新型トヨタ クラウン エステート発売:価格は635万円から クロスオーバー スポーツ セダンに続く4モデル目

トヨタ自動車は2025年3月13日、新型クラウン(エステート)を発売しました。このモデルはクラウン群の4つ目のモデルとして登場し、クロスオーバー、スポーツ、セダンに続く最後のモデルとなります。新型クラウン(エステート)は、クラウンが持つ品格と機能性が同居する「大人のアクティブキャビン」をコンセプトに開発されました。パワートレーンはハイブリッド車(HEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2種類が設定され、様々なライフスタイルに対応する仕様となっています。

車の概要:トヨタ クラウン エステートとは?

クラウンは1955年1月に誕生して以来、日本経済の発展とともに歴史を重ね、今年で70周年を迎える日本を代表する高級車です。初代は日本初の純国産設計車として登場し、「いつかはクラウン」というキャッチコピーに象徴されるように、高級車として広く認知されてきました。

歴代クラウンは15代にわたり「革新と挑戦」のDNAを受け継いできましたが、2022年に16代目となる現行モデルでは、セダンありきではない異なる個性を持つ4つのモデルをクラウン群として世界初公開しました。クロスオーバー、スポーツ、セダンに続き、今回発売されるエステートは、クラウン群の最後を飾る4つ目のモデルとなります。

新型クラウン(エステート)は、ダイナミックな造形と、仲間や家族とのアクティブライフを楽しむことができるユーティリティを追求しています。ワゴンとSUVを融合させた新しいデザインを採用し、「上質」「洗練」「余裕」と「機能性」を併せ持つモデルとなっています。GA-Kプラットフォームを活かした伸びやかなキャビンに、車両前後を貫くシャープなショルダーラインを取り入れ、21インチの幅広大径タイヤを装着することで、伸びやかでありながらダイナミックなプロポーションを実現しています。

内装では、クラウンシリーズ共通の「アイランドアーキテクチャー」を採用し、メーター・ディスプレイを水平に配置することで視線移動を最小限にとどめるデザインとなっています。また、ビンテージ調の「雲柄」をトリム部分にあしらうなど、上質でありながらアクセントの効いたデザインが特徴です。

トヨタ クラウン エステートのエクステリアデザイン

新型クラウン(エステート)は、「上質」「洗練」「余裕」と「機能性」を併せ持つ、ワゴンとSUVを融合させた新しいデザインを採用しています。

GA-Kプラットフォームを活かした伸びやかなキャビンに、車両前後を貫くシャープなショルダーラインを取り入れ、フロントフード上のキャラクターラインとシームレスに繋がるデザインを実現しています。さらに、21インチの幅広大径タイヤ(アルミホイール)を装着することで力強さを加え、伸びやかでありながらダイナミックなプロポーションとなっています。

フロントマスクには、バンパー一体型フロントグリルを導入しています。グリルをバンパーと一体化し、ボディと同色とすることでスタイリッシュな独自性のある意匠としたほか、上から下にメッシュパターンが変化するデザインで洗練さを表現しています。

また、水平基調のデイライトランプを採用したハンマーヘッドフェイスや、バックドア面に配した一文字のリヤコンビネーションランプがワイド感と先進性を強調しています。これらのデザイン要素により、クラウンの持つ品格と機能性が同居する「大人のアクティブキャビン」というコンセプトを体現しています。

ボディカラーは、モノトーンカラー5色とバイトーンカラー5色を設定し、多様なライフスタイルに対応するラインアップとなっています。特にPHEV専用色として、特別感を演出する「プレシャスメタル」と「マッシブグレー」のバイトーンカラーも用意されています。

トヨタ クラウン エステートのサイズ

トヨタ クラウン エステートのボディサイズは全長4,930mm、全幅1,880mm、全高1,625mmと大柄なサイズ感となっており、存在感のある佇まいを実現しています。

トヨタ クラウン エステートのインテリアデザイン

新型クラウン(エステート)のインテリアは、クラウンシリーズ共通の「アイランドアーキテクチャー」を採用しています。メーターとディスプレイを水平に配置することで、視線移動を最小限に抑えるデザインとなっており、運転操作に集中できる環境を実現しています。この工夫により、長距離移動も苦にならないドライバー空間となっています。

インテリアカラーは全部で3色が設定されています。クラウンシリーズ共通の「ブラック」に加え、大人の華やかなアクティビティに寄り添うイメージの「サドルタン」を用意。さらに、PHEV専用色として「グレイッシュブルー」が設定されており、これはクラウンシリーズで唯一の採用となっています。アクティブで洗練された印象を与えるこのカラーは、エステートの個性を際立たせています。

特徴的なのは、トリム部分に施されたビンテージ調の「雲柄」です。サドルタンとグレイッシュブルーのトリムにこの雲柄をあしらうことで、上質でありながらアクセントの効いた独自性のあるデザインとなっています。

また、「大人のアクティブキャビン」というコンセプトに相応しく、荷室床面には肌触りの良い上質な素材を採用しています。これにより、大切な荷物を安心して置くことができるだけでなく、お客様自身が快適に過ごせる空間となっています。

さらに、ラゲージ部には引き出し式のデッキチェアやデッキテーブルなど、フルフラットスペースでの過ごし方をより魅力的にするアイテムを採用。普段はスマートに車内に収納しつつ、車中泊や外出先での快適性を高め、よりよいくつろぎの空間を提供します。これらのアイテムは荷室内で調和が取れるシックな色合いとクラウンの王冠マークをあしらうことで、統一感と特別感を感じられるデザインとなっています。

トヨタ クラウン エステートの走行性能

新型クラウン(エステート)は、「大人のアクティブキャビン」というコンセプトに相応しい、余裕のあるストレスフリーな乗り味を実現しています。特に長距離移動でもストレスを感じさせない質感高い乗り心地が特徴です。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式、リヤにマルチリンク式を採用し、しっかりとした操舵感と質感高い乗り心地を両立させています。また、DRS(Dynamic Rear Steering)には独自のセッティングを施し、AVS(Adaptive Variable Suspension)にも減衰力の向上と摩擦低減を図る独自の設定を加えることで、軽快ながら重厚感のある走りを実現しています。

ドライブモードは「ノーマルモード」「スポーツモード」「リヤコンフォートモード」の3つを用意。それぞれのモードによる違いを明確にし、ドライバーや同乗者の好みに合わせた上質で快適な走りを提供します。特に後席の乗り心地に配慮した「リヤコンフォートモード」では、専用のDRS制御とAVS制御により、後席はもちろん全席で揺れの少ないストレスフリーな乗り心地を実現しています。

パワートレーンは2種類を設定。2.5Lハイブリッドシステムでは、効率向上と性能向上を追求した高効率ハイブリッドシステムを搭載しています。フロントモーターの出力をクラウン(クロスオーバー)、クラウン(スポーツ)搭載分に対して約5割向上させており、多くの荷物を積んでもストレスなく加速できる余裕のある走りを提供します。

また、2.5Lプラグインハイブリッドシステムでは、出力密度の高い駆動用モーターを搭載し、気持ち良い加速と静粛性が両立した走りを実現。クラウン(スポーツ)と同様に、エネルギー密度が高い大容量リチウムイオン電池を床下に配置することで、車内空間を損なわずにEV走行距離を89kmを確保し、日常生活の大部分をEV走行でカバーすることができます。

燃費性能は、WLTCモードでプラグインハイブリッド車が20.0km/L、ハイブリッド車が20.3km/Lと優れた数値を実現しています。駆動方式はどちらもE-Fourを採用し、安定した走行性能を確保しています。

トヨタ クラウン エステートの価格

新型クラウン(エステート)の価格は、635万円から始まります。グレード別の価格設定は以下の通りです。

  • ESTATE Z(2.5Lハイブリッド車):6,350,000円
  • ESTATE RS(2.5Lプラグインハイブリッド車):8,100,000円

なお、上記価格にはリサイクル料金は含まれておらず、北海道と沖縄では価格が異なります。

また、クルマのサブスクリプションサービス「KINTO」でも利用可能で、ハイブリッド車が月額77,440円(税込み)から、プラグインハイブリッド車が月額103,620円(税込み)からとなっています。これらは最安値パッケージで、追加オプションなし、「初期費用フリープラン」の7年契約・年2回のボーナス月加算165,000円(税込み)の場合の料金です。7年間の総支払額は、ハイブリッド車が8,814,960円(税込み)、プラグインハイブリッド車が11,014,520円(税込み)となります。

トヨタ クラウン エステートの発売時期

トヨタ自動車は2025年3月13日に新型クラウン(エステート)を発売しました。当初は2024年7月24日に発売する予定でしたが、自動車の量産に必要な認証「型式指定」を巡る不正問題を受けて延期されていました。

トヨタ クラウン エステートの日本での発売について

新型クラウン(エステート)は日本国内で発売されています。トヨタ自動車は日本市場向けに月販基準台数を1,500台/月(うちPHEV月販基準台数:500台/月)と設定しており、国内生産は愛知県のトヨタ自動車堤工場で行われています。

発売を記念して、2025年3月13日から16日までの期間、東京・麻布台ヒルズアリーナにて「Life with CROWNs.」と題した発売イベントも開催されました。このイベントでは、4つのクラウンモデルの展示や試乗など、様々な体験ができるようになっていました。

トヨタ クラウン エステートの辛口評価

新型トヨタ クラウン エステートをあえて辛口で評価します。新型クラウン(エステート)は、トヨタが「大人のアクティブキャビン」というコンセプトを掲げていますが、実質的にはワゴンとSUVを融合させた新しいデザインを採用したハイブリッド車です。全長4,930mm、全幅1,880mm、全高1,625mmという大柄なサイズは、都市部での取り回しに不安が残ります。また、最低グレードでも635万円という価格設定は、同クラスの競合車種と比較すると割高感は否めません。

特にデザイン面では、バンパー一体型フロントグリルやハンマーヘッドフェイスなど独自性を追求していますが、これが全ての消費者に受け入れられるかは疑問です。そのユニークなデザインは好みが分かれるでしょう。

また、WLTCモードでの燃費が20.3km/L(HEV)、20.0km/L(PHEV)という数値は、同クラスのSUVとしては平均的であり、特筆すべき優位性があるとは言えません。PHEVのEV走行距離89kmも、日常の短距離移動には十分ですが、長距離移動を頻繁に行うユーザーにとっては物足りなさを感じるかもしれません。

トヨタ クラウン エステートのライバル車

トヨタ クラウンエステートの競合モデルとしては、以下の車種が挙げられます。

  1. マツダ CX-8
    CX-8は、クラウンエステートに最も近いボディサイズを持つSUVです。全長4,925mm、全幅1,845mm、全高1,730mmで、3列シートを標準装備しています。
  2. マツダ CX-60
    CX-60は、クラウンエステートと同じく高級感のある中型SUVです。
  3. 三菱 アウトランダー
    アウトランダーもクラウンエステートと同じラージSUVセグメントに属しています。
  4. トヨタ ハリアー
    ハリアーは、クラウンエステートと同じトヨタブランドの高級SUVで、都市型SUVとしての地位を確立しています。
  5. レクサス NX
    NXは、クラウンエステートと同様の価格帯・機能性を持つプレミアムSUVです。

これらの車種は、クラウンエステートと同様に高級感、走行性能、実用性を兼ね備えており、日本市場において直接的な競合となる可能性が高いモデルです。

まとめ

トヨタ自動車が2025年3月13日に発売した新型クラウン(エステート)は、クラウン群の最後を飾る4つ目のモデルとして登場しました。「大人のアクティブキャビン」をコンセプトに開発されたこのモデルは、ワゴンとSUVを融合させた新しいデザインアプローチが特徴的です。

全長4,930mm、全幅1,880mmというボディサイズは存在感があり、21インチの大径タイヤと相まって堂々としたプロポーションを実現しています。バンパー一体型フロントグリルやハンマーヘッドフェイスなど、独自性の高いデザイン要素は、従来のクラウンのイメージを刷新する試みと言えるでしょう。

内装では「アイランドアーキテクチャー」を採用し、ビンテージ調の「雲柄」をトリムに施すなど、上質さとアクセントを両立させています。特筆すべきは、通常時570L、リヤシート格納時1,470Lという優れた荷室容量と、トヨタ初の「ラゲージルーム拡張ボード」による2mの完全フルフラットスペースです。これにより、レジャーやアウトドアなど多様なシーンでの活用が期待できます。

パワートレーンは2.5Lハイブリッド車と2.5Lプラグインハイブリッド車の2種類を設定。特にPHEVは89kmのEV走行距離を確保し、日常使用での電気走行比率を高めています。

価格は635万円からと決して安くはありませんが、クラウンブランドの持つプレミアム感と実用性を両立させた点は評価できます。月販目標1,500台という数字からも、トヨタはこのモデルに一定の期待を寄せていることが伺えます。

トヨタ クラウン エステート 公式ページはこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました