルはグローバルCセグメントSUV市場での存在感を狙った意欲作ですが、欧州市場ではなく、成長市場向けであるがゆえに、細かな点で割り切りやコスト抑制策も見受けられます。例えば、パワートレーンは現状で1.3リッターターボ+6速デュアルクラッチATという1種類のみを前面に打ち出しており、先進マーケットで望まれるような電動化(ハイブリッドやEV)の設定は今のところ予定されていません。
また、インテリアに関しては見た目の上質感や装備の充実度は十分ですが、ベースデザインや素材は既存のルノー車と共通する部分も多く、“際立った独自性”という点ではややインパクトに欠ける印象を持つ人もいるでしょう。ユーザーインターフェースやデジタル装備も魅力ですが、自動車先進国で人気の高い日本ブランドSUVたちと比較すると、ソフトウェアやアプリのローカライズ、トラブル時のサポート体制など実際の運用面は未知数です。
安全装備や快適性装置の多彩さは評価できるものの、あくまで「最大24種」というバリエーションであり、標準装備は市場やグレードによって大きく異なる点も注意が必要です。加えて、多くのマーケットで戦うことを優先した分、走りのダイナミズムや先進安全装備の最新度は、プレミアムレンジのライバルと比較してやや控えめと感じられる向きもあります。
現段階で日本導入計画がなく、欧州ブランドながら日本に身近に感じられない点や、ブランド・ディーラー網の薄さも指摘されるポイントとなるでしょう。
ルノー ボレアルのライバル車
新型ルノー ボレアルがターゲットとするグローバルCセグメントSUV市場には、多数の有力ライバルが存在します。主要な競合モデルは以下の通りです。
- トヨタ・RAV4
世界的なベストセラーSUVで、グローバルで圧倒的な信頼と先進安全装備を誇ります。プラグインハイブリッドやハイブリッドモデルもラインナップし、多様な市場ニーズに応えます。 - 日産エクストレイル(X-Trail)/ ローグ
世界各地で高い評価を受けており、特に最新モデルでは電動パワートレーン(e-POWER)も提供。使い勝手や走行性能もボレアルの直接的なライバルとなります。 - フォルクスワーゲン・ティグアン
欧州系の代表的CセグSUVで、プレミアム志向のインテリアや確かな走り、最新のデジタル装備が人気です。 - ホンダ・CR-V
グローバル展開が進むファミリーSUVで、ハイブリッドモデル含め実用性と快適性に優れる点が特徴です。 - ヒュンダイ・ツーソン、キア・スポーテージ
新興国から欧米まで高いシェアを持つ韓国メーカーのSUVは、コストパフォーマンスやデジタル装備が充実しており、価格帯・装備ともにボレアルと真っ向勝負となります。
このように、CセグメントSUV市場の競争は極めて激しく、各車とも走行性能や安全装備、快適性、デジタル体験など多様な強みをアピールしています。ボレアルは「ルノーらしさ」とグローバル市場向けのバランスを武器に、これらライバルに挑むこととなります。

ルノー ボレアルのまとめ
ルノーの新型SUV「ボレアル」は、ブランドのグローバル戦略における重要な役割を担う存在として登場しました。2025年7月の発表を経て、まずブラジルを皮切りに、ラテンアメリカやトルコ、中東など欧州以外の主要マーケットで順次展開されます。堂々たるボディ、彫刻的かつ洗練されたエクステリア、ハイテク感と快適性を追求したインテリアを兼ね備え、ファミリーユースからステータス性まで幅広いニーズに対応するグローバルCセグメントSUVです。最新の1.3リッターターボエンジンや新設計のモジュラープラットフォームを採用し、最大24種の先進運転支援・安全装備も選択可能ですが、電動モデルの設定は現時点で未定です。日本市場への導入予定は未発表となっており、しばらくは海外市場専用のSUVになる見通しです。上質な装備や存在感は際立っていますが、欧州車らしい独自性や最新テクノロジーの側面では今後の展開にも注目が集まります。



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