ラングラーの魂を受け継ぐEVが、ついにベールを脱ぎました!これぞ、電動化時代の新たな冒険の相棒。
ステランティスは2025年11月19日、完全電動のオフロードSUV「ジープ リーコン」の2026年モデルを正式発表しました。このモデルは、ジープブランド初となる完全電動のトレイルレーティングSUVで、伝統的なオフロード性能を電動化によってさらに進化させた意欲作です。650馬力という圧倒的なパワーと840Nmの瞬時に発揮されるトルクを武器に、ジープ リーコンはラングラーの DNA を受け継ぎながら、新時代のアドベンチャーを提案します。

車の概要:ジープ リーコンとは?
ジープブランドは1941年に誕生して以来、85年近くにわたって世界中でオフロード性能に優れた四輪駆動車を提供してきました。第二次世界大戦中にアメリカ陸軍の要請で開発された小型四輪駆動車が起源で、その高い耐久性と悪路走破性能は、軍用車両の枠を超えて民生用クロスカントリーカーの代名詞となりました。
今回発表されたジープ リーコンは、ジープ初の完全電動トレイルレーティングSUVとして開発された全く新しいモデルです。ラングラーの精神を受け継ぎながら、STLAラージプラットフォームをベースにゼロから設計された電動専用アーキテクチャを採用しています。ブランドCEOのボブ・ブロダードーフ氏は「電動化はオフロード性能と両立するだけでなく、むしろそれを高めることができる」と語り、瞬時のトルク供給や精密な制御、静粛性といった電動化ならではの利点を強調しています。

ジープ リーコンのエクステリアデザイン
ジープ リーコンは、ブランドの伝統を尊重しながらも未来志向のデザインを融合させた、印象的なエクステリアが特徴です。フロントフェイスには、イルミネーション付きの7スロットグリルリングとU字型のデイタイムランニングライトを配置し、ひと目でジープとわかる存在感を放ちます。広々としたガラスエリアは視界を最大化し、直立したフロントデザインはオフロード車としての力強さを表現しています。
ジープの伝統であるオープンエア体験を継承し、標準でデュアルペーンサンルーフを装備するほか、オプションでスカイワンタッチパワートップも選択可能です。特筆すべきは、完全電動車として唯一、工具不要で取り外し可能なドア、リアクォーターガラス、スイングゲートガラスを備えている点です。フラッシュマウント式の電子リリースハンドルが、スムーズなアクセスを実現しています。

グロスブラックのアクセントがグリル、ピラー、ウィンドウトリムに施され、オプションでグロスブラックルーフも選択できます。リア部分には、ラングラーにインスパイアされた表情豊かなLEDテールランプを配置し、スイングゲートにはフルサイズのスペアタイヤを装着しています。これはセグメント唯一の機能で、本格的なオフロード志向を物語ります。

最初に登場する「モアブ」トリムでは、グロスブラックのファシア、ホイールフレア、オプションのサイドロックレールを装備し、独自のジープバッジには地形的なエッチングとアンチグレアフードグラフィックが施されています。多彩なエクステリアカラーも用意され、鮮やかな色合いから洗練されたニュートラルトーンまで、個性を表現できるラインナップとなっています。
ジープ リーコンのボディサイズは、全長4785mm、全幅1866mm、全高1877mmです。





ジープ リーコンのインテリアデザイン
ジープ リーコンのインテリアは、頑丈なユーティリティと洗練されたイノベーションが融合した、冒険のために作られた空間です。象徴的な水平レイアウトを採用し、助手席側には大胆なグラブハンドルを配置、クリーンで左右対称のダッシュボードデザインが特徴です。インストルメントパネル上部にはモジュラー式アクセサリーレールを設け、カメラやナビゲーションデバイス、さらにはダックホルダーまで取り付けられるようになっています。傷がつきにくいボルテックステクスチャーの表面仕上げは、オフロード走行への備えと技術的な洗練を同時に表現しています。

現代の冒険者を念頭に設計されたインテリアは、収納スペースの拡大と適応性の高い機能性で実用性を再定義しています。2段式のパススルーセンターコンソールは収納容量が大きく、上段にはワイヤレス充電器(オプション)を、下段にはタブレットやバッグなどの大きなアイテムを収納できるコードパススルー付きのコンパートメントを備えています。モジュラー式ドアパネルには取り外し可能なエラスティックストラップと交換可能なカーゴソリューションが用意され、柔軟な収納を実現します。セカンドローシートを折りたたむと1866リットル、フロントトランクには85リットルのスペースがあり、キャリーオンサイズのスーツケースを収納できます。


「モアブ」トリムには、ジョシュアツリー国立公園にインスパイアされた新しいジョシュアツリータンインテリアが採用されています。この頑強でありながら洗練されたカラーパレットは、自然の荒々しい美しさと探求の精神へのオマージュで、アースカラーとプレミアムマテリアルを融合させ、冒険と静けさの感覚を呼び起こします。
リサイクル素材がキャビン全体に織り込まれており、ジープ リーコンのサステナビリティへの取り組みを反映しています。シート、コンソール、ドア、インストルメントパネルの表面には、洗練された非レザー合成素材「カプリ」が使用され、アイアングレーメタリックトリムとクイックサンドのデコフィニッシュ(アークティック)といった独特のアクセントと組み合わされています。ヘッドライナーとカーペットにもリサイクル素材が使用されており、フロント、セカンドロー、リアカーゴエリアの頑丈なオールウェザーマットは、過酷な環境に対する耐久性を提供し、環境に配慮した設計と冒険の精神を強化しています。
オープンエア体験をさらに充実させるため、ジープ リーコンには標準でプレミアムなアルパインオーディオシステムが装備されています。スピーカーは従来のドアマウントから座席下に移設され、ドアを取り外してもサウンド品質が損なわれることがありません。この思慮深いデザインにより、ドライバーと乗客は屋外を存分に楽しみながら、オーディオパフォーマンスを犠牲にすることがないのです。ジープ リーコンは、プレミアムサウンドを標準装備する唯一のEVとして、そのセグメントで際立っています。





ジープ リーコンの走行性能
ジープ リーコンは、完全電動のトレイルレーティングSUVとして、都市部の道路から荒野のトレイルまで、あらゆる地形を制覇するよう設計されています。駆動システムの中核となるのは、前後に配置されたステランティス設計の電気駆動モジュール(EDM)で、それぞれ250キロワットの出力を持ち、標準の電動4WDと瞬時のオンデマンドトルクを実現します。各EDMは、電気モーター、ギアリング、パワーエレクトロニクスを1つのコンパクトなユニットに統合し、高い効率性を発揮します。
システム全体で840Nmのトルクを発生し、ドライバーは従来のエンジンのように回転数が上昇するのを待つことなく、ほぼ瞬時にすべてのトルクにアクセスできます。ジープのエンジニアは、満足のいくオフロード走行体験を実現するため、スロットルペダルを制御された精密な方法でトルクを供給するよう調整しました。能力を高めるため、「モアブ」トリムのリアEDMは15:1のファイナルドライブレシオを採用し、高いトルク増幅を実現して困難な状況を乗り切る力を提供します。
オフロード性能は、電子式リアロッキングディファレンシャルによってさらに強化されています。スイッチ一つで、オープンディファレンシャルから完全ロック状態に切り替えることができ、両後輪に確実にトルクを伝達します。フロントEDMは11:1のファイナルドライブレシオを持つオープンディファレンシャル設計で、パフォーマンスと快適性のバランスをとっています。フロントアクスルには各ホイール端に自動ディスコネクト機能を備え、一般的なオンロード走行時に後輪駆動がより効率的な場合、エネルギー使用と航続距離を最適化します。
エンジニアたちは、大径のハーフシャフトと頑丈なコンスタントベロシティ(CV)ジョイントを採用し、すべてのトルクを確実にホイールに伝達できるようジープ リーコンを準備しました。100キロワット時、400ボルトのバッテリーパックは、一連の頑丈な高強度スチール製アンダーボディシールドで保護されています。
サスペンションは、フロントにショートロングアーム(SLA)式、リアにインテグラルリンク式を採用し、ドライバーの入力に敏感に反応し、タイヤの接地面を最大化してオンロードの乗り心地とジープのオフロード能力の理想的なブレンドを実現します。「モアブ」トリムには標準で33インチタイヤが装着され、238mmの最低地上高を提供します。オフロード仕様には、34度のアプローチアングル、34.5度のデパーチャーアングル、23.5度のブレークオーバーアングルが含まれます。
Selec-Terrainトラクションマネジメントシステムには、「モアブ」トリム専用の「ロック」モードが追加されています(オート、スポーツ、スノー、サンドに加えて)。これは、EVパワートレインに固有の能力を最大限に活用するための独自のソフトウェアキャリブレーションを提供します。ロックモードでは、スロットルペダルのレスポンスを調整して凹凸のある地形での前進を管理し、2ペダルの運転テクニックで車両を制御できるようにします。ロックモードには、ヒルホールド機能も含まれており、ドライバーがブレーキからスロットルペダルに足を移動させても車両が動かないようにします。
さらに、ジープ リーコンには困難な登り坂や下り坂のための低速Selec-Speed Controlが装備されています。起動すると、Selec-Speed Controlは設定速度を維持し、ドライバーはステアリング操作に集中できます。
最高出力650馬力を誇るジープ リーコンは、0-100km/h加速を3.7秒という驚異的なタイムで達成します。推定航続距離は最大402kmで、トリムによって異なります。

ジープ リーコンの安全性能・運転支援
ジープ リーコンには、170以上の標準安全・セキュリティ機能が搭載されています。6つのエアバッグシステムが、フロント、サイド、リア、ヘッドエアバッグとして配置されています。
先進運転支援システムには、360度カメラシステム、ラフロードクルーズコントロール、歩行者緊急ブレーキ、ブラインドスポットモニター、ヒルディセントコントロールが含まれます。フロントとリアのパーキングセンサーとバックカメラも標準装備され、都市部での駐車や狭い場所での操作をサポートします。
ジープ リーコンのテクノロジー&コネクティビティ
ジープ リーコンは、合計26インチ以上の高精細スクリーンスペースを備えた、技術的に先進的なキャビンで運転体験を再定義しています。中心となるのは、カスタマイズ可能なメニューオプションとモダンなグラフィックを備えた12.3インチのドライバークラスターで、これに14.5インチの横型タッチスクリーンラジオ/センターディスプレイが組み合わされています。この14.5インチディスプレイは、ジープ車両で提供される単一で使用可能なデジタルスクリーンスペースとしては過去最大のものです。
新しく統合されたデジタルHVACコントロールは、クリーンで直感的なインターフェースを提供し、ボリュームとチューニング用の物理ノブは触覚的な機能性を確保しています。
ジープの最も先進的なインフォテインメントシステムであるUconnect 5を搭載し、比類のない明瞭さ、明るさ、カスタマイズ性を提供します。洗練されたボタンレスデザインは、未来的な美学と実用的な使いやすさを融合し、あらゆる地形で使いやすいサイズのデジタルボタンを備えています。大型のダイナミックディスプレイは、マップやカメラビューの読みやすさも向上させ、ドライバーが常に情報を把握し、コントロールできるようにします。
オフロード愛好家は、ジープ専用のTrails Offroadアプリを高く評価するでしょう。これは米国とカナダ全域のトレイルに関する包括的なガイドを提供し、ピッチとロールのマッピング機能も備えています。最適化されたBEVページは、車両の充電状態にリアルタイムで洞察を提供し、TomTomを利用したダイナミックレンジマッピングは、いつどこで充電するかを示して長距離旅行の計画を精密にサポートします。
その他の強化機能には、Amazon Alexa機能と、定期メンテナンス、ロードサイドアシスタンス、事故サポート、リアルタイムの安全・リコール通知をサポートする更新されたジープモバイルアプリが含まれます。ワイヤレスAndroid AutoとワイヤレスApple CarPlayにも対応し、シームレスな接続性を実現しています。

ジープ リーコンの価格
ジープ リーコンの価格は、米国で66,995ドル(輸送費込み)からとなっています。現在のレート(1ドル=155円として計算)で換算すると、約1,038万円(66,995ドル)からとなります。
初回販売モデルは「モアブ」トリムの1グレードとされていますが、今後ラインナップの追加も予定されており、より選びやすい価格帯のモデルも設定される見込みです。
ジープ リーコンの発売時期
ジープ リーコンは、2026年初頭にメキシコのトルカ組立工場で生産を開始します。最初の発売は米国とカナダで行われ、その後2026年第4四半期にグローバル展開される予定です。
「モアブ」トリムは、米国とカナダ限定で提供され、ジープのリージョン特化型のパフォーマンスとデザインの卓越性への取り組みを強化します。

ジープ リーコンは日本で発売されるか
ジープ リーコンの日本導入については、ステランティスから正式に予告されています。ただし、具体的な発売時期や価格設定については現段階では明らかにされていません。
ジープジャパンは、コンパクトEV SUV「アベンジャー」の日本導入を進めており、リーコンの日本での発売もその一環として計画されていると見られます。グローバル展開が2026年第4四半期とされていることから、日本での発売は2026年後半から2027年にかけてとなる可能性が高いでしょう。
ジープ リーコンをあえて辛口で評価します。
ジープ リーコンをあえて辛口で評価します。まず気になるのは、推定航続距離402kmという数値です。本格的なオフロード走行を想定すると、エアコンの使用や急勾配、悪路での電力消費を考慮すれば、実質的な航続距離はさらに短くなる可能性があります。長距離のトレイル走行や遠出の際には、充電計画が必須となり、ガソリン車のような自由度は期待できないかもしれません。
価格面でも、米国で約1,038万円からという設定は決して安くありません。同じ電動オフローダーとして、リビアンR1SやハマーEVといった競合車種が存在しますが、ブランド力や装備内容を考慮すると、価格競争力の面で優位性を発揮できるかは疑問が残ります。日本に導入される際には、さらに価格が上乗せされる可能性が高く、1,200万円を超える価格帯になることも予想されます。
また、「モアブ」トリムが米国とカナダ限定という点も残念です。日本市場に導入される際に、どのグレードが選択可能になるのか、本格的なオフロード仕様が手に入るのかは不透明な状況です。さらに、100kWhのバッテリーパックは重量増加の要因となり、2,050kgとされるラングラーよりもさらに重くなることが予想され、オフロードでの機動性に影響を与える可能性があります。
充電インフラの面でも課題があります。オフロードを楽しむような場所では、充電ステーションが整備されていないケースが多く、冒険の自由度が制限される恐れがあります。ジープの魅力は「どこへでも行ける自由」にありますが、EVという特性上、その自由が一部制約されることは避けられないでしょう。

ジープ リーコンのライバル車
ジープ リーコンの主なライバルとして挙げられるのは、リビアンR1SとハマーEV SUVです。
リビアンR1Sは、クアッドモーター仕様で最大1,025馬力を発生し、0-60mph加速は2.6秒という驚異的なパフォーマンスを誇ります。3列シート7人乗りの設定もあり、家族向けとしての実用性も兼ね備えています。航続距離や燃費効率の面でも優れており、ジープ リーコンにとって手強いライバルとなります。
ハマーEV SUVは、より大型でラグジュアリー志向の電動オフローダーです。CrabWalk™システムや選択可能なロッキング電子ディファレンシャル、リアルタイムのリフト機能など、独自のオフロード技術を搭載しています。インフィニティルーフや補助スイッチのカスタマイズなど、個性的な装備も魅力です。
これらのライバルと比較すると、ジープ リーコンの強みは、ジープブランドの伝統とトレイルレーティング認証、そして約1,038万円からという比較的手の届きやすい価格設定にあります。工具不要で着脱可能なドアやリアゲートガラスといった、ジープならではの開放感を楽しめる機能も、他のライバルにはない魅力です。
ジープ リーコンの主要スペック

まとめ
2025年11月19日に発表されたジープ リーコンは、ブランド初の完全電動トレイルレーティングSUVとして、新時代のオフロード体験を提案するモデルです。650馬力、840Nmという圧倒的なパワーと瞬時のトルク供給により、3.7秒で0-100km/h加速を達成する一方で、ジープの伝統である着脱式ドアやオープンエア体験も継承しています。米国での価格は約1,038万円からと設定され、リビアンR1SやハマーEVといった競合車に対して価格競争力を持つポジショニングとなっています。2026年初頭から米国とカナダで生産・販売が開始され、その後グローバル展開される予定で、日本導入も予告されています。航続距離402kmという電動車としての制約はあるものの、電動化とオフロード性能の両立という新たなチャレンジは、自動車業界における大きな一歩と言えるでしょう。



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