新型BMW X1/iX1:軽快な走りが特徴の高級コンパクトSUV 価格は586万円 [徹底解説]

BMW X1は、2009年にデビューして以来、上質なデザインと優れた乗り心地を兼ね備えたプレミアムコンパクトSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)として人気を博してきました。SAVとはBMW独自のSUVカテゴリーの名称です。特に、そのコンパクトながら大胆なボディデザイン、小回りの効く操作性、スポーティな走行性能が評価されています。そして、その新型モデルが2023年2月17日に発表されました。この新型モデルではBMWのスモール・コンパクト・セグメントで初めての電気自動車、BMW iX1もラインアップに加わりました​​。

車の概要:新型BMW X1とは?

BMW X1は、コンパクトSUVのラインナップの中で特別な存在です。2009年に初代モデル(E84型)が登場して以来、BMWのSUVセグメントにおける入門モデルとしての地位を築き上げてきました。この車両は、BMWの伝統的なスタイルとドライビング性能を小型SUVのカタチでもちゃんと実現し、都市部での取り回しやすさと高速道路での快適性を両立しています。

初代BMW X1は、2009年から2015年まで生産され、特に都市部での使用に適したデザインとパフォーマンスを提供しました。2015年に登場した第2世代(F48型)は、サイズと品質感を向上させ、より広い顧客層に受け入れられました。

そして、2023年に発表された新型BMW X1(U11型)は、このモデルの進化の集大成と言えるかもしれません。新型X1は、デザイン、技術、そしてパフォーマンスの面で大幅に刷新されています。外観はより洗練されつつもアグレッシブなデザインになり、内装も高品質な素材と最新のテクノロジーを採用。エンジンラインナップは、効率とパフォーマンスを両立するために電動化の技術が取り入れられています。BMWは全車種の電動化を目指す中で、新型X1にもEVモデルが追加されました。

新型BMW X1のエクステリアデザイン

新型BMW X1のエクステリアデザインは、最近のBMWらしいアグレッシブで個性的なスタイルを特徴としています。このモデルの最大の目玉は、正方形に近い大型なBMW特有のキドニーグリルです。このグリルは、X1の顔とも言える存在で、コンパクトなボディにもかかわらず、力強く、存在感のある印象を与えています。両端まで伸びたアダプティブLEDヘッドライトは、環状のシグネチャーを2回繰り返すツイン・サーキュラーのデザインを進化させており、これがさらにBMWとしての個性を高めています。

サイドビューでは、シンプルかつ立体感のあるモノリシック・シェイプデザインが採用されています。空力特性を高め、スポーティな印象を与えるために、ドアハンドルはドアパネルと一体化されたフラッシュ・ハンドルを採用。これにより、滑らかで洗練されたサイドビューが実現されています。

リヤビューでは、水平方向のキャラクターラインと新造形のクリアガラスとダーク・スモーク・ガラスのL字型テールライトの組み合わせが特徴的です。

さらに、モダンなイメージを保ちつつエレガントに仕上げた「xLine」と、スポーティさを増した「M Sport」という2つのデザインラインが用意されており、好みに応じて選択が可能です。

新型BMW X1の全長×全幅×全高は4500×1835×1645mm、ホイールベースは2690mmで、先代と比較して全ての寸法が延長されています。これによりより安定した走行と広い室内空間が実現されています。

新型BMW X1のインテリアデザイン

新型BMW X1のインテリアデザインは、最新のBMWデザイン言語を反映しており、高度な技術と洗練された快適性の融合が特徴です。キャビン内には、現代的なデザインと機能的な美しさが絶妙に組み合わされています。

ダッシュボードとコントロールパネル

新型X1のインテリアの目玉は、BMWカーブド・ディスプレイです。このディスプレイは、メーターパネルとコントロール・ディスプレイを一体化&大型化させ、運転席から見やすいように湾曲しており、視認性と、情報表示と操作の便利さを両立させています。また、シフトレバーが廃止され、コントロールパネルは一体型のフローティング・アームレストと組み合わされ、モダンで洗練された印象を与えます。これにより、ドライバーは快適な運転姿勢を保ちながら、必要なすべての機能に簡単にアクセスできます。
また、センターコンソールには、非接触充電機能付きのスマートフォントレイが設置されており、スマートフォンなどのQi対応デバイスをワイヤレスで便利に充電できます。

パーソナル・アシスタント

BMWの「インテリジェント・パーソナル・アシスタント」は、AIを駆使してドライバーの日常を革新します。音声対話により車両操作や情報アクセスが可能で、自然言語処理技術により、より人間らしい会話を実現しています。このシステムはドライバーの指示や質問を理解し、関連する機能やサービスを起動。さらに、使用頻度に応じてドライバーの嗜好を学習し、長期間使用するほどにドライバーに適応していきます。
このパーソナル・アシスタントのユニークな特徴は、ドライバーがシステムに任意の「名前」を付けられる点です。例えば、「OK, BMW」という標準の呼びかけだけでなく、「X1」のようなカスタマイズされた名前を設定することが可能で、これによりより親密でストレスフリーな使用体験が提供されます。

このシステムは、話しかけるだけで車両の操作や目的地設定が可能で、Apple CarPlayに対応し、BMWコネクテッド・ドライブを通じて、スマートフォンで事前に検索した目的地を車両に送信するなど、簡単で便利に利用することが可能です。

シートと座り心地

新型X1のインテリアでは、特に後席の快適性が魅力的です。コンパクトSUVながら大人3人が座れるフルサイズシートが装備されており、座り心地は大幅に向上しています。40 : 20 : 40分割可倒式リヤシートは、柔軟な荷室スペースの配置を可能にし、トランク容量は通常時540リットルから、最大1600リットルまで拡大します。また、オプションでリヤシートの前後調整が可能となります。

新型BMW X1のドライビング性能

まず、ガソリンエンジンを搭載した「BMW X1 xDrive20i」には、2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・ガソリンエンジンが搭載されています。このモデルは、最高出力204PSと最大トルク300Nmを発揮し、7速ダブルクラッチトランスミッションを備えています。燃料効率はWLTCモードで12.9km/L、JC08モードで14.3km/Lとなっています。

ディーゼルエンジンモデル「BMW X1 xDrive20d」では、2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・ディーゼルエンジンが採用され、最高出力150PS、最大トルク360Nmを誇ります。こちらも7速ダブルクラッチトランスミッションに加え、48Vマイルドハイブリッドシステムが装備されています。このモデルの燃料消費率は、WLTCモードで19.5km/L、JC08モードで22.6km/Lに達し、セグメント内でトップクラスの数値を実現しています。

「BMW X1 M35i xDrive」は、BMW M社が開発したMパフォーマンスモデルです。2.0L直列4気筒BMWツインパワー・ターボ・ガソリンエンジンを搭載し、最高出力317PS、最大トルク400Nmを発揮します。Mスポーツブースト機能付きの7速ダブルクラッチトランスミッション、xDrive 4輪駆動システム、機械式リミテッドスリップデファレンシャル、アダプティブMサスペンションなど、高いパフォーマンスを引き出すための装備が盛り込まれています。

そして、電気自動車「BMW iX1 xDrive30」は、前輪および後輪に電気モーターを搭載した4輪駆動モデルです。最高出力はシステムトータルで272PS、最大トルクは494Nmに達し、0-100km/h加速はわずか5.6秒(ヨーロッパ仕様車)となっています。バッテリーは66.5kWhのリチウムイオン電池で、一充電での走行可能距離は465kmとなっています。

新型BMW X1の安全性能・運転支援技術

新型BMW X1の安全性能は、最新の技術を駆使してドライバーの安全を支援する様々なシステムで構成されています。

ドライビング・アシスト機能では、高性能カメラとレーダー、そして高性能プロセッサーを用いて、精度高く正確な分析を実現しています。このシステムは、アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付き)、レーン・チェンジ・ウォーニング(車線変更警告システム)、レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)、衝突回避・被害軽減ブレーキ(事故回避ステアリング付き)、クロス・トラフィック・ウォーニング、そしてペダル踏み間違い急発進抑制機能など、多彩な安全支援機能を標準装備しています。

また、パーキング・アシスタントには、リバース・アシスト機能が追加されています。この機能は、車両が時速35km以下で走行したルートを最大50mまで記憶し、バックで正確に同じルートを戻ることができます。特に日本のように細い道が多い環境では、対向車とのすれ違い時に安全かつ確実に元のルートに戻ることが可能になります。これらの機能は、日常の運転をより安全で快適にするために設計されており、先進的な技術の力を余すことなく発揮しています。

新型BMW X1の価格

新型BMW X1の価格は586万円から786万円です。

  • BMW X1 xDrive20i(ガソリンモデル):586万円
  • BMW X1 xDrive20d(ディーゼルモデル):606万円
  • BMW X1 M35i xDrive(高性能モデル):786万円
  • BMW iX1 xDrive30(EVモデル):698万円

新型BMW X1の発売時期

新型BMW X1の日本での販売は、2023年2月17日に開始されました。

新型BMW X1の辛口評価

BMW X1をあえて辛口で評価します。

まずは価格がコンパクトSUVとしては高いことが挙げられます。
また、インテリアについて、シンプルで洗練されている反面、メルセデス・ベンツなどと比べると物足りない印象を受けるとも考えられます。 後席のスペースについては、身長が高い人や大人が乗ると、やや窮屈に感じるかもしれません。
iX1についてはEVとしてもう少し航続距離が欲しかったところです。

新型BMW X1のライバル車

BMW X1の競合モデルは以下の通りです。


メルセデス・ベンツ GLA

GLAは、メルセデス・ベンツのプレミアムコンパクトSUVです。X1のライバルとして最もよく比較されるモデルで、ボディサイズや価格帯がほぼ同じです。走行性能や内装の質感も、互角と評価されています。価格は599万円から。

アウディ Q3

Q3は、アウディのプレミアムコンパクトSUVです。X1とGLAと並ぶ、プレミアムコンパクトSUVの代表的なモデルです。X1よりも先進的な技術や最新の安全装備を搭載しているという特徴があります。価格は470万円から。

ボルボ XC40

XC40は、ボルボのプレミアムコンパクトSUVです。X1よりも安全装備が充実しており、デザインも洗練されているという特徴があります。価格は529万円から。

ランドローバー レンジローバー イヴォーク

イヴォークは、ランドローバーのプレミアムコンパクトSUVです。プレミアムコンパクトSUVの中でも、最も個性的なモデルです。高級感のある内装や、優れたオフロード性能を備えているという特徴があります。価格は699万円から。

レクサス UX

UXは、レクサスのプレミアムコンパクトSUVです。日本の美意識をルーツとしたインテリアや高い燃費性能、高いコストパフォーマンスが特徴的。価格は400万円から。

まとめ

BMWのエントリーSUVとして重要な役割を担うBMW X1。今回のフルモデルチェンジで、アグレッシブかつ洗練されたデザインへアップデート。デジタル化されたインテリア。そして電動化を推し進めた豊富なパワートレインのラインナップ。高級コンパクトSUVの人気者の地位は揺るがないでしょう。

また新型X1/iX1は自動車専門家からの評価も高く、日本カー・オブ・ザ・イヤー 2023-2024の10ベストカーを受賞しました。10ベストカーについては以下の記事で詳しく解説しています。

BMW X1 公式ページはこちら

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