2024年9月10日、ベントレーは最新フラッグシップセダン新型フライングスパーを発表しました。この4代目となる新型フライングスパーは、782馬力を発揮するPHEVシステムを搭載し、ベントレー史上最もパワフルな4ドアモデルとして登場。0-100km/h加速は3.5秒という圧倒的な性能を誇ります。

車の概要:ベントレー フライングスパーとは?
新型フライングスパーは、ベントレーのラグジュアリーパフォーマンスセダンとして約20年の歴史を持つモデルの第4世代にあたります。初代モデルは2005年に登場し、以来、優雅さと力強さを兼ね備えたセダンとして進化を続けてきました。
今回発表された新型フライングスパーは、ベントレー初の「4ドアスーパーカー」を謳う画期的なモデルです。そのパワートレインには、新開発の「ウルトラパフォーマンスハイブリッド」システムが搭載されており、驚異的な性能と環境性能を両立しています。システム合計出力は782PS、最大トルクは1,000Nmに達し、0-100km/h加速は3.5秒という圧倒的な性能を誇ります。一方で、電気モードでの走行可能距離は76kmを実現しています。
外観デザインは、2019年に発表された第3世代モデルの筋肉質かつエレガントなスタイルを踏襲しつつ、新しいグリル、バンパー、ディフューザーなどで洗練されています。内装も高級感あふれる仕上がりで、新しいダイヤモンドキルトパターンのシートや3Dダイヤモンドハイドなど、贅沢な素材が随所に使用されています。さらに、最新の電子制御シャーシシステムや先進的な運転支援技術、快適性を高める新機能など、技術面でも大幅な進化を遂げています。
新型フライングスパーは、ベントレーの本拠地であるイギリスのクルー工場で丁寧に手作りされ、顧客の好みに合わせて無限大に近いカスタマイズが可能となっています。
ベントレー フライングスパーのエクステリアデザイン
新型フライングスパーのエクステリアデザインは、ベントレーの伝統的な優雅さと現代的なスポーティさを見事に融合させ、ラグジュアリーパフォーマンスセダンとしての存在感を強烈にアピールしています。2019年に発表された第3世代モデルの筋肉質かつエレガントなスタイルを基本的に踏襲しつつ、いくつかのアップデートが施されています。

最も目を引く変更点は、フロントグリルです。新しいデザインのグリルは、より現代的で力強い印象を与えています。このグリルは、ベントレーの伝統的なデザイン要素を残しつつ、スポーティーで洗練された雰囲気を醸し出しています。フロントバンパーも新デザインとなり、車両の幅を強調するとともに、よりアグレッシブな印象を与えています。リアエンドには新しいディフューザーが採用され、高性能車としての性格を視覚的に表現しています。

サイドビューでは、ボディラインの流れるような曲線が目を引きます。これにより、静止していても躍動感のある印象を与えています。エクステリアの仕上げとして、ダークティント仕上げのブライトウェアが採用されています。これにより、車体全体にスポーティーで技術的な印象が加わっています。

新しい22インチの「テン・スウェプト・スポーク」ホイールが2種類のフィニッシュ(グレーペイント&ブライトマシン、ブラックペイント)で用意されており、さらに他の22インチデザインも様々なフィニッシュで選択可能です。また、新しいLEDウェルカムランプがドアに組み込まれており、フロントドアを開けると、ベントレーのウィングスロゴのアニメーションが地面に投影されます。これは、ベントレーの「ライトスカルプチャー」技術の新しい応用例となっています。



ベントレー フライングスパーのインテリアデザイン
新型フライングスパーのインテリアは、ベントレーの伝統的な職人技と最新のテクノロジーが見事に融合した空間となっています。

新たに採用された3Dダイヤモンドキルトパターンが、シートの中央部分に施されています。このパターンは、高級感と洗練さを演出するとともに、乗員の快適性も向上させています。さらに、ドア内張りとBピラーには、触感の良い「プレシジョン3Dダイヤモンドハイド」が採用されました。この新しい素材処理により、インテリア全体の質感が一段と向上しています。オプションで選択可能な「ダーククロームスペシフィケーション」トリムは、インテリアに現代的な美学をもたらします。このトリムは、ドアハンドル、スイッチ類、スピーカーグリルなど、キャビン内の様々な部分に適用され、控えめながら洗練された雰囲気を醸し出しています。

ドライバーインストルメントパネルには、新しいグラフィックスが採用され、より見やすく、モダンな印象を与えています。オプションで選択可能な「ベントレー・ローテーティング・ディスプレイ」は、12.3インチの高解像度ディスプレイ、3つのアナログダイヤル、または手作業で仕上げられた木製ベニヤの3つの表示オプションを提供します。これにより、ドライバーは好みや状況に応じて、最適な情報表示を選択することができます。
内装の色やトリムの組み合わせは、ほぼ無限大の選択肢があります。22種類のプライマリーハイドカラー、11種類のセカンダリーシェード、4種類のカラースプリットが用意されており、コントラストステッチやパイピング、さらにはビスポークの特徴を加えると、700以上の色の組み合わせが可能となります。さらに、8種類の木製ベニヤオプションと3種類のテクニカルフィニッシュが用意されており、これらは単色または2色の仕上げで使用でき、インテリアのハイドやエクステリアのペイントカラーに合わせてペイントマッチングすることも可能です。

オーディオシステムも3種類から選択可能で、標準システム(10スピーカー、650W)、Bang & Olufsenシステム(16スピーカー、1,500W)、そしてオーディオファイル向けのNaimシステム(19スピーカー、2,200W)が用意されています。
ベントレー フライングスパーの走行性能
新型フライングスパーは、圧倒的なパワーと洗練された走行性能を兼ね備えています。
フライングスパーには新開発の「ウルトラパフォーマンスハイブリッド」パワートレインが搭載されています。このシステムは、最高出力600PS、最大トルク800Nmを発生する4.0リッターV8ツインターボエンジンと、190PS、450Nmの電動モーターを組み合わせたものです。システム全体では、最高出力782PS、最大トルク1,000Nmという驚異的な数値を実現しています。これにより、0-100km/h加速はわずか3.5秒で達成。ベントレーは、この新型フライングスパーを「初の4ドアスーパーカー」と位置付けています。

一方で、環境性能も大幅に向上しています。CO2排出量は先代モデルと比較して90%も削減されました。さらに、最高140km/hまでの速度域で最大76kmのEV走行が可能です。
シャシーには最新のテクノロジーが惜しみなく投入されています。ベントレーダイナミックライド(アンチロールシステム)やオールホイールステアリング(4輪操舵)、電子制御式LSDなどが標準装備されています。特筆すべきは、新開発のツインバルブ式ダンパーです。これにより、伸び側と縮み側の減衰力を個別に設定することが可能となり、快適性と操縦安定性の両立を高次元で実現しています。
ドライビングモードは5種類用意されており、状況に応じて最適な走行特性を選択できます。EVドライブモードでは静粛性の高い電気走行が、スポーツモードではV8エンジンと電動モーターの力を最大限に引き出すことができます。

新型フライングスパーは、圧倒的なパフォーマンスと環境性能、そして洗練された乗り心地を高次元で両立させた、まさに次世代のラグジュアリーパフォーマンスセダンと言えるでしょう。
ベントレー フライングスパーの安全性能・運転支援機能
新型フライングスパーには、最新の電子制御シャーシシステムが搭載されており、高度な運転支援機能を提供しています。特筆すべき機能としては、インテリジェントパークアシストが挙げられます。これは最新世代の自動駐車システムで、速度制御機能も備えています。
また、ドライバーインストルメントパネルには環境表示機能が搭載されており、半自動運転モードでの走行をサポートします。この機能は、車両周辺の状況に対する車の反応を運転者に示します。さらに、リモートパークアシスト機能も用意されており、スマートフォンを使用して車両を遠隔で駐車したり、呼び出したりすることが可能です。これらの機能に加えて、新型フライングスパーは最新の電子制御ソフトウェアを採用しており、様々な運転スタイルに対応しつつ、あらゆる条件下で確実なトラクションを提供します。
ベントレー フライングスパーの価格
新型ベントレーフライングスパーの価格は未発表ですが、想定価格は3,960万円(280,000ドル)から4,530万円(320,000ドル)です。日本での現行モデルのフライングスパーの価格は2,598万円からとなっています。
ベントレー フライングスパーの発売時期
新型フライングスパーの発売時期は未発表です。新型フライングスパーは2024年9月10日に世界初披露されました。

ベントレー フライングスパーは日本で発売される?
新型フライングスパーは日本でも発売されると想定されます。現行モデルも日本で販売されており、ベントレーの主力モデルの一つとして日本市場でも重要な位置づけにあります。ベントレーモーターズジャパンが正式に新型モデルの発表を行っていることからも、日本での販売は確実と言えます。
ベントレー フライングスパーの辛口評価
新型フライングスパーをあえて辛口で評価します。
まず、車両サイズが巨大すぎるため、都市部での取り回しが非常に困難です。全長5m超の長大なボディは、狭い道路や駐車場では扱いづらく、日常使用には適していません。
また、最新のテクノロジーを搭載しているとはいえ、インフォテインメントシステムのユーザーインターフェースは、同価格帯の他のラグジュアリー車と比較すると、やや直感的でない部分があります。
さらに、カスタマイズオプションが豊富すぎるあまり、かえって選択に迷う可能性があります。これは一部の顧客にとってはストレスになるかもしれません。
ベントレー フライングスパーのライバル車
新型フライングスパーの主なライバル車としては、以下のモデルが挙げられます。
- ロールス・ロイス ゴースト:
同じく超高級車セグメントに属し、優雅さと快適性で定評があります。フライングスパーよりもさらに高価格帯に位置しており、よりエクスクルーシブな顧客層をターゲットにしています。 - メルセデス・マイバッハ Sクラス:
ドイツの技術力と快適性を融合させた高級サルーンです。フライングスパーと同様に、最新のテクノロジーと贅沢な内装を特徴としています。 - アストンマーティン ラゴンダ:
スポーティーな走りと高級感を両立させた4ドアサルーンです。フライングスパーと同様に、パフォーマンスと贅沢さを重視する顧客をターゲットにしています。 - BMW M760i:
BMWのフラッグシップモデルで、スポーティーな走りと高級感を兼ね備えています。フライングスパーほど高価ではありませんが、同様の顧客層を狙っています。 - アウディ S8:
高性能な大型サルーンで、フライングスパーと同様にスポーティーな走りと快適性を両立させています。価格帯はフライングスパーよりも低めですが、同様の性能を求める顧客をターゲットにしています。
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