新型フェラーリ アマルフィ発表|デザイン・走行性能・サイズ・日本での発売価格を解説(ローマの後継車2+2クーペ)

2025年7月1日、フェラーリは新型2+2クーペ「フェラーリ アマルフィ(Ferrari Amalfi)」を正式発表しました。新型アマルフィは、これまでのフェラーリ ローマに代わるモデルとして登場し、ブランドの最新V8フロントミッドシップ2+2グランドツアラーとしてラインアップに加わります。現代的なスポーティさを追求しながらも、エレガンス、ハイパフォーマンス、そして日常的な利便性を高次元で両立したフェラーリらしいラグジュアリーカーです。

車の概要:フェラーリ アマルフィとは?

新型フェラーリ アマルフィは、フロントミッドにV8ツインターボエンジンを搭載する2+2クーペとして、新しいフェラーリのグランドツアラー像を体現したモデルです。本車は、2019年に登場したフェラーリ ローマの後継としての位置づけにあり、地中海の美しいリゾート地の名「アマルフィ」を冠して、エレガンスと快適性、走行性能を磨いてきたGT系譜の最新世代車です。

ローマ以前には、カリフォルニアやポルトフィーノといった地名モデルを連ねてきたフェラーリのFR V8 2+2GTシリーズですが、フェラーリ アマルフィはその正統な後継者で、第2世代の現代GTとして登場しました。革新的なデザインは、フェラーリ スタイリングセンターによるもので、「ミニマルかつ流麗」をテーマに洗練されたプロポーションを持ち合わせ、歴代モデルよりもさらに大胆なフォルムが特徴です。

搭載エンジンは、3855ccのV8ツインターボ(最高出力640cv、最大トルク760Nm)で、0-100km/h加速はわずか3.3秒、最高速度は320km/hに達します。インテリアは先進的なデュアル・コックピット構造で、三つのディスプレイによる新世代のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を備え、オーディオにはオプションでBurmester®プレミアム・サウンドシステムも選択可能です。

エアロダイナミクスやドライビングダイナミクス面でも最新技術を採用し、ブレーキ・バイ・ワイヤやABS Evo、アクティブ・ウィング、高度なADAS(先進運転支援システム)など、安全性と操縦性の向上が図られています。快適性も追求し、シートにはマッサージやベンチレーション機能が用意され、日常の使い勝手や長距離ドライブまで幅広く対応しています。

これまでグランドツアラーとして愛されたローマやカリフォルニアの伝統を継承しつつ、すべてに進化を遂げたフェラーリ アマルフィは、“現代フェラーリGTの新たな定番”としての存在感を力強くアピールしています。

フェラーリ アマルフィのエクステリアデザイン

新型フェラーリ アマルフィのエクステリアデザインは、現代的なエレガンスとダイナミズムを極限まで高めた、フェラーリ流グランドツアラーの新たな到達点と言えます。フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターが手がけたボディは、伝統と革新が融合した独自の美意識に基づき、マラネッロのデザイン哲学を次の水準へと押し上げています。

外観の特徴としてまず目を引くのは、流麗かつ彫り込まれたプロポーションです。サイドビューはくさび形を基調に、ひと繋がりのスピードフォルムを強調。シャープなラインや幾何学的な面によって、ボディ全体に一体感と現代的な洗練が際立っています。サイドボディにはテクニカルな切り込みが入り、そこに組み込まれる照明ユニットが、機能性だけでなく造形上のアクセントにもなっています。

フロントマスクは伝統的なグリルを排し、ボディ同色で仕上げたフェンダー下のダークカラー部分にセンサーやヘッドライトを巧みに一体化。大きく口を開けたエアインテークと、スプリッターの造形が車幅の広さとスポーティな印象をいっそう強めています。ボンネットは長く伸び、深い彫り込みでダイナミックな表情を与えています。

リアまわりはコンパクトでクリーンなデザインが特徴です。張り出したフェンダーのラインからなめらかに下降し、端正なテールへと続きます。テールライトはグラフィカルなラインの中に隠されるように配置され、クラシック・フェラーリの要素を現代風に再解釈。空気力学に配慮したワイドかつ機能的なディフューザーと、一体化されたアクティブ・リアスポイラーが高速走行時の安定性を高めます。リアはエアロダイナミクスとスタイリングを融合させた重要なポイントです。

ローンチカラーにはアマルフィ海岸の海の輝きを思わせる「ヴェルデ・コスティエラ」という青みがかったグリーンを採用。彫刻的なボディラインを引き立て、見る者に鮮やかで生き生きとした印象を与えます。

ホイールには標準で20インチの鍛造ホイールを装着し、カーボンファイバー製のディテールパーツが、スポーツカーらしい精悍さと洗練を演出。タイヤサイズはフロントが245/35 R20、リアは285/35 R20となっています。

全体としてフェラーリ アマルフィのエクステリアは、ピュアでクリーンなサーフェスと彫刻的な立体構成を両立し、時代を象徴する美意識とパフォーマンスを見事に体現したものとなっています。

ボディサイズ
フェラーリ アマルフィのサイズは全長 4,660mm、全幅 1,974mm、全高 1,301mmです。

フェラーリ アマルフィのインテリアデザイン

新型フェラーリ アマルフィのインテリアは、「デュアル・コックピット」レイアウトが特徴です。ドライバーと助手席のパッセンジャーそれぞれを包み込むような空間演出がなされており、ダッシュボードやセンタートンネル、ドアパネルによって、2つの独立したコクーン空間が造形的につながっています。この設計は、包まれる安心感だけでなく、運転に集中できる環境を提供します。

ダッシュボード部分は単体の塊を想起させる独自の構成で、インストゥルメント・クラスターとエアベントが一体化し、シンプルで現代的な美しさが追求されています。中央のセンターコンソールはアルマイト処理されたアルミニウム製で、精密な彫り込みが施されており、ギアセレクターやキースロット、ワイヤレス充電パッド、補助操作スイッチなどが集約。機能性と美しさが共存しています。

ステアリングホイールは物理的なボタン配置にこだわり、直感的な操作性を向上。アイコニックなアルミ製スタートボタンが戻り、走り出しの高揚を演出します。また、左右のスポークには先進運転支援システムやメディア、ディスプレイ切り替え、電話、ワイパー制御など多彩な操作系を集約。さらに背面にはオーディオ用ロータリースイッチも配置されています。

ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)は3つのディスプレイで構成されます。

  • 15.6インチのデジタル・インストゥルメント・クラスター(個人設定、車両情報、各種ドライブモード表示など)
  • 10.25インチのセンター・タッチスクリーン(オーディオ、ナビ、空調、シート設定などを集約)
  • 8.8インチの助手席ディスプレイ(エンジン回転やGフォースなどドライバー情報のシェア)

これにより、視認性と操作性を両立し、乗る人全員が走りを共感できる環境が整っています。また、Apple CarPlay®およびAndroid Auto®に標準対応。スマートフォンのワイヤレス充電機能や専用アプリ「MyFerrari Connect」により、遠隔からの車両ステータス確認も可能です。

素材選びにも徹底してこだわり、上質なレザーやアルミパーツ、カーボンファイバー、繊細なステッチがアクセントとなり、唯一無二の高級感を実現しています。新色「ヴェルデ・ベッラージョ」をはじめ多彩なカラーバリエーションも用意され、自分だけのカスタマイズが楽しめます。

さらに、3サイズから選べる快適シートにはマッサージ機能(5種類のプログラム・3段階強度)やベンチレーション機能を搭載。ロングドライブ時の快適性も考慮されています。オプションのBurmester®プレミアム・オーディオ・システムは14スピーカー・最大1,200ワットで、没入感あるサウンド体験を実現します。

2+2レイアウトのリアシートは、実用性が高められており、荷室容量も273リットルを確保。趣味やレジャー、家族の移動にまで幅広く対応します。

フェラーリ アマルフィのインテリアは、エレガンスとスポーティネス、機能美を高次元で融合し、乗る人すべてに特別な体験を与える空間となっています。

フェラーリ アマルフィの走行性能

新型フェラーリ アマルフィは、モダンなグランドツアラーとしてエレガンスと走りの情熱を両立する新世代モデルです。その卓越した走行性能の中心にあるのは、世界的な評価と数々の受賞歴を誇るF154ファミリーの最新型、3.9リッターV8ツインターボ・エンジンです。最高出力は640cv/7,500rpm、最大トルクは760Nm(3,000~5,750rpm)、比出力は166cv/Lに達します。0-100km/h加速はわずか3.3秒、0-200km/h加速は9.0秒、最高速度は320km/hと、トップクラスのパフォーマンスを誇ります。

このエンジンでは新しいターボチャージャー制御や個別圧力センサーを導入し、2基のターボを緻密に制御。最大171,000rpmのターボ回転と瞬時のスロットルレスポンス、中・高回転域での持続的なトルク特性を実現しています。エンジンブロックやカムシャフトなど随所で軽量化および効率化が図られ、低粘度オイルの採用によってウォームアップ性能も向上しています。

組み合わされるトランスミッションは8速デュアルクラッチ式F1 DCT。変速はさらに高速・スムーズになり、街乗りでもサーキット走行でも思い通りのパワーデリバリーを味わえます。ドライサンプ式ギアボックスや低摩擦べベルギアによって機械損失を低減。ストップ&ゴーの多い市街地走行にも最適化されています。

走りの質を左右するビークルダイナミクスも大きく進化しています。新世代ブレーキ・バイ・ワイヤ・システムを採用し、“ABS Evoコントローラー”との連携であらゆる路面・シーンで安定した制動力とペダルフィールを実現。6Dセンサーを活用し、複雑な挙動をリアルタイムで管理します。また、電動パワーステアリング(EPS)もアップデートされ、グリップ推定精度が高められています。これにより、リニアでダイレクトなハンドリングを確保し、タイヤの限界をより高い次元で引き出します。

さらに、アクティブ・エアロダイナミクスの進化も特筆すべきポイントです。リアには走行状況やマネッティーノの各モード、車速に応じて自動稼働する可動式スポイラーを搭載。直線走行ではドラッグを最小化し、高速コーナリングやハードブレーキ時にはダウンフォースを最大化することで、時速250km/h時に110kgものダウンフォースを付加します。これにより、高速安定性やトラクション、コーナリング性能が大きく引き上げられています。

足回りのタイヤは、フロント245/35 R20、リア285/35 R20の専用設計。ブリヂストンPotenza SportまたはピレリP Zeroが選択可能で、快適性とハンドリングのバランスを追求しています。サスペンションや電子制御デバイス(E-Diff3、ステアリング補助、ダイナミクスコントロール等)はすべて最新世代が搭載されており、路面状況やドライビングスタイル問わず、最高のパフォーマンスを発揮します。

さらに、日常の使い勝手にも配慮しており、オプションでフロントリフター機能(車速35km/h以下で車高最大40mm上昇)が用意されています。都心部の段差やガレージでの取り回しにも安心です。

そしてドライバーアシストにも最新のADAS技術を採用。アダプティブ・クルーズコントロールや自動緊急ブレーキ、レーンキープアシストなどを標準装備し、日常のシーンでも安心と利便性を両立しています。

このように、フェラーリ アマルフィはフェラーリらしいハイパフォーマンスと現代的な実用性、快適性を高度にバランスさせ、あらゆる場面でドライバーに最大の歓びと信頼をもたらす新世代グランドツアラーとなっています。

フェラーリ アマルフィの価格

日本での新型フェラーリ アマルフィの価格は、3,990万円からとなっています(2025年7月時点、消費税込)。
グレードは現時点では1グレードの設定となっており、世界共通仕様です。ただし、オプション装備やカラー、インテリア、ホイール、快適装備などの選択により、最終的な価格は大きく変動します。

オプション例としては、Burmester®プレミアムオーディオ、カーボンファイバー製エクステリア・インテリアパーツ、フロントリフター、アダプティブクルーズコントロールパッケージ、特別塗装などが豊富に追加可能です。これらのオプションを加味すると、実際の購入総額は4,500万円〜5,000万円超に到達することも想定されます。

フェラーリ アマルフィの発売時期

新型フェラーリ アマルフィは、2025年7月1日にグローバルで発表され、日本市場でも同日より正式受注がスタートしています。日本向けの納車時期については、最速で2026年初頭以降が予定されていますが、注文状況や仕様内容によって前後する場合があります。

フェラーリ アマルフィは日本で発売される?

新型フェラーリ アマルフィは、フェラーリ・ジャパンの正規ディーラーにて、すでに国内受注が開始されています。日本専用装備や右ハンドル仕様にも対応し、国内での正規導入が確定しています。また、フェラーリの全新車には7年間の純正メンテナンス・プログラムが付帯し、認定中古車でもこのプログラムを継続利用できる安心・充実の体制が整っています。

車両本体価格(日本・税込)

  • フェラーリ アマルフィ 3,990万円〜

※価格および仕様・装備内容は2025年7月時点のものです。最新情報は正規ディーラーまたは公式サイトにてご確認ください。

フェラーリ アマルフィの辛口評価

新型フェラーリ アマルフィをあえて辛口で評価します。
確かにフェラーリ アマルフィは「モダンGTとして抜群の完成度」を誇りますが、辛口な視点で見ると現代的なフェラーリに共通する“コンサバ路線”から抜け出せていない点もあります。まず、エンジンは伝説のF154系V8ツインターボの進化版で640cvと高水準のパフォーマンスを誇りますが、電動化やハイブリッド化への踏み込みは一切なく、時代の潮流となりつつある電動パワートレイン搭載車とは一線を画しています。今後の環境対応や規制強化を考えれば、「革新的なフェラーリ」と呼ぶにはやや物足りない側面があります。

また、インテリアは技術と高級感を高次元で融合させていますが、タッチパネル中心の先代モデル(ローマ)と比べ、やや操作系が複雑化している印象も否めません。スタートボタンのフィジカル復活は評価できますが、慣れないユーザーにとっては多機能ステアリングや3画面HMIのナビゲートが直感的とは言いづらい部分もあるでしょう。

さらに実用性という観点で見ると、2+2と謳いながらリアシートのスペースはあくまで補助的で、他の欧州ライバルGTに比べ「大人4人が長距離移動する」には依然厳しい設計です。ラゲッジ容量も273LとGTとしては標準的な範囲で、実用性よりもスタイルを優先した設計思想が色濃く出ています。

価格についても、3,990万円からと高額であり、豊富なオプションを追加すれば5,000万円を超える設定となります。もはや一部の限られた愛好家層やコレクターがターゲットとなり、「日常性や新しさ」よりも「ブランドイメージ」を強調している点がやや気になるポイントです。

フェラーリ アマルフィのライバル車

新型フェラーリ アマルフィが属する”フロントミッド・2+2クーペ・GT”というカテゴリでは、名門ブランド各社から数々の強力なライバルが存在します。

1. アストンマーティン DB12
新世代のV8ツインターボを搭載し、エレガンスとパフォーマンスを両立。洗練されたインテリアやGTらしい快適性を追求しつつ、ハンドリングと走行性能も“伝統のブリティッシュGT”らしい力強さが特徴です。

2. メルセデス-AMG SL 63 4MATIC+
4.0リッターV8ツインターボ+4WDシステムを備え、オープンボディも選択できる多用途性と、日常的な快適さを両立。国産メルセデスらしく最新の運転支援装備も充実しています。

3. ポルシェ 911 ターボS(992型)
後席付きGTとしても使える万能性と、650psの圧倒的なパフォーマンスを両立。伝統ある911のエンジンフィールや日常性、カスタマイズ性の高さが支持されています。

4. マセラティ グラントゥーリズモ(トロフェオ)
フェラーリゆずりのV6ツインターボ“ネットゥーノ”エンジンを核に、イタリアンGTならではのスタイル&音を実現。最近は電動化バージョン「フォルゴーレ」も追加され、選択肢が広がっています。

これらのライバルたちは、いずれも独自の魅力と個性、そして最高峰のパフォーマンスと快適性を競い合っています。その中で、フェラーリ アマルフィはまさに“アドレナリンと日常性の均衡”を軸とし、洗練されたイタリアンデザインと官能のV8エンジンサウンドでユーザーの心をつかむモデルと言えるでしょう。ただし、「最新技術」や「電動化」といった次世代志向ではやや一歩控えめである、というのが現時点での客観的評価です。

フェラーリ アマルフィのまとめ

新型フェラーリ アマルフィは、2025年7月に発表された新世代V8フロントミッド2+2として、フェラーリらしいエレガンスとダイナミズム、日常的な利便性を融合した現代的なグランドツアラーモデルです。伝統のF154系V8ターボエンジンが最高出力640cvを発揮し、0-100km/h加速わずか3.3秒、最高速度320km/hと、走行性能はクラストップ。
エクステリアは流麗かつ彫刻的なフォルムとミニマルな造形で統一され、インテリアには操作性・快適性・高級感をすべて兼ね備えた次世代HMIや快適装備が惜しみなく採用されています。先進運転支援システムも充実し、日本市場でも3,990万円からの設定で正規販売。
伝統と先進がバランスよく融合し、あらゆるシーンでドライバーの期待に応える一台に仕上がっています。

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